JPH0226698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は全体が芯パイプとしての機能を果た
す筆記芯収納用のカートリツジを有するシヤープ
ペンシルに関する。

従来のシヤープペンシルでは、芯切れを起こし
た場合には、専用の芯ケースから芯を取出し、一
本づつシヤープペンシルの芯パイプに詰め換えな
ければならず、面倒な手数を必要とし、しかも詰
め換え作業中に手を汚す等の欠点があつた。

この考案は上記欠点を解消し、筆記用芯を収納
したカートリツジ全体を交換し、芯１本毎の詰め
換え作業をなくし、手を汚すことなく、しかもシ
ヤープペンシル内に芯が残存していても簡単に交
換作業ができ、また構造が極めて簡単なシヤープ
ペンシルを提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

第１図の縦断面図に示すように、外筒１内に係
止された中軸２内には、芯送出機構３と、この芯
送出機構３に連結されたリードガイド４と、中軸
２内に着脱自存に係止されたカートリツジ５とを
有する。

上記外筒１の外周の一部には、中軸２の係止部
である突部２ａと係合し、中軸２を係止するスト
ツパー孔１ａが穿設されている。尚、両者の係止
手段は、上記実施例の他に圧入、ボツチや他の嵌
合部材を介して行つてもよい。また、この実施例
では、先具と外筒１とを一体形成しているが別体
としてもよい。

上記中軸２はこの実施例では、変形可能な例え
ば、ジユラコン（登録商標）やその他の弾性部材
で形成され、後方側には、カートリツジ係止用の
係止孔２ｂが、他方、前方側の突部２ａより先端
側の近傍には、クツシヨン部２ｃが設けられ、し
かもスリーブとして機能するスリーブ部２ｄが連
設されている。

上記カートリツジ係止用の係止部２ｂは、例え
ば第２図示のように、中軸２の後端から構成され
たスリツト２ｃが連設されていて、カートリツジ
５の突部５ａを着脱自在にかつ確実に係止できる
ように形成されている。

第３図はカートリツジ５と中軸２との係合手段
の他の実施例を示し、中軸２の内壁に係合溝２ｂ
を溝設し、カートリツジ５の突部５ａを着脱自在
に係止するものである。

また、第４図、第５図は第３図の実施例におい
て、突部５ａの近傍のカートリツジ５周壁にスリ
ツト５ｂを設けたもので、このスリツト５ｂによ
つて、突部５ａが直径方向（矢印方向）に撓み中
軸２の係合溝２ｂに容易かつ確実に係合する。
尚、カートリツジ５を中軸２との着脱可能な嵌合
は、上記実施例の他に、圧入、ボツチや他の嵌合
手段を介して行つてもよい。

また上記クツシヨン部２ｃは、第１図、第６図
示のように、筆圧調整用の効果を生じさせる複数
のスリツト２ｆが穿設されている。そこで、筆記
時に芯６に過大筆圧が作用した場合クツシヨン部
２ｃが軸方向に押縮し、芯６を外筒１内に退没さ
せる。従つて、中軸２のスリーブ軸２ｄを前方へ
付勢させるクツシヨン用の第２のスプリングを不
要とし、しかも部品個数、組立作業が著しく省略
化できる。

第７図乃至第１０図は、中軸２のクツシヨン部
２ｃの他の実施例であり、芯６の筆圧に伴つて変
形できれば如何なる形状であつてもよい。

このようなクツシヨン部２ｃの筆圧調整は、第
１１図示のように、通常のスプリングの伸縮より
直線的ではなく、小さな芯圧でも微小なクツシヨ
ンを生じているので、筆記する者にとつては、滑
らかで金ペンのようなソフトな使用感が得られ
る。

上記芯送出機構３中のリードチヤツク７の後端
には、リードガイド４が嵌合されている。このリ
ードガイド４は筆記用の芯６をリードチヤツク７
に１本毎に送り出す機能を有し、内部には芯６を
１本だけ送り出せる芯送り孔４ａが穿設されてい
る。そして、このリードガイド４の後端の外径
は、芯６が芯送出機構３側へ侵入しないように、
中軸２の内径とほぼ同径に形成されている。

また、上記カートリツジ５は、後端には、後端
キヤツプ５ｂが一体成形され、内部には多数本の
筆記用芯６を収納し、通常筆記用換芯と一体に販
売される。そして、このカートリツジ５の外径
は、中軸２の内径とほぼ同径に形成され、先端の
内周面に芯案内用のテーパ部５ｃが先広がり状に
傾斜形成されている。また外周の一部には、上記
中軸２の係止孔２ｂと係合する突部５ａが突設さ
れている。

次にこの考案の動作、効果について説明する。

まず、中軸２内に芯送出機構３、リードガイド
４およびカートリツジ５を予め組み込み後、外筒
１内に装着すれば、シヤープペンシルの組立が終
了する。

次に筆記中に芯切れの場合は、後端キヤツプ５
ｂを引抜けば、カートリツジ５が中軸２から外れ
る。次に新たに芯６が収納されたカートリツジ５
を押込むことにより、カートリツジ５の突部５ａ
が中軸２の係止孔２ｂに係合し、両者は自動的に
嵌合する。この際、カートリツジ５の外径は中軸
２の内径とほぼ同径なので、中軸２内に芯６が残
存していても折損や詰まることなく、新たなカー
トリツジ５内にスムーズに収納される。また、カ
ートリツジ５の先端にテーパ部５ｃが形成されて
いるので、芯６が中軸２内に傾斜配置されていて
も芯６をカートリツジ５内に確実に案内できる。
しかも、芯収納容器としてのカートリツジ５自体
が中軸２内に装着係止されれば、芯パイプとして
機能するので、部品数を極めて少なくし、かつ簡
単な構造のシヤープペンシルが提供できる。

また、第１図、第６図乃至第１０図示のよう
に、中軸２にクツシヨン部２ｃが一体成形されて
いる場合には、ノツク用のスプリング８の他に、
これより弾性係数の小さいクツシヨン部２ｃが筆
圧調整用のスプリングとして機能するので、芯６
に過大筆圧が作用した場合に、クツシヨン部２ｃ
が、外筒１内に退没して芯６の折損等を効果的に
防止できる。そして、このように、クツシヨン部
２ｃが中軸２に一体成形されているので、外筒１
へ組み込む際、その作業能率が向上するばかりで
なく、過大筆圧緩衝用の第２のスプリングが不要
となるので、部品個数が少なくなり、安価に製造
できる。

以上のようにこの考案によれば、複数本の筆記
芯を収納したカートリツジを交換することによつ
て、従来のように芯を１本ずつ詰め替える手間を
なくし、また手を汚さず、されに交換の際、たと
え中軸内に芯が残存していても、カートリツジの
先端の内周に形成された先広がり状のテーパ部に
よる芯案内作用によつて、その残存している芯を
折損、詰まり等なくスムーズにカートリツジ内に
収納できる。しかも、カートリツジは直接係止さ
れるので、構造簡単で部品個数を少なくできる。
さらに弾性部材で形成して中軸にクツシヨン部を
一体に形成してあるので、筆圧調整が確実に行
え、かつクツシヨン用のスプリングを不要とでき
る等の極めて優れた実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の縦断面図、第２
図は中軸の一部平面図、第３図は他の実施例の要
部縦断面図、第４図、第５図はリードガイドの一
部平面図、第６図は中軸の一部平面図、第７図Ａ
乃至第１０図Ａは、中軸のクツシヨン部の平面
図、第７図Ｂ乃至第１０図Ｂはそれぞれ第７図Ａ
乃至第１０図Ａのイ−イ線縦断面図、第１１図は
芯の退没量と芯圧との関係を示す図である。 １……外筒、２……中軸、３……芯送出機構、
４……リードガイド、５……カートリツジ、２ａ
……係止部である突部、２ｃ……クツシヨン部、
５ｃ……テーパ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒１内に係止部２ａによつて係止され、かつ
   弾性部材で形成された中軸２と、この中軸２内に
   装着された芯送出機構３と、この芯送出機構３に
   連結されたリードガイド４と、上記中軸２の内径
   とほぼ同径に形成され、該中軸２内に着脱自在に
   係止された芯収納用のカートリツジ５と、上記カ
   ートリツジ５の先端の内周に先広がり状に形成さ
   れた芯案内用のテーパ部５ｃと、上記中軸２の上
   記係止部２ａより先端側の位置に一体に設けられ
   た軸方向に伸縮可能なクツシヨン部２ｃとを備え
   たシヤープペンシル。