JPS5931150Y2 - 湯沸し型エア−ポツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ポット内部に湯沸し用のヒータを備えしかも
ポット上部の蓋体内に配置されたエアーポンプからの加
圧空気によって液容器内の液体を該液容器内外を連絡す
る一連の液体通路を通して外部へ押し出すことができる
ようにした湯沸し型エアーポットに関し、さらに詳しく
はそのような湯沸し型エアーポットにおける液体加熱時
の蒸気抜き構造に関するものである。

従来のこの種の湯沸し型エアーポットにおいては、液体
加熱時に発生する高温蒸気は、エアーポンプ内に侵入し
さらに該エアーポンプの天板に形成された吸入口からポ
ット上方に向けて放出されるようになっている。

しかしながらこの従来の湯沸し型エアーポットでは、液
体加熱時に発生する蒸気が高温状態のままで比較的集中
的に上方に向けて放出されるために危険性が高く、シか
もポンプ押圧操作板等に形成した蒸気放出穴が上向きに
開口しているのでそこから塵埃が侵入し易いという問題
があった。

本考案は上記の如き従来の湯沸し型エアーポットの問題
点に鑑み、液体加熱時に発生する高温蒸気の大部分を蓋
体と下口部材の間の内部空間に一次的に放出させ、次い
で蓋体とポット本体の間の隙間から外部へ向けて二次的
に放出させることができるようにし、しかも蒸気抜穴か
ら塵埃が入り難いように構成した湯沸し型エアーポット
を提供することを目的とするもので゛ある。

以下、図示の実施例に基づいて本考案の湯沸し型エアー
ポットを説明すると、第１図に示す実施例の湯沸し型エ
アーポットは、保温兼用となっており、外ケース４内に
液容器５を収容しさらに該外ケース４の上部に皿状の下
口部材６を載置固定してなるポット本体１と、内部にベ
ローズ式エアーポンプ９を収容してなる蓋体２と、液容
器５内の液体Ｗを注出するための注液管ユニット１０と
によって構成されている。

蓋体２はポット本体１の上部に蝶番３によって枢動開閉
自在に枢着されている。

液容器５は金属製薄板によって形成されており該液容器
５の下方部外層には湯沸し用ヒータ１１ａ及び保温用ヒ
ータ１１ ｂからなる液体加熱用ヒータ１１が取付けら
れている。

この各ヒータ１１ａ。１１ ｂはそれぞれ液容器５の底
部下面に取付けられた温度制御装置４１．４２によって
その発熱が制御されるようになっている。

下口部材６のほは沖央部には液容器５の上部開口５ａと
連通ずる栓差込穴７が形成されている。

下口部材６の前部には注液管ユニット１０を装着するた
めの凹部２８が形成されている。

注液管ユニット１０は、下方向に延びる液体汲上管１２
と横方向に延びる液体注出管１３とを内部に通水路１５
を有する接続部材１４を介して相互に連通状態で接続さ
せて構成している。

液体注出管１３の先端には注口管１７が取付けられてい
る。

なお液体汲上管１２、接続部材１４内の通水路１５及び
液体注出管１３によって液容器５内の液体Ｗを注出する
ための一連の液体通路１６を構成している。

下口部材６の前側凹部２８にはその底部に下方に延びる
筒状穴２９が形成されている。

該筒状穴２９は液容器５の肩部５ｂに形成された穴３９
と連通している。

注液管ユニット１０はその液体汲上管１２を下口部材６
の筒状穴２９及び液容器肩部５ｂの穴３９を通して着脱
自在に装着される。

蓋体２内に装着されたエアーポンプ９はポンプ天板２１
とポンプ底板２２の間にベローズ筒２３を介設して形成
されており、ポンプ天板２１の中央部には吸入口２４が
、又ポンプ底板２２のほぼ中央部には吐出口２６がそれ
ぞれ形成されている。

ポンプ吸入口２４には吸入弁２５が設けられている。

ポンプ底板２２と吸入弁２５の間にはポンプ伸張用のス
プリング２７が介設されている。

なお吸入弁２５はポンプ休止時には吸入口２４を開放さ
せ、ポンプ操作板１９の押圧時には吸入口２４を閉塞せ
しめる如く作用する。

ポンプ天板２１の上部にはエアーポンプ押圧用のポンプ
操作板１９が配設されている。

ポンプ底板２２の下面には栓体８が一体的に取付けられ
ている。

この栓体８は閉蓋時には前記栓差込穴７の開口縁部に気
密的に接触する。

又、この栓体８内には閉蓋時にエアーポンプ９内と液低
器５内とを連絡するための通気路１８が形成されている
。

ポンプ底板２２と下口部材６０間には空所２０が形成さ
れている。

この空所２０はポット本体１の上端外周部と蓋体２の下
端外周部との間の全周に形成される隙間から外気と連通
している。

ポンプ底板２２にはベローズ筒２３の内側においてポン
プ底板２２と下口部材６との間に形成される空所２０に
向けて開口する蒸気抜穴３０が形成されている。

この蒸気抜穴３０は液体加熱時及び保温時に発生する蒸
気を前記空所２０中に放出するためのもので、該蒸気抜
穴３０には弁３１が設けられている。

この弁３１はポンプ休止時には閉弁しポンプ押圧時には
空気圧によつ開弁する。

なお他の実施例ではこの蒸気抜穴３０をポンプ吸入口と
し、弁３１を吸入弁として作用させることができ、この
場合にはポンプ天板２１に形成した吸入口２４及び吸入
弁２５は省略することができる。

なお、蒸気抜穴３０は栓体８の通気路１８と前記空所２
０とを連通させるよう栓体側壁８ａを横方向に貫通させ
て形成してもよい。

次に図示の実施例の湯沸し型エアーポットの作用を説明
すると、湯沸し用ヒータ１１ ａに通電すると液容器５
内の液体Ｗが加熱されて該液体Ｗがら高温蒸気が発生す
るが、その蒸気は栓内通気路１８を通ってエアーポンプ
９内に侵入しさらに該エアーポンプ９内に侵入した蒸気
はその大部分がポンプ底板２２に形成した蒸気抜穴３０
からポンプ底板２２と下口部材６との間の空所２０内に
一次的に放出され、そこで膨張して温度降下する。

空所２０内に充満した蒸気はポット本体１の上端外周部
と蓋体２の下端外周部との間の隙間から全周方向の広範
囲に向けて二次的に外気中に放出される。

なお、エアーポンプ９内に侵入した蒸気の一部はポンプ
天板２１の吸入口２４から放出され、その蒸気は蓋体２
の上部から上方に向けて放出されることがあるが、その
量は僅かである。

このように液体加熱時に発生する蒸気はポット上部にお
いて広範囲の方向に分散して放出されるため、その外気
中に放出される蒸気は比較的低温度となり火傷等の危険
性が少なくなる。

液体Ｗが所定温度（たとえば９５℃）まで加熱されれば
湯沸し用ヒータ１１ ａから保温用ヒータ１１ｂに切換
わり、その後は保温用ヒータ１１ ｂによって一定温度
に保温される。

ポンプ操作板１９を押圧すると、エアーポンプ９からの
加圧空気が栓内通気路１８内を通って液容器５内に吹き
込まれ、その加圧空気によって液容器５内の液体Ｗが液
体汲上管１２、通水路１５及び液体注出管１３からなる
一連の液体通路１６を通って注口管１７から外部へ注出
される。

なおエアーポンプ９の押圧操作時には蒸気抜穴３０の弁
３１は空気圧によって閉弁する。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案の湯沸し型エ
アーポットは、エアーポンプ９の底板２２又は栓体８に
液容器５の内部と下口部材内空所２０とを連通させる蒸
気抜穴３０を形成しているので、液体加熱時に発生する
高温蒸気の大部分は蒸気抜穴３０を通って空所２０内に
一次的に放出されて温度降下し、さらにその蒸気はポッ
ト本体１と蓋体２の間に形成される隙間からの全周方向
に向けて二次的に放出されるため、外気中に放出される
蒸気は比較的低温度となっており、火傷等の危険性は大
幅に軽減されるものである。

又、本考案の湯沸し型エアーポットでは、蒸気抜穴３０
が下口部材内空所２０に向けて開口しているため、その
蒸気抜穴３０からエアーポンプ９内にゴミ等が侵入する
ことがなく、衛生的であるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる湯沸し型エアーポット
の縦断面図である。 １・・・・・・ポット本体、２・・・・・・蓋体、４・
・・・・・外ケース、５・・・・・・液容器、６・・・
・・・下口部材、７・・・栓差込穴、８・・・・・・栓
体、９・・・・・・エアーポンプ、１１ ａ・・・・・
・湯沸し用ヒータ、１６・・・・・・液体通路、２０・
・・・・・空所、３０・・・・・・蒸気抜穴、３１・・
・・・・弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外ケース４内に湯沸し用ヒータ１１ ａを備えた液容器
   ５を収容し、且つ前記外ケース４の上部に下口部材６を
   載置固定してなるポット本体１の上部に、内部にエアー
   ポンプ９を収容してなる蓋体２を載置し、さらに前記下
   口部材６の栓差込穴７に前記エアーポンプ９と前記液容
   器５を連絡する通気路１８を有する栓体８を嵌装する一
   方、前記エアーポンプ９からの加圧空気を前記通気路１
   ８を通して前記液容器５内に吹き込み、その加圧空気に
   よって前記液容器５内の液体Ｗを該液容器５内外を連絡
   する一連の液体通路１６を通して外部へ押し出すように
   するとともに、前記エアーポンプ９の底板２２又は前記
   栓体８には前記液容器５の内部と前記下口部材６内空所
   ２０とを連通させる蒸気抜穴３０を形成しさら・に該蒸
   気抜穴３０には前記エア−ポンプ９操作時の空気圧によ
   って閉弁する弁３１を設けたことを特徴とする湯沸し型
   エアーポット。