JPS607193Y2 - 筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば、す不ソペンのような筆記具に関す
る。

サインペンのペン芯は一定の長さからなり、その後端部
は本体軸内に設けたインク貯蔵部内に嵌挿されていると
ともに、芯先は本体軸の先端部に取付けられたチップ体
内より外方に所定量だけ突出された構造が多く採られて
いる。

そして、そのペン芯の芯先で筆記するものであるが、こ
の種のペン芯は繊維材を固結したものかあるいはプラス
チックの押出し底形などによって形成されているため、
使用によって芯先は次第に消耗し、ついには短くなって
筆記困難な事態が生じる反面、このペン芯にインクを供
給するインク貯蔵部には未だインクが残存するという事
態が生じる。

このようなことはとくに細字用のサインペンのペン芯に
多くみられる現象である。

本考案は、このような点に鑑みなされたもので、本体軸
からチップ体を貫通してチップ体の先端部より外方に比
較的長く突設したペン芯にその芯先を残してパイプ体を
進退可能に嵌挿し、このパイプ体を必要に応じて本体軸
からはずしたキャップ体によって必要量だけ押戻すなど
して後退することにより、短くなった芯先により無理に
筆記することがなく、常に適正な長さの芯先で筆記でき
るとともにペン芯とインクの相互を有効に利用できる経
済的な筆記具を提供するものである。

つぎに、本考案の実施例を添附図面に基づいて説明する
。

第１図および第２図に示すものにおいて、１は筆記具と
してのサインペンで、このサインペン１は、本体軸２と
これに着脱自在に取付けたキャップ体３とにより構成さ
れ、上記本体軸２内の後部にはインクを含浸した図示し
ないインク貯蔵部が設けられ、また、上記本体軸２の先
端部にチップ体４が取付けられている。

このチップ体４は、ポリプロピレンなどの合成樹脂によ
って中硬質状に成形され、中心軸方向に上記本体軸２の
通孔５に連通した芯挿通孔６が形成され、また、後端外
周に上記本体軸２の取付孔７内に嵌挿した小径の連結部
８が段部９を介して形成され、さらに、上記芯挿通孔６
の後部に大径の係止孔１０が形成され、この係止孔１０
内に中心軸方向に上記芯挿通孔６および通孔５に連通し
た連通孔１１を有する芯係止具１２が固着されている。

また、上記芯係止具１２の連通孔１１内にペン芯１３が
挿通され、このペン芯１３の一端部は上記本体軸２のイ
ンク貯蔵部内に挿入されているとともに、他端部すなわ
ち芯先１４はチップ体４の先端部より外方に比較的大き
く突設され、そして、このペン芯１３は、上記芯係止具
１２に形成されたかしめ部１５において芯係止具１２に
かしめられて一体に固着されている。

また、上記芯先１４からペン芯１３に所定長さの金属製
のパイプ体１６が進退可能に嵌挿され、このパイプ体１
６の一側部は上記チップ体４の芯挿通孔６の途中に進退
可能に嵌挿されているとともに、パイプ体１６の他端部
すなわち先端は芯先１４の近傍に位置されている。

しかして、ペン芯１３を保持したパイプ体１６は、パイ
プ体１６の後端部と上記芯係止具１２の先端すなわちか
しめ部１５との間の距離１だけ強制的に押戻されて後退
され、芯先１４を順次露出されるようになっている。

つぎに、上記キャップ体３の閉塞部１７における中心外
面に上記芯先１４を挿入する挿入凹部１８が形成され、
この挿入凹部１８の外側に上記パイプ体１６の先端受圧
部１９を挿入して押圧する押圧凹部２０が連設されてい
る。

このように構成されたものにおいて、使用によって芯先
１４が消耗し短くなって筆記が困難になった場合には、
キャップ体３を反転し閉塞部１７に形成された挿入凹部
１８及び押圧凹部２０内に芯先１４およびパイプ体１６
の先端受圧部１９を挿入し、キャップ体３を本体軸２側
に押圧すると、芯先１４は挿入凹部１８内に挿入される
とともに先端受圧部１９は押圧凹部２０の壁面によって
押圧され、パイプ体１６はペン芯１３および芯挿通孔６
を摺動して押戻され、すなわち、パイプ体１６は最大で
は挿入凹部１８の深さ分だけ押戻され、芯先１４が露出
される。

つぎに、第３図に示すものは、パイプ体２１をチップ体
２２の先端部に固着するとともに、このチップ体２２の
後部外周に形成されたねじ溝２３を本体軸２の先端部内
周に形成されたねじ溝２４に進退自在に螺合し、そして
、このチップ体２２は、チップ体２２の後端部と芯係止
具１２のかしめ部１５との間の距離１だけ回動により後
退され、芯先１４を順次露出するようにしたものである
。

そうして、チップ体２２の把持部２５を把持してチップ
体２２を戻し方向に回動すると、チップ体２２は本体軸
２内に引込まれるとともに、これと一体のパイプ体２１
も本体軸２側に後退され、芯先１４が所定長さ露出され
る。

なお、上記第１実施例および第２実施例において、芯先
１４が消耗して短くなり筆記が困難になった場合に、パ
イプ体１６．２１を後退して芯先１４を露出する場合に
ついて説明したが、たとえば、不使用時には前進させて
芯先１４を被覆するようにすることも可能である。

本考案によれば、本体軸２からチップ体４を貫通してチ
ップ体４の先端部より外方に突設したペン芯１３に、こ
のペン芯１３の芯先１４を残してパイプ体１６を移動可
能に嵌挿し上記本体軸２に着脱自在に取付けたキャップ
体３に芯先１４を挿入する挿入凹部１８およびパイプ体
１６の先端受圧部１９を挿入押圧する押圧凹部２０を連
設したので、必要に応じてパイプ体１６の先端受圧部１
９に対して本体軸２からはずしたキャップ体３の押圧凹
部２０を挿入するとともにキャップ体３を押圧すること
によりパイプ体１６は必要量だけ押戻され使用などによ
って消耗し短くなった芯先１４を筆記に必要な十分な長
さに簡単に露出することができ、常に適正な長さの芯先
１４て筆記することができ、短くなった芯先１４により
無理に筆記し紙などを損傷するおそれがなく、また、こ
のパイプ体１６によってペン芯１３を確実に保持するこ
とができ、さらにキャップ体３に芯先１４の露出度合を
調節する機構を形成したので、別部材を用いることなく
筆記具の構成部材を有効に活用し全体的に構造を簡単化
することができ、したがって、ペン芯１３が摩耗してい
ってもインクのある間は有効に利用できる経済的な筆記
具を堤供することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、第１図はキャップ付
き筆記具の正面図、第２図は同上本体軸とキャップ体と
の一部の拡大断面図である。 ２・・・・・・本体軸、３・・・・・・キャップ体、４
・・・・・・チップ体、６・・・・・・芯挿通孔、１３
・・・・・・ペン芯、１４・・・・・・芯先、１６・・
・・・・パイプ体、１７・・・・・・閉塞部、１８・・
・・・・挿入凹部、１９・・・・・・先端受圧部、２０
・・・・・・押圧凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体軸２の一端部に芯挿通孔６を有するチップ体４を取
   付け、このチップ体４の先端部より外方に上記本体軸２
   内および上記芯挿通孔６内を挿通されたペン芯１３の芯
   先１４を比較的長く突設し、このペン芯１３にその芯先
   １４を残してこのペン芯１３を保持するパイプ体１６を
   移動可能に嵌挿し、上記本体軸２に着脱自在に取付けた
   芯先１４被覆用のキャップ体３の閉塞部１７に上記芯先
   １４を挿入する挿入凹部１８を形成するとともに、この
   挿入凹部１８の開口縁に上記パイプ体１６の先端受圧部
   １９を挿入押圧する押圧凹部２０を連設したことを特徴
   とする筆記具。