JPS6344316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車の燃料タンク装置に関する
ものである。

更に詳細には、ヘツドチユーブから斜め後下方
に延出されたメインフレームの下部にエンジンを
配設し、エンジン手前のフレーム上に燃料タンク
を跨設し、これの底部空間内にケーブル、ワイヤ
ハーネス等を格納するとともに、底を導風板を兼
ねるカバーで覆い、ケーブル、ワイヤハーネス等
の保護、外観性向上とエンジン冷却効率向上を図
つた自動二輪車の燃料タンク装置に関する。

自動二輪車において、ブレーキケーブル等のケ
ーブル類やワイヤハーネス等のハーネス類は、
夫々の操作部と作動部、バツテリと負荷とが前後
にあるため、これらはフレームに沿わせてクラン
プされ、前後方向に延設され、外部に表れるため
外観性の点で好ましくなく、又これらの保護上も
好ましくなく、ケーブル、ハーネスの耐久性の点
でも問題があり、更に汚れ易い。

そして一般的には燃料タンクはフレーム上に部
分的に設けられ、一方空冷式エンジンを採用した
場合、エンジンの前方は前車輪、フロントフエン
ダが存在し、エンジンへの送風量が制約され、冷
却効率の更なる向上が望まれる。

本考案者等は以上の如き問題点に鑑み、これを
解決すべく本考案をなしたもので、その目的とす
る処は、ヘツドチユーブから斜め後下方にメイン
フレームを延出し、これの下部にエンジンを配設
する如く構成し、エンジン手前のフレーム上に燃
料タンクを跨設し、これの底部空間内にケーブ
ル、ワイヤハーネス等を格納するとともに、底を
導風板を兼ねるカバーで覆い、ケーブル、ワイヤ
ハーネス等の保護と自動二輪車の外観性向上を図
り、且つ斜め後下方に延設されたカバーでエンジ
ンに効果的に冷却風を送風し、エンジンの冷却効
率向上を図つた自動二輪車の燃料タンク装置を提
供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車の側面図を、第２図は燃料
タンクの縦断正面図を、第３図は燃料タンク部分
の縦断側面図である。

自動二輪車１はメインフレーム２がヘツドチユ
ーブ３から後ろ斜め下方に延出されたパイプ材で
形成され、メインフレーム２の後下部に斜め上後
方へのリヤフレーム４が延出され、該フレーム４
上部にはシート５が設けられている。フレーム４
の前下部にはエンジン６、伝動ケース７からなる
パワーユニツト８の前部が枢着９され、ユニツト
８の後部で後車輪１０を支持するとともに、該後
部とフレーム４上部との間にはリヤクツシヨンユ
ニツト１１が介設されている。

ヘツドチユーブ３にはフロントフオーク１２が
操向自在に枢着され、フロントフオーク１２の下
部で前車輪１３を支持するとともに、フロントフ
オーク１２の上部にはトツプブリツジを介してハ
ンドル１４、前照灯１５及びメータ１６等が設け
られている。

以上において、メインフレーム２のヘツドチユ
ーブ３直後からエンジン６の手前迄の斜め後下方
に延出される部分上にこれに沿う前後方向形状を
有する燃料タンク１７を該フレーム２上に跨設す
る。タンク１７の底板１７ａは第２図で明らかな
如く断面略々逆Ｕ字型をなし、凹型空間Ｓの上部
にメインフレーム２を前後方向に格納挿通し、底
の左右に垂下した内側壁１７ｂ，１７ｃの一方を
外側方に段状に膨出１７ｄし、側壁前部をフレー
ム２側に結着１８し、タンク１７をフレームに固
定する。メインフレーム２の下側で空間Ｓ内には
支持部材１９を結着し、該結着はマウントラバー
２０を介して行い、支持部材１９は膨出部１７ｄ
部にも結着２１してタンクを支持する如くする。
そしてフレーム３下方で支持板１９上にはハンド
ル１４やメータ１６、ヘツドライト１５から後方
に延出されるケーブル２２…、ワイヤハーネス２
３…を通し、これを空間Ｓ内に格納して前後方向
に延設する。そして燃料タンク１７のフレーム２
下方の下向に開放された前後方向の開放部をカバ
ー２４で覆い、カバー２４はタンク下面全面に設
けられ、前部２４ａが上方に折曲して空間Ｓ前部
を覆い、これから後ろ斜め下方に延出され、中間
部でネジ２５等でフレーム２側に取り付けられ、
カバー後端部２４ｂはエンジンの前上方に臨んで
いる。

次にその作用、効果を述べると、ハーネスやケ
ーブル２２，２３は燃料タンク１７底の空間Ｓ内
に格納され、カバー２４で覆われるため下に垂れ
下がつたりすることがなく、自動二輪車の外観性
を向上せしめ得るとともに、外部から隔離され、
汚れがなく、耐久性、耐候性の点で著しく向上が
図れ、また、ケーブル、ハーネス等を取替えた
り、組立てる際にはカバー２４及び支持部材１９
を外すだけで、メインフレーム２から燃料タンク
１７を外すことなく行える。そして走行時におい
て、前面からの風は前後方向に、且つ斜め後下方
に延出されたこととなるカバー２４外面に当り、
これに案内されて方向性を付与されてエンジンに
供給され、エンジンへの風の流速が高まり、且つ
エンジンに集中し、更には風量も多くなり、エン
ジンの冷却効率を著しく向上させることができ
る。即ちカバー２４は導風板として機能する。

以上図示実施例を説明したが、カバー２４の取
付構造は任意であり、又支持部材１９も図示構造
に限られるものではない。

以上詳述せる如く本考案に従えば、ケーブル、
ハーネスの保護と自動二輪車の外観性向上を図る
ことができるとともに、エンジン冷却効率向上を
図ることができ、以上を燃料タンクの跨設空間の
有効利用、該空間を塞ぐカバーという簡単で有効
な手段で達成し得る等多大の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図は燃料タンクの縦
断正面図、第３図は燃料タンク部の縦断側面図で
ある。 尚図面中１は自動二輪車、３はヘツドチユー
ブ、２はメインフレーム、６はエンジン、１７は
燃料タンク、Ｓは底部空間、２２，２３はケーブ
ル、ハーネス、２４はカバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドチユーブから斜め下方に延出されるメイ
   ンフレームの下部にエンジンを配設し、エンジン
   手前のメインフレームに断面略逆Ｕ字状の底部を
   有する燃料タンクを跨設し、該逆Ｕ字状の底部の
   空間内にフレームの前後方向に延設されるケーブ
   ル、ワイヤハーネス等を格納した自動二輪車にお
   いて、前記ケーブル、ワイヤハーネス等を前記メ
   インフレームの下側にて燃料タンクに着脱自在と
   された支持部材に支持させるとともに、タンク底
   部のメインフレーム下方の開放部をエンジンの導
   風板を兼ねる前後方向に延設したカバーで覆うよ
   うにした自動二輪車の燃料タンク装置。