JP7219578B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
ラインマーカー等の筆記具における筆記芯は、一般に合成樹脂繊維等を棒状等に集束したものや、高分子の焼結体などの多孔質部材に毛細管作用を付与し、これにより筆記具本体となる軸体から供給されるインクをペン先に導出することにより筆記可能としたものである。
前記保持体と筆記芯との隙間は0.01mm以上形成されていることが好ましい。
前記筆記部は、軸筒の両端に備え、筆記芯からのインク流量が略等しく、具体的には、両端のインク流量差は50mg/10m未満とすることが好ましい。
また、 筆記部の耐曲げ力が1kg以上であることが好ましい。
また、保持体と筆記芯との隙間を0.01mm以上形成することによって、より空気置換を上げて、インク流通性を確保することができる。
更に、筆記部を軸筒の両端に備え、そのインク流量が略等しい構成とするによって、保管状態により一端の筆記部でインク流量が少なくなっても、他の他端の筆記部により筆記を続けることができる。
図1(a)~(c)は、本発明の筆記具の実施形態の一例を示す平面図、正面図、縦断面図であり、図2は、図1の筆記具における左側のペン先部分の拡大斜視図、図3(a)~(g)は左側のペン先における保持体の実施形態の一例を示す各図面であり、図4は、図1の筆記具における右側のペン先部分の拡大斜視図、図5(a)~(g)は右側のペン先における保持体の実施形態の一例を示す各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、図1(a)~(c)に示すように、筆記具本体となる軸筒10内のインク吸蔵体20にインクを吸蔵させ、左側となる一端にペン先B、右側となる他端にペン先Cを有し、インク吸蔵体20のインクを毛管作用により、それぞれペン先B、Cの各筆記部32に供給する構成となっている。なお、軸筒10の各両端部側に着脱自在に嵌合するペン先B及びペン先Cを保護する気密性の高いポリプロピレン等の熱可塑性樹脂からなる各キャップ(図示せず)を備えるものである。
軸筒10は筒状に成形され、筆記具の本体(軸体)として機能する。また、先軸25、26は、それぞれ筒状に形成され、各々長手方向中央部付近の外周部に軸筒10の両端の開口端面と当接する凸部25a、26aを有し、該凸部25a、26aの後方側(軸筒側)に軸筒10内に嵌合する嵌合筒部25b、26b、前方側に各ペン先B、Cを固着する先軸筒部25c、26cを有している。
さらに、インク吸蔵体20としては、例えば、細いデニール繊維束と、該細いデニール繊維の単糸繊度より大きい単糸繊度を有する複数の太いデニール繊維束とから構成してもよい。前記細いデニール繊維束の単糸繊度は、1~5デニールの範囲から選ばれ、太いデニール繊維束の単糸繊度は、15~20デニールの範囲から選ばれる。このインク吸蔵体は、細いデニール繊維束の中の複数箇所(具体的には1~8箇所)に、太いデニール繊維が分散配置される。太いデニール繊維束が比較的大きい空隙を有し、細いデニール繊維束が太いデニール繊維束と比較し小さい空隙を有する。
前記太いデニール繊維束が多量のインクを保持するインク保溜部を構成し、細いデニール繊維束が各々のインク保溜部の相互間を接続するインク接続部を構成する。各々の太いデニール繊維束が細いデニール繊維束により包囲される。太いデニール繊維により形成されるインク保溜部の各々は、異なる横断面形状を有することで、インク吸蔵体のインクを各ペン先B、Cに過剰とならず、安定した状態で効率よく供給することができる。
好ましくは、染料インク又は染料を含む樹脂微粒子顔料インクが望ましい。
染料を含む樹脂微粒子顔料インクとしては、少なくとも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーと、塩基性染料又は油溶性染料とで構成される着色樹脂微粒子であって、前記(メタ)アクリル酸シクロヘキシルモノマーの含有量が着色樹脂微粒子を構成する全ポリマー成分に対して、30質量%以上であると共に、前記塩基性染料又は油溶性染料の含有量が全ポリマー成分に対して、15質量%以上である着色樹脂微粒子が水に分散された着色樹脂微粒子の分散液と、水溶性有機溶剤と、水とを+含有するものが挙げられる。
また、これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1~5mPa・s、表面張力30~60mN/m、後述するペン先B、Cの筆記部32からのインク流量を筆跡の濃度と乾燥性の観点から10mの筆記距離で50mg以上200mg未満に設定することが好ましい。
用いる鱗片状シリカは、自己造膜性を有する薄板状のシリカ(SiO2)の微粒子であり、インク状態では水媒体中に固体として分散状態で存在し、筆記時には筆記面に沿って緩やかに配向するとともに、水分の蒸発に伴ってシリカ表面のシラノール基同士が密着して強固な被膜を形成する。そのため、筆跡に強い定着性を付与することができる。
上記葉状二次粒子の厚さが0.001μm未満の場合には、葉状二次粒子の強度が不十分となるため好ましくない。なお、二次粒子の厚さは、微粉末状のものを走査型電子顕微鏡観察することで測定ができる。また、厚さと平面方向の粒径は、透過型電子顕微鏡により撮影した粒子像サイズのスケール計測等により区別することができる。
用いることができる上記熱変色性の着色剤としては、例えば、電子供与性染料であって、発色剤としての機能するロイコ色素と、該ロイコ色素を発色させる能力を有する成分となる顕色剤及び上記ロイコ色素と顕色剤の呈色において変色温度をコントロールすることができる変色温度調整剤を少なくとも含む熱変色性組成物を、所定の平均粒子径となるように、マイクロカプセル化することにより製造される熱変色性の着色樹脂粒子などを挙げることができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができ、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、水溶液からの相分離法では、ロイコ色素、顕色剤、変色温度調整剤を加熱溶融後、乳化剤溶液に投入し、加熱攪拌して油滴状に分散させ、次いで、カプセル膜剤として、壁膜がウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂等となる樹脂原料を使用、例えば、アミノ樹脂溶液、具体的には、メチロールメラミン水溶液、尿素溶液、ベンゾグアナミン溶液などの各液を徐々に投入し、引き続き反応させて調製後、この分散液を濾過することにより熱変色性のマイクロカプセル顔料からなる熱変色性の着色樹脂粒子を製造することができる。この熱変色性の着色樹脂粒子では、ロイコ色素、顕色剤及び変色温度調整剤の種類、量などを好適に組み合わせることにより、各色の発色温度、消色温度を好適な温度に設定することができる。
なお、前記熱変色性の着色樹脂粒子は、可逆熱変色性となるものが好ましい。可逆熱変色性となるものは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
また、用いる熱変色性インクとして具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、-30~-10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、60~80℃の範囲に特定し、ΔH値を40~100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
汎用の着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、例えば、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
なお、前記顔料を分散する樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、カゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉顔料、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インク組成物中1~35質量%、好ましくは2~30質量%の範囲で用いられる。
なお、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、インク組成物中2~60質量%、好ましくは5~35質量%の範囲で用いられる。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、N-アシルアミノ酸系界面活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β-アラニン型界面活性剤、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α-リポ酸、N-アシル-L-グルタミン酸とL-リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、N-ビニル-2-ピロリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピペリドンのオリゴマー、N-ビニル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム、N-ビニル-ε-カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN-ビニル-カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。更には、インク組成物中にN-アルキル-2-ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。前記剪断減粘性付与剤は、インク組成物中0.1~20重量%の範囲で用いることができる。
この筆記芯30は、図1、図2に示すように、略U字状となっており、インク誘導部31、31と、該インク誘導部31、31からのインクを導出する筆記部32とを有するものであり、このU字状の筆記芯30を介して内側に筆記中の線引き箇所等を容易に視認できる四角形状(台形)の空間部(素通し部)33が形成されている。なお、本発明において、「U字状」とは、コ字状等を含むものであり、筆記部32と内側に筆記中の線引き箇所等を容易に視認できる空間部(素通し部)33が形成できる構造となるものであれば良いものである。また、空間部(素通し部)33は、図1(c)の方向からの開口面積を10~60mm2とすることが好ましい。
好ましい筆記芯30としては、繊維束芯、繊維芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯であり、特に好ましくは、変形成形性の点、生産性の点、保形性の点から、焼結芯が望ましい。本実施形態の筆記芯30では、平均粒子径200μmのポリエチレン粉末を焼結した気孔率55%の焼結芯(焼結体)と、該焼結芯を補強する補強材料35から構成されている。なお、本発明において、「平均粒子径」は、電子顕微鏡にて、測定した粒子の直径の平均値を示し、電子顕微鏡に投影された画像内の20個の粒子について測定した粒子径の平均値である。粒子が円形でない場合は、気孔を形成する輪郭の任意の2点を結ぶ線分のうち、最も長い線分の長さと最も短い線分の長さを足して2で割った値を、その粒子の粒子径とする。
また、気孔率は下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する筆記芯30を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、筆記芯30に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積をペン芯の気孔体積と同一として、下記式(A)から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(筆記芯の見掛け体積)×100 ……(A)
用いる補強部材35の材質等としては、上記の金属(ワイヤー材)の他、樹脂、炭素繊維等、筆記芯30より耐せん断強度が優れてかつ、筆記芯30の芯径より50%未満の径であることが好ましい。
より好ましくは、良好な筆記性能、筆記芯30の保形性を更に維持する点、好ましいインク流出性の点から、この筆記部32の耐曲げ力が1kg以上であることが望ましい。本発明において、「耐曲げ力」とは、筆記具を筆記角度65°と同様に傾斜して紙面等に押しつけてペン先が塑性変形する荷重として測定した値をいう。
また、筆記芯30の材料種、製法等を好適に調整等して、上記耐曲げ力を維持できれば上記補強部材35を用いなくともよい。
筆記部32は、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)としてもよく、この傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、この筆記部32は、描線幅が太いものであり、好ましくは、描線幅は1mm以上、更に好ましくは、描線幅は2mm以上の描線幅となる筆記部32が望ましい。
更に、本体部41の幅方向外周面には、凹状の嵌合部47が形成され、長手方向外周面となる両面空気流通溝には、それぞれ直線状の空気流通溝48と屈曲状の空気流通溝49が形成されている。
また、保持体40は、上記各材料の一種類、または、耐久性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
上記保持体40と筆記芯30のインク誘導部31、31との間には、より空気置換を上げて、インク流通量を確保する点から、好ましくは、挿入された際に、周状に隙間を有することが望ましく、この隙間は、好ましくは、0.01~0.5mmが好適である。
上記孔部44、44は、図面(図2,図3)では、四角形状としたが、筆記芯のインク誘導部31、31が挿入可能で、隙間を形成できれば、特に限定されず、インクの断面形状等に沿って円形状等であっても良いものである。
ペン先Cは、少なくとも、ペン芯となる筆記芯30と、該筆記芯30を保持する保持体40とを有するものである。
ペン先Cは、筆記芯30の断面形状が、コ字状となっている点、補強部材35を有しない点、保持体40の孔部44の代わりに、中空柱状のガイド部44a、44aを形成している点で、上記ペン先Bと相違するものである。
図1~図3と同様の構成となる場合は、ペン先Bの図示符号と同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の保持体40の本体部41内から筆記部32(前方)側に、図1、図4及び図5に示すように、インク誘導部31、31をガイドする中空柱状のガイド部44a、44aを形成して、筆記部32等の破損、曲げ防止かつ使用時において定規等を汚しにくい構造となっている。ガイド部44a、44aと筆記芯30のインク誘導部31、31との間には、より空気置換を上げて、インク流通量を確保する点から、好ましくは、周状に隙間を有することが望ましく、この隙間は、好ましくは、0.01~0.5mmが好適である。
上記ガイド部44a、44aは、図面(図4,図5)では、定規等に当てやすくするために四角形状としたが、筆記芯のインク誘導部31、31が挿入可能で、隙間を形成できれば、特に限定されず、インクの断面形状等に沿って円形状等であっても良いものである。また、ガイド部44aは、図面(図4,図5)では本体部41と合成樹脂等により一体形成されていることが好ましいが、ガイド部44aを金属パイプ等で形成して本体部41を合成樹脂として接着等で構成される別部材の形態としてもよい。
このペン先Cもインク吸蔵体20、中空状のガイド部44a、44aにガイドされるインク誘導部31、31の後方部側31a、31aから筆記部32へインクが毛管作用により供給されて、筆記に供されることとなる。
軸筒10の両端に備えたペン先B、ペン先Cへのインク流量が略等しい構成とするためには、各筆記芯30、30の材質や気孔率等を同一構成とすることにより容易に行うことができる。
ペン先Bにおいて、筆記部32の耐曲げ力を1kg以上とすることによって、空間部33のある筆記部32であっても、変形せずに筆記を続けることができる。
また、ペン先Cにおいて、保持体40に、筆記芯30のインク誘導部31、31をガイドする中空柱状のガイド部44a、44aを形成することにより、筆記部32等の破損、曲げ防止かつ使用時において定規等を汚しにくい構造となっている。更に、孔部44、44又はガイド部44a、44aと筆記芯30のインク誘導部31、31との間に隙間を0.01mm以上形成することによって、より空気置換を上げて、インク流通性を確保することができるものとなる。
例えば、上記実施形態では、ペン先がツインタイプ(ペン先B、ペン先C)の筆記具としたが、一方の軸筒10の開口端を封鎖(有底筒状)して、ペン先B又はペン先Cを備えたシングルタイプの筆記具としてもよいものである。
また、上記実施形態において、筆記芯30を焼結芯タイプについて詳述したが、筆記芯30は焼結体以外に、上述の如く、繊維束体、繊維芯、発泡体、海綿体、フェルト体などであってもよい。
更に、上記実施形態では、インク吸蔵体20に吸蔵されたインクを毛管力により筆記芯30の筆記部32に効率的に供給せしめる方式(中綿式)の筆記具を示したが、弁機構を備えた筆記具、例えば、筆記具本体となる軸体内に直接インクが収容されたインク室を設けて、インク室と筆記芯との間に弁機構を設け、ペン先方向の押圧移動で弁機構のスプリングの附勢力に抗して弁棒を後退させて弁部を解放してインクの導出を行い、ペン芯にインクを供給する構成の筆記具であってもよいものである。また、シングルタイプでは、ノック式の筆記具であってもよいものである。
更に、上記各実施形態では、筆記具用のインク(水性染料インク、油性インク、熱変色性インク、染料を含む樹脂微粒子顔料インク)で説明したが、液状化粧料、液状薬剤、塗布液、修正液などの液状体としてもよいものである。
ペン先Bにおいて、筆記部32の耐曲げ力を1kg以上とすることによって、空間部33のある筆記部32であっても、変形せずに筆記を続けることができる。
また、ペン先Cにおいて、保持体40に、筆記芯30のインク誘導部31、31をガイドする中空柱状のガイド部44a、44aを形成することにより、筆記部32等の破損、曲げ防止かつ使用時において定規等を汚しにくい構造となっている。更に、孔部44、44又はガイド部44a、44aと筆記芯30のインク誘導部31、31との間に隙間を0.01mm以上形成することによって、より空気置換を上げて、インク流通性を確保することができるものとなるペン先を用いた筆記具となることが確認された。
また、両端の筆記部32,32のインク流量差も10mg/10mであり、保管状態により一端の筆記部32でインク流量が少なくなっても(描線が薄くなっても)、他の他端の筆記部32により筆記を続けることができることが確認された。
B ペン先
C ペン先
10 軸筒
20 インク吸蔵体
30 筆記芯
31 インク誘導部
32 筆記部
33 空間部(素通し部)
40 保持体
44 孔部
Claims (1)
- 少なくとも、軸筒の端面と当接するフランジ部を有する保持体と、筆記部と一対のインク誘導部とからなるU字状の筆記芯とを有し、該U字状の筆記芯の内側に空間部が形成されると共に、軸筒内のインクを上記一対のインク誘導部を介して筆記部に供給する筆記具であって、前記保持体に一対の孔部を形成し、該それぞれの孔部に筆記芯のインク誘導部の後方側が挿入され、筆記芯の後方側が保持体に配置されていることを特徴とする筆記具。
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