JPS6348338B2

JPS6348338B2 -

Info

Publication number: JPS6348338B2
Application number: JP55165689A
Authority: JP
Inventors: Takenao Ookawa; Takashi Shintaku; Shigenori Ootsuka
Original assignee: Mitsubishi Kasei Corp
Current assignee: Mitsubishi Kasei Corp
Priority date: 1980-11-25
Filing date: 1980-11-25
Publication date: 1988-09-28
Also published as: JPS5789767A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、電子写真法等において静電荷像を現
像するためのトナーに関するものである。詳しく
は、オープン定着法において良好な定着性を示
し、複写機の装置内部でのトナーによる汚染性が
低められたトナーであつて、しかも繰返しコピー
してもカブリ等の発生のない耐久性の高い静電荷
現像用トナーに関するものである。

電子写真法において静電荷像に従つたトナー画
像を熱的に定着する方法として、オーブン定着
法、フラツシユ定着法、熱ロール定着法などが使
用されているが、ニクロム線、赤外線ヒーター等
による輻射熱によつてトナーを加熱溶融し、トナ
ー画像を定着するオーブン定着法は、その優れた
定着効果のため、複写機その他静電方式のプリン
ター等に広く使用されている。

従来、オーブン定着法におけるトナーのバイン
ダー樹脂としては、一般に紙その他の基体への接
着性に優れ、又、比較的低温で軟化溶融するにも
かかわらず常温での保存安定性が良好であり、さ
らに、揮発分も少なく定着時に不快な臭いを生ず
ることがない等の特長を有するエポキシ樹脂が使
用されている。ところで、オーブン定着法におい
て、エポキシ樹脂を主成分とするトナーは基体で
ある紙と共に加熱され溶融状態となり紙に定着さ
れるが、定着されたトナーは容易には冷却されな
い。

通常、複写機等には紙がオーブンから自動的に
排出されるようにオーブンに近接して紙排出用ロ
ーラーが設けられているが、十分冷却されていな
い状態で定着されたトナーが、ローラーと接触す
ると、トナーの一部がこのローラーに融着し、コ
ピー上にローラーの跡を残してコピーを汚す。
又、連続コピーを行うとローラー自身の温度が上
昇するためこの現像が特に顕著になる。この様な
問題に対処する方法としてエポキシ樹脂の分子量
を上げ、トナーの軟化点を上げる方法が考えられ
るが、紙への定着性を低下させることとなり、逆
にオーブン温度を十分高温にしなければならず、
ローラーへの融着を防ぐことができない。

本発明者等は、先にエポキシ樹脂に低分子量ポ
リプロピレンを含有せしめてなるトナーを提案し
た。（特願昭55―96649）低分子量ポリプロピレン
を添加することにより、トナの低温定着性を保つ
たまま、紙排出用ローラーへの融着のないトナー
が得られるが、電荷賦与剤との相溶性が悪く、ト
ナー中の電荷賦与剤の分散性が低下する傾向が見
られる。

本発明者等は、かかる点に留意し、更に検討を
重ねた結果、電荷賦与剤を予め低分子量ポリプロ
ピレンに分散させておけば、電荷賦与剤の分散性
が改良された、従つて、カブリの発生の少ないよ
り耐久性の改良されたトナーが得られることを知
得し、本発明を完成するに到つた。

すなわち、本発明の要旨は、エポキシ樹脂、電
荷賦与剤および電荷賦与剤を分散含有してなる低
分子量ポリプロピレンを混練してなる静電荷現像
用トナーに存する。

以下本発明を説明するに、本発明で使用される
エポキシ樹脂としては、ビスフエノールＡとエピ
クロルヒドリンとの重縮合物等の所謂汎用エポキ
シ樹脂であつて、オーブン定着法において良好な
定着性を示すものであればいずれも使用し得る。
かかるエポキシ樹脂は、通常、分子量900〜4000
で、軟化点70〜150℃を有している。本発明にお
いては、基体への定着性とローラーへの融着性の
バランスから特に分子量1400〜3000で、軟化点90
〜120℃のものが好ましい。

電荷賦与剤としては、公知の種々のものが使用
できるが、ニグロシン系染料、トリフエニルメタ
ン系染料およびクロム含有金属錯体系染料、特に
ニグロシン系染料が好適に使用される。

ニグロシン系染料としては、例えば、オリエン
ト・スピリツト・ブラツクAB、オリエント・ス
ピリツト・ブラツクSB、ニグロシンオイルブラ
ツクEX、ソルベントブラツク＃５、ソルベント
ブラツク＃７（以上商品名、オリエント化学製）、
スピリツト・ブラツクNo.850、スピリツト・ブラ
ツクNo.900（以上商品名、住友化学製）等が挙げら
れる。

トリフエニルメタン系染料としては、例えば、
下記の様なものが挙げられる。

また、クロム含有金属錯体系染料としては、例
えば、ザボンブラツクRE、バリフアースト
＃3804（商品名、オリエント化学製）等が挙げら
れる。

低分子量ポリプロピレンとしては、通常、分子
量2000〜30000、好ましくは、4000〜15000のもの
が使用できる。

本発明において、エポキシ樹脂および電荷賦与
剤と混練する低分子量ポリプロピレンは、予め所
望の電荷賦与剤を分散含有している。電荷賦与剤
としては前記と同じものが使用できる。かかる電
荷賦与剤を加熱溶融した低分子量ポリプロピレン
中に添加し、撹拌する溶融分散法等によつて電荷
賦与剤の均一に分散含有した低分子量ポリプロピ
レンが得られる。使用に際しては、粉砕し、必要
に応じ分級したものを使用する。

低分子量ポリプロピレン中に分散含有させる電
荷賦与剤は、低分子量ポリプロピレン100重量部
に対して１〜100重量部、好ましくは、２〜50重
量部の範囲から選ばれる。

本発明のトナーは、上記エポキシ樹脂、電荷賦
与剤および電荷賦与剤を分散含有する低分子量ポ
リプロピレンを、トナー組成中、エポキシ樹脂が
98.5〜75重量％、好ましくは、98.5〜88.5重量％、
電荷賦与剤が0.5〜10重量％、好ましくは、0.5〜
５重量％、低分子量ポリプロピレンが１〜15重量
％、好ましくは、１〜10重量％となるように添加
し、通常の方法で混練、粉砕、分級することによ
り得られる。

本発明のトナーは、上述のエポキシ樹脂、電荷
賦与剤、および電荷賦与剤を分散含有する低分子
量ポリプロピレンの他にカーボンブラツクを含有
する。

カーボンブラツクとしては、種々の公知のもの
が使用できる。例えば、三菱カーボンブラツク
＃30、＃32、＃33、＃40、＃44、＃45、＃50、
＃52、＃55、＃600、MA―８、MA―11、MA―
100、MA―600、MCF―88（以上、三菱化成工業
株式会社製、商品名）等が挙げられる。

カーボンブラツクは、エポキシ樹脂及び低分子
量ポリプロピレン100重量部に対して、通常、１
〜10重量部使用される。

本発明のトナーは、必要に応じ、さらに他の着
色顔料等通常トナーに添加される各種添加剤を含
有していてもよい。これら添加剤は、トナー組成
物中、0.1〜10重量％の範囲で使用される。

かくして、電荷賦与剤の分散性良好なトナーが
得られるが、本発明のトナーは、鉄粉等の公知の
キヤリアーと組合せて現像に供する。

使用されるキヤリアーには特に限定はないが、
150〜400メツシユの粒度の鉄粉が好適に使用され
る。トナーはキヤリアー100重量部に対して、通
常、３〜10重量部の範囲で使用される。

以上、説明したような本発明のエポキシ樹脂を
主成分とするトナーとキヤリアーとを組合せて得
られる現像剤をオーブン定着式の複写機を使用し
てコピーすれば、良好な定着性を示し紙排出用ロ
ーラーへのトナー融着もなくきれいなコピーが得
られるのである。

更に、本発明のトナーはキヤリアーへの融着が
少なく、従つてキヤリアーの電気抵抗の上昇や現
像剤の帯電性の変化が少なく、繰返しコピーを行
つても、カブリ等の発生することのない耐久性の
良好な現像剤を与えるのである。

以下実施例によつて、本発明を更に具体的に説
明するが本発明は以下に限定されるものではな
い。

実施例１ 500c.c.の４ツ口フラスコに低分子量ポリプロピ
レン（分子量6000）を300ｇ入れ油浴により180℃
に加温し30分間溶融させる。次いでニグロシンオ
イルブラツクEX（オリエント化学社製）を30ｇ添
加し、撹拌により30分間均一分散を行つた。均一
分散後、冷却、粉砕し、300ｇの電荷賦与剤を分
散含有する低分子量ポリプロピレン試料を得た。

この試料３重量部とエピコート1004（シエル化
学社製エポキシ樹脂、分子量1400、軟化点90℃）
100重量部、カーボンブラツクMA―８（三菱化成
社製）５重量部及びニグロシンオイルブラツク―
EX（オリエント化学社製）５重量部を溶融、混練
し、更に粉砕、分級し、平均粒径15μのトナーを
得た。

このトナー６重量部を150〜250メツシユの粒度
をもつた鉄粉100重量部と混合し、酸化亜鉛を感
光体とするオーブン定着式複写機を使用して6000
枚のコピーをとつた所、コピー汚れもなく定着性
の良好なコピーが得られた。又、初期より6000枚
までカブリの少ないコピーが得られ、高い耐久性
を示す現像剤であることが判つた。

実施例２分子量14000の低分子量ポリプロピレン300ｇを
使用するほかは実施例―１と全く同様にして電荷
賦与剤を分散含有する低分子量ポリプロピレン試
料を得た。

得られた試料を３重量部使用して実施例―１と
同様にトナー化し性能評価した所コピー汚れもな
く、定着性良好なコピーが得られた。

又、初期より6000枚まで、カブリの少ないコピ
ーが得られ、高い耐久性を示す現像剤であること
が判つた。

実施例３低分子量ポリプロピレン（分子量6000）200ｇ
とニグロシンオイルブラツクEX100ｇとを実施例
―１と同様に溶融分散し、得られた試料を３重量
部使用し、トナー化して性能評価した所コピー汚
れもなく定着性良好なコピーが得られた。又初期
より6000枚までカブリの少ないコピーが得られ高
い耐久性を示す現像剤であることが判つた。

実施例４ 500c.c.の４ツ口フラスコに溶剤としてキシレン
300ｇを入れ、油浴により110℃に加温し、次いで
低分子量ポリプロピレン（分子量6000）を50ｇ添
加し、30分間撹拌して溶解させ、次いでニグロシ
ンオイルブラツクEX（オリエント化学社製）５ｇ
を添加し、30分間撹拌し、分散させ、次いで真空
下で、キシレン溶剤を飛ばした。

次いで冷却、粉砕し試料40ｇを得た。

この試料を実施例―１と同様に３重量部使用し
てトナー化し評価した所コピー汚れもなく、定着
性の良好なコピーが得られた。

又、初期より6000枚まで、カブリの少ないコピ
ーが得られ高い耐久性を示す現像剤であることが
判つた。

実施例５低分子量ポリプロピレン（分子量6000）200ｇ
とクロム含有金属錯体系染料（バリフアースト
＃3804―オリエント化学社製）100ｇとを実施例
―１と同様に溶融分散し、得られた試料を３重量
部使用し、トナー化し性能評価した所コピー汚れ
もなく定着性良好なコピーが得られ、又高い耐久
性を示す現像剤であることが判つた。

実施例６低分子量ポリプロピレン（分子量6000）200ｇ
とトリフエニルメタン系染料（RP―00―オリエ
ント化学社製、前記式〔〕に相当）100ｇとを
実施例―１と同様に溶融分散し、得られた試料を
３重量部使用し、トナー化し性能評価した所コピ
ー汚れもなく、定着性良好なコピーが得られ、又
高い耐久性を示す現像剤であることが判つた。

Claims

【特許請求の範囲】１エポキシ樹脂、電荷賦与剤および電荷賦与剤
を分散含有する低分子量ポリプロピレンを混練し
てなる静電荷現像用トナー。２低分子量ポリプロピレンの分子量が2000〜
30000である特許請求の範囲第１項記載のトナー。３エポキシ樹脂の分子量が900〜4000である特
許請求の範囲第１項記載のトナー。４電荷賦与剤が、ニグロシン系染料である特許
請求の範囲第１項記載のトナー。５電荷賦与剤が、トリフエニルメタン系染料で
ある特許請求の範囲第１項記載のトナー。６電荷賦与剤が、クロム含有金属錯体系染料で
ある特許請求の範囲第１項記載のトナー。