JPS633829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水性インキ用ボールペンのボールペ
ンチツプに関するもので、詳細には、金属パイプ
より成るボールペンチツプにおいて、ボール受座
となる内方押圧による変形箇所の後端とインキ誘
導芯の先端面の間にボールを介在させ、もつてイ
ンキ流出の安定性、組立て作業性の向上を図るこ
とを目的とするものである。

従来より、例えば特開昭55−7470号公報に、パ
イプ先端近傍部を外方から押圧変形させ内方にボ
ール受座となる突起を形成し、該突起後端にイン
キ誘導芯の前端面を当接させてなるボールペンチ
ツプが開示されている。

しかし、パイプを外方から押圧してのボール受
座となる突起形成の為、押圧しない箇所と突起は
クリアーな段部をもつてつながらず、テーパー面
をもつて形成されることとなる。従がつて、イン
キ誘導芯の前端面を当接させるといつても明確に
止まることはなく、インキ誘導芯の挿入具合に微
妙な調整が必要であり、僅かでも押し込み過ぎて
も、突起によつて狭まつたインキ通路内に入り込
んでしまうことになる。特にこの箇所は、ボール
直下に位置し、インキ溜りとして重要な箇所であ
り、当接状態が一定していないと製品間の品質バ
ラツキに大きく影響するという問題を生じ易い。

以上の問題点を解消させる為の対策として、イ
ンキ誘導芯の前端面が直接変形箇所（ボール受座
後端）に当接されなければ良い。この一例とし
て、実開昭57−171681号が挙げられる。即ちイン
キ誘導芯先端に別部材より成る成形物を配したも
のである。しかしこの成形物は極めて小さなもの
であるにもかゝわらず挿入方向に規則性があり、
組立て作業性に問題を残している。万一間違つて
挿入したとき、その時点では判明できず、最終製
品として組み立てた段階、或いは顧客の手に渡つ
て、インキ出不良という問題として発見されるの
で、組み立てチツプの破棄或いは顧客の信用を失
なうという問題をはらんでいる。

本考案は、以上の点に鑑み、考え出されたもの
で、金属パイプの先端近傍部を内方に押圧して変
形箇所を形成し、上部をボール受座とし先端にボ
ールを回動自在に抱持すると共に変形箇所の後端
とインキ誘導芯の先端面の間にボールを介在させ
たボールペンチツプを要旨とするものである。

以下、添付図面に従がつて一実施例について説
明すると、参照符号１は、ボールペンチツプとな
る金属パイプであつて、その先端近傍部には適宜
数の内方に向かう変形箇所２を形成し、上部をボ
ール受座３とする。４はボール抱持孔であつて、
５は適宜材料よりなるインキ誘導芯挿入孔であ
る。参照符号Ａは筆記用ボールであつて、ボール
抱持孔４に填入後、先端をかしめ回動自在でかつ
脱落しない様にしてある。参照符号Ｂは変形箇所
２の後端に当接し、インキ誘導芯６の前端面に当
接する様に介在されたボールである。

こゝでボールＢの直径は、金属パイプの内径よ
り小さくしてあるが、これはインキ誘導芯６から
のパイプ流路を確保する為である。しかし何もこ
の寸法は必ずしも満足する必要はなく、ボールＢ
自体がインキ流通能力を有する硬質多孔質体であ
れば、パイプ内径とボールＢの直径はほぼ同じで
も差しつかえない。

本考案は、以上の構成より成るので、今ボール
ペンチツプ組立てに当たつては、パイプ後端より
ボールＢを変形箇所２の後端まで填入し、しかる
後、インキ誘導芯への前端面をボールＢに当接さ
せる様に挿入すればよいが、ボール故に方向性は
全く気にする必要はなく、しかも、インキ誘導芯
６の前端部は、当接によつて仮に変形してもボー
ルＢによつてそれ以上前には挿入できないので、
変形部分には常に一定のインキ溜り形成を可能に
することができる。この様に組立作業が楽である
ばかりでなく、量産された製品は良好かつ均一の
品質たり得るという品質安定性において従来にな
い効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の要部縦断面図で
ある。 １……金属パイプ、２……変形箇所、３……ボ
ール受座、４……ボール抱持孔、５……インキ誘
導芯挿入孔、６……インキ誘導芯、Ａ……ボー
ル、Ｂ……ボール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属パイプの先端近傍部を内方に押圧して変形
   箇所を形成し、上部をボール受座とし先端にボー
   ルを回動自在に抱持すると共に、変形箇所の後端
   とインキ誘導芯の先端面の間にボールを介在させ
   たことを特徴とするボールペンチツプ。