JPH0446953Y2

JPH0446953Y2 -

Info

Publication number: JPH0446953Y2
Application number: JP11637487U
Authority: JP
Priority date: 1987-07-29
Filing date: 1987-07-29
Publication date: 1992-11-05
Also published as: JPS6420387U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）ボールを抱持するチツプを取り付ける軸体とし
て、先端を絞り加工によつて縮径部とした金属製
のパイプ体を使用してなるボールペンに関する。
一例としては、ノツク式筆記具などのリフイール
とされるものを挙げられる。

（従来の技術）添付第５図、第６図に基づいて説明する。ボー
ル１を回動可能に抱持するとともに内挿した繊維
束等よりなるインキ中継部材２を後方に延在する
チツプ３が軸体４の先端に挿入固定されている。
この軸体４が金属製のパイプ体を使用したもので
あつて、毛細管力によつてインキを保持するイン
キ吸蔵体５を内在することができるだけの内径を
有するとともに、その先端を絞り加工によつて縮
径部４ａ，４ｂとされている。ここで、縮径部と
して２段に形成したものを図示したが、勿論適宜
段数であつてよい。

このようなボールペンにあつて、通常は、チツ
プを取り付ける前のパイプ体にチツプ取り付けの
確実性を高めるための切削加工と、内外空気の交
換用の孔が穿設されている。図において、参照符
号６が切削加工により形成されたチツプ取り付け
孔、同７が空気交換のために穿設された孔を示
す。尚、参照符号８は、インキ吸蔵体５の後方に
空気を連通させるために軸体４とインキ吸蔵体５
との間に挿通した適宜横断面の棒体であり、ま
た、参照符号９はインキ吸蔵体５の外皮である。
ここで、棒体８はインキ吸蔵体５の内部を通るよ
うに配在されることもあるし、また、外皮９も、
インキ吸蔵体と一体に形成されたり、省略された
りする場合もある。

（考案が解決しようとする問題点）金属製のパイプ体を使用することには、インキ
の透過を十分抑制できる軸体になし得るといつた
長所がある反面、加工上の問題もある。即ち、例
えば、チツプ取り付けの確実性を高めるために切
削加工を施すのは、絞り加工によつて形成された
縮径部の径が不安定なものとなるためであるが、
望ましくは、このような後加工は施さないで済ま
したいところであり、また、かりに施すにして
も、切削加工時の治具の破損は可及的に発生しな
いようにしたい。付言すると、一般的な多くのボ
ールペンにあつて、極めて小細な寸法設定のため
に種々の加工がなされる訳であり、また、そのた
めに使用される治具、例えば切削加工のためのド
リルはわずかな切削片のまとわりつきによつて容
易に破損してしまう。

（問題点を解決するための手段）本考案は、ボールを抱持するチツプを取り付け
る軸体として、先端を絞り加工によつて縮径部と
した金属製のパイプ体を使用してなるボールペン
において、前記金属製のパイプ体として、その内
壁面に前記縮径部から後方延在する凹凸溝を有す
るものを使用したことを特徴とするボールペンを
要旨とする。

（作用）凹凸溝は、パイプ体にチツプを挿入固定する時
にチツプの寸法バラツキを吸収する。パイプ体自
体の変形もし易くなるし、また、挿入時にチツプ
がパイプ体と接触する面積も小さくなるのでチツ
プを作る材質の弾力性も有効に活用できるからで
ある。また、凹凸溝は、空気交換路の少なくとも
一部を担う。更に、パイプ体に切削加工を施す場
合には、凹凸溝によつて切削片が分断され、その
結果、切削片の治具へのまとわりつきも低減す
る。

（実施例）添付第１図乃至第３図に第１実施例を示す。参
照符号１０で示すのが本例における凹凸溝であ
る。凹凸溝は１個だけであつてよいが、本例で
は、対称的に設けた一例として６個を図示した。
また、凹凸溝は凹溝、凸条いずれか一方だけであ
つてもよく、この点、本例では凹溝として示して
ある。

凹凸溝１０は、インキ吸蔵体５の後方への空気
連通路としても役立つている。即ち、前述した棒
体８の役割も兼ねている。凹凸溝はインキ吸蔵体
の後端まで延在していることが望ましい訳であ
る。また、凹凸溝１０の開口端はチツプ３によつ
て封されることがないまま外界に連通している。
即ち、本例では、凹凸溝１０が空気交換路のすべ
てである。ちなみに、凹凸溝を形成するにあたつ
ては、例えば、パイプ素管の製造方法として一般
的な引き抜き加工の時に、心金に対応する形状を
付与しておけばよいが、縮径部を形成するための
絞り加工、例えば、スウエージング加工やスピニ
ング加工の時にも凹凸溝の形状を設定することが
できる。尚、前述したのと同じ部位には同一の参
照符号を付した（以下同様）。

次に、添付第４図に第２実施例を示す。前例で
は従来技術の一例として述べたものとの対比上、
かなり似通わせて図示したが、勿論種々変形等な
すことができ、そのいくつかを本例を通じて説明
する。

まず、本例のボール１はチツプ３に抱持されて
おらず、チツプ３の先端に、インキ中継部材１１
を内挿する小管１２を取り付け、この小管１２の
先端にボールを抱持させている。即ち、本例は所
謂パイプ式ボールペンの一例である。また、チツ
プ３には、凹凸溝１０の開口端を封はしないが係
止する中間部３ａを設けてある。この場合、中間
部３ａは空気交換路の一部を担うものとも言え
る。場合によつては、凹凸溝１０の開口端を直接
外界に連通させなくてもよい訳である。また、本
例にあつては、インキ吸蔵体の外皮９と軸体４と
の間に空間を確保させてある。インキ吸蔵体の位
置振れ不安定さは増すが、挿入は容易になる。

（考案の効果）インキの透過を十分に抑制できるといつた金属
製のパイプ体を使用する場合の長所を生かしたま
ま、加工上の問題を低減でき、しかも、わざわざ
インキ交換用の孔を穿設する必要もないので、量
産性の高い、また、品質の安定した製品たり得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の要部縦断面図、第２図は
第１図の−線横断面図、第３図は第１図の
−線横断面図、第４図は第２実施例の要部縦断
面図、第５図は従来例の要部縦断面図、第６図は
第５図の−線横断面図。。１……ボール、２……インキ中継部材、３……
チツプ、３ａ……（チツプの）中間部、４……軸
体、４ａ，４ｂ……縮径部、５……インキ吸蔵
体、６……チツプ取り付け孔、７……空気交換用
の孔、８……棒体、９……インキ吸蔵体の外皮、
１０……凹凸溝、１１……インキ中継部材、１２
……小管。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ボールを抱持するチツプを取り付ける軸体とし
て、先端を絞り加工によつて縮径部とした金属製
のパイプ体を使用してなるボールペンにおいて、
前記金属製のパイプ体として、その内壁面に前記
縮径部から後方延在する凹凸溝を有するものを使
用したことを特徴とするボールペン。