JPS6345624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は空気調和機における吹出口構造、詳し
くは、一側を開口して吹出口としたケーシングに
熱交換器を内装し、かつ、前記吹出口の近くに軸
流フアンを取付けた空気調和機における吹出口構
造に関する。

（従来技術） 斯く構成するものとして、例えば実開昭53−
69853号公報に記載され、第５図に示す如く、ケ
ーシング５０の上面に吹出口５１を形成すべく、
前記ケーシング５０の天板５２の中央に開口５３
を形成すると共に、該開口５３の周縁を立上げて
円筒状のベルマウス５４を形成し、更に、前記開
口５３における前記ベルマウス５４の対向部分に
軸流フアン５５を内装する一方、前記ベルマウス
５４上端に吹出グリル５６を設ける如く成したも
のが知られている。

尚、５７はフアンモータ、５８は熱交換器、５
９は吸込口である。

ところで、斯く構成するものは、安全対策上の
必要から、前記吹出グリル５６と前記軸流フアン
５５との間に定められた所定の間隔を設けなけれ
ばならず、このため、上記従来のものは前記ベル
マウス５４を、吹出構造として必要な長さ以上に
上方に延出させて（延出部５４ａ）、この長くし
たベルマウス５４の上端に前記吹出グリル５６を
設けるごとく成していたのである。

ところが、斯くすると、前記ベルマウス５４が
上方に必要以上に長くなつているために、それだ
け吹出口５１における空気抵抗が大きくなり、フ
アン効率が低下する問題が生じていた。

一方、この問題を解決するために、第６図に示
すように、前記ベルマウス５４を吹出構造として
の必要なだけの短い長さとしておく一方、吹出グ
リル５６を前記吹出口５１全体を覆う如く、円筒
状に立上がる立上部５６ａと、この立上部５６ａ
の上端に形成する上面部５６ｂとから形成して、
前記吹出口５１における空気抵抗を減少させたも
のもあるが、斯くすると、前記フアン５５の回転
による騒音が、前記吹出グリル５６における立上
部５６ａの隙間から横方向にストレートに伝播さ
れるので、全体に騒音が大きくなる問題を生じて
いたのである。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題に鑑みて考案したもの
で、目的は軸流フアンを内設可能とし、かつ底壁
にベルマウスを設けた箱形の吹出口組立体を形成
して、この組立体を、空気調和機のケーシングに
該ケーシングの内面と間隔を隔てる如く取付ける
ことにより、前記ベルマウスの長さを短かくして
空気抵抗を減少させながら、前記吹出口組立体の
側壁内面で吹出空気の前記吹出口へのガイドを行
なうと共に、前記組立体の側壁と吹出口を形成す
る前記ケーシングの内面とにより２重の遮音壁を
形成し、前記フアンの騒音も抑制できるように成
す点にある。

（考案の構成） 而して、本考案の構成は、一側を開口して吹出
口としたケーシングに熱交換器を内装し、かつ、
前記吹出口の近くに軸流フアンを取付けた空気調
和機における吹出口構造であつて、前記吹出口を
形成する前記ケーシングの内面より小形で、前記
フアンから吹出される空気を、前記吹出口に向つ
てガイドする内面大きさをもつ側壁と、前記フア
ンを内設可能とする開口とこの開口縁に設けるベ
ルマウスとを形成する底壁とを備えた箱形の吹出
口組立体を設けて、該組立体を前記側壁が前記ケ
ーシングの内面に対し間隔を置いて対向するごと
く前記吹出口の開口縁部に取付けると共に、前記
組立体に吹出グリルを取付け、斯くして前記組立
体の側壁の高さにより、前記吹出グリルと軸流フ
アンとの所要間隔を確保できるようにする一方、
前記ベルマウスを吹出構造として必要な最小高さ
にでき、かつ、前記組立体の側壁と前記ケーシン
グとの２重構造により前記軸流フアンの駆動によ
る騒音の拡散を最小限に抑制できるように成した
のである。

又、実用新案登録請求の範囲第２項に記載した
本考案の実施態様は、前記した第１項記載の空気
調和機において、吹出口組立体によりケーシング
の天板を形成する如く成したのである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図に示したものは、第１図に示す本実施例
の模式断面図で、先ず、この第４図を基に本考案
の特徴を説明する。

第４図に示すものは空気調和機の室外ユニツト
で、ケーシング１の側面に吸込口２を、又上面側
に吹出口３を形成する一方、前記ケーシング１内
に室外側熱交換器４および２台の２連式の軸流フ
アン５，６を内装している。

尚、７は前記フアン５，６を駆動させるモータ
であり、又前記ケーシング１内の下部域には、圧
縮機８、アキウムレータ９などの機器を内装する
ようにしている。

而して、本実施例は以上の如く構成する空気調
和機の吹出口構造であつて、第１に、前記吹出口
３を形成する前記ケーシング１、具体的には前記
ケーシング１の上部外板１０の内面より小形で、
前記フアン５から吹出される空気を、前記吹出口
３に向つてガイドする内面大きさをもつ側壁１１
と、前記各軸流フアン５，６の一方のフアン５を
各々内設可能とする２つの開口１２，１２とこの
各開口１２縁に形成するベルマウス１３とをもつ
底壁１４とを備えた箱形の吹出口組立体１５を設
け、更に第２に、この組立体１５を、前記底壁１
４を下方にし、かつ前記側壁１１が前記ケーシン
グ１の内面、具体的には、前記上部外板１０の内
面に対し間隔を置いて対向するごとく、前記吹出
口３の開口縁部に取り付けられるようにすべく、
前記組立体１５の前記側壁１１における開放側端
部、即ち、前記底壁１４を設ける側と反対側の端
部に張出部１６を設け、更に該張出部１６の先端
全周に前記上部外板１０の上端部（詳しくは後述
する係合片３２）と係合する係止片１７とを形成
するのであり、斯く構成する前記組立体１５を前
記吹出口３の開口縁部に前記した如く取付け、更
に、第３に、吹出グリル１８を、前記組立体１５
の上部、即ち前記張出部１６に係止させて、この
組立体１５に取付けるのである。

更に詳しくは、前記底壁１４に形成するベルマ
ウス１３は上方、即ち吹出口３外方に向つて立上
げられており、かつ、その高さは吹出構造として
必要なだけの短い長さとしている。又前記側壁１
１の高さは、前記吹出グリル１８と前記軸流フア
ン５との間に安全対策上必要な間隔が確保できる
ように設定している。

斯くすることにより、前記吹出グリル１８と前
記軸流フアン５との間に安全対策上の所要間隔が
確保できながら、しかも、前記ベルマウス１３の
高さを低くでき、この結果空気抵抗を減少でき、
その上、前記側壁１１と上部外板１０との２重構
造による遮音効果により前記フアン５の騒音が横
方向に拡散するので大幅に抑制できるのである。

更には、前記組立体１５が前記ケーシング１の
天板として機能するから、前記ケーシング１に別
途天板を設ける必要がなく、従つて、上記した優
れた作用効果が得られながら全体に構造が複雑化
することもないのである。

次に第１図に基づいて第４図に示した空気調和
機の全体の構造を詳記する。

第１図に示したものは、方形底フレーム１９の
四隅に、支柱２０……を立設して、これら支柱２
０……に固定する支持腕２１……によりループ状
熱交換器（第１図には図示せず）を支持し、また
前記各支柱２０……の頂部にフアン取付台２２を
取付けて、このフアン取付台２２に前記軸流フア
ン５，６のモータ７を取付けると共に、前記熱交
換器の下方で前記各支柱２０……の外側には１対
の下部外板２３とスイツチボツクス２４の蓋２５
とを、また、前記熱交換器の対向部に吸込グリル
２６を、更にこの吸込グリル２６の上方で前記フ
アン５の外側には前記吹出口３を形成する１対の
上部外板１０をそれぞれ取付け、この上部外板１
０には、前記開口１２をもつた組立体１５を取付
け、更に該組立体１５の上部に吹出グリル１８を
取付け、また、前記底フレーム１９には圧縮機や
アキユムレータ（図示せず）などの冷凍機器を固
定したものである。

更に、第１〜３図に基づいて、前記一対の上部
外板１０および前記組立体１５を相互に組立てる
構造を説明する。

前記各上部外板１０には、その両側端の一端側
に、Ｌ字形の凸起から成る第１係合部２７をもつ
係合片２８を、又他端に前記第１係合部２７を受
入れるスリツトから成る第２係合片２９をもつ係
合片３０とを２組形成し、一対の前記上部外板１
０を対向させて、前記第１，２係合部２７，２９
を係合させることにより、これら上部外板１０を
一体に結合するようにしている。

又、前記組立体１５の前記係止片１７に前記側
壁１１側に突出す凸起から成る第３係合部３１を
多数形成する一方、前記各上部外板１０の上端部
にＬ字形の係合片３２を形成し、この係合片３２
の立上部で、前記第３係合部３１に対向する位置
に、該係合部３１を受入れる開口から成る第４係
合部３３を形成し、斯くして、前記第３，４係合
部３１，３３を係合させることにより、前記組立
体１５を一体化させた前記上部外板１０に取付け
られるように成しているのである。

尚、斯くすることにより、前記組立体１５と前
記各上部外板１０とをビス等を用いずに組立てら
れ、従つてケーシング１外面にビスがなく、この
結果、外観も向上させられるのである。

又、前記組立体１５を樹脂で一体成形した場合
には、製造技術上の制約により前記底壁１４と側
壁１１との交差角θを直角にできず、やや鈍角と
なり、従つて前記側壁１１がややテーパー状とな
る。このため、該側壁１１がケーシング１外方に
露出すると、意匠上好ましくないが、本考案は前
記組立体１５を前記ケーシング１内方に嵌入する
如く配設しているから、前記組立体１５が外部か
ら直接視認できず、この結果、前記組立体１５を
樹脂で一体成形しても前記空気調和機全体の外観
を損うことがないのである。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、前記吹出口３を形
成する前記ケーシング１の内面より小形で、前記
フアン５から吹出される空気を、前記吹出口３に
向つてガイドする内面大きさをもつ側壁１１と、
前記フアン５を内設可能とする開口１２とこの開
口１２縁に設けるベルマウス１３とを形成する底
壁１４とを備えた箱形の吹出口組立体１５を設け
て、該組立体１５を前記側壁１１が前記ケーシン
グ１の内面に対し間隔を置いて対向するごとく前
記吹出口３の開口縁部に取付けると共に、前記組
立体１５に吹出グリル１８を取付けたから、前記
吹出グリル１８と前記軸流フアン５との間に安全
対策上の所要間隔が確保できながら、しかも、前
記吹出口組立体１５に前記ケーシング１の内面よ
り小形で、前記フアン５から吹出される空気を、
前記吹出口３に向つてガイドする内面大きさをも
つ側壁１１を設けたことにより、前記ベルマウス
１３の高さを低くでき、この結果空気抵抗を減少
でき、その上、前記側壁１１と上部外板１０との
２重構造による遮音効果により前記フアン５の騒
音が横方向に拡散するのを大幅に抑制できるので
ある。

又、実用新案登録請求の範囲第２項の本考案実
施態様にあつては、前記ケーシング１の上部を開
口して上吹出し形式とし、前記吹出口組立体１５
を前記ケーシング１の上部に組付けることによ
り、前記組立体１５が天板を形成し、前記ケーシ
ング１に別途天板を設ける必要がなく、従つて、
上記した優れた作用効果が得られながら全体に構
造が複雑化することもないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の組立図、第２図は同
上部外板間の組立構造を示す拡大部分図、第３図
は同、前記上部外板と吹出口組立体との組立構造
を示す拡大断面図、第４図は同、模式断面図、第
５，６図は従来例を示す説明図である。 １……ケーシング、３……吹出口、４……熱交
換器、５……軸流フアン、１１……側壁、１２…
…開口、１３……ベルマウス、１４……底壁、１
５……吹出口組立体、１８……吹出グリル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側を開口して吹出口３としたケーシング１に
   熱交換器４を内装し、かつ、前記吹出口３の近く
   に軸流フアン５を取付けた空気調和機における吹
   出口構造であつて、前記吹出口３を形成する前記
   ケーシング１の内面より小形で、前記フアン５か
   ら吹出される空気を、前記吹出口３に向つてガイ
   ドする内面大きさをもつ側壁１１と、前記フアン
   ５を内設可能とする開口１２とこの開口１２縁に
   設けるベルマウス１とを形成する底壁１４とを備
   えた箱形の吹出口組立体１５を設けて、該組立体
   １５を前記側壁１１が前記ケーシング１の内面に
   対し間隔を置いて対向するごとく前記吹出口３の
   開口縁部に取付けると共に、前記組立体１５に吹
   出グリル１８を取付けたことを特徴とする空気調
   和機における吹出口構造。