JPS6341826B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、エレベーターの通報装置に関し、特
にエレベーター乗かご内に設けた通話装置と監視
所の通話装置との電話回線を介して通話する機能
を有する通報装置に係る。

〔発明の背景〕

一般に、エレベーター乗かご内には、ビル内の
管理人との通話を行なうため、インターホンが設
置されている。特開昭52−49553号公報では、こ
の管理人が応答しない場合、自動ダイヤル装置を
駆動し、外部の監視所と電話回線を介して通話す
ることが知られている。また、エレベーター故障
時等には、自動的あるいは手動操作によつて、そ
の旨を監視所へ通報することも、特開昭54−
49744号等で提案されている。

一方、エレベーター装置特にその制御部のコン
ピユータ化に伴り、その制御情報を分析して故障
診断・表示する技術が特開昭54−40458号公報等
で提案されている。そして、最近は、特開昭55−
70684号公報等で提案されているように、エレベ
ーター装置の制御情報を監視所へ伝送し、監視所
では、各地に散在するビルのエレベーター装置を
集中監視することも考えられている。

このような技術を組合せることによつて、監視
所では、かご内乗客との通話が行なえるだけでな
く、エレベーター装置からの制御情報を基に故障
診断することもできるようになつた。すなわち、
監視所では、定期的ないしエレベーター装置故障
時に制御情報を取り込んで故障診断行なうことが
できるだけでなく、インターホンによるかご内乗
客との通話を通してエレベーターの状態を知るこ
とができるようになつた。

ところで、かご内のインターホンと監視所の通
話装置とは自動ダイヤル機能により電話回線を通
して接続されるため、この通話中は局線が塞てい
る。したがつて、この状態でエレベーターに異常
が発生すると、監視所への通報が出来ない。そこ
で、この異常発生時には、その旨記憶しておき通
話終了後し、自動ダイヤルして通報するか、ある
いは異常通報用に別回線を準備することが考えら
れているが、通報遅れあるいは高価格化が予想さ
れる。特に、エレベーター台数がさらに増加し、
監視所の監視台数が多くなると、その欠点はより
大きなものとなる。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、乗かご内と監視所間で電話回
線を介して通話する装置を備えたものにおいて、
上記通話中に発生したエレベーター装置の異常に
対して、迅速な対応を図ることのできるエレベー
ターの通報装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明の特徴とするところは、乗かご内と監視
所間で電話回線を介して通話中に当該エレベータ
ー装置に異常が発生したとき、この異常発生を知
らせる信号を当該通話中の局線に出力すると共
に、この局線からの異常発生信号を受信して監視
所にその旨報知するように構成したところにあ
る。これにより、監視所では、通話中であつても
エレベーターの異常を直ちに知ることができ、監
視員の判断により当該エレベーターの制御情報を
伝送させて対策を講じる等、迅速な対応を図るこ
とができる。

〔発明の実施例〕

第１図は、本発明によるエレベーターの通報装
置の一実施例である。

この実施例では、１〜ｎ箇所のビルBUL₁〜
BUL_oに夫々設置されたエレベーター装置１を、
電話回線５を介して監視所BCで遠隔監視する場
合を示し、ビルBUL₁の構成のみ例示する、他の
ビルBUI₂〜BUL_oも同様に構成されているものと
する。

エレベーター装置１は、乗かご１０とつり合い
おもり１１とがロープ１２によつてシーブ１３に
吊り下げられており、エレベーター制御装置１４
によつて電動機１５を制御することにより、乗か
ご１０の各階床にサービスするように構成されて
いる。この乗かご１０内にインターホン１６が設
置され、このインターホン１６は、テールコード
１７を介して、管理人室に設けられた管理盤１８
とインターホン１９、および回線切換装置３へ接
続されている。また、制御情報取込装置２は、前
記特開昭54−40458号等で知られているように、
エレベーター制御装置１４からの各種エレベータ
ー制御情報を取込み、回線切換装置３へ出力す
る。回線制御装置４は、電話回線５を介して監視
所BCの回線制御装置６と通信を行なうためのも
ので、周知の自動ダイヤル装置等を備えている。
この監視所BC側の回線制御装置６にも自動ダイ
ヤル装置等が備えられ、ビルBUL₁〜BUL_oを選
択的に呼び出して通信を行なうと共に、監視装置
７にてエレベーター装置１を監視するように構成
されている。この監視装置７には、通話装置７
１、表示装置７２、各種ボタンスイツチ７３、お
よび状態監視装置７４等を備えている。

以上の構成において、エレベーター非常時等
に、乗かご１０内で乗客がインターホン１６を操
作すると、管理人室のインターホン１９を呼出
し、この管理人不在時あるいはこのような管理人
室を有しないビル等の場合には回線切換装置３を
通して回線制御装置４の自動ダイヤル装置を作動
し、電話回線５を経由して監視所BC側の回線制
御装置６を介して通話装置７１が呼出される。こ
れにより、監視員は乗かご内の乗客との通話を行
なうことができる。

また、この監視所BCの故障監視機能について
は、例えば、エレベーター装置１に故障が発生
し、制御情報取込装置２で故障判断すると、上記
経路で制御情報を監視所へ伝送されるので、監視
員は伝送された制御情報を基に故障診断等を行な
うことができる。

次に本実施例の特徴を成す回線切換装置３と競
合故障検知装置８の部分について説明する。

すなわち、通話および異常ないし状態監視は前
記構成で行なうことができ、本実施例では特に回
線切換装置３及び監視所側に競合故障検知装置８
が介在する構成となつている。

前記通話中に新しく異常発生があつた場合、制
御情報取込装置２から監視所側の競合故障検知装
置８に対し、当該通話中の局線を通して異常発生
信号を伝送する。この信号は通話に影響しない程
度の短時間（300ｍｓ程度）固有の周波数パルス
となつている。このため、新しく異常が発生した
ことは、乗かご内の乗客に察知されないので、乗
客の不安、動揺を大きくすることはない。

この信号を競合故障検知装置８が受信すると異
常表示ランプ８１をフリツカーさせて監視員に知
らせる。

したがつて、監視員は、通話中であつても直ち
にエレベーターの異常を知ることができ、監視員
の判断で必要な処置を講ずると共に、エレベータ
ー乗かご内の乗客に対して適切な指示を与えるこ
とができ、乗客の不安を軽減することができる。

この競合故障検知装置８の動作を中心に、時系
列的にその動作手順を例示すると次のようにな
る。

(1) エレベーター非常時に乗客がエレベーターか
ら内インターホン１６を押すと、インターホン
ON信号が通報装置７１、競合故障検知装置８
に受信される。競合故障検知装置８は通話中の
状態で通話中表示ランプ８２の点灯で表示して
いる。

(2) エレベーター装置１に異常が生じ、制御情報
取込装置２から異常発生信号が出力されると、
競合故障検知装置８で受信される。この異常発
生信号は、周波数600Hz、1950Hzの２周波組合
せ、300ｍｓの継続信号とし、音声とは区別し
ている (3) 異常発生信号を受信すると、競合故障検知装
置８は実装している故障発生表示ランプ８１を
フリツカー点灯して監視員に異常の発生を知ら
せる。

(4) 監視員が競合故障検知装置８の制御情報送信
指令釦８３を操作をすると、競合故障検知装置
８は状態監視装置７４に制御情報送信指令を出
し、状態監視装置７４は通話中の局線を介して
回線切換装置３に対し故障データの伝送を命令
する。この送信指令信号は、周波数941Hz、
1336Hzの２周波組合せ300ｍｓ継続信号とし、
音声データと区別している。

(5) 回線切換装置３からの伝送終了信号で競合故
障検知装置８は異常発生表示ランプ８２のフリ
ツカーを停止する。

(6) 競合故障検知装置８は、異常発生表示ランプ
のフリツカー中にインターホンON信号がなく
なると、前記(4)の釦８３の操作が有つたと同じ
処理にて制御情報伝送指令を出力する。

以上の動作を実現するため、競合故障検知装置
８および回線切換装置３をマイクロコンピユータ
で構成した場合の処理フローチヤートについて説
明する。

第２図は、競合故障検知装置８の処理フローチ
ヤートであり、100ｍｓタイマーにより常時起動
されている。

先ずステツプ31で通話中の判定をしている。通
話中の場合は次のステツプ32で異常発生信号の受
信の判定をしている。このステツプ31とステツプ
32の判定条件により、通話中でかつ異常発生信号
を受信すると、ステツプ33で異常発生表示ランプ
８１のフリツカー処理を行なう。

ステツプ34では監視員による制御情報伝送指令
釦８３の操作を監視をしている。操作があればス
テツプ36に進み、制御情報伝送指令を発生する。
これにより、制御情報取込装置２からの制御情報
を受信すると共に、ステツプ37では情報伝送の終
了監視をしており、終了すればステツプ38により
異常発生表示ランプ８１のフリツカーを停止す
る。

一方、ステツプ35では通話終了を監視してお
り、通話終了すれば上記ステツプ36以降に進み、
監視員による操作忘れがあつた場合でも、その局
線を利用して自動的に制御情報を受信するように
構成している。

前記したように、この制御情報とは、前記特開
54−404458号および特開昭55−70684号等で知ら
れているもので、例えば乗かごの位置、負荷検出
信号、各種安全スイツチの作動信号の外、エレベ
ーター制御装置１４内にメモリされている信号等
を含んでおり、監視員はこのような制御情報を状
態監視装置７４等で解析することにより、異常箇
所等を見つけて直ちに必要な対応をすることがで
きる。

第３図は上記回線切換装置の一実施例、第４図
はその動作説明用フローチヤートを示す。

第３図は、回線切換接点３２および３３にて制
御情報取込装置２およびインターホン１６との回
線を単純に切換える例であり、その切換動作を切
換制御装置３１で行なうように構成している。こ
の切換制御装置３１にマイクロコンピユータを内
蔵している場合の処理フローチヤートを第４図に
示す。

第４図において、このプログロムは、100ｍｓ
タイマーにより常時起動されている。ステツプ41
で通話中か判断し、ステツプ42でこの通話中に制
御情報取込装置２からエレベーターの異常発生信
号が生じないか監視する。異常が発生すると、ス
テツプ43において、異常発生信号を通話中の局線
を通して監視所BCへ送信する。これにより、監
視所BC側では、前記第２図等で説明した処理お
よび監視員の対応を促す。

次に、ステツプ44では、監視所BC側からの制
御情報送信指令信号の新規受信を監視し、受信す
ると、ステツプ45でインターホン回路の切離し
（接点３３の開放）、ステツプ46で制御情報取込装
置の接続（接点３２の閉路）のための処理を行な
う。

ステツプ47は制御情報取込装置２からの送信終
了信号を監視し、終了信号を受信すると、ステツ
プ48で終了信号を監視所BC側へ送信すると共に、
ステツプ４９で制御情報取込装置の切離し（接点
３２の開放）、ステツプ５０でインターホン回路
への接続（接点３３の閉路）のための処理を行な
う。

なお、本実施例の回線切換装置３では、切換接
点３２，３３と専用のマイクロコンピユータ３１
で構成した場合を説明したが、BC回路等で構成
し、マイクロコンピユータ３１は他の制御用コン
ピユータと兼用しても良い。

また、上記実施例では、制御情報送信指令を監
視所BC側から発生するようにしているが、この
監視所BCの指令釦７４と同等の機能を有する釦
を乗かご内に設け、かご内乗客によつて指令する
ようにすることもでき、さらにビル内に管理人室
を設けないで直接監視所へ通報することも勿論可
能であり、本発明は適用する通報装置に応じて適
宜応用・変形することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、かご内の乗客との通話中に発
生したエレベーター装置の異常であつても監視所
で直ちに知ることができるので、その異常に対し
て迅速に対応することができ、異常時のサービス
を強化することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例であつて、第１図はエレ
ベーター通報装置の全体構成図、第２図は競合故
障検知装置の処理フローチヤート、第３図は回線
切換装置の具体的−構成図、第４図は回線切換制
御装置の処理フローチヤートである。 BUL₁〜BUL_o……ビル、BC……監視所、１０
……エレベーター乗かご、１６……乗かご内イン
ターホン、７……監視装置、８……競合故障検知
装置、８１……異常表示ランプ、８３……制御情
報伝送指令釦。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乗かご内に通話装置を有する多数のエレベー
   ター装置、これらのエレベーター装置の異常検出
   手段および制御情報取込装置、電話回線を通じて
   上記制御情報取込装置から制御情報を入手して多
   数の上記エレベーター装置を遠隔監視する監視
   所、この監視所に配置され上記各乗かご内の通話
   装置と上記電話回線を介して接続される通話装
   置、上記各エレベーター装置側にあつて上記制御
   情報取込装置と上記乗かご内の通話装置のいずれ
   を上記電話回線を通じて上記監視所と接続するか
   を切換える回線切換装置を有するエレベーターの
   通報装置において、上記回線切換装置は、上記乗
   かご内の通話装置と上記監視所の通話装置が接続
   されて通話中である上記電話回線を通じて上記エ
   レベーター装置の制御情報取込装置から出された
   異常発生信号を上記監視所に伝える手段と、上記
   監視所から上記電話回線を通じて出される制御情
   報送信指令に応じて通話中である上記監視所と上
   記乗かご内の両通話装置間の接続を解き、上記監
   視所と上記制御情報取込装置間を接続する手段を
   備え、上記異常発生信号は、通話中の音声と異な
   る周波数帯の信号および短時間のパルス信号のい
   ずれかであることを特徴とするエレベーターの通
   報装置。 ２ 上記特許請求の範囲第１項において、監視所
   には、該監視所に設けられた指令釦が操作された
   ことおよび上記両通話装置間の通話が終了したこ
   とのいずれかにより制御情報送信指令を出す手段
   を有することを特徴とするエレベーターの通報装
   置。