JPH053347Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ノツク式の両頭筆記具用のキヤツプ
に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

ノツク釦を押圧するノツク操作により筆記体が
先口から操出するシヤープペンシルやボールペン
では、非使用時には、鉛筆芯やボールペンチツプ
などの筆記体が先口内に没入しているので、キヤ
ツプレスが一般的である。ところで、軸筒の両端
に筆記体が取付けられた両頭筆記具は、１本で２
種類の筆記具の機能を有するので便利であり、数
多く実用化されているが、ノツク式のシヤープペ
ンシル中具と同じくノツク式のボールペン中具を
内蔵し、軸筒両端の先口からそれぞれ筆記体が操
出する両頭筆記具においては、ポケツトに装着し
たときに、いずれかの先口がポケツトから突出す
るので危険であり、キヤツプ付にするのが望まし
い。しかし、キヤツプ付にすると、ノツク操作を
行うときに、キヤツプを取り外す必要があり、煩
わしい。また、キヤツプにも押し釦を設けて、押
し釦を押すとノツク釦が前進するようにすると、
ノツク操作時にキヤツプを取り外す必要はない
が、構造が複雑になつてしまう。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、構造が簡単であり、ノツク操
作時に軸筒から取り外す必要がなくて取扱が容易
である、ノツク式両頭筆記具用のキヤツプを提供
することを目的とする。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の構成は、断面が長円形で、内部に２本
の収容孔が形成された軸筒に、ノツク釦を押圧す
るノツク操作により筆記体が先口から操出するシ
ヤープペンシル中具および／またはボールペン中
具の２本の中具が、筆記体が相互に逆方向になる
ように収容され、軸筒の両端から先口がそれぞれ
突出したノツク式の両頭筆記具用のキヤツプであ
つて、側部に開口が形成され、軸筒の端部に嵌着
したときに、ノツク釦がキヤツプの開口から露出
してノツク操が作可能であることを特徴とするも
のである。

すなわち、キヤツプの側部に開口が形成されて
いるので、軸筒の一端に取付けて一方の先口に被
せると、他方の先口から筆記体が操出する中具の
ノツク釦がキヤツプの開口から露出するので、キ
ヤツプを取付けた状態でノツク操作を行うことが
できる。また、使用する筆記体を替えるときは、
キヤツプを軸筒の他端に付け替えればよく、この
ときも、使用する筆記体用のノツク釦がキヤツプ
の開口から露出し、ノツク操作を行うことができ
る。そして、キヤツプには開口が形成されている
のみであるので、構造も非常に簡単である。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

軸筒１は、第５図に示すように、断面が長円形
であり、内部には２本の収容孔１１が形成されて
いる。収容孔１１の一方の開口には、第４図に示
すように、それぞれ反対方向に内ネジ１２，１２
が設けられ、次に説明するシヤープペンシル中具
やボールペン中具がこの内ネジ１２に螺着され
る。そして、収容孔１１の他方の開口が傾斜状に
切截されたノツク釦露出口１３，１３であり、軸
筒１は、中心点に対して点対称の形状をしてい
る。

第３図は、かかる軸筒１に、シヤープペンシル
中具２とボールペン中具３を収容したシヤープペ
ンシルとボールペンの両頭筆記具の例を示す。シ
ヤープペンシル中具２は、通常のノツク式シヤー
プペンシルであり、一方の収容孔１１に収容され
た鉛芯ケース２１の先端には鉛芯２３を咬持する
チヤツク２２が連結されている。先口２５が螺着
され、チヤツクリング２６の受けの役目をする連
結筒２４は軸筒１の内ネジ１２に螺着されてい
る。そして、鉛芯ケース２１の後端には継手２７
を介してノツク釦２８が連結されているが、ノツ
ク釦２８は、ノツク釦露出口１３から突出してい
る。従つて、このノツク釦２８が前進すると、チ
ヤツク２２が前進し、先口２５から筆記体である
鉛芯２３が操出する。

他方の収容孔１１に収容されたボールペンレフ
イール３１の後端は、ノツクメカ３２で受けられ
ている。ノツクメカ３２の外周には、ハート形の
カム溝が設けられたカム３３が取付けられてお
り、軸筒１側に固着されたピン３４がカム溝に係
合している。そして、ノツクメカ３２は、ノツク
３５および継手３７を介してノツク釦３８に連結
されており、ノツク釦３８はノツク釦突出口１３
から突出している。口金３６は、軸筒１の内ネジ
１２に螺着されており、口金３６との間に介装さ
れたスプリング３９によつてボールペンレフイー
ル３１は後方に付勢されている。従つて、ノツク
釦３８が前進すると、ボールペンレフイール３１
が前進して口金３６から突出し、ピン３４がカム
溝の安定位置に係合して筆記可能になる。

なお、軸筒１に収容される中具は、シヤープペ
ンシル中具同志やボールペン中具同志の組合せで
あつてもよい。

かかるノツク式両頭筆記具の軸筒１のいずれか
の端部に、キヤツプ４が取付けられる。すなわ
ち、例えば、シヤープペンシルで筆記するとき
は、ボールペン中具３の口金３６を覆うように取
付けられる。ここで、キヤツプ４は、合口側は軸
筒１と同じ長円形であるが、他の部分は半長円形
であり、長円形と半長円形の境界部分にかけて開
口４１が設けられており、軸筒１に取付けると、
第２図に示すように、ノツク釦２８が開口４１か
ら露出する。従つて、キヤツプ４を取付けたまま
で、シヤープペンシル用のノツク釦２８をノツク
することが可能であり、筆記体である鉛芯を操出
できる。また、ボールペンで筆記するときは、キ
ヤツプ４を反対側に取付ければよく、ボールペン
シル用のノツク釦３８が開口４１から露出し、ノ
ツク操作が可能である。更には、キヤツプ４の側
部からノツク釦が露出しているので、デザイン的
にも斬新なイメージを与えることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の両頭筆記具用の
キヤツプは、構造が非常に簡単で、かつ軸筒に取
付けたままでノツク操作が可能であり、ノツク時
にキヤツプを取り外す煩わしさを解消することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図は使用
状態の斜視図、第３図は両頭筆記具の断面図、第
４図は軸筒の縦断面図、第５図は軸筒の横断面図
である。 １……軸筒、１１……収容孔、１２……内ネ
ジ、１３……ノツク釦突出孔、２……シヤープペ
ンシル中具、３……ボールペン中具、４……キヤ
ツプ、４１……開口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が長円形で、内部に２本の収容孔が形成さ
   れた軸筒に、ノツク釦を押圧するノツク操作によ
   り筆記体が先口から操出するシヤープペンシル中
   具および／またはボールペン中具の２本の中具
   が、筆記体が相互に逆方向になるように収容さ
   れ、軸筒の両端から先口がそれぞれ突出したノツ
   ク式の両頭筆記具用のキヤツプであつて、側部に
   開口が形成され、軸筒の端部に嵌着したときに、
   ノツク釦が該開口から露出してノツク操作が可能
   であることを特徴とする両頭筆記具用キヤツプ。