JPS634144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上段及び下段パレツトからなる昇降体
を地下格納部に昇降させる二段駐車装置における
車輪止め装置に関するもので、昇降体の昇降時等
に不完全駐車の車が自然に移動等することがな
く、安全であることを特徴とするものである。

上記のごとき二段駐車装置にあつては、下段パ
レツト上の車の出し入れ時には昇降体が地表面ま
で上昇させられる。

その際、特に上段パレツト上に車があると重心
が高くなり、その状態で強い横風あるいは地震等
の地面震動を受けると昇降体の揺れが生ずる場合
があり、上段パレツト上の車の落下等を招くと極
めて危険である。

さらに、パレツト上の駐車が不完全であると昇
降体の昇降時に車が自然に移動するおそれがあ
り、危険である。

すなわち、上記駐車が不完全の場合とは、駐車
時にサイドブレーキを完全にかけなかつた場合等
である。

なお、本考案の装置は上段パレツト上面の車輪
が位置する部分の前後にそれぞれ設けてもよい
が、最少限一つの車輪が位置する部分に設けるだ
けでよいものである。

以下に本考案の一実施例を図面について詳細に
説明する。

まず、二段駐車装置の一例を説明すれば、第１
図乃至第３図示のごとく、略々自動車の長さ巾に
地面を掘削して両側にコンクリート等で連設数に
応じた長さの壁ａ，a′を設け、該壁ａ，a′の上端
には所要の間隔をあけて横梁１，１ａを懸架して
固定する。

つぎに上記横梁１，１ａ間にはそれぞれ略々四
隅近くを適当長さの支柱２，２ａ，２ｂ及び２ｃ
で連結した上段パレツト３及び下段パレツト４か
らなる昇降体ｂが設けられ、昇降自在に構成され
る。

図面実施例の場合、上記昇降体ｂを構成する下
段パレツト４の略々四隅部にチエーン５，５ａ，
５ｂ及び５ｃの一端を止着し、それぞれのチエー
ン５，５ａ，５ｂ及び５ｃをそれぞれその上方部
の横梁１，１ａの内側に設けたガイドスプロケツ
ト６，６ａ，６ｂ及び６ｃに懸架し、チエーン
５，５ａ，５ｂ及び５ｃをモーター７により均一
に巻上げ自在に構成してある。すなわち、横梁
１，１ａの一方端部間に、上段パレツト３及び下
段パレツト４の昇降の邪魔にならない位置に駆動
シヤフト８を設け、その両端に上記ガイドスプロ
ケツト６，６ａ，６ｂ及び６ｃに懸架したチエー
ン５，５ａ，５ｂ及び５ｃが噛み合う巻上げスプ
ロケツト９，９ａ，９ｂ及び９ｃを設け、さらに
上記駆動シヤフト８の適位置に駆動スプロケツト
１０を固着し、該駆動スプロケツト１０と上記モ
ーター７の駆動回転軸１１間にチエーン１２を懸
架している。

なお、上記モーター７は減速機、さらにはブレ
ーキ付き、且つ正逆回転可能なものが使用され、
また、巻上げスプロケツト９，９ａ，９ｂ及び９
ｃに懸架されて巻上げられたチエーン５，５ａ，
５ｂ及び５ｃはそのまま垂下させてその下端にウ
エイト（図示せず）を設ける等して巻上げスプロ
ケツト９，９ａ，９ｂ及び９ｃから外れることが
ないようにあらかじめ構成される。図中ｃは地下
格納部、３０は上段パレツト３の入出庫側を反対
側端にオーバーランを防止するために設けた固定
車輪止め部、３１は下段パレツト４の入出庫側と
反対側端にオーバーランを防止するために設けた
固定車輪止め部である。

本考案の装置ｄは第２図、第３図示のごとく、
最少限上段パレツト３の後輪の静止位置の前方部
に設けられる。第２図示において、a′は乗り越え
自在の車輪止めである。

第４図、第５図には本考案の装置ｄの詳細が示
されている。第５図においてｅは後退入庫された
車の車輪であり、該車輪ｅの静止位置の入出庫側
部に車輪ｅの静止位置側端を軸１３で軸支した断
面略々山形の車輪止め板１４が設けられる。

さらに該車輪止め板１４の下方の上段パレツト
３上面にはサポート１５により回転自在のシヤフ
ト１６が設けられ、該シヤフト１６には先端部が
上記車輪止め板１４の背面を摺動し、該車輪止め
板１４を傾斜させるブラケツト１７が設けられ
る。該ブラケツト１７は車輪止め板１４の大きさ
巾に合せて適数設けられ、さらに図面実施例の場
合、先端にローラー１８を設け、車輪止め板１４
の傾斜をスムーズに行うことができるよう構成さ
れている。もつとも、ローラー１８は必ずしも必
要でないものである。

さらに上記シヤフト１６が上段パレツト３の側
方に延長され、その端部の円周方向にレバー１９
及び係止ブラケツト２５が固着される。

つぎにレバー１９の先端には他端を昇降体ｂ側
の突片２０に固定し、常時レバー１９を下方に引
つ張るように働き、上記シヤフト１６を回転させ
て車輪止め板１４の傾斜状態を維持するスプリン
グ２１が設けられ、さらにそのシヤフト１６と該
スプリング２１の間には昇降体ｂの下降時に下端
が略々地表面部に設けた静止部に衝突して上記レ
バー１９を上記スプリング２１に抗して持上げる
ロツド２２が止着される。

ここで、地表面部に設けた静止部とは具体的に
は人が車の出し入れ時に通行するために設けた道
板２３等である。

さらに昇降体ｂ側には上記ブラケツト１７の上
方回動を規制し、上記車輪止め板１４の傾斜し過
ぎを阻止するため上記係止ブラケツト２５が係止
するストツパー２４が設けられる。

詳細に述べれば該ストツパー２４に直接ブラケ
ツト１７を係止させるよう構成することが構造上
困難であるため、シヤフト１６の延長部に設けた
前記係止ブラケツト２５をストツパー２４に係止
させ、ブラケツト１７が車輪止め板１４の背面を
摺動し過ぎることがないよう構成される。

もつとも、図面実施例の場合、該ストツパー２
４をレバー１９と対応させて設け、レバー１９の
引下げ限度を規制しても同様の効果が得られる。

なお、図面実施例の場合、ストツパー２４の取
付位置はあらかじめ車輪ｅからの荷重が加わつて
もブラケツト１７が下方へ押し下げられない位置
（死点を越えた位置）で停止するよう調整されて
いる。

上記構成の本考案は昇降体ｂが下降させられて
いる場合にはロツド２２の下端が道板２３に衝突
してスプリング２１に抗してレバー１９を上方に
持ち上げ、シヤフト１６の回転によりブラケツト
１７が回動させられ、第５図二点鎖線のごとく
略々上段パレツト３と平行になり、車輪止め板１
４は自重により上段パレツト３上に倒され、それ
を乗り越えて車を出すことが可能である。

つぎに昇降体ｂの上昇を開始すると、ロツド２
２の下端が道板２３から外れ、スプリング２１が
自動的に働きレバー１９を下方に引つ張る。

その結果、シヤフト１６の回転によりブラケツ
ト１７が上方に回動し、その先端が車輪止め板１
４の背面を摺動し、第５図実線のごとく、車輪止
め板１４が車輪ｅ側に傾斜させられ、車輪ｅのこ
ろがりを防ぐ働きをするものである。

上記のごとく、本考案によれば、昇降体ｂの昇
降時には自動的に車輪止め装置が働き、昇降体ｂ
が上昇されているときには常に働きつづけるた
め、前記した不完全駐車の車の自然移動等のごと
き危険性を除去できるとともにその後に上段パレ
ツト３上の車を出すため昇降体ｂを下降させると
自動的に解除され、極めて便利であり、さらに駐
車位置を確認する目安ともなり、極めて優れた効
果を有するものである。

さらに本考案によればパレツトに開口部を設け
ずに、シヤフト１６が上段パレツト３の側端に延
長されて、作動するようになつているために、パ
レツト面に開口部を設ける必要がないため、下段
パレツトに格納する車に雨水、土砂等が直接かか
らない利点もあるものである。

なお、本考案の装置は下段パレツトにも構成す
ることができる。その場合には前記レバー１９、
スプリング２１、ロツド２２をブラケツト１７側
に設け、スプリング２１およびロツド２２を上向
きに設ける等して昇降体ｂの上昇時にロツド２２
の上端が略々地表面部に設けた静止部と衝突し、
解除されるよう構成すればよいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は二段駐車装置の一例を示し、その全体の要部の
斜視図、第２図は二つ連設し、一方に下段パレツ
ト部、他方に上段パレツトを表わした平面図、第
３図は側面図、第４図は第２図Ａ−Ａ線断面図、
第５図は第４図の右側面図である。 ３……上段パレツト、４……下段パレツト、１
４……車輪止め板、１６……シヤフト、１７……
ブラケツト、１９……レバー、２０……突片、２
１……スプリング、２２……ロツド、２３……道
板、２４……ストツパー、２５……係止ブラケツ
ト、ｂ……昇降体、ｃ……地下格納部、ｄ……車
輪止め装置、ｅ……車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上段及び下段パレツトからなる昇降体を地下格
   納部に昇降させる二段駐車装置において、上段パ
   レツト上面の略々車輪静止位置の入出庫側部に、
   車輪静止位置側端を軸支した車輪止め板を設け、
   該車輪止め板下方のパレツト上面には、シヤフト
   に取付けられ該シヤフトの回転によりその先端部
   が車輪止め板の背面を摺動し、該車輪止め板を傾
   斜させるブラケツトを設け、上記シヤフトをパレ
   ツト側方に延長してレバーを固着し、該レバーに
   は他端を昇降体側に固定し、上記レバーを常時下
   方に引つ張り、上記シヤフトを回転させて車輪止
   め板の傾斜状態を維持するスプリング及び昇降体
   の下降時に下端が略々地表面部に設けた静止部に
   衝突して上記レバーを上記スプリングに抗して持
   上げるロツドを止着し、さらに昇降体側に上記ブ
   ラケツトの上方回動を規制し、上記車輪止め板の
   傾斜し過ぎを阻止するストツパーを設けたことを
   特徴とする二段駐車装置における車輪止め装置。