JP3074854U - レフィールを移動させないボールペン又はシャープペンシル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ボールペンのインク収納パイプにおけるイン
クの不連続による途切れ、又はシャープペンシルのシャ
ープ芯のずれ、折れ等のアクシデントを避けることがで
きるボールペン又はシャープペンシルの構成を提供す
る。 【解決手段】 ボールペンのインク収納パイプ、又はシ
ャープペンシルのシャープ芯を内包したレフィール２
を、軸筒１に対する後方蓋６と接触状態にすると共に、
先端に位置している口金３に対し、押圧バネ７を介して
係着した状態とし、口金３は、グリップ５、及び中筒４
と一体形成されており、該一体形成された中筒４、グリ
ップ５、口金３は、軸筒１に対し前後方向に移動可能で
あると共に、インク収納パイプ、又はシャープ芯が口金
３から突出し、かつ筆記可能な状態にある位置、及びイ
ンク収納パイプ、又はシャープ芯が口金３内に収納され
た状態にある位置を維持する機構を有していることに基
づき、前記課題を解決することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ボールペン、シャープペンシルにおいて、インク収納パイプ（ボー ルペンの場合）、シャープ芯（シャープペンシルの場合）をそれぞれ収納してい るパイプ状のレフィールの設置構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

通常、ボールペン又はシャープペンシルにおいては、軸筒先端からレフィール の先端にかけて位置しているレフィールメカニズム本体がレフィールの移動及び 停止に関与し、かつレフィールメカニズム本体が、後方に位置しているノック等 の操作によって軸筒を基準としたうえで、前後方向に移動する構成が採用されて いる。

【０００３】 しかしながら、ノック操作を急激に行なった場合には、レフィールメカニズム 本体に衝撃が加わり、レフィール内部に収納されたインク収納パイプ内部のイン クが、不連続の状態となってインクが途切れたり、シャープ芯が本来の位置から ずれることによって、筆記不可能となる場合がある。

【０００４】 特に、シャープ芯の場合には、前記衝撃によって折れる場合があり、折れたシ ャープ芯は筆記に利用できなくなり、無駄と化す。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本願は、従来技術の前記のような欠点を克服し、レフィールを軸筒内で移動し ない状態とするボールペン又はシャープペンシルの構成を提供することを課題と するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案の構成は、ボールペンのインク収納パイプ、 又はシャープペンシルのシャープ芯を内包したレフィールを、軸筒に対する後方 蓋と接触状態にすると共に、先端に位置している口金に対し、押圧バネを介して 係着した状態とし、該口金は、軸筒の前方に位置しているグリップ、及びレフィ ールの前側周囲に位置している中筒と一体形成されており、該一体形成された中 筒、グリップ、口金は、軸筒に対し前後方向に移動可能であると共に、インク収 納パイプ、又はシャープ芯が口金から突出し、かつ筆記可能な状態にある位置、 及びインク収納パイプ、又はシャープ芯が口金内に収納された状態にある位置を 維持する機構を有していることに基づくレフィールを移動させないボールペン又 はシャープペンシルからなる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１は、前記課題を解決するための手段による構成の典型例を示す。

【０００８】 図１からも明らかなように、本考案においては、レフィール２は、軸筒１内に おいて後端の蓋６と接し、かつ先端の口金３と押圧バネ７を介して係着している ために不動の状態にある。

【０００９】 逆に、本考案においては、口金３及びこれと一体をなすグリップ５、中筒４を 前後方向に移動することによって、インク収納パイプ又はシャープ芯を筆記段階 では、口金３の先端から突出させ、筆記せずに使用しない段階では、口金３の内 側に収納させている訳である。

【００１０】 図１の実施態様は、インク収納パイプ又はシャープ芯が口金３の先端に突出せ ず、内側に収納された状態を示すが、筆記段階では、インク収納パイプ、又はシ ャープ芯が口金３の先端から突出した状態を維持できるように、中筒４、及び口 金３の位置を保持することが不可欠である。

【００１１】 図１に示す実施態様では、軸筒１の後部にクリップ８を設け、前記固定した状 態を実現している。

【００１２】 即ち、クリップ８は、前後方向を長手方向とする曲げ弾性を有する素材であっ て、軸筒１自体によって支持され、かつ前側の略先端部を鍵状とし、当該鍵状部 分は、弾性的に軸筒１に設けた孔を貫通し、かつ中筒４に設けた凹部に嵌入可能 であるように設計している。

【００１３】 そして、クリップ８の前記鍵状部分が弾性的に前記凹部に嵌入した場合には、 中筒４、グリップ５及び口金３の位置は、軸筒１との関係において固定した状態 と化すが、このような固定位置において、インク収納パイプ又はシャープ芯が口 金３の先端に突出した状態と設計することによって安定した筆記可能な状態を実 現することができる。

【００１４】 逆に、クリップ８の先端鍵状部分が前記凹部の嵌入状態から外れている場合に は、押圧バネ７の押圧によって、中筒４の凹部はクリップ８の鍵状先端部分より も前側に位置しており、図１に示すように、インク収納パイプ、又はシャープ芯 は、口金３の内部に収納された状態にある。

【００１５】 そして、前記のように、インク収納パイプ又はシャープ芯が口金３の先端から 突出し、筆記可能な状態を実現するためには、グリップ５を把持したうえで、後 方に移転させ、前記のように、鍵状部分が前記凹部に嵌入した状態とすれば良い 。

【００１６】 このような本考案の構成においては、レフィール２を不動状態としながら、中 筒４、グリップ５及び口金３を移動及び固定することによって、インク収納パイ プ、又はシャープ芯の口金３から突出し、かつ筆記可能な状態、及び口金３内部 における収納状態を安定した状態にて保持することができる。

【００１７】 このように、本考案の場合には、レフィール２自体が軸筒１に対して移動しな いため、従来技術の項において述べた諸々のアクシデント又は不都合を避けるこ とが可能となる。

【００１８】

【実施例】

インク収納パイプ又はシャープ芯の口金３から突出したことによる筆記可能な 状態、又は口金３内部に収納された状態を保持し得る構成は、図１の実施態様に 示すようなクリップ８を採用する構成に限定される訳ではない。

【００１９】 実施例においては、別途ネジ部分９を設けることによって、軸筒１に対し、グ リップ５を螺合状態とするか（図２（ａ）の場合）、又は中筒４を螺合状態とす ること（図２（ｂ）の場合）によって、中筒４、グリップ５及び口金３の前後方 向の位置を調整し、かつ前記筆記可能な状態又は収納状態を保持している。

【００２０】 即ち、螺合した場合には、螺合した位置に従って、中筒４、グリップ５及び口 金３の位置を維持できるので、図１の実施態様に示すようなクリップ８、及び軸 筒１の孔に対する貫通及び中筒４の凹部に対する嵌合による固定化等の手段を採 用する必要はない。

【００２１】

【考案の効果】

以上による本考案では、レフィールを移動させずに、中筒、グリップ、口金の 前後方向に沿った移動によって、インク収納パイプ、又はシャープ芯の突出した 状態又は収納した状態を維持することができるので、従来のように、ノックによ ってレフィールメカニズム本体を作動させる場合のようなインクの途切れ、シャ ープ芯のずれ、折れ等によるアクシデントを避けることができ、安定したボール ペン又はシャープペンシルの利用が可能となる。

【００２２】 このように、本考案は、ボールペン又はシャープペンシルの基本的問題点を解 決し得るので、その価値は絶大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施態様を示す側断面図を示す。

【図２】実施例の構成を示す側断面図であって、（ａ）
は、軸筒とグリップが螺合している構成を示し、（ｂ）
は、軸筒と中筒とが螺合している構成を示す。

【符号の説明】

１ 軸筒 ２ レフィール ３ 口金 ４ 中筒 ５ グリップ ６ 蓋 ７ 押圧バネ ８ クリップ ９ ネジ部分

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボールペンのインク収納パイプ、又はシ
   ャープペンシルのシャープ芯を内包したレフィールを、
   軸筒に対する後方蓋と接触状態にすると共に、先端に位
   置している口金に対し、押圧バネを介して係着した状態
   とし、該口金は、軸筒の前方に位置しているグリップ、
   及びレフィールの前側周囲に位置している中筒と一体形
   成されており、該一体形成された中筒、グリップ、口金
   は、軸筒に対し前後方向に移動可能であると共に、イン
   ク収納パイプ、又はシャープ芯が口金から突出し、かつ
   筆記可能な状態にある位置、及びインク収納パイプ、又
   はシャープ芯が口金内に収納された状態にある位置を維
   持する機構を有していることに基づくレフィールを移動
   させないボールペン又はシャープペンシル。
2. 【請求項２】 軸筒の後側において、軸筒自体を支持部
   位とする前後方向を長手方向とするクリップを設け、該
   クリップの略先端部に位置している鍵状部分は、弾性的
   に軸筒に設けた孔を貫通し、かつ中筒内に設けた凹部と
   係合可能であり、前側の凹部と係合した場合には、中
   筒、グリップ及び口金は、インク収納パイプ又はシャー
   プ芯が口金から突出し、かつ筆記可能な状態となり、後
   側の凹部に係合した場合には、インク収納パイプ又はシ
   ャープ芯が口金の後方に収納された状態となることを特
   徴とする請求項１記載のレフィールを移動させないボー
   ルペン又はシャープペンシル。
3. 【請求項３】 軸筒と中筒、又はグリップとを螺合する
   ことによって、中筒、グリップ及び口金を前後方向に移
   動可能とすると共に、インク収納パイプ、又はシャープ
   芯が口金から突出し、かつ筆記可能な状態にある位置、
   及びインク収納パイプ、又はシャープ芯が口金内に収納
   された状態にある位置を維持する機構を有していること
   を特徴とする請求項１記載のレフィールを移動させない
   ボールペン又はシャープペンシル。