JP3077508U

JP3077508U - 着物用腰巻き帯板

Info

Publication number: JP3077508U
Application number: JP2000007952U
Authority: JP
Inventors: まつえ三田村
Original assignee: まつえ三田村
Priority date: 2000-11-07
Filing date: 2000-11-07
Publication date: 2001-05-25
Anticipated expiration: 2006-11-07

Abstract

(57)【要約】【課題】締め紐を必要とすることなく一人でも帯を簡
易かつ迅速に結ぶことができ、しかも、腰に巻いて着用
する際には適度な剛性および可撓性によって着用者の腰
部が真っ直ぐに保持され、腰への負担を軽減することを
実現する着物用腰巻き帯板を提供すること。【解決手段】着物を着装する際に腹部周りに巻き付け
る可撓性を有する所要幅の帯板３であって、中央部のパ
ッド本体１の背当面11には、弾性バンド２・２が長手方
向に沿って両端が固着された帯挟着部と、前記パッド本
体１の両側部には、着脱自在な面着ファスナー部31・31
とを備えており、この面着ファスナー部31・31にて腹部
周りに掛合し、帯Ｂを胴体に巻き付けて結わえ付けて所
望の結帯飾りを容易に作出することができるように構成
するという技術的手段を採用した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、着物等の結帯に用いる帯板の改良、更に詳しくは、締め紐を必要とすることなく、一人でも帯を簡易かつ迅速に結ぶことができ、しかも、腰に巻いて着用する際には適度な剛性および可撓性によって着用者の腰部が真っ直ぐに保持され、腰への負担を軽減することを実現する着物用腰巻き帯板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のとおり、和服などの着物を着装する際、腹部周りに帯を巻いてその両端を背中で結び合わせることにより着物を身体に固定する。このような着物の身体への固定が帯の本来の目的であるが、帯には着物に装飾美を付加増進するという別の目的もあり、着物の生地の色柄のみに限らず、着物全体としての装飾性の調和という点で大きな役割を占めている。

【０００３】前記の着物の装飾機能を帯により付加増進する最も効果的な方法は、幅広の長い帯を結び、この結び目において縦横に幾重にも折り曲げて当該結び目に各種形状の美しい大きな飾りを施すというものである。このような帯の結び目における折曲装飾には、大きくて重い結び目がずれ落ちないように持ち上げるための帯板が用いられるのが通常であり、これによって結帯飾りの作出を簡略化せしめ、結び目の全体形状を整えることができる。

【０００４】ところで、図２に示すものは従来の帯板であるが、この帯板を用いて、帯の折り曲げによる飾りを結び目に施しながら帯を結ぶ場合、帯が解けて飾りが崩れてしまわないように、その都度、締め紐を用いて当該帯の所定部位を押さえて締め付ける必要があり、そのためには締め紐を何本も用意しなければならなかった。しかも、これらの締め紐による帯の締付作業は非常に面倒で手間がかかるので、一人では容易に為し得ないという不満があった。

【０００５】また、従来の帯板では、パッド本体１を身体に固定するための締め紐３′に十分な幅がないがために、胴体がギュッと締め付けられる窮屈感があって着心地が悪く、逆に、締め紐による帯の締め付けを弱くすると、帯が緩んで形状を維持できずに飾りが崩れてしまい、美しい飾りを帯の結び目に施すことができないという不満があった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の帯板を用いて帯を結ぶ際に上記の如き問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、締め紐を必要とすることなく一人でも帯を簡易かつ迅速に結ぶことができ、しかも、腰に巻いて着用する際には適度な剛性および可撓性によって着用者の腰部が真っ直ぐに保持され、腰への負担を軽減することを実現する着物用腰巻き帯板を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。

【０００８】即ち、本考案は、着物を着装する際に腹部周りに巻き付ける可撓性を有する所要幅の帯板３であって、中央部のパッド本体１の背当面11には、弾性バンド２・２が長手方向に沿って両端が固着された帯挟着部と、前記パッド本体１の両側部には、着脱自在な面着ファスナー部31・31とを備えており、この面着ファスナー部31・31にて腹部周りに掛合する一方、帯Ｂを胴体に巻き付けて結わえ付け、当該帯Ｂの各帯端Be・Beのうちの長手の帯端Be部分を所要の長さ取り出して折り返して作成される帯輪奈Bm・Bm…を纏めて所望形象の帯飾りＤを形成し、この帯飾りＤを背当面11の帯挟着部において前記２本の弾性バンド２・２に引き通すか、または同弾性バンド２・２を背当面11から延出させて引き通して挿通させ、短手の帯端Be部分にて引き締めて結束することによって所望の結帯飾りを容易に作出することができるように構成するという技術的手段を採用した。

【０００９】また、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、面着ファスナー部31・31を、ベルクロ式ファスナーにするという技術的手段を採用した。

【００１０】更にまた、本考案は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、帯板３は、剛性プレートが芯材として内部に介装されることにより剛性および可撓性を付与するという技術的手段を採用した。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案の実施形態を具体的に図示した図面に基いて更に詳細に説明すると次のとおりである。

【００１２】本考案の実施形態の腰巻き帯板を図１に基いて説明する。図中、符号１で指示するものはパッド本体であり、このパッド本体１は、帯の結び目の形状を整えるためのものであって、硬質シート材や合成樹脂製の板材で作製してあり、背当面 11は体型に沿うように内方に若干湾曲している。

【００１３】符号２で指示するものは弾性バンドであり、この弾性バンド２は、前記パッド本体１の背当面11に取り付けられ、所要の剛性を有しながらも、伸縮性に富んだゴムを布帛で被覆したものを採用している。本実施形態では、この弾性バンド２は背当面11において長手方向に沿って両端を縫合して固着してある。また、当該弾性バンド２はゴム弾性を有するので、弾性バンド２の中央部を指で摘んで引っ張ると、弾性バンド２の裏面と背当面11の表面との間、または２本の弾性バンド２・２同士の間に大きな隙間（帯挟着部）が作出され、この帯挟着部に着物の帯を簡単に挿通することができる。そして、指で引っ張っている弾性バンド２を放すと、挿通された帯を弾性バンド２の復元力により挟着して安定に保持することができる。

【００１４】符号３で指示するものは、パッド本体１を背中に固定するための帯板であり、この帯板３は約15cm〜30cm程度の所要幅を有しており、その長さは胴体に巻き付けて結ぶのに十分な長さである。本実施形態においては、中央部のパッド本体１の両側部に当該帯板３・３が形成されており、各々の帯板３には面着ファスナー部31を配設し、この面着ファスナー部31として着脱自在なベルクロ式ファスナーを採用することにより、着用者の体型に合わせて固定することができる。また、剛性プレートを内部に介装することによって適度な剛性および可撓性を付与せしめてコルセット的な効果を奏し、着用者の腰への負担を軽減することができる。この剛性プレートとして、樹脂製のものや厚手のボール紙などを採用することができる。

【００１５】そして、上記のように構成した、着物を着装する際に腹部周りに巻き付ける可撓性を有する所要幅の帯板３であって、中央部のパッド本体１の背当面11には、弾性バンド２・２が長手方向に沿って両端が固着された帯挟着部と、前記パッド本体１の両側部には、着脱自在な面着ファスナー部31・31とを備えてなる腰巻き帯板を使用した結帯例を図３から図８に基づいて時系列で順次説明する。

【００１６】まず、図３に示すように、本考案の腰巻き帯板を、帯板３に配設された面着ファスナー部31・31にて腹部周りに掛合して装着し、次に、図４に示すように、帯Ｂを前記装着した腰巻き帯板の上に重ね合わせるように巻き付け、この帯Ｂの両端を互いに縒り合せて仮結びする。この場合、一方の帯端Beから仮結びまでの帯の長さを短く（短手）、他方の帯端Beから仮結びまでの帯の長さを十分長くした（長手）状態で、帯Ｂを仮結びから垂らしておく。

【００１７】そして、図５に示すように、当該帯Ｂの各帯端Be・Beのうちの長手の帯端Be部分を所要の長さで折り返して帯輪奈Bm・Bm…を作出し、止め紐や輪ゴムなどの固定手段Ｓによって纏めて固定することにより、その位置で固定手段Ｓにより帯輪奈Bm・Bm…が折り重なって蝶の羽根のような帯飾りＤが形成される。

【００１８】次いで、図６に示すように、パッド本体１の背当面11に取り付けられた２本の弾性バンド２・２をパッド本体１の上側に引き出して、そこに前記帯飾りＤを挿通する。すると、その挿通位置（帯挟着部）において弾性バンド２の復元力により当該帯飾りＤが挟着される。

【００１９】そして、図７に示すように、短手の帯端Be部分を帯Ｂの裏側へ潜らせて前記帯挟着部に巻き付けて引き締めて結束することによって所望の結帯飾りを固定することができる。

【００２０】最後に、図８に示すように、挟着部分を巻き込んで締め付け、帯Ｂの短手の帯端Be部分の余剰分は、パッド本体１の裏側に隠して表面からは見えないようにすことにより帯飾りが仕上がる。このように帯Ｂを弾性バンド２に挿通・挟着して結ぶだけで帯飾りが得られるので、結帯時間を大幅に短縮できる。

【００２１】なお、本実施形態において図示したものは着用者の背面における結帯作業を表わしているが、本考案の帯板を使用する場合、着用者本人が自分の身体の腹部前方にて、予め所望の帯飾りを作出し、然る後にその帯飾りを胴回りに回転させることによって背面方向に回り込ませて結帯飾りを配置させることができるので、今まで人手がどうしても必要であった結帯作業を簡単に一人で行うことが可能となった。

【００２２】本考案は概ね上記のように構成されるが、本考案は図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、本実施形態のパッド本体１においては、２本の弾性バンド２・２を使用しているが、２本以上の弾性バンド２を取り付けることも可能であるし、弾性バンド２の素材としてゴム以外の伸縮性に富んだ弾性材を採用することも可能である。

【００２３】また、帯板３の芯材である剛性プレートとしては、合成樹脂やボール紙以外でも軽量な金属板などを使用することができ、また、面着ファスナー部31は、ベルクロ式ファスナーに限らず、スナップ式ファスナーや粘着式テープを使用しても良く、何れのものも本考案の技術的範囲に属する。

【００２４】

【考案の効果】

以上、実施形態を挙げて説明したとおり、本考案にあっては、帯が解けて飾りが崩れるのを防止するのに、中央部のパッド本体の背当面に、弾性バンドが長手方向に沿って両端を固着することにより弾性バンドが従来の帯板の機能を代用するので、帯を結ぶ際に帯板を別個に用意する必要がなく、帯板だけで帯を結ぶことが可能となり、帯による飾りを結び目に施しながら帯を簡易かつ迅速に結ぶことができる。

【００２５】また、本考案の腰巻き帯板を使用する場合、着用者本人が自分の身体の腹部前方にて、予め所望の帯飾りを作出し、然る後にその帯飾りを胴回りに回転させることによって背面方向に回り込ませて結帯飾りを配置させることができるので、今まで人手がどうしても必要であった結帯作業を簡単に一人で行うことが可能となり、実際に従来の帯板を用いる結帯した場合では30分以上も要していた結帯時間が僅か２〜３分に短縮された。

【００２６】また、帯の折り返しや弾性バンドへの挿通の仕方を工夫することにより、飾り帯の結び目には花や蝶などの各種形状の帯飾りを施すことが可能である。

【００２７】更に、従来のように締め紐による胸元の締め付けもなく、また、剛性および可撓性を有する帯板を胴体に巻き付けて、着用者の腰部を真っ直ぐに保持することによって腰への負担が軽減されて着物の着心地が非常に良くなることから、産業上における利用価値は頗る高いものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施形態の帯板を表わす全体斜視図で
ある。

【図２】従来の帯板を表わす全体斜視図である。

【図３】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【図４】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【図５】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【図６】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【図７】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【図８】本考案の実施形態の帯板を用いた結帯例の一部
を示した正面説明図である。

【符号の説明】

１パッド本体 11 背当面２弾性バンド３帯板３′ 締め紐 31 面着ファスナー部Ｂ帯 Bm 帯輪奈 Be 帯端Ｄ帯飾りＳ固定手段

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】着物を着装する際に腹部周りに巻き付け
る可撓性を有する所要幅の帯板３であって、中央部のパ
ッド本体１の背当面11には、弾性バンド２・２が長手方
向に沿って両端が固着された帯挟着部と、前記パッド本
体１の両側部には、着脱自在な面着ファスナー部31・31
とを備えており、この面着ファスナー部31・31にて腹部
周りに掛合する一方、帯Ｂを胴体に巻き付けて結わえ付
け、当該帯Ｂの各帯端Be・Beのうちの長手の帯端Be部分
を所要の長さ取り出して折り返して作成される帯輪奈Bm
・Bm…を纏めて所望形象の帯飾りＤを形成し、この帯飾
りＤを背当面11の帯挟着部において前記２本の弾性バン
ド２・２に引き通すか、または同弾性バンド２・２を背
当面11から延出させて引き通して挿通させ、短手の帯端
Be部分にて引き締めて結束することによって所望の結帯
飾りを容易に作出することができるように構成したこと
を特徴とする着物用腰巻き帯板。
【請求項２】面着ファスナー部31・31は、ベルクロ式
ファスナーであることを特徴とする請求項１記載の着物
用腰巻き帯板。
【請求項３】帯板３は、剛性プレートが芯材として内
部に介装されることにより剛性および可撓性が付与され
ていることを特徴とする請求項１または２記載の着物用
腰巻き帯板。