JP4577939B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるラインマーカーと称される筆記具に関し、特に、ほぼ一定な描線幅を得られる幅広のペン体を有する筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペイントマーカー、アンダーラインマーカー等と称される筆記具は、幅広のペン体を備えることにより幅広の線引きを可能にしたものであって、マーキングの視認性や作業性に優れているため幅広く使用されている。
ラインマーカー等の筆記具におけるペン体は、一般に合成樹脂繊維等を棒状に集束して毛細管作用を付与し、これにより筆記具本体に収容されたインクをペン先に導出することにより筆記可能としたものである。
また、蛍光インクを本体内に収容した筆記具の普及にともない、幅広の線引きを可能としたペン体を有した筆記具が開発市販されたことにより、使用者の用途に応じた筆記具の広い選択が可能となり、その作業性も快適なものとなっている。
【0003】
しかしながら、従来のペン体は、通常、表面が露出しておりペン体側面もインクの浸出面になっているため、定規を用いて線を引く場合、定規のペン体との接触面が汚れることが常であった。また、このように接触面が汚れた状態で異なるインク色の筆記具で同じ作業を繰り返すと、それらのペン体側面に色が移り、該ペン体の汚損の原因となっていた。この問題を回避するためには、筆記作業毎に定規に付着したインクを除去しなければならず、非常に作業性が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、特開平10−71794に開示されているように、ペン体に樹脂製合成繊維を筒型に集束させたものを使用し、その外周を筒型の被覆部材にて被覆するものが提案されている。
この構成によると、ペン体の外周部を被覆部材により被覆することにより、該ペン体の側面からのインクの浸出を防止することができる。したがって、定規を用いて線を引く場合でも、定規のペン体との接触面が汚れることなく線引き作業を行うことができる。
【0005】
一方、幅広のラインを引く場合は幅広のペン体が用いられるが、例えば、右手でラインを左から右へ引く場合、ペン体が太いとペン体の右側、すなわち、線の右終点位置が見えにくく確認しづらいという問題があった。
【0006】
そこで、上記問題点を解決するために、ペン先近傍に可視部を設けて、描画方向を視認できるようにする方法が考えられるが、ペン体の形状が単純な筒型状や研磨成形した形状と大きく異なるため、多孔質部材から塗布部材を形成することが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多孔質部材によるペン体の形状が複雑になると、これを被覆することが困難になるという問題があった。
また、ペン体の中央部に可視部を構成しようとする場合、該ペン体の側面は筆記部と同様にインク流路となるため、定規を用いた線引き作業の場合、インクが定規に付着し、定規に付着した他のインク等の汚れがペン体を汚損するという問題がある。
さらに、多孔質部材を形成している粒子は容易に剥離しやすいため、定規を用いた線引き作業の場合、ペン体側面が摩耗し、ペン体自体が破損するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、定規を用いた線引き作業の場合に定規にインクが付着することによるペン体の汚損、摩耗を防止し、かつ、線引き作業の作業性向上を図ることができる筆記具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筆記具本体から供給されるインクを誘導するインク誘導部と前記インク誘導部からのインクを導出する筆記部を有する塗布部材と、前記塗布部材を支持する支持部材を有して成るペン体を該筆記具本体の先端に備える筆記具において、
前記塗布部材は、前記筆記具本体側に対向する、前記支持部材後端部から突出形成される係合部の側面両側から支持部材先端部の筆記部にわたり、該支持部材の側面に沿って延在され、
前記支持部材は、前記筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備えるとともに、
該支持部材側面から、該可視部の面と平行かつ該筆記具の径方向に、溝端部が延在されて、該支持部材の側面のみに溝が形成され、該溝内に嵌入される前記塗布部材が、該溝端部の径方向の内側に嵌入されていることを特徴とするものである。
前記塗布部材は、輪郭外形が前記溝端部内側0.01〜2.00mmの位置となるように嵌入されていることが好ましい。
また、前記塗布部材は多孔質部材から成ることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、筆記具本体から供給されるインクを誘導するインク誘導部と前記インク誘導部からのインクを導出する筆記部を有する塗布部材と、前記塗布部材を支持する支持部材を有して成るペン体を該筆記具本体の先端に備える筆記具において、
前記塗布部材は、前記筆記具本体側に対向する、前記支持部材後端部から突出形成される係合部の側面両側から支持部材先端部の筆記部にわたり、該支持部材の側面に沿って延在され、
前記支持部材は、前記筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備えるとともに、
該支持部材側面のみに該筆記具の軸方向と略平行に貫通孔が形成され、該貫通孔内に前記塗布部材が挿通されていることを特徴とするものである。
また、前記塗布部材は多孔質部材から成ることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、塗布部材を、前記筆記具本体側に対向する、前記支持部材後端部から突出形成される係合部の側面両側から支持部材先端部の筆記部にわたり、該支持部材の側面に沿って延在させ、支持部材に前記筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備えることにより、該可視部を通して描画方向を視認することができる。
したがって、確実な線引き作業を実現できる。
また、前記支持部材側面の外形を該側面に延在される塗布部材の輪郭外形よりも大きく形成することにより、定規を用いた線引き作業において、塗布部材が定規に触れることなく線引き作業を行うことができる。したがって、定規を汚すことなく作業できるとともに、塗布部材が摩耗することがなく安定した線引き作業を実現できる。
【0012】
また、前記支持部材側面に延在する塗布部材は、少なくとも一部が該支持部材により被覆されることにより、塗布部材が定規等に触れることなく線引き作業を行うことができる。
【0013】
また、前記支持部材の側面端部に、延在する塗布部材に沿って、該塗布部材の輪郭外形より大きくガイド部を突出形成することにより、塗布部材が定規等に触れることなく該ガイド部に沿って安定して線引き作業を行うことができる。また前記塗布部材が定規等に接触することがないので、摩耗や損傷を防止することができる。
【0014】
また、塗布部材が、輪郭外形が前記溝端部内側0.01〜2.00mmの位置となるように嵌入されていることにより、確実に塗布部材と定規等との接触を防止することができ、また、ペン体の外側に大きく突出することなく構成できるので線引き作業を妨げることがない。
【0015】
また、前記塗布部材は多孔質部材から成ることにより、容易に適宜な形状に加工することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る筆記具の構成を示す断面図、図2の(a)は前記筆記具のペン体の構成を示す詳細図、(b)は(a)のA−A断面矢視図、図3は本実施形態の変形例を示すものである。
【0017】
本実施形態による筆記具は、図1に示すように、インクの供給量を調節する弁機構を備えるタイプの筆記具1であって、先端部にペン体2を有し、インクが収容される筆記具本体(軸筒)3を後部に有するとともに、前記ペン体2と前記筆記具本体3のインク室4との間に設けられる筒状のインク通路3aに弁機構5を配置して、ペン先方向の押圧移動でスプリング6の付勢力に抗して弁棒7を後退させることにより、弁部8を開放してインクの導出を行うようにしたものである。
また、インクの粘度が高い場合やインクの成分が沈殿しやすい場合には、インク室4内に撹拌ボール(図示せず)を内蔵してもよい。なお、符号9は弁座部である。
【0018】
前記ペン体2は、図2に示すように、筆記具本体3から供給されるインクを誘導するインク誘導部12と前記インク誘導部12からのインクを導出する筆記部13を一体に有する塗布部材11と、前記塗布部材11全体を支持する支持部材14を有している。
前記インク誘導部12はインク通路3aの弁機構5先方に挿入され、前記支持部材14の主要部は筆記具本体3の先端から露出して配置されている。
【0019】
前記支持部材14は、前記筆記部13の軸方向直上に透明の樹脂製の可視部14bが略台形状に形成され、その側辺にあたる部分、すなわち筆記具本体3側に対向する後端部14fにインク通路3aに挿入される略棒状の係合部14cが突出形成され、反筆記具本体3側、すなわちペン体2の先端部14aが斜めにいわゆるナイフカット状に形成されている。
【0020】
また、該支持部材14の側面端部14dには、軸方向に貫通孔14eが形成され、該貫通孔14e内部には前記塗布部材11が配置されている。すなわち、該支持部材14側面の塗布部材11は、側面端部14dにおいて支持部材14により被覆される状態となっている。
前記側面端部14dが塗布部材11より外側に突出する量は、0.01〜2mmとされている。
【0021】
前記塗布部材11は、多孔質部材からなり、前記支持部材14の係合部14cの外周に沿ってインク誘導部12が設けられ、前記係合部14cとともにインク通路3aに摺動自在に嵌入されている。また、前記支持部材14の先端部14aには筆記部13が該先端部14aの外周に沿って斜めに、いわゆるナイフカット状に形成されている。前記インク誘導部12と前記筆記部13とは貫通孔14eを通過して一体的に形成されている。
【0022】
ここで、本実施形態に係る筆記具1による線引き操作について説明する。
まず、図1に示すように、筆記具1を把持して筆記部13を被描画体(図示省略)に押し付ける。するとインク誘導部13が係合部14cとともにインク通路3a内に押し込まれる。このとき、前記インク誘導部12は弁棒7を開弁方向に移動させる。すると、弁部8が開放され、インク室4内のインクがインク通路13a内に流入する。そして、前記インク通路13a内のインクは前記インク誘導部12に浸透して貫通孔14eを通って筆記部13に到達する。
筆記部13に含浸されたインク量を適宜に調整して、ペン体2は描線可能の状態となる。
【0023】
次に、定規を用いて線引き作業を行う。
定規の外側にペン体2を配置して、筆記具1を手前向けて筆記部13を被描画体に押し付ける。すると、前記ペン体2は手前に傾斜した状態となる。この時、支持部材14の一方の側面端部14dが筆記部13の描画限界位置よりも定規側に位置する。この状態で、前記側面端部14dを定規に押し当てて線引きを行うことにより、筆記部13が定規に接触することなく線引きを行うことができる。
【0024】
上記の構成によると、塗布部材11を、筆記具本体3側のインク誘導部12から支持部材14先端部14aの筆記部13にわたり、該支持部材14の側面に沿って延在させ、支持部材14に前記筆記部13の軸方向直上に透明な樹脂製の可視部14bを備えることにより、該可視部14bを通して描画方向を視認することができる。
また、前記支持部材14の側面端部14dの内部に形成した貫通孔14eを通って塗布部材11を配置したので、定規を用いた線引き作業において、塗布部材11の定規と接触する部分を側面端部14dにより被覆することができる。したがって、塗布部材11が定規に触れることなく線引き作業を行うことができるとともに、塗布部材11が摩耗や損傷することがないため安定した線引き作業を行うことができる。
【0025】
また、前記側面端部14dが塗布部材11より突出している量を、0.01〜2mmとすることにより、確実に塗布部材11と定規等との接触を防止することができ、また、ペン体の外側に大きく突出することなく構成できるので線引き作業を妨げることがない。
【0026】
また、前記塗布部材11は多孔質部材としたので、容易に適宜な形状に加工することができる。
【0027】
なお、本実施形態においては、支持部材14の側面端部14dに貫通孔14eを形成して、そこに塗布部材11を配置することにより該塗布部材11を被覆するようにしているが、本発明は、少なくとも一部が該支持部材により被覆されているものであれば、これに限定されるものではない。
例えば、図3に示すように、変形例として、支持部材104の側面端部104dに溝104eを形成し、そこに塗布部材11を配置するようにしたものであっても良い。前記溝104eの深さは外側端部104fの位置が前記塗布部材の外形よりも0.01〜2mm高くなるように形成されている。
【0028】
この構成によると、定規を用いた線引き作業の場合に、塗布部材11は支持部材104の溝104eに配置されているので、定規に触れることなく溝端部104fに沿って安定して線引き作業を行うことができる。したがって、前記実施形態と同様に、定規のインク汚れによるペン体の汚損を防止できるとともに、ペン体の摩耗や損傷を防止することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜4記載の筆記具によれば、ペン体に設けられる塗布部材の側面を被覆し、または支持部材の外形よりも小さくすることにより、定規を用いた線引き作業の場合に、定規と塗布部材とが接触することなく線引き作業をおこなうことができる。しかも、可視部を設けることにより、線引きする方向の状況を確認することができる。したがって、誰でも容易に線引き作業を行うことができ、しかも、定規にインクが付着することによるペン体の汚損や摩耗、破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る筆記具の全体の構成を示す断面図である。
【図2】(a)は前記筆記具のペン体の構成を示す詳細図、(b)は(a)のA−A断面矢視図である。
【図3】本実施形態の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 筆記具
2 ペン体
3 筆記具本体
3a インク通路
4 インク室
5 弁機構
11 塗布部材
12 インク誘導部
13 筆記部
14、104 支持部材
14a 先端部
14b 可視部
14c 係合部
14d 側面端部
14e 貫通孔
14f 後端部
104e 溝
104f 外側端部

Claims (4)

  1. 筆記具本体から供給されるインクを誘導するインク誘導部と前記インク誘導部からのインクを導出する筆記部を有する塗布部材と、前記塗布部材を支持する支持部材を有して成るペン体を該筆記具本体の先端に備える筆記具において、
    前記塗布部材は、前記筆記具本体側に対向する、前記支持部材後端部から突出形成される係合部の側面両側から支持部材先端部の筆記部にわたり、該支持部材の側面に沿って延在され、
    前記支持部材は、前記筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備えるとともに、
    該支持部材側面から、該可視部の面と平行かつ該筆記具の径方向に、溝端部が延在されて、該支持部材の側面のみに溝が形成され、該溝内に嵌入される前記塗布部材が、該溝端部の径方向の内側に嵌入されていることを特徴とする筆記具。
  2. 前記塗布部材は、輪郭外形が前記溝端部内側0.01〜2.00mmの位置となるように嵌入されていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  3. 筆記具本体から供給されるインクを誘導するインク誘導部と前記インク誘導部からのインクを導出する筆記部を有する塗布部材と、前記塗布部材を支持する支持部材を有して成るペン体を該筆記具本体の先端に備える筆記具において、
    前記塗布部材は、前記筆記具本体側に対向する、前記支持部材後端部から突出形成される係合部の側面両側から支持部材先端部の筆記部にわたり、該支持部材の側面に沿って延在され、
    前記支持部材は、前記筆記部の軸方向直上に筆記方向を視認できる可視部を備えるとともに、
    該支持部材側面のみに該筆記具の軸方向と略平行に貫通孔が形成され、該貫通孔内に前記塗布部材が挿通されていることを特徴とする筆記具。
  4. 前記塗布部材は多孔質部材から成ることを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の筆記具。
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