JPS6340166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンパクト容器に係り、パフなどを
収納するパフ入れの出し入れ、固定機能を改善し
かつ蓋の開閉も容易にしたものである。

（従来技術） 開閉用の蓋を有し、化粧料を収納する底体の下
位に、パフなどを収納するパフ入れを出し入れ可
能に付設したコンパクト容器としては、実公昭55
〜23452、実開昭58〜145114号公報に示すように、
底体に設けた案内溝にパフ入れを摺動自由に取り
付けてなり、パフ入れの摺動、出し入れ用として
ばねや起伏可能な係止突片を設けていた。また蓋
の開閉機能としては実開昭58〜705号公報に図示
するように、蓋と底体およびパフ入れが後端で一
体結合され、蓋が底体の孔を貫通してパフ入れの
外面において係合するようになつているものがあ
る。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来技術によれば、パフ入れの後端などに
ばねや係止突片を付設し、あるいはやや大きく成
型する必要があり、またパフ入れの引き出しに
一々ばねや係止突片を押す作用に手間を要した。
また前記蓋の開閉機構も、パフ入れの前端が底体
の内側に位置し、かつ蓋がパフ入れの外面で係合
するから蓋はその前端に設けた突出前端縁を押し
上げるしか開蓋方法がなく、開蓋の際に下方に傾
斜したパフ入れからパフが落ちるおそれがあり、
しかも突出前端縁の成型を余分に必要とする。

本考案は上記従来例の問題点を除去、改善して
構成が簡単で、操作の容易なコンパクト容器を提
供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案のコンパクト容器は、底体を貫通して蓋
とパフ入れを係脱可能に係合させ、該蓋を枢着し
た底体の両側壁外側下部に、前記パフ入れ摺動用
の案内溝を形成するとともに該案内溝内およびパ
フ入れの前後所定部位にそれぞれ突起を設けてな
る。

（作用） パフ入れを、突起を乗り越えて底体の案内溝に
摺動可能に取り付け、不使用時、使用時にそれぞ
れ所定部位の突起同士が係脱するとともに蓋を閉
放する。

（実施例） 本考案の１実施例を図面により詳細説明すれ
ば、第１図の分解斜視図において１は蓋体、２は
底体、３はパフ入れで、蓋体１の前端部には、先
端部外面に係合爪１ａを突出形成した係合片１ｂ
を垂設し、内側には鏡６を貼着している。底体２
は化粧料を収納する凹所２ｂを設け、両側壁外面
下部に各案内溝２ａを断面コ字状に形成し、該各
案内溝壁後端寄りに突起２ｃを、前端寄りには所
定小間隔を置いて突起２ｄ，２ｅをそれぞれ外向
きに縦設し、該突起２ｃ，２ｄは断面半円状であ
り、突起２ｅは、第３図ｃ、４図ｂの各断面図に
示すように突起２ｃ，２ｄよりも外へ突出し、か
つ台形状のその前面側が傾斜し、背面側は垂直に
形成されている。底体２の前端部には、貫通孔２
ｂを設けて上記蓋体１の係合片１ｂを貫通させて
後記するパフ入れ３の係合爪３ｂと係合させるよ
うになつている。

蓋体１と底体２は、その後端においてピン４に
より開閉可能に枢着され、ばね５により常時、開
蓋方向に付勢されている。

パフ入れ３は、両側壁上端をそれぞれ内向きに
屈曲して「型のレール状突条３ａを設け、該レー
ル状突条３ａの後端部には前記突起２ｃと係合す
る突起３ｃを内向きに縦設し、前端内面には前記
係合爪３ｂを突設してなり、底体２の下面前端開
口から嵌入されてレール状突条３ａ，３ａの各突
起３ｃが該底体の案内溝２ａ，２ａの突起２ｅ，
２ｅの前面傾斜に沿い該突起２ｅおよび２ｄを乗
り越えて摺動し、後端の突起２ｃを乗り越えて完
全に押し込まれると、第４図ａに示すように突起
３ｃが突起２ｃに係合し、パフ入れは第２図に示
すように底体の下面に定着する。この状態におい
て蓋体１を閉じ、その係合爪１ａによりパフ入れ
３の係合爪３ｂが前方への押圧力を受けてもパフ
入れの定着状態は確実に保持される。なお、第３
図ａ，ｂ，ｃおよび第４図ｂにおいて２ｇ，２ｈ
は切り込みで、それぞれ突起２ｃ，２ｄに接近し
て設けられて該各突起部分がたわみ易いように弾
性を付与するものである。

底体２に定着したパフ入れ３を底体から引き出
すには、パフ入れ３を指で強く挾んで支持し案内
溝前方へ引つ張ることにより突起３ｃが突起２ｃ
を乗り越えて前方へ摺動し、突起２ｄを乗り越え
突起２ｅとの〓間にはまり込み係合する。ここ
で、該突起３ｃは、突起２ｄより突出し背面が垂
直の突起２ｅに突き当たり、これを越えないから
パフ入れは底体から抜け落ちる恐れなく、容易に
パフを取り出すことができる。また、蓋体１とパ
フ入れ３の各係合爪１ａ，３ｂの係合もパフ入れ
の引き出しにより容易に外れる。パフ入れの強制
取り出しも可能である。

なお、パフ入れ３には、パフだけでなく他の化
粧用具や化粧料を容れることもでき、適宜位置に
通気孔を穿設することも可能である。

（考案の効果） 以上の構成、作用にかかる本考案は、(1)底体に
形成した案内溝およびその前後端部の所定位置に
突出成型した突起と、パフ入れに曲設したレール
状突条およびその後端部の突起とにより該底体と
パフ入れとを摺動可能、不本意な逸脱不可に容
易、確実に結合させ、(2)該パフ入れの出し入れ
は、指ではさんでやや強く前後動させるだけでで
き、一々ばねなどを操作する手間を要さない。(3)
該パフ入れの引き出しで蓋体との係合の開放もで
きる。(4)閉蓋の際、蓋体とパフ入れの各係合爪に
よる前方押圧力が生じてもパフ入れと底体とはそ
の各突起の係合によつてその定着状態は保持され
る。(5)パフ入れ操作用のばねや、開蓋用の突出前
端縁などを要することがないから構成、成型簡
単、で小型化される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案コンパクト容器の分解斜視
図、第２図は、同上、組み立て、開蓋状態を示す
斜視図、第３図ａは、同上底体の側面図、第３図
ｂは、同底体の部分底面図、第３図ｃは、同要部
拡大断面図、第４図ａ，ｂは同上底体とパフ入れ
との係合状態を示す要部拡大断面図である。 １……蓋体、２……底体、３……パフ入れ、３
ａ……レール状突条、１ａ，３ｂ……係合爪、２
ａ……案内溝、２ｂ……貫通孔、２ｃ，２ｄ，２
ｅ，３ｃ……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 係合爪１ａを外向きに有する係合片１ｂを前端
   に突設した蓋体１と、前記係合片貫通用の貫通孔
   を前端に有し、両側壁外側下部を切り欠いてパフ
   入れが摺動可能な案内溝２ａを形成し、該案内溝
   壁の後端部に突起２ｃを、前端部には小間〓をお
   いて２つの突起２ｄ，２ｅをそれぞれ外向きに設
   けた底体２とを、各後端部で開閉可能に結合し、
   該底体下面において前後摺動可能なパフ入れ３
   は、上面を開放し、前端内面には前記係合爪と係
   合する係合爪３ｂを突設するとともに両側上部に
   前記案内溝２ａに係合する突条３ａを内向きに形
   成し、該突条の後端部には前記案内溝内の各突起
   に掛脱可能な突起３ｃを設け、該案内溝内前端部
   の突起２ｅは突起２ｄよりも外方突出しその前面
   が斜面、後面が垂直面に形成され、前記突起２
   ｃ，２ｄに接近して切込み２ｇ，２ｈを案内溝２
   ａに設け、前記パフ入れ３を底体の案内溝前端か
   ら強制嵌入してなるコンパクト容器。