JPH062567Y2 - コンパクト容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧料充填用中皿やパフなどを収納する多収
納型のコンパクト容器に関する。

〔従来の技術〕

容器本体の内部を、ファンデーション化粧料等の充填用
中皿を化粧料補給や交換に備えて着脱自在に収納する区
域、およびパフなど化粧用具を収納する区域、にそれぞ
れ画成したコンパクト容器としては従来より多くのもの
が知られている。特に、中皿の容器本体側に対する組み
込み構造としては、案内溝などによる挿し込み方式、或
はアンダ・カット嵌合による落とし込み方式など様々な
形態で提案されている。

例えば、第３図に示す実開昭６１−１８４５１０号公報
に記載のコンパクト容器の場合、容器本体１の内部を前
後に画成し、その前側はパフを収納するパフ収納部
（１）として、そして後側は化粧料を収容した中皿２の
収納部(II)として形成されている。これらパフ収納部
（１）と、中皿収納部(II)との境界部には、立上がり係
合片３が底板４から垂直に立ち上がっていて、中皿２に
設けた垂下がり係合片５を立上がり係合片３に係合させ
ることによって、中皿２を中皿収納部(II)に嵌合保持せ
しめる。また、中皿２の前側面には指掛片６が前方向に
突設され、この指掛片６から前述の垂下がり係合片５が
垂れ下がった恰好となっている。中皿収納部(II)に中皿
２が嵌合保持された状態から、この中皿２の取り外しは
指掛片６を把持してこれを上方に引き上げるようになっ
ている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この第３図のコンパクト容器において
は、中皿２の前側面から指掛片６が前方向に突出した形
状であり、更にはこの指掛片６から垂直方向に垂下がり
係合片５が突出した形状であることから、合成樹脂材に
よる中皿２の成形金型が複雑となり、型成形が容易では
ない。

また、容器本体１の底板４から立ち上がる係合片３とし
ても、中皿２の指掛片６から垂れ下がった係合片５に係
合させる設計上の取り合いで、底板４の表面からかなり
の長さで突出していなければ用を足さない。

したがって、このように立上がり係合片３が突出した形
状、そして中皿２の周端から垂下がり係合片５および指
掛片６が突出した形状としては、外観性を低下せしめる
ものであり、また、特に指掛片６のようにパフ収納部
（１）側に向けて突出させると、この指掛片６の突出し
た容積分が容器本体１内にて無駄なスペースとなるなど
多くの問題点がある。

本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、
中皿を保持するための構造が容器本体内で非常に簡素で
ありかつ製作が容易であると共に、スペースの有効利用
が可能で、中皿保持後の容器全般にわたって突起物のご
ときものがなく、化粧容器として優れたコンパクト容器
の提供を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案によるコンパクト容
器は次なる構成とした。

即ち、本考案のコンパクト容器は、容器本体10の後側壁
10Bに蓋体30が蝶開自在にヒンジ結合され、容器本体10
の内部後方に化粧料41を充填した中皿20を収容するよう
になっている。

容器本体10の底板11に切り込み17を入れることによっ
て、板厚方向に弾性的に撓む係止板バネ部15が形成され
ている。また、容器本体10の両側壁12、12の各内面に
は、これらの前後方向に延びる対向一対の案内突起条1
6、16が突設されている。一方、中皿20の底部外面には係
合突起21が突設され、この係合突起21が前記係止板バネ
部15を乗り越えて係脱するようになっている、また、中
皿20の左右両辺の外側面には、これらの前後方向に延び
るスライド長溝22、22が設けられ、このスライド長溝22、
22が前記案内突起条16、16に係合して摺接案内されるよ
うにすることで、中皿20が容器本体10内の中皿20収納部
（II）に保持されるようにになっている。

〔作用〕

容器本体10の中皿収納部(II)に中皿20を嵌合保持させる
場合、の中皿20を容器本体10の前部から後部に向かっ
て、ほぼ水平方向からスライドさせるようにして前方へ
進める。中皿20の両側のスライド長溝22、22が容器本体1
0の両側の案内突起条16、16に係合して案内され、係合突
起21が係止板バネ部15を下方に押圧しつつこれを乗り越
え、中皿20が保持される。

〔実施例〕

以下、本考案によるコンパクト容器の実施例について図
面を参照しつつ説明する。

第１図および第２図において、容器本体10の底板11の周
囲には立ち上げて側壁12が設けられ、この後側壁12Bに
は鏡31付きの蓋体30が蝶開自在にヒンジ結合されてい
る。また、容器本体10の内部はその前後方向の前側がパ
フ40を収納するパフ収納部(1)となっており、そして後
側はファンデーション等の化粧料41を充填した中皿20の
収納部(II)となっている。尚、パフ収納部(1)の底板11
には図示しない多数の小孔をフィルター状に形成しても
よい。この場合は、小孔から水使用後のパフ40に付着し
た水分を自然乾燥させ、次回使用始めの使用感を高める
ことができる。

また、中皿収納部(II)としては、底板11上で平坦なスペ
ースとして確保されており、この中央部には底板11に平
面コ字状の切り込み17が形成され、この切り込み17によ
って形成される矩形状の係止板バネ部15が、上方からの
押圧力で板厚方向に弾性的に撓むことができるようにな
っている。この係止板バネ部15の先端には隆起するがご
とくに凸部15aが形成されている。この係止板バネ部15
の底板11の表面からの突出は僅かであり、収納物の収納
に全く障害にはならない。更に、中皿収納部(II)におい
ては、容器本体10の両側壁12、12の各内面にて、これら
の前後方向に延びる対向一対の案内突起条16、16が突設
されている。

また、容器本体10の前側壁12Aの中央部にはロック釦18
が組み込まれ、このロック釦18に蓋体30の前縁に突出成
形したロック爪32を係合させることによって、閉じた蓋
体30のロックを行うようになっている。一方、中皿20の
底部には、第２図に示すように、下面から左右方向に延
びる１個の係合突起21が突設され、この係合突起21は前
述の容器本体10側の係止板バネ部15の幅にほぼ等しい幅
寸法となっている。

次に、この実施例のコンパクト容器の作用は、中皿20を
容器本体10の保持収容させる場合、中皿20を容器本体10
の前後方向でほぼ水平にスライドさせ、まず両側のスラ
イド長溝22、22を容器本体10側の案内突起条16、16に係合
させて摺接させる。

中皿20のスライドがある程度進んだ段階で、中皿20の底
部の係合突起21が係止板バネ部15の凸部15aに当接す
る。なおも中皿20をスライドさせると、この力によっ
て、係止板バネ部15が自らの弾性で板厚方向の下方に撓
み、係合突起21が凸部15を乗り越えて、中皿20が所定の
収納部(II)にしっくりと保持される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によるコンパクト容器は、
容器本体10内において、中皿20を保持するための突起状
構造物は皆無といってよく、容器本体10の内部全般にわ
たって平坦であることから、スペースの有効利用が可能
であり且つ製作も容易である。また、中皿20を保持した
容器全般の表面に突起物のごときものがなく、化粧容器
としての外観上に優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、本考案によるコンパクト容器の
一実施例を示し、第１図は容器全体の分解斜視図、第２
図は容器本体に中皿を保持したときの要部の側面断面図
である。また、第３図は従来例の側面断面図を示す。 10…容器本体、11…底板、12…側壁、15…係止板バネ
部、15a…凸部、16…案内突起条、20…中皿、21…係合
突起、22…スライド長溝、30…蓋体、１…パフ収納部、
II…中皿収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体10の後側壁10Bに蓋体30を蝶開自
   在にヒンジ結合し、容器本体10の内部後方に化粧料41を
   充填した中皿20を収容するコンパクト容器であって、 容器本体10の底板11に切り込み17を入れて板厚方向に弾
   性的に撓む係止板バネ部15を形成すると共に、容器本体
   10の両側壁12、12の各内面にて前後方向に延びる対向一
   対の案内突起条16、16を突設し、一方、中皿20の底部外
   面に係合突起21を突設して、この係合突起21が前記係止
   板バネ部15を乗り越えて係脱するようにし、また、中皿
   20の左右両辺の外側面には前後方向に延びるスライド長
   溝22、22を設けて、このスライド長溝22、22が前記案内突
   起条16、16に係合して摺接案内されるようにし、中皿20
   を保持することを特徴とするコンパクト容器。