JPS6227424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、軸筒の先部に備えた軸方向移動可能
な口金から突出せるペン先先部の突出長さを調節
可能に構成した筆記具におけるペン先保持構造に
関する。

軸筒の先部に軸方向移動可能に螺合或いは嵌合
する口金にペン先を嵌合し、そのペン先の基部を
口金の基部から突出せしめ、ペン先の基部を軸筒
内に固定せるインキ吸蔵体に直接連継せしめた構
造（以下、前者と称す）、軸筒の先部に固着され
たホルダーにペン先を貫通嵌合後、ホルダーの先
端口縁を小径に絞つてペン先を固着した構造（以
下、後者と称す）は、いずれも周知である。前者
にあつては、ペン先がインキ吸蔵体に直接連継さ
れるため、ペン先がどうしても長くなつて、イン
キのフローが低下し、短かくすることが要求され
ている。そして、後者にあつては、ホルダーが小
径に絞られているため、ペン先の断面形状が変形
し、インキ通路に変形、狭隘をもたらして、イン
キのスムースな流れを阻害している。加えて、前
者及び後者共にペン先単独の交換ができないとい
う不利がある。

本考案は、周知例にみられるこのような不利欠
点を解消せしめたことを特徴とするものである。

実施例を図面について説明すれば、第１図は第
１例を表わし、第２図は第２例、第３図、第４図
は第２例の具体的構成例を表わす。第１例につい
て説明すると、首座１は必要に応じて、先部から
突出せる細管１０１を別体又は同一体に備え、基
部には軸筒３の螺糸に螺合接続するための螺糸を
外周にもつた接続部１０２が一体に突設される。

そして、首座１にはペン先２が貫通され、その
ペン先の基部は首座１のペン先貫通孔から突出さ
れて、軸筒３内に収容固定されているインキ誘導
芯４の先部内に挿入保持される。ペン先２の基部
がインキ誘導芯４の先部内に挿入保持されれば、
首座１のペン先貫通孔にペン先保持構造を構成す
る必要はない。軸筒３内に収容するインキ誘導芯
４は、先部内にペン先２の基部が挿入保持され、
基部は軸筒３内の段部３０１に係合されて固定さ
れると共に、インキ吸蔵体又はインキ収容筒等の
インキ貯溜構造（図示せず）に接続される。イン
キ誘導芯４の材質構成は、繊維質、合成樹脂によ
る成型体、合成樹脂粒或いは金属粒による焼結体
のいずれでもよいが、ペン先２の基部を挿入保持
しえて、インキフローにすぐれる材質、構成のも
のが望ましい。しかして、インキ誘導芯４のペン
先保持力は、首座１が軸方向に移動しても、ペン
先２が動いたり、抜けたりしない程度の保持力及
び振動や衝撃などでペン先２が抜けたりしない程
度の保持力である。従つて、もしインキ誘導芯４
が繊維質ならば、その繊維をペン先２の基部に絡
ませる構成が考えられ、その誘導芯が前記成型体
製や焼結体製ならば、先部にあけた型挿入用孔
（図示せず）内にペン先２の基部をきつく挿入す
る構成などが考えられるが、これらに限定される
ものではない。

次に第２図に示す第２例について説明すると、
首座１自体の構成、ペン先２が首座１に貫通さ
れ、ペン先２の基部が首座１の基部から突出され
る首座１とペン先２との関連構成、首座１を軸筒
３に移動可能にとりつけるためのこれらの関連構
成などは第１例と同様な構成である。そして、首
座１の基部から突出せるペン先２の基部を断面〓
型キヤツプ５の細径部５０１に嵌装し、そのキヤ
ツプの大径部５０２をインキ誘導芯４の先部に被
せ固定せしめて、ペン先２をインキ誘導芯４に連
継保持せしめる（第３図、第４図参照）。第２例
の具体的構成例を第３図で説明すれば、キヤツプ
５の細径部５０１に嵌装されたペン先２の基部
は、キヤツプ５の大径部５０２がインキ誘導芯４
の先部に被せられ、固定されることによつて、該
誘導芯の先部端面に当接保持される。上記具体的
構成例を第４図で説明すると、ペン先２の基部
は、キヤツプ５の細径部５０１の基部から突出
し、そのキヤツプの大径部５０２がインキ誘導芯
４の先部に被せられて固定されると、該誘導芯内
に適当な深さ挿入されて保持される。

第２例は、断面〓型キヤツプ５を介してペン先
２の基部をインキ誘導芯４の先部に保持する構成
である。第２例において使用されるキヤツプ５の
大径部５０２の内周面における適当な位置には、
インキ誘導芯４に固定するための突縁、凸起、そ
の他の固定用構造５０３が構成される。上記キヤ
ツプ５は、インキにおかされない材質でつくり、
細径部５０１におけるペン先保持力は、首座１が
軸方向に移動しても、ペン先２が動いたり、抜け
たりしない程度の保持力及びペン先２が振動や衝
撃などで抜けない程度の保持力である。インキ誘
導芯４には、キヤツプ５の固定用構造５０３の具
体的構成（断面形状、数、配置位置など）に応じ
て、該構造を係止、嵌合、その他固定するための
手段を設ける。しかして、第１例、第２例ともペ
ン先２を取外したり、交換したりしえる構成であ
る。

本考案は叙上のように、軸筒先部に備えた口金
を軸方向に移動せしめて、その口金から突出せる
ペン先先部の突出長さを調節するように構成した
筆記具において、軸筒内に固定せるインキ誘導芯
の先部にペン先の基部を保持したから、前記した
周知例の前者に比し、ペン先を短かく構成するこ
とができると共に、前記周知例の後者に比して、
ペン先のインキ流れを阻害するような構成をなに
も設けない。

従つて、該前者に比してインキフローが改善さ
れ、該後者に比してスムースなインキ流れが確保
され、常に筆記に十分なインキ量が得られ、鮮明
な筆記をなし得る効果があると共に、ペン先単独
を容易に交換し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案固定構造の第１例を表わした一
部縦断正面図、第２図は第２例を表わした一部縦
断正面図、第３図、第４図はいずれも第２例の具
体的構成例を表わした要部の拡大縦断正面図であ
る。 図中、１は首座、２はペン先、３は軸筒、４は
インキ誘導芯である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 首座に摺動自在に嵌合せしめたペン先を首座の
   基部から突出せしめ、その首座を軸筒の先端部に
   軸方向移動可能に具備せしめて首座から突出せる
   ペン先先部の突出長さを調節可能に構成し、軸筒
   内に固定せるインキ誘導芯の先部に前記ペン先の
   基部を取外可能に保持せしめた筆記具のペン先保
   持構造。