JPS6318823Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌用ワイパー等の駆動部に用いら
れるリンクの球継手連結構造に関するものであ
る。

リンクの球継手連結構造は、例えばワイパーの
駆動装置のリンクの球継手連結構造は、第１図に
示すように、図示を省略したワイパーモーター軸
に連動するリンクレバー１と連結棒４とが球面座
２と球継手３とを介して連結されている。

前記の如き構成において、各部品の断面形状
は、第２図に示す如く、球面座２は合成樹脂によ
りフランジと共に一体に形成され、その球面座２
の開口部から底部側に向つて複数条のスリツト２
ｂを設けて、そのスリツトとスリツトとの間を爪
部２ａとなし、かつ球面座２のフランジ部の内周
に円筒状の振れ止め面２ｃを設けている。また球
面座２のフランジ部には貫通穴２ｄを設け、この
貫通穴２ｄとリンクレバー１に設けた貫通穴１ａ
とにリベツト５を通してかしめることによりリン
クレバー１に球面座２を固定している。この球面
座２に嵌入する球継手３は、球体部の一方側に連
結棒４固定用の固定部３ａを有し、その反対側に
円柱状の振れ止め突起３ｂを設けている。そして
前記球面座２内に、球継手３を前記振れ止め突起
３ｂ側から強制的に嵌入させ、その固定部３ａに
連結棒４の貫通穴を通して、連結棒４の外側にお
いて固定部３ａの頭部をかしめることにより球継
手３に連結棒４を固定している。

前記のような構造であるから、連結棒４を有す
る球継手３は、振れ止め突起３ｂが球面座２の振
れ止め面２ｃに当接する迄の角度範囲内において
傾動することができる。

このような従来のリンクの球継手連結構造にお
いては、球継手３は球面座２の爪部２ａのつかみ
力で保持されるものであり、その爪部２ａが薄肉
で構成され、かつスリツト２ｂが深い場合には、
球継手３を嵌合し易い反面、球継手３が抜け易い
と言う問題点があつた。この問題点を解決するた
めに、爪部２ａの肉厚を厚くするとか、スリツト
２ｂの深さを浅くすることが考えられるが、この
ような方法では球継手３を球面座中に挿入する作
業が困難である。

本考案は、前記の如き従来のリンクの球継手連
結構造の問題を解決することを目的とし、球継手
を挿入することが容易であつて、しかも、挿入し
た球継手が抜けにくいリンクの球継手連結構造を
提供せんとするものである。

本考案は、前記の如き目的を達成せんがため、
球継手を把持する爪部外方を圧接するカバーを球
面座と共にリンクレバーに固定し、該カバーによ
り爪部の外方への開きを抑制する如くなしたもの
である。

次に第３図および第４図により本考案の一実施
例を説明する。

第３図は本考案を適用したリンクの球継手連結
構造を示す断面図であり、第４図は第３図の分解
断面図である。

第３図および第４図において、１は図示してな
いワイパーモーター軸に連動するリンクレバー、
２は前記リンクレバー１にリベツト５により固定
される球面座、３は前記球面座２に把持される球
継手、４は前記球継手の固定部３ａに固定される
連結棒、６は本考案のカバーである。

前記球面座２は従来と同様に合成樹脂によりフ
ランジ部と一体に形成され、その球面座２の開口
部から底部側に向つて複数条の深いスリツト２ｂ
を設けて、そのスリツトとスリツトとの間を爪部
２ａとなし、かつ球面座２のフランジ内周に円筒
状の振れ止め面２ｃを設け、さらにフランジ部に
固定用の貫通穴２ｄを設けている。従来はこの球
面座２を直接リンクレバー１にリベツト５により
固定して、その球面座２に球継手３を嵌入してい
たために、爪部２ａが外方へ開きやすかつたが、
本考案においては、第４図に示す如く、球面座２
の爪部２ａの外周に沿い、かつ爪部２ａの上方を
抑えることができるように形成した金属製のカバ
ー６を設け、あらかじめ球継手３を嵌入した球面
座２をリンクレバー１の一側に沿え、その反対側
にカバー６を重ねて、球面座２とカバー６とをリ
ンクレバー１にリベツト５により固定する。そし
て球継手３の固定部３ａに従来の如く連結棒４を
固定する。

本考案のリンクの球継手連結構造は、上記のよ
うな構造であるから、球継手３を把持する球面座
２の爪部２ａの外周から上方にかけてカバー６で
抑えて爪部２ａが外方に開こうとするのを抑制す
ることができ、これにより球継手３が抜けること
を確実に阻止することができる。

以上述べた如く、本考案のリンクの球継手連結
構造は、合成樹脂によりフランジ部と球面座とが
一体に形成され、かつ球面座の開口側から底部側
に向かつて複数条のスリツトを設け、そのスリツ
トの間を爪部としているので、前記球面座に球継
手を嵌入することが容易であり、しかも爪部の上
方にカバーのを設けて球面座と共にリンクに固定
しているので、嵌入した球継手が球面座から抜け
ることを確実に阻止することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリンクの球継手連結構造を示す
断面図、第２図は同じくその分解断面図である。
第３図は本考案によるリンクの球継手連結構造を
示す断面図、第４図はその分解断面図である。 １……リンクレバー、２……球面座、２ａ……
爪部、２ｂ……スリツト、２ｃ……振れ止め面、
３……球継手、３ａ……固定部、３ｂ……振れ止
め突起、４……連結棒、５……リベツト、６……
カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リンクレバーに複数のスリツトを有する球面座
   を固定し、該球面座に球継手を嵌入すると共に、
   球継手に連結棒を固定するリンクの球継手連結構
   造において、前記球継手を把持するスリツトとス
   リツトとの間の球面座の爪部の外周に沿い、かつ
   該爪部の上方を抑えることができるカバーを設
   け、該カバーを球面座と共に球面座の爪部を覆う
   ようにリンクレバーに固定して爪部の外方への開
   きを抑制する如くなしたことを特徴とするリンク
   レバーの球継手連結構造。