JPH0323144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、内容器の中に水等の液体を貯蔵し、
この液体を加熱、沸騰させて保温するジヤーポツ
トに関するものである。

（従来の技術） 一般にお茶、コーヒー、紅茶等の味や香りを引
き出す為に、水道水のカルキ等による特有の味を
除去することが必要であり、又、このような特有
の味を除去する手段として水道水を沸騰させるこ
とが広く知られている。

しかるに、この種の沸騰型のジヤーポツトにお
いては、沸騰により発生した蒸気がポリエチレン
樹脂又はポリプロピレン樹脂等からなるベローズ
ポンプ内に侵入し、ベローズポンプを劣化させる
という欠点を有するものであった。

この欠点を除くために例えば特開昭59−160417
号及び特開昭59−164020号公報による如くベロー
ズポンプ（公報では手動ポンプ）無操作時に内容
器内に発生した蒸気を外部に放出する蒸気放出通
路を蓋組内に設けたものがある。

（考案が解決しようとする問題点） しかるにかかる構造にあつては例えば蒸気放出
通路の手直し等を行う時に分解、組立に時間がか
かり、サービス性の点から非常に手間のかかる欠
点があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、ベ
ローズポンプの無操作時に内容器内に連通状態に
なる蒸気放出通路を蓋組下側に設け、かつ、ベロ
ーズポンプの無操作時にベローズポンプの空気排
出口部を閉塞してポンプ内に蒸気の侵入を阻止す
る袋状のパツキンを有するベローズシヤフトを空
気排出口部に設けて、沸騰時発生する蒸気をベロ
ーズポンプ内に侵入させなくして、ベローズポン
プの劣化を防止するとともにサービス性の向上し
たジヤーポツトを得るにある。

（作用） このようにすることによつて沸騰時発生した蒸
気はベローズポンプ無操作時に蓋組に設けた蒸気
放出通路からジヤーポツトの外部へ放出されると
ともに蒸気放出通路も非常にサービス性の良い位
置になる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

本実施例の構成は第１図及び第２図に示す如く
であり、図において１は液体を蓄える内容器で、
下部外周に前記液体を加熱、保温する帯状のヒー
ター２を巻回したものである。３は液体注出用の
注出路で、一方を内容器１底部に開口するととも
に他方をジヤーポツトの前面に位置する湯口カバ
ー４の下部に開口したものであり、注出路３の途
中に箱状の区画室６を設けるとともに区画室６の
内部に移動可能な鋼球５を設けている。７は外枠
で、印刷鋼板等からなり、ジヤーポツトの側面外
郭を形成するものであり、底部外郭部は底枠８に
より覆われるとともに底枠８は取付金具９を介し
てねじ１０により内容器１外底部に連結固定され
ている。１１は中蓋で、内容器１上部に位置して
内容器１の開口部を閉塞するものであり、中蓋１
１外周には気密性を保つための中蓋パツキン１２
を備えるとともに中蓋１１の中央部には内容器１
と蓋組１３の中央最下部に設けたふたリング１４
とを連通する蒸気通路１５を備えた中蓋つまみ部
１６を配置してある。１７は外枠７上部に位置す
る円筒状の本体リングで、内径側では内容器１を
支持するとともに、本体リング１７の後部側に蓋
組１３の回動中心となるヒンジ溝１８を備えてお
り、一方、前部側に蓋組１３の前面部両側に配置
したロツクボタン１９の爪部２０と係止する爪溝
部２１を備えている。蓋組１３は、蓋主体２２
と、蓋主体２２の下面開口を閉塞する蓋カバー２
３とにより外郭部を構成するとともに、蓋組１３
内にベローズポンプ２５を設けてあり、蓋カバー
２３の中央下部に前記の蒸気通路１５上部と当接
するシリコンゴム等よりなるふたリング１４を配
置するとともにふたリング１４中央部の上方に位
置する送気孔２４を蓋カバー２３に形成してあ
る。２６は空気排出口部で、送気孔２４上方に位
置してベローズポンプ２５からの空気を排出す
る。又、空気排出口部２６はベローズポンプ２５
の中央を貫通する如く位置するベローズシヤフト
２７の先端に設けた袋状のパツキン２８によりベ
ローズポンプ２５無操作時封止されるものであ
る。３０は蒸気穴で、ベローズポンプ２５無操作
時前記送気孔２４と連通するとともに蓋カバー２
３下部に位置して蓋組１３外部に設けた蒸気放出
通路２９へ内容器１に発生した蒸気を導く部位で
ある。３１は上板部材で、空気圧送用のベローズ
ポンプ２５上部に設けてあり、上板部材３１に形
成した中央吸気口３２外周にシリコンゴム等より
なるシール用パツキン３３を配置してある。更に
シール用パツキン３３の上部にこのシール用パツ
キン３３と当接するためのシールキヤツプ３４を
吸気スプリング３５を介して配置してあり、ベロ
ーズポンプ２５の無操作時吸気スプリング３５に
よつてシール用パツキン３３とシールキヤツプ３
４は開離するものである。３６はベローズスプリ
ングで、ベローズポンプ２５に設けられてベロー
ズポンプ２５を常時伸張方向に付勢するものであ
る。３７は押板で、シールキヤツプ３４の上面に
当接する如く配置してあり、ベローズポンプ２５
操作時の押圧操作に用いるものである。

次に本実施例の動作について述べる。

ベローズポンプ２５無操作時、第１図に示す如
く押板３７を押さないので内容器１内部に発生し
た蒸気は前記蒸気通路１５を通り、ふたリング１
４中央の穴を介して前記送気孔２４を通り、蒸気
穴３０，蒸気放出通路２９からジヤーポツトの外
部へ導かれる。また、ベローズポンプ２５操作
時、第２図に示す如く押板３７を押圧するので上
板部材３１上部のシール用パツキン３３とシール
キヤツプ３４が当接する。更に押板３７を押込と
吸気スプリング３５がベローズシヤフト２７を押
下げる如く付勢し、ベローズシヤフト２７先端の
袋状のパツキン２８は、下方部の蒸気穴３０まで
移動し、蒸気穴３０を密閉する。従つてベローズ
ポンプ２５内の空気は空気排出口部２６を通じて
排出され送気孔２４を介してふたリング１４中央
の孔、更にはその下部にある蒸気通路１５を介し
て内容器１内部へと圧送され、この圧送空気によ
り注出路３から内容器１内部の液体ジヤーポツト
の外部へ吐出する。また、蒸気放出通路２９は蓋
組１３下側にあるため、手直し作業などの場合短
時間で分解、組立が可能になる。

（考案の効果） 以上、本考案によれば、ベローズポンプの無操
作時、内容器に連通する蒸気放出通路を蓋組下側
に設けるとともにベローズポンプの空気排出口部
に蒸気の侵入を阻止する袋状のパツキンを設けた
ので、蒸気放出通路に係わるサービス性が向上す
るとともに沸騰時発生した蒸気はベローズポンプ
内に侵入しなくなつてベローズポンプの劣化を防
止し、耐久性のすぐれたジヤーポツトを得ること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すジヤーポツト
の断面図、第２図は同動作を説明するための要部
断面図である。 １……内容器、１３……蓋組、２５……ベロー
ズポンプ、２６……空気排出口部、２８……袋状
のパツキン、２９……蒸気放出通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体を蓄える内容器に液体を加熱するヒーター
   を設け、かつ、内容器の開口上部に空気排出口部
   を備えた蓋組を設け、更に内容器と大気間を連通
   する蒸気通路を備えるとともに前記空気排出口部
   を介して内容器内に空気を圧送するベローズポン
   プを蓋組内に設け、このベローズポンプを介した
   圧送空気により前記液体を注出路を介して内容器
   外に注出するジヤーポツトにおいて、内容器１よ
   り発生する蒸気を大気に放出する蒸気放出通路２
   ９を蓋組１３下側に設け、一方、ベローズポンプ
   ２５無操作時に蒸気放出通路２９と内容器１を連
   通するとともに、ベローズポンプ２５操作時に蒸
   気放出通路２９と内容器１の連通を阻止するパツ
   キン２８を有するベローズシヤフト２７を空気排
   出口部２６に設けたことを特徴とするジヤーポツ
   ト。