JPS6336166Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ビニールハウスの垂直支柱の上端
に直交して設けられる水平パイプと、ビニールハ
ウスの屋根を二層にして形成したビニールハウス
の屋根骨材たる上・下彎曲パイプとを継合するパ
イプ継合具に関する。

ところで、ビニールハウスの骨材は地面に立設
する垂直パイプと、該垂直パイプの上端に、該垂
直パイプと直交する水平パイプと、該水平パイプ
間に設けられる屋根骨材たる彎曲パイプにより構
成される。

そして、従来、上記水平パイプと彎曲パイプと
の連結は、水平パイプに彎曲パイプとの連結杆を
熔接で固定し、両者を連結させていた。

しかし、構築現場でそのつど熔接していたので
は熔接に手間隙がかかり、大量にかつ迅速にビニ
ールハウスを構築することが困難であり、まして
や、山の急斜面や凹凸の激しい土地にビニールハ
ウスを大量に連棟しようとする場合、水平支柱へ
の連結杆の熔接が極めて困難で、連結の不都合が
生じるものであつた。

本考案は、水平パイプに水平パイプと上層彎曲
パイプとの係止杆に楔を用いて装着することによ
り、係止杆の軸線を常に水平パイプの軸線に対す
る垂直面に一致させて、係止杆を水平パイプに容
易に設けられるようにすると共に、下層彎曲パイ
プを継合する下部係止杆も、該下部係止杆の軸線
が水平パイプの軸線に対する垂直面に一致させる
位置で締結されるパイプ継合具を提供しようとす
るものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基き説明すれ
ば、第１図は本考案継合具本体１の正面図で、該
継合具本体１はＵ字形に形成されたＵ形帯板２
と、該Ｕ字帯板２に係合する係止杆３とＵ形帯板
２の下部に枢着された下部係止杆３０，３０と楔
４とによつて構成される。

上記Ｕ字帯板２は本考案の使用図である第６図
に示す如く、ビニールハウス２０の側面に立設さ
れた垂直支柱２１の上端に該垂直支柱２１と直交
して設けられる水平パイプ２２に係合させるもの
である。

このＵ字帯板２は、その頂部１５を、上記水平
パイプ２２を内周面で抱持するように略Ｕ字形に
形成し、該頂部１５の下端縁を延出して対向する
両側部５，５を設けて形成されている。

そして、このＵ字帯板２の両側部５，５の上部
には本考案を分解して示した図面第５図で明らか
な如く、一端を開口した頂部１５の軸方向への横
溝６，６が穿設され、かつ該横溝６，６の奥端部
には横溝６，６と連続した下方への窪み７，７を
形成している。

また、上記係止杆３はスチール製の小径のパイ
プ管で、その基部９を上記横溝６，６間に架設さ
せて設けると共に、その基部９の両端に形成され
る両側腕部８，８を上方に末広がり状に形成して
設けている。

上記楔４は略Ｍ字形に形成され、その背部１０
は水平パイプ２２の外周面に合わせて下方へ弧状
に彎曲させて形成されると共に、対向する両側部
１１，１１はその基端部１２から先端部１３にか
けてその幅を漸次を狭くし、下端縁１６を先端に
向かつて斜め上方へ傾斜させて形成している。

そして、本考案の使用状態図である第４図に示
す如く、この楔４を上記係止杆３の両側腕部８，
８の軸線ａを上記水平パイプ２２の軸線ｂに対す
る垂直面に一致させて、水平パイプ２２と係止杆
３の基部９との間に圧入する。

したがつて、楔４は水平パイプ２２の傾斜角度
に従い、第４図で示す矢印方向に両側腕部８，８
の軸線ａを水平パイプ２２の軸線ｂに対する垂直
面に一致させるように適宜変更した後圧入するも
のである。

下部係止杆３０，３０は、Ｕ字帯板２の両側部
５，５の外面１７，１７から斜め上外方へ突出す
る小径円筒状の下部腕部３２，３２と、該下部腕
部３２，３２の基端を平板状に延出形成し、上記
両側部５，５の外面１７，１７に枢着される枢着
部３１，３１とより構成される。

この枢着部３１，３１はその上端において、上
記Ｕ形帯板２両側部５，５下部とリベツト３３，
３３により枢着し、かつその下端には、上記両側
部５，５下端部に下方に彎曲した円弧状の孔１
８，１８に緩挿したボルト３４，３４が設けら
れ、ナツト３５，３５にて締結可能に設けられて
いる。

そして、上記水平パイプ２２の傾斜角度に応じ
て、リベツト３３，３３を支点にボルト３４，３
４を彎曲した孔１８，１８に従つて移行させて、
上記下部腕部３２，３２の軸線ｃが水平パイプ２
２の軸線ｂに対する垂直面に一致する位置で、下
部腕部３２，３２をＵ形帯板２に締結するもので
ある。

したがつて、下部腕部３２，３２は水平パイプ
２２に対して常にその軸線ｃを水平パイプ２２の
軸線ｂに対する垂直面に一致させる位置に存し、
ひいては、下部腕部３２，３２に継合する下層彎
曲パイプ３６も、その軸線を水平パイプ２２の軸
線ｂに対する垂直面に一致される位置に設けるこ
とができる。

上記の如く、継合具本体１を水平パイプ２２に
固定し、まず、係止杆３の両側腕部８，８に屋根
を二層とする二つのビニールハウスの上層屋根骨
材たる上層彎曲パイプ２３の一端部を夫々嵌合
し、次に、下部係止杆３０，３０の下部腕部３
２，３２に下層屋根骨材たる下層彎曲パイプ３６
の一端部を夫々嵌合することにより水平パイプ２
２と上・下彎曲パイプ２３，３６とを継合し、ビ
ニールハウス２０の骨組を構築するものである。

上記のように、本考案を構成していることか
ら、継合具本体１を水平パイプ２２に極めて容易
かつ迅速に固定することができると共に、継合具
本体１の両側腕部８，８に上層彎曲パイプ２３
を、また、下部腕部３２，３２に下層彎曲パイプ
３６を継合することができ、ひいては、水平パイ
プ２２に上・下層彎曲パイプ２３，３６を連結固
定することができることから、屋根を二層とする
ビニールハウスを複数棟簡易に構築することがで
きるものである。

また、本考案は係止杆３の両側腕部８，８の軸
線ａ及び下部係止杆３０，３０の下部腕部３２，
３２の軸線ｃを水平パイプ２２の軸線ｂに対する
垂直面に一致させて、水平パイプ２２に屋根骨材
たる上・下彎曲パイプ２３，３６を継合する上記
両側及び下部腕部８，８，３２，３２を、極めて
容易に固定することができることから、ビニール
ハウスを構築する土地、例えば、山の急斜面や凹
凸の起状が激しい土地に構築する場合において
も、水平パイプ２２の傾斜角度に対応して、係止
杆３の両側腕部８，８及び下部係止杆３０，３０
の下部腕部３２，３２を第４図矢印方向に順次変
化させて設けることが可能であり、両側腕部８，
８及び下部腕部３２，３２と継合する二層に形成
する屋根骨材たる上・下層彎曲パイプ２３，３６
の軸線を常に水平パイプ２２の軸線ｂに対して垂
直面に一致させることができ、ひいては、ビニー
ルハウスの屋根を地表と平行に形成することがで
きる。

したがつて、本考案のパイプ継合具を用いれば
如何なる土地においても屋根を二層式に形成した
複数棟のビニールハウスを容易かつ迅速に構築す
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、第２図は側面図、第３図は第
２図Ａ−Ａ断面図、第４図は使用状態図、第５図
は分解斜視図、第６図はビニールハウスにおける
使用図である。 ２……Ｕ形帯板、３……係止杆、４……楔、
５，５……両側部、６，６……横溝、７，７……
窪み、８，８……両側腕部、９……基部、１５…
…頂部、１７，１７……外面、２２……水平パイ
プ、３０，３０……下部係止杆、３１……枢着
部、３２，３２……下部腕部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ビニールハウス２０の垂直支柱２１の上端に直
   交して設けられる水平パイプ２２と、屋根を二層
   に形成するビニールハウス２０の屋根骨材たる
   上・下層彎曲パイプ２３，３６とを連結させるた
   めのパイプ継合具において、上記水平パイプ２２
   を内周面で抱持する略Ｕ字形の頂部１５の下端縁
   を延出して対向する両側部５，５を設け、該両側
   部５，５に一端を開口した頂部１５の軸方向への
   横溝６，６を形成し、かつ該横溝６，６の奥端に
   下方への窪み７，７を穿設して形成したＵ形帯板
   ２と、基部９を上部窪み７，７間に架設させ、基
   部９の両端に形成される両側腕部８，８を上方に
   末広がり状に形成した係止杆３と、該両側腕部
   ８，８の軸線ａを上記水平パイプ２２の軸線ｂに
   対する垂直面に一致させて水平パイプ２２と係止
   杆３の基部９との間に圧入する楔４と、上記Ｕ形
   帯板２の両側部５，５の外面１７，１７から斜め
   上外方へ突出する下部腕部３２，３２と上記外面
   １７，１７に枢着される枢着部３１，３１を有
   し、上記下部腕部３２，３２の軸線ｃを上記水平
   パイプ２２の軸線ｂに対する垂直面に一致する位
   置で上記枢着部３１，３１が上記外面１７，１７
   に締結される下部係止部３０，３０とより構成さ
   れるパイプ継合具。