JPS6347302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、振動を緩衝または吸収するインシ
ユレータに関するものである。

第１図は従従来のインシユレータの一部を破断
した側面図を示したものである。

この図において、１は半球状のゴム体で、中心
に取り付け用のボルト４を挿通する孔２と端部に
鍔部３が設けてある。５は前記ゴム体１に充填さ
れた弾性体としてのポリブテン、６は合成樹脂製
のカバー体で、一面にはフエルト７が、反対面に
は鍔部３がそれぞれ接着剤８で固着されている。

上記のように構成した従来のインシユレータ
は、ポリブテン５が充填されたゴム体１の鍔部３
を接着剤８によつてカバー体６に取り付け、手作
業で製造していた。したがつて、接着剤８の使用
量にばらつきが生じ易く、そのため接着剤８が少
ないと接着不良となり、接着剤８が多いと仕上り
が良くないので、作業性が悪く、また、作業者に
熟練度が要求されるという問題点があつた。

この考案は、上記の点にかんがみてなされたも
ので、カバー体とゴム体の固着をストツパリング
で行い、作業工数を削減したインシユレータを提
供するものである。以下、この考案を図面に基づ
いて説明する。

第２図はこの考案の一実施例を示すインシユレ
ータの一部を破断した分解図、第３図は第２図を
組み立てた側面図、第４図は第３図の部分拡大図
である。

第２図において、１１は合成樹脂製のカバー体
で、中心に取り付け用のボルト２９を挿通する孔
１２が設けられ、内平面にはリング状に内周突起
１３と、外周突起１４が形成されている。そし
て、外周突起１４の先端には連続して係止舌片１
５が設けてある。１６はゴム製の本体で、内周壁
１７、底面壁１８、外周壁１９、及びこの外周壁
１９に連続して鍔部２０が設けられている。この
鍔部２０には外周側が厚くなるように段差２１
（第４図参照）が形成される。

内周壁１７、底面壁１８および外周壁１９でド
ーナツ状の凹部２２が形成される。２３は前記凹
部２２の底面の位置に設けたフエルト、２４は前
記凹部２２に充填された弾力性のあるポリブテン
である。２５は合成樹脂製のストツパリングで、
カバー体１１の係止舌片１５と係合する係合面２
６とゴム製の本体１６の段差２１と衝合する段差
２７が設けてある。

本考案のインシユレータは上記したような構成
部品を組み立てることによつて形成されている。
すなわち、カバー体１１と内周突起１３と外周突
起１４の間にポリブテン２４を凹部２２に充填し
たゴム製の本体１６（すでにフエルト２３は取り
付けてある。）の外周壁１９と鍔部２０を入れ、
内周突起１３でゴム製の本体１６を位置決めす
る。そして、この状態でストツパリング２５を押
圧してカバー体１１の外周突起１４とゴム製の本
体１６の外周壁の間に嵌め込むと、ストツパリン
グ２５の係合面２６がカバー体１１の係止舌片１
５と係合してカバー体１１に固着される。そし
て、この状態ではストツパリング２５の段差２７
とゴム製の本体１６の段差２１に衝合し、カバー
体１１の内周突起１３と外周突起１４間に鍔部２
０を衝合するとともに、内周突起１３へ外周壁１
９を押圧する。

そして、第３図の状態のインシユレータが構成
される。このインシユレータは従来と同様にボル
ト２９で機器に取り付けることができる。

上述のように本考案のインシユレータは、接着
剤を使用せずにゴム製の本体１６をカバー体１１
にストツパリング２５により簡単に固着できると
いう利点があるが、さらに、この実施例によるイ
ンシユレータの場合は、さらに次のような利点も
みられる。

例えば、第４図の矢印Ａ方向より偏倚した荷重
がかかつても、ストツパリング２５の下端がカバ
ー体１１より下方向へ突出した状態に形成してあ
るので、載置台等にはストツパリング２５が先に
当つてゴム製の本体１６で制動され、カバー体１
１の損傷を防止できる。

さらに、ゴム製の本体１６とストツパリング２
５にそれぞれ段差２１，２７が設けてあるので、
第４図の矢印Ｂ方向へゴム製の本体１６を引く力
が作用しても段差２１，２７の衝合でゴム製の本
体１６が抜けるのを容易に防止することができ
る。また、ストツパリング２５とゴム製の本体１
６の外周壁１９の間にリング状の空間２８を設け
ると、インシユレータの下面よりゴム製の本体１
６の外周壁１９がストツパリング２５に最初に接
する固定点までの長さはL_lとなり、空間２８を設
けない場合の長さL_sよりも長くなつて振動を緩衝
または吸収する効果が同一寸法でよくなるととも
に、大きな荷重がかかつた時にはこの空間２８で
ゴム製の本体１６、ポリブテン２４の変形の逃げ
が確保できインシユレータの高さ寸法を小さくす
ることができる。

以上説明したように、この考案のインシユレー
タはカバー体の内周突起と外周突起の間に、弾性
体を充填したゴム製の本体の外周壁および鍔部を
挿入し、その鍔部をストツパリングで押圧して内
周突起、外周突起および係止舌片で係止するよう
にしたので、カバー体とゴム製の本体をストツパ
リングで簡単に固着できるとともに、製造工数削
減も計れるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインシユレータの一部を破断し
た側面図、第２図はこの考案の一実施例を示すイ
ンシユレータの一部を破断した分解図、第３図は
第２図を組み立てた側面図、第４図は第３図の部
分拡大図である。 図中、１１はカバー体、１３は内周突起、１４
は外周突起、１５は係止舌片、１６はゴム製の本
体、１７は内周壁、１８は底面壁、１９は外周
壁、２０は鍔部、２４はポリブテン、２５はスト
ツパリング、２６は係合面である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内平面に同心円状の内周突起と外周突起を設
   け、この外周突起の先端に係止舌片が形成されて
   いるカバー体と、内周壁、外周壁、および底面壁
   からなる凹状の内部に弾性体が充填され、前記外
   周壁の一端を鍔部としたゴム製の本体を備え、前
   記カバー体の同心円状の内周突起と外周突起の間
   に前記ゴム製の本体の鍔部を衝合して位置決めを
   し、前記外周壁と前記外周突起の間にストツパリ
   ングを嵌入して前記係止舌片の弾性により前記ス
   トツパリングを係止し、前記ゴム製の本体を前記
   カバー体に固着したことを特徴とするインシユレ
   ータ。