JP3683214B2 - 液体容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は飲料水等の液体を収容するための液体容器、特に蛇口を備えた注出機構にて液体容器内の液体を外部へ注出する液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体容器は内容器を囲んだ外装ケースの上端に肩部材を結合し、下端に底部材を結合し、内容器と外装ケースとの間に断熱材を充填し、肩部材の上端に内容器口元を覆う蓋体を着脱自在に装着し、内容器内の液体を上下動自在な操作レバーにて蛇口より外装ケース外へ注出する操作レバー式の注出機構を設けていた。
【0003】
この従来の液体容器では誤って操作レバーを軽く下げた場合、特に運搬時、操作レバーに身体の一部が接触して操作レバーを下げると蛇口より液体を注出し、その周辺を濡らしたり、又は衣服を濡らしていた。
このために、この注出機構の操作レバーにロック機構を取り付け、不使用時に蛇口より液体を注出することがないようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の液体容器では、注出機構の操作レバーのためのロック機構の構造が複雑で、部品点数が多く、組立作業も煩雑で大幅な製品のコスト高となっていた。
又、液体容器の内容器口元は完全に密閉すると注出機構の蛇口から液体を注出することが困難なために、この内容器口元は覆われた蓋体との間に常に隙間が設けられることとなっていた。そのために、隙間が余り大きくなると、液体容器の転倒時に一気に内容器内の液体が排出されるという問題点があった。従って、この内容器口元と蓋体との嵌合を常に設計上考慮しなければならず、煩わしい作業となっていた。
【0005】
そこで、本発明はこのような従来の液体容器が有していた課題を解決したものであって、
蓋体中央上面の密閉板開閉機構による押圧操作をワンタッチで行い得、内容器口元の空気流出、停止を制御することにより、空気流出で蛇口からの液体注出をスムーズに行うと共に、空気流出停止で不使用時の蛇口からの液体注出を確実に停止することができることを目的とした液体容器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液体容器は、内容器2を囲んだ外装ケース3の上端に肩部材4を結合し、内容器2と外装ケース3との間に断熱材7を充填し、肩部材4の上端に螺着する上蓋19と、内容器2口元を密に覆う中蓋20とからなる蓋体6を着脱自在に装着し、内容器2の下端前壁に蛇口12を突設し、この蛇口12に外部の操作レバー17にて内容器2内の液体を外部へ注出する注出機構8を設け、蛇口12の閉鎖状態を注出機構8の操作レバー17の作動と内容器2口元の密閉状態とにて操作する液体容器1に於いて、上記中蓋20に内容器2内と外部とを連通する小孔21を設け、この小孔21を開閉する密閉板34を設け、蓋体6内に密閉板34を操作する密閉板開閉機構22を設け、上蓋19中央上面より押圧操作にて密閉板開閉機構22を操作して、注出機構8の作動による蛇口12の開閉に合わせて、中蓋20の小孔21を開閉する構成としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図に基づき説明する。
図中、図1は本発明実施例の縦断面図、
図2は本発明実施例の注出状態を示す縦断面図、
図3は本発明実施例の蓋体の縦断面図、図4は本発明の密閉板開閉機構の他の実施例を示す縦断面図、図5は本発明の密閉板開閉機構の別実施例を示す一部断面図である。
【0008】
液体容器1は内容器2と、内容器2を囲んだ外装ケース3と、外装ケース3の上端に結合した肩部材4と、外装ケース3の下端に結合した底部材5と、肩部材4の上端で内容器2の口元を覆う蓋体6と、内容器2周面を覆った断熱材7と、内容器2内の液体を注出する注出機構8とから構成されている。9はハンドルである。
【0009】
内容器2は下部をアルミニウム、ステンレス等の金属材料にて有底筒状に形成し、上部を合成樹脂材料にて筒状に形成し、上端をやや細口に形成している。この内容器2は図1に示すように、下部側の上端を外側に折り曲げて、上部側の下端二股状内に嵌め込んで形成している。
外装ケース3は薄い鉄板を円筒状にハゼ折りし、上下端を内側へ折り曲げている。
【0010】
肩部材4は下端を外装ケース3の上端と無理嵌め結合した外側壁部10と、この外側壁部10の内側上部に一体形成した肩部11とを設けている。
この肩部11は中央を大きく開口しており、この開口を形成する周壁の下壁に内容器2の上部側と嵌合する嵌合溝を形成し、肩部11の外周壁に後述の蓋体6を螺着する螺子部を設けている。
【0011】
断熱材7は内容器2と外装ケース3、内容器2と肩部材4、内容器2と底部材5との各隙間に発泡ウレタン等にて充填されている。
この充填された断熱材7によって、内容器2の上部側と下部側との結合部、外装ケース3の上端と肩部材4との結合部、及び外装ケース3の下端と底部材5との結合部をより密に結合している。
【0012】
底部材5は上端を外装ケース3の下端と無理嵌め結合し、下端に折り畳みタイプの脚をを3〜4個設けている。
注出機構8は図1に示すように、内容器2内の液体を外部へ注出する蛇口12を備えた蛇口本体13と、蛇口本体13内の液体通路を開閉する弁体14と、弁体14を支える軸棒15と、弁体14にて常時液体通路を閉鎖するスプリング16と、軸棒15の突端に当接して弁体14を操作する操作レバー17と、外装ケース3外側より貫通して内容器2内に挿通した蛇口本体13を固定するナット18とからなっている。
【0013】
この注出機構8は図1に示すように、常時は操作レバー17を起立して、蛇口12に連通する蛇口本体13内の液体通路を弁体14にて閉鎖している。
この注出機構8は後述の蓋体6の密閉板開閉機構22によって、中蓋20の小孔21を開放した状態であれば、図2に示すように、操作レバー17を倒すとスプリング16に抗して操作レバー17の後端が軸棒15を内容器2内方へ押圧する。
【0014】
この軸棒15の押圧により弁体14が同時に押圧されて、蛇口本体13内の液体通路と蛇口12とを連通して内容器2内の液体を注出することができる。
更に、操作レバー17を起立するとスプリング16の復帰にて軸棒15と共に弁体14を前方へ押圧し蛇口本体13内の液体通路と蛇口12とを閉鎖することとなる。
【0015】
この注出機構8は操作レバー17の操作にて行っているが、この操作レバー17に代わって軸棒15の突端を大きく前方へ突出して、操作レバー17を兼用しても全く支障なく行うことができる。
又、この注出機構の構造に拘わらず、公知の注出機構の構造であっても、何ら支障をきたすものではない。
【0016】
蓋体6は肩部11の螺子部に螺着する上蓋19と、内容器2内の口元と連通した肩部11の中央の開口を密に覆う中蓋20と、中蓋20の中央に形成した小孔21を開閉する密閉板開閉機構22とからなっている。
23は内容器2口元を密閉するためのシールパッキンである。
【0017】
上蓋19は中央に下向きに開口した中央案内筒24を設けている。この中央案内筒24は外周壁に後述の固定筒32と螺着するネジを刻設しており、内周面に上部を小径部、下部を大径部とし、小径部に周方向に沿って順次深溝、中間部、浅溝、中間部を等間隔に形成している。この深溝及び浅溝には後述の押ボタン29の係合突起35が上下動自在に嵌合している。この浅溝、中間部の下端は同一方向に傾斜面を形成している。
中蓋20は中央に小孔21を形成し、その周りに間隔を隔てて中蓋中央筒28を形成している。この中蓋中央筒28の上端には後述の固定筒32を螺着するネジ部を設けている。
【0018】
密閉板開閉機構22は上蓋19の中央案内筒24を上下動する押ボタン29と、押ボタン29の下側にあって中央に軸30を垂下した作動筒31と、この作動筒31を覆った固定筒32と、作動筒31と固定筒32との間のバネ33とからなっている。
軸30は固定筒32の中央を貫通し下端に中蓋20の小孔21を開閉する密閉板34を設けている。
【0019】
押ボタン29は外周下端に複数個の係合突起を下端面に三角歯状の凹凸をそれぞれ設けている。
作動筒31は下端外周に前記係合突起に比較してラジアル方向の突出量が大である突子を設けている。これら突子の数は前記係合突起の数の半数である。
【0020】
固定筒32は有底筒状で底の中央に軸30を貫通する中央孔を形成し、下部外周に中蓋20のネジ部に螺着する外周ネジと、上部内周に上蓋19の中央案内筒24外周と螺着する内周ネジを設けている。
軸30は下端に密閉板34を一体的に形成し、この密閉板34外周壁にパッキンを張設しており、軸30の降下時、この密閉板34にて中蓋20の小孔21をパッキンを介して密閉している。
【0021】
密閉板開閉機構22では中蓋20の小孔21の開放時に作動筒31の突子が中央案内筒24の深溝に嵌め込まれた位置にあるが、押ボタン29を押し下げると、係合突起を介して下動される。突子が中間部の下先端より下方に押し下げられると、係合突起と突子とが傾斜状に接触していることに起因して、突子は横動する。更に、押ボタン29から手を離すと、バネ33の復元力により作動筒31は上動せんとするが、その突子の上動が浅溝下方の傾斜面により阻止され、作動筒31は停止され、閉鎖状態となる。
【0022】
このように、本実施例では押ボタン29、作動筒31、固定筒32、中央案内筒24、及びバネ33の作用によって、最初の押動操作により押ボタン29、及び密閉板34を閉鎖状態に維持でき、次の押動操作により押ボタン29、及び密閉板34を開放状態に復帰することができるようにしている。
【0023】
しかしながら、この密閉板開閉機構22は図4に示すように、押ボタンに変わるレバー29’を起立すると、軸30’と共に軸30’の下方に設けた密閉板34’を下動させて、中蓋20の小孔21を開放する。更に、レバー29’を横倒するとバネ33’の復帰にて軸30’と密閉板34’とを押上げ、中蓋20の小孔21を密閉板34’にて閉鎖する機構であってもよい。
【0024】
又、この密閉板開閉機構22は図5に示すように、中蓋20の小孔21を中蓋20下側よりゴム等の弾性板の密閉板34’’にて覆うように設けて、閉鎖する機構であってもよい。
【0025】
この密閉板開閉機構22は中蓋20の小孔21を密閉板34にて開閉でき、その操作が確認できる構造のものであれば、従来の例えば、栓式の栓回動操作による開閉機構、スライド釦の摺動操作による密閉板開閉機構、レバーの押圧操作による密閉板開閉機構等であっても何ら支障をきたすものではない。
【0026】
次に、操作について説明する。
内容器2内の液体を蛇口12より注出するには、先ず、蓋体6に備えた密閉板開閉機構22の押ボタン29を押圧すると、固定筒32上のバネ33が作動して押ボタン29と共に作動筒31を上方へ押上げると同時に軸30を上方へ押上げ、軸30下端の密閉板34と中蓋20の小孔21との間に隙間を設け、内容器2口元の密閉状態が開放される。
【0027】
このとき押ボタン29の上端は上蓋19の上面よりも上方へ押し上がった状態を維持している。
この開放状態で注出機構8の操作レバー17を前方へ倒すと、軸棒15が押圧され弁体14を内容器2内側へ押圧、蛇口本体13内の液体通路と蛇口12とが連通して、蛇口12より内容器2内の液体を注出することができる。
【0028】
次に、操作レバー17を起立させると、スプリング16が復帰して蛇口本体13内の液体通路と蛇口12とが弁体14にて閉鎖される。更に、密閉板開閉機構22の押ボタン29を押下げると、バネ33を圧縮した状態とし、作動筒31、軸30、及び密閉板34を押下げ、密閉板34にて中蓋20の小孔21を閉鎖することとなる。
【0029】
この中蓋20の小孔21が密閉板34にて閉鎖されていると、内容器2の口元は完全に密閉状態となるために、内容器2内の液体には外圧が全くかからなくなって、注出機構8の操作レバー17を倒しても蛇口12から注出することはない。従って、上蓋19より上方に密閉板開閉機構22の押ボタン29が突出したときにのみ、注出機構8の操作レバー17の操作にて蛇口12より内容器2内の液体が注出できるのである。
【0030】
以上本発明の代表例と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ本発明にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から既に明らかなように、本発明にいうところの液体容器は内容器を囲んだ外装ケースの上端に肩部材を結合し、内容器と外装ケースとの間に断熱材を充填し、肩部材の上端に螺着する上蓋と、内容器口元を密に覆う中蓋とからなる蓋体を着脱自在に装着し、内容器の下端前壁に蛇口を突設し、この蛇口に外部の操作レバーにて内容器内の液体を外部へ注出する注出機構を設け、蛇口の閉鎖状態を注出機構の操作レバーの作動と内容器口元の密閉状態とにて操作する液体容器に於いて、上記中蓋に内容器内と外部とを連通する小孔を設け、この小孔を開閉する密閉板を設け、蓋体内に密閉板を操作する密閉板開閉機構を設け、上蓋中央上面より押圧操作にて密閉板開閉機構を操作して、注出機構の作動による蛇口の開閉に合わせて、中蓋の小孔を開閉する構成としているので、蓋体中央上面の密閉板開閉機構による押圧操作をワンタッチで行い得、内容器口元の空気流出、停止を制御することにより、空気流出で蛇口からの液体注出をスムーズに行うと共に、空気流出停止で不使用時の蛇口からの液体注出を確実に停止することができるという顕著な効果を期待することが出来るに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の縦断面図、
【図2】本発明実施例の注出状態を示す縦断面図。
【図3】本発明実施例の蓋体の縦断面図。
【図4】本発明の密閉板開閉機構の他の実施例を示す縦断面図。
【図5】本発明の密閉板開閉機構の別実施例を示す一部断面図。
【符号の説明】
1…液体容器
2…内容器
3…外装ケース
4…肩部材
6…蓋体
8…注出機構
12…蛇口
13…蛇口本体
14…弁体
15…軸棒
16…スプリング
17…操作レバー
19…上蓋
20…中蓋
21…小孔
22…密閉板開閉機構
23…シールパッキン
Claims (1)
- 内容器(2)を囲んだ外装ケース(3)の上端に肩部材(4)を結合し、内容器(2)と外装ケース(3)との間に断熱材(7)を充填し、肩部材(4)の上端に螺着する上蓋(19)と、内容器(2)口元を密に覆う中蓋(20)とからなる蓋体(6)を着脱自在に装着し、内容器(2)の下端前壁に蛇口(12)を突設し、この蛇口(12)に外部の操作レバー(17)にて内容器(2)内の液体を外部へ注出する注出機構(8)を設け、蛇口(12)の閉鎖状態を注出機構(8)の操作レバー(17)の作動と内容器(2)口元の密閉状態とにて操作する液体容器(1)に於いて、上記中蓋(20)に内容器(2)内と外部とを連通する小孔(21)を設け、この小孔(21)を開閉する密閉板(34)を設け、蓋体(6)内に密閉板(34)を操作する密閉板開閉機構(22)を設け、上蓋(19)中央上面より押圧操作にて密閉板開閉機構(22)を操作して、注出機構(8)の作動による蛇口(12)の開閉に合わせて、中蓋(20)の小孔(21)を開閉することを特徴とした液体容器。
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