JPS6347867B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、天井下地材や空調ダクトの吊り下げ
支持等に用いられる天井インサート金具の施工方
法に関するものである。

〔従来の技術〕

天井インサート金具をスラブコンクリートに埋
設する従来の施工方法の一つに、特公昭46−4429
号公報に見られるものがある。

この公報に示されている技術は、インサートを
釘或いは接着剤等によつて所要の間隔で取り付け
た帯状の基板を、コンクリート型枠の上面所定位
置に釘等により仮止め（記載はないが、仮止め位
置の墨出しが必要である。）し、その後コンクリ
ート型枠上にコンクリート打設後、該型枠を解体
し、基板をコンクリート内に埋設されたインサー
トより剥離するものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、釘や接着剤等で基板の所定位置にイン
サートを取り付けるのに多大の手間を要し、ある
いは、工場生産したものを利用する上でコストが
高くつき、その上、コンクリート型枠をセツトす
るたびに基板の取り付け位置を墨出しして、その
墨芯に合わせて基板を釘止めする煩わしくて面倒
な作業を要する。

しかも、前記基板をコンクリート型枠に取り付
けている釘が抵抗になつて、コンクリート型枠の
脱型が困難になり、また、基板にインサートを取
り付けている釘や接着剤のために、該インサート
から基板を取り外すことも困難であり、かつ、そ
のための作業手間も多大であつた。

更に、前記インサートから剥離した基板が無駄
で不経済であつた。

本発明は、上記の不都合を一挙に解消した天井
インサート金具の施工方法を提供することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するための本発明による天井
インサート金具の施工方法は、天井インサート金
具を弾性変形によつて嵌脱自在に嵌合保持するイ
ンサート金具保持部材をスラブ型枠の上面所定位
置に固着し、該インサート金具保持部材に前記天
井インサート金具を嵌合保持させた状態でスラブ
コンクリートを打設すると共に、該スラブコンク
リートの硬化後に、前記天井インサート金具のみ
をスラブコンクリート中に残した状態で、前記イ
ンサート金具保持部材を型枠と共に脱型する点に
特徴を有する。

〔作用〕

上記の方法によれば、スラブ型枠の脱型に伴つ
て前記インサート金具保持部材が弾性変形し、該
インサート金具保持部材が天井インサート金具か
ら離脱するもので、スラブコンクリート中に天井
インサート金具のみを残して、前記インサート金
具保持部材がスラブ型枠と共に脱型される。

而して、一旦インサート金具保持部材をスラブ
型枠の上面所定位置に取り付けさえすれば、該イ
ンサート金具保持部材付きのスラブ型枠をそのま
ま、上階のインサート金具埋設スラブの成形型枠
として転用することができる。

〔実施例〕

以下、本発明による天井インサート金具の施工
方法を図面に基づいて説明する。

先ず第１図に示すように、合板等よりなるスラ
ブ型枠１の上面所定位置に墨出しして、その墨芯
を基にしてインサート金具保持部材２を所定位置
に固着しておく。

上記のインサート金具保持部材２は、ゴムや合
成樹脂等の弾性材料製のものであつて、脚部２ａ
とそれよりも大径の頭部２ｂとを有し、ビス等の
止め具３または接着剤により前記スラブ型枠１の
上面所定位置に固着される。

次に、第２図イに示すように、前記スラブ型枠
１を所定位置にセツトすると共に、同図ロに示す
ように、前記インサート金具保持部材２の夫々に
当該インサート金具保持部材２を弾性変形させて
天井インサート金具４を弾性的に嵌着保持させ
る。

上記の天井インサート金具４は、奥拡がりで且
つ最小径が前記インサート金具保持部材２の頭部
２ｂよりも小さい空洞部を有するもので、前記空
洞部は、天井下地材や空調ダクト等のハンガー上
端部を挿入して、該ハンガーを90度回転させるこ
とにより、当該ハンガー上端部を抜け止めされた
状態に支持するためのものである。

この状態で所定のスラブ配筋を行い、次いで同
図ハに示すように、前記スラブ型枠１の上部にス
ラブコンクリート５を打設するのである。

そして、前記スラブコンクリート５の硬化後に
おいて、同図ニに示すように、前記スラブ型枠１
を脱型するのであるが、この脱型時に、該スラブ
型枠１に固着されているインサート金具保持部材
２が弾性変形して前記天井インサート金具４から
抜け出し、而して、前記天井インサート金具４の
みをスラブコンクリート５中に残したままで、前
記インサート金具保持部材２がスラブ型枠１と共
に脱型されるのである。

以上をもつて天井インサート金具４の施工を完
了するのであるが、前記脱型したスラブ型枠１に
は、それの上面所定位置にインサート金具保持部
材２が固着されたままであるから、該インサート
金具保持部材２付きのスラブ型枠１をそのまま、
上階のインサート金具埋設スラブの成形型枠とし
て転用することができるのである。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明による天井インサー
ト金具の施工方法は、スラブコンクリートの硬化
後におけるスラブ型枠の脱型時に、該スラブ型枠
に具備させたインサート金具保持部材を天井イン
サート金具から抜け出させて、前記スラブコンク
リート中に天井インサート金具のみを残した状態
で、前記インサート金具保持部材をスラブ型枠と
一対に脱型させる点に特徴を有し、而して、該ス
ラブ型枠は、その上面所定位置にインサート金具
保持部材を備えたままであるから、これをそのま
ま上階のインサート金具埋設スラブの成形用型枠
として転用できる。

即ち、所定の墨出しを行つてインサート金具保
持部材を一旦スラブ型枠の上面所定位置に取り付
けさえすれば、該インサート金具保持部材付きの
スラブ型枠を順次そのまま、上階のスラブ成形用
型枠として利用できるのであり、而して従来のよ
うに、型枠の脱型後に基板を取り外し、かつ、該
型枠を上階のスラブ型枠に用いるたびに当該型枠
に墨出ししてインサート付き基板を取り付けると
言つた手間を要することなく、天井インサート金
具を所定位置に配置することができる。

しかも、前記スラブ型枠の脱型に際して、前記
インサート金具保持部材を弾性変形させるだけで
あるから、当該スラブ型枠の脱型を極めて簡易且
つ迅速に行うことができる。

その上、前記スラブ型枠を繰り返し使用する上
で無駄になる構成部材が全くないので経済的であ
り、全体として、スラブ型枠にインサート金具保
持部材を固着して、該インサート金具保持部材を
スラブ型枠と共に脱型させる特異な施工技術によ
つて、従来の施工方法における不都合の悉くを解
消できるに至つたのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はイン
サート金具保持部材の斜視図、第２図イ〜ニは施
工手順を説明する概略縦断面図である。 １……スラブ型枠、２……インサート金具保持
部材、４……天井インサート金具、５……スラブ
コンクリート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 天井インサート金具を弾性変形によつて嵌脱
   自在に嵌合保持するインサート金具保持部材をス
   ラブ型枠の上面所定位置に固着し、該インサート
   金具保持部材に前記天井インサート金具を嵌合保
   持させた状態でスラブコンクリートを打設すると
   共に、該スラブコンクリートの硬化後に、前記天
   井インサート金具のみをスラブコンクリート中に
   残した状態で、前記インサート金具保持部材を型
   枠と共に脱型することを特徴とする天井インサー
   ト金具の施工方法。