JPS6232873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はノツク式シヤープペンシルの後部に
他の筆記具を取り付けた両頭複合筆記具の改良に
関する。

従来、ノツク式シヤープペンシルの機構部の一
部である芯タンクの後端に他の筆記具を取り付け
た両頭複合筆記具は、他の筆記具が軸筒の後端よ
り突出する長さつまり筆記先端部が意匠的な面あ
るいは機能的な使い易さの面などからも余り長く
突出させることができず、芯タンクの後端が軸筒
の後端より任意の距離奥に入つた所で切断されて
いる。この芯タンクの後端に他の筆記具を圧入嵌
合して係止させるために他の筆記具に外鍔を構成
する訳であるが、該外鍔の外面が軸筒内に位置し
ているので芯の繰出時のノツクにより軸方向に繰
り返し摺動させられた場合、軸筒内面との透き間
が狭いと軸筒内面と他の筆記具とが接触して作動
不良を起こし、これとは反対に透き間をあけすぎ
ると他の筆記具の筆記の時に横ブレ等により筆記
がしにくいという問題を生じてしまい、いずれの
問題も筆記者には多大な不快感となつていた。

この考案は、ノツク式シヤープペンシルを使用
する場合には他の筆記具の筆記先端にノツクカバ
ーを嵌合してノツクすることにより芯を繰り出
し、他の筆記具を使用する場合にはノツクカバー
を取り外して使用することに着目し、他の筆記具
の係合具に弾性力を有するような構成を施して、
ノツク式シヤープペンシルを使用する場合には他
の筆記具の筆記先端にノツクカバーを嵌合するこ
とによつて係合具と軸筒内面との間に適宜の透き
間をあけさせ、他の筆記具による筆記をしようと
してノツクカバーを取り外すと、係合具の弾性力
で拡開して軸筒内面に係合具が圧接され、全く横
ブレ等を生じないという構成にしたものである。

他の筆記具としてはボールペン・サインペン・
マーカー等種々の筆記具があるが、この考案の実
施態様ではボールペンについて図面にもとづいて
説明すると、第１図に示すように、軸筒１にチヤ
ツク・締リング・連結具・チヤツクスプリング・
芯タンクからなるノツク式シヤープペンシルの機
構部が装着され、さらに芯ホルダー２を有する口
金３が連結具４を介して軸筒１に密着している。
この口金３の形状は嵌合具３Ａからなる円筒部と
円錐状の口元部３Ｂからなり、円錐状の口元部３
Ｂの尖つた先より芯５が突出するように構成され
ている。一方軸筒１の後部内側にはノツク式シヤ
ープペンシルの機構部の芯タンク６が延長されて
いて、軸筒１の後端より任意の距離入つた所で切
断されている。そして該芯タンク６の内側に、適
度の圧入力を有するように構成されたボールペン
体７の後軸部７Ａが圧入嵌合されている。このボ
ールペン体７の中間部に軸筒１の内径よりわずか
に太径の外鍔７Ｂを構成し、外鍔７Ｂより後方に
は嵌合部７Ｃと円錐状の口元部７Ｄからなる筆記
部軸が構成されている。このボールペン体７の外
鍔７Ｂおよび嵌合部７Ｃを前後に切溝７Ｅを設け
て数分割し、弾性を有して係合具が構成されてい
る。このように構成されたボールペン体７の円錐
状の口元部７Ｄに先端チツプ８Ａとインクを貯蔵
したレフイール部８Ｂとからなるボールペン８が
挿入固着されている。そしてこのボールペン体７
の嵌合部７Ｃには通常ノツクカバー９が嵌合さ
れ、外鍔７Ｂを内方に縮めて軸筒１の内面１Ａと
外鍔７Ｂとに透き間がもうけられている。

このような両頭複合筆記具を使用する場合、芯
５による筆記のときには通常のノツク式シヤープ
ペンシルと同様、ノツクカバー９を繰り返しノツ
クすることによつて漸次芯５を繰り出すことがで
きる。ついでボールペン８を使用したい場合に
は、ボールペン体７に嵌合されたノツクカバー９
を抜き取ると、係合具の外鍔７Ｂが拡開して軸筒
１の内面１Ａに圧接し、ボールペン体７は軸筒１
内で横ブレすることがなく筆記できる。抜き取つ
たノツクカバー９は第２図に示すようにノツク式
シヤープペンシルの口金３の嵌合部３Ａに嵌合さ
せれば邪魔にならず紛失する心配もない。

第３図はこの考案の他の実施態様を示したもの
で、芯タンク１６の内側に適度の圧入力を有する
ように構成されたボールペン体１７の後軸部１７
Ａが圧入嵌合されている。このボールペン体１７
の凹溝１７Ｆに、軸筒１１の内径よりわずかに太
径の外鍔１０Ａと嵌合部１０Ｂからなる断面Ｃ形
の係合具１０が外嵌され、通常ノツクカバー１９
が係合具１０の嵌合部１０Ｂに嵌合されて、係合
具１０の外鍔１０Ａが内方に縮められ、軸筒１１
の内面１１Ａと外鍔１０Ａとに透き間が設けられ
ている。この係合具１０は、ゴム製のたとえばＯ
リングや、板バネ等で構成しても何ら問題はな
い。

以上説明したように、この考案による両頭複合
筆記具によれば、一本の軸筒で二種類の筆跡が得
られ、その切替がノツクカバーの差し替えだけで
素早く可能となるばかりか、ノツク式シヤープペ
ンシルの芯を繰り出そうとした場合にはスムーズ
にノツクでき、他の筆記具で筆記しようとした場
合には他の筆記具の横ブレがなく快適に筆記でき
るといつた従来の両頭複合筆記具に比べて多大な
る効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の両頭複合筆記具を示す縦断
面図、第２図は第１図の両頭複合筆記具のボール
ペンを使用する状態を示した部分縦断面図、第３
図はこの考案の他の実施態様を示す主要部縦断面
図である。 １，１１……軸筒、１Ａ，１１Ａ……軸筒１，
１１の内面、２……芯ホルダー、３……口金、３
Ａ……口金３の嵌合部、３Ｂ……口金３の口元
部、４……連結具、５……芯、６，１６……芯タ
ンク、７，１７……ボールペン体、７Ａ，１７Ａ
……ボールペン体７，１７の後軸部、７Ｂ……ボ
ールペン体７の外鍔、７Ｃ……ボールペン体７の
嵌合部、７Ｄ……ボールペン体７の口元部、７Ｅ
……ボールペン体７の切溝、１７Ｆ……ボールペ
ン体１７の凹溝、８……ボールペン、８Ａ……ボ
ールペン８の先端チツプ、８Ｂ……ボールペン８
のレフイール部、９，１９……ノツクカバー、１
０……係合具、１０Ａ……係合具１０の外鍔、１
０Ｂ……係合具１０の嵌合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 軸筒の一端よりノツク式シヤープペンシルが
   突出しているとともに、他端より他の筆記具が
   突出した両頭複合筆記具において、ノツク式シ
   ヤープペンシルの機構部の一部である芯タンク
   の後端に他の筆記具を取り付け、該他の筆記具
   に設けられた係合具を軸筒の内径よりわずかに
   太径に構成し、該係合具にノツクカバーを嵌合
   させることにより、係合具を内方に縮めて軸筒
   の内面と係合具との間に適宜の透き間を設けた
   ことを特徴とする両頭複合筆記具。 ２ 筆記具の中間部に軸筒１の内径よりわずかに
   太径の外鍔７Ｂと、該外鍔７Ｂより後方に嵌合
   部７Ｃを構成し、この外鍔７Ｂおよび嵌合部７
   Ｃを前後に切溝７Ｅを設けて数分割し、筆記具
   の係合具を構成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の両頭複合筆記具。 ３ 筆記具の凹溝１７Ｆに断面Ｃ形の係合具１０
   を外嵌し、該係合具１０は軸筒１１の内径より
   わずかに太径の外鍔１０Ａと該外鍔１０Ａの後
   方に位置する嵌合部１０Ｂより構成されたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の両頭複合筆記具。