JPS6349230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は上蓋内部に装着されたベローズからの
加圧空気を容器内に吹き込み、容器内に収容され
た液体を、内部空気圧で押し出すエアー式のポツ
トに関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来より、この種のポツトは容器内の液体を注
出させる際には、容器内の圧力を上昇させる必要
がある反面、容器内の液体を注出しない時には、
液体より発生する蒸気等により、容器内の圧力が
上昇するのを防止する必要がある。さもなければ
容器内の圧力上昇にともなつて、注出管から容器
内の液体が噴出して床面を濡らしたり、あるい
は、熱湯で火傷するという危険性を有している。
この為に、従来からこの種のポツトにおける蓋の
構造は、第１図に示す通り、蓋体１０１の内部に
設けられたベローズ１０２の上面空気流通孔１０
３にセツトされた弁１０４の孔１０５、さらに押
し板１０６にある蒸気孔１０６ａを介して、外部
と連通した構造となつており、蒸気の流通経路は
矢印ａの如くなつている。

従来、この構造においては、ベローズ１０２内
部が常に蒸気の通路となつており、通常、ポリエ
チレン等の樹脂で薄肉状に成形されたベローズ１
０２は、高温蒸気により著しく寿命が低下すると
いう問題があつた。

考案の目的 本考案は上記問題点に鑑みて、ベローズの寿命
を飛躍的に高めることを目的としたものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は、容器内へ
空気を吹き込み容器内の液体を外部に注出させる
ベローズを備え、このベローズ内に、上端開口部
を前記ベローズの上端開口部と連通させ、かつ下
部はベローズと密閉して一体的となして容器内へ
通じる空気噴出孔を備えた第２のベローズを設け
て容器内と器体外部との空気流通路としたもの
で、この構成によれば、通常時はベローズと第２
のベローズは確実にシールされてポンプの働きを
なし、かつ操作時に内面に圧力のかかる外側のベ
ローズには、高温の蒸気が触れることはないた
め、このベローズの耐久性は飛躍的に向上する。
またこの場合の第２のベローズは、機械的強度は
あまり必要とされないため、耐久的には問題はな
く、その結果、特別に精度を要する部品の嵌合も
必要としないため、スムーズな押し板操作が行な
え、しかもベローズ内だけの構成で、蓋体内に別
個に蒸気通路を設ける必要はないため、蒸気通路
の構成を経済的に得ることができる。

実施例の説明 以下、本考案の実施例について第２図〜第４図
を参照して説明する。

第２図において、１は有底筒状のステンレス鋼
板等で形成された容器であり、その底部外周に
は、マイカ等の絶縁体に収納して、アルミニウム
等で、シームされた主ヒーター２、補助ヒーター
３が、一体でバンドヒーターを形成し、装着され
ている。また容器１の底面には、主ヒーター２の
通電を制御する第１の温度調節器４と、補助ヒー
ター３を制御する第２の温度調節器５が密着保持
されている。

容器１の上端には外周方向に伸設したフランジ
部１ａを一体に有し、このフランジ部１ａには注
口パツキング６を介して注口７を設け、ボデー８
に載置されている。

９は容器１の開口部に着脱自在に載置された中
蓋であり、略中央には、空気孔９ａと連通孔９ｂ
をもつ蒸気室９を有している。さらに下方には、
転倒流出防止弁１０を内蔵した弁室１１を有して
いる。そしてステンレス鋼板等で形成され開口１
２ａを設けた支持枠１２にネジ等で固着され、こ
の支持枠の周囲に設けた中蓋パツキング１３によ
り、容器１に気密的に装着される。１４は弁室１
１から容器１の底部に伸設する昇水パイプであ
り、上端は、容器１の外方に伸設し先端には下方
向に開口した注出口１５ａを備えた注出パイプ１
５と弁室１１で連結されている。

１６は注口７の後部で枢着された蓋体であり、
その上部中央部には上面を開口した円筒部１６ａ
を設け、この円筒部１６ａ内には上下摺動可能な
押し板１７を設けてある。この押し板１７の下部
に収納されたベローズ１８に内蔵されたうず巻バ
ネ１９に抗してベローズ１８を圧縮操作すること
ができる。ベローズ１８は蓋体１６の蓋カバー２
０に密閉して一体的に設けられ、その上部には逆
止弁２１をうず巻きバネ１９によりベローズ１８
の上端開口部１８ａと一定の隙間を確保して配設
し、下部には空気噴出孔８ｂを備えている。

逆止弁２１には側面部に蒸気孔２１ａを備えて
おり、下方には前記ベローズ１８内に別の空気流
通路を構成する第２のベローズ２２が設けられて
いる。

この第２のベローズ２２の下方は前記ベローズ
１８と密閉して一体的になつており、ベローズ１
８の空気噴出孔１８ｂに通じており、上部はベロ
ーズ１８の上端開口部１８ａに通じている。２３
はベローズ１８と溶着して一体的に設けられた保
護板である。２４は第２のベローズ２２と中蓋９
との間を連絡する蓋パツキンである。

上記構成において、容器１内に水を入れ、中蓋
９を嵌入し蓋体１６を装着し、ヒーター２，３に
通電すると、その熱によつて水は加熱される。そ
して湯が沸くにしたがつて蒸気が発生すると、支
持枠１２の開口１２ａから入つた蒸気は中蓋９の
連通孔９ｂ、蒸気室９ｃを通り、空気孔９ａを経
て、第３図に矢印ｂで示すごとく、空気噴出口１
８ｂより第２のベローズ２２内を通り、蒸気孔２
１ａから蓋体１６の円筒部１６ａに入り、押し板
１７に設けられた排気孔１７ａより器体外へ放出
される。また前記円筒部１６ａ内においては、保
護板２３の壁と押し板１７の壁が密接して設けら
れており、蓋体１６の他の部分に蒸気が流入する
のを防止している。

容器１内の液体を注出するときは、第４図に示
すごとく、押し板１７を下方へ押すと、ベローズ
１８内の空気が、蒸気孔２１ａより第２のベロー
ズ２２内に入り、空気噴出口１８ｂより中蓋９の
空気孔９ａ、蒸気室９ｃ、連通孔９ｂをへて、支
持枠１２の開口１２ａより容器１に入り、内部圧
力上昇により、液体を器体外へ注出する。

考案の効果 上記実施例から明らかなように本考案によれ
ば、容器内へ空気を吹き込み容器内の液体を外部
に注出させるベローズを備え、このベローズ内
に、上端開口部を前記ベローズの上端開口部と連
通させ、かつ下部はベローズと密閉して一体的と
なして容器内へ通じる空気噴出孔を備えた第２の
ベローズを設けて容器内と器体外部との空気流通
路としているため、通常時はベローズと第２のベ
ローズは確実にシールされてポンプの働きをな
し、かつ操作時に内面に圧力のかかる外側のベロ
ーズには、高温の蒸気が触れることはなくなり、
その結果、このベローズの耐久性は飛躍的に向上
する。またこの場合の第２のベローズは、機械的
強度はあまり必要とされないため、耐久的には問
題はなく、その結果、特別に精度を要する部品の
嵌合も必要としないため、スムーズな押し板操作
が行なえ、しかもベローズ内だけの構成で、蓋体
内に別個に蒸気通路を設ける必要はないため、蒸
気通路の構成を経済的に得ることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のエアー式ポツトの蓋部の断面
図、第２図は本考案の実施例におけるエアー式の
ポツトの一部欠載正面図、第３図は同ポツトの蓋
部の断面図、第４図は同ポツトの注出操作時の蓋
部の断面図である。 １……容器、１８……ベローズ、２２……第２
のベローズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器内へ空気を吹き込み容器内の液体を外部に
   注出させるベローズを備え、このベローズ内に、
   下部をベローズと密閉して一体的となして容器内
   へ通じるベローズの空気噴出孔と連通させた第２
   のベローズを設け、この第２のベローズの上端開
   口部には側面部に蒸気孔を有する逆止弁を取付
   け、この逆止弁を前記ベローズの上端開口部内に
   上下摺動自在に設け、さらにこの逆止弁の上部に
   は排気孔を有する押し体を設け、この押し体の押
   圧操作時には、前記逆止弁を押し下げて、この逆
   止弁の蒸気孔を介して前記ベローズと第２のベロ
   ーズとを連通させ、かつ押し体を押圧操作しない
   時は、逆止弁を第２のベローズにより上方に押し
   上げて、第２のベローズの上端部を前記ベローズ
   の内部上面に密着させるとともに、前記ベローズ
   の空気噴出孔と押し体の排気孔とを逆止弁の蒸気
   孔を介して連通させるようにしたエアー式のポツ
   ト。