JPS6336145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動開閉扉の扉取付姿勢を調整する建
付調整装置に関するものである。

自動開閉扉は、扉上部に取付けたローラをエン
ジンケースに形成したレールに当接して扉を吊下
支持し、駆動ユニツトによつて扉をローラを介し
てレールに沿つて開閉移動させるものであり、扉
はその竪框と竪枠とが隙間なく当接したり、両開
き扉の場合には扉相互の竪框が隙間なく当接した
りするように建付調整する必要がある。

そこで、実開昭53−18844号公報に示すように、
座板にローラを備えた昇降板を上下動自在に設
け、座板とローラとに亘つて調高螺杆を螺合し、
調高螺杆を締込み、弛め操作することで昇降板を
上下動してローラ位置を上下に調整できるように
して建付調整するようにしたものが知られてい
る。

しかし、この構造であるとローラに作用する荷
重が調高螺杆の螺合部に全て作用するので、調高
螺杆の締込み、弛め操作力が大となつてしまう。

また、特開昭56−85077号公報に示すように、
扉に固着したハンガ本体をエンジンケースに固設
したハンガ添板に上下回動自在に枢支しハンガ本
体にエンジンケースのレールに当接するローラを
回動自在に設けると共に、ハンガ本体に螺装した
調整ボルトの下端をハンガ添板に当接させ、調整
ボルトを締込み、弛め操作することでハンガ本体
を上下揺動させてローラを上下に調整して建付調
整できるようにしたものが提案されている。

しかし、この構造であるとローラを上下調整す
べくハンガ本体を上下揺動する際に調整ボルトが
ハンガ本体よりも上方に移動するので、調整ボル
トの上方への移動量が大きくなり、ローラの上方
に配設したベルトと干渉してしまうことがあり好
ましくない。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的はローラを扉に対して上下移動でき
て扉を建付調整できると共に、調整ボルトが上方
に大きく移動してベルトと干渉することがなく、
さらには調整作業がやり易いと共に、重量のある
扉を確実に支持できるようにした自動開閉扉の建
付調整装置を提供することである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第１図は全体説明図であり、扉取付開口枠Ａは
左右一対の竪枠ａ，ａと上、下枠ｂ，b′とにより
方形枠状となり、左右一対の竪枠ａ，ａ間に亘つ
て無目ｃが横架固設され、該無目ｃ内にはエンジ
ンケース１が設けてあり、エンジンケース１に沿
つて扉２が移動自在に設けてある。

つまり、エンジンケース１の長手方向両側部に
は駆動プーリ３と従動プーリ４とが設けられ両プ
ーリ３，４間にベルト５が巻掛けてあり、該ベル
ト５が扉２に連結され、駆動プーリ３を正逆転さ
せることで扉２が左右に移動するように構成して
ある。

前記扉２は左右一対の竪框ｄ，ｄと上框ｅと下
框ｆとより成る框組体内にガラス等のパネルｇを
取付けたものであり、上框ｅの長手方向両側には
左右一対のローラ６，６′が設けられ、各ローラ
６，６′がエンジンケース１に形成したレール７
に当接して扉２を吊下支持している。

前記左側のローラ６は第２図、第３図に示すよ
うに取付けてある。

つまり、扉上框ｅに扉吊下げ板８をボルト９で
固着し、扉吊下げ板８の長手方向一端寄位置にロ
ーラ取付板１０の長手方向一端寄位置を支軸１１
で上下回動自在に設け、該ローラ取付板１０にロ
ーラ６を軸１２を介して回動自在に設けると共
に、ローラ取付板１０の長手方向他端寄位置に形
成した縦長孔１３を挿通したボルト１４を扉吊下
げ板８に螺合してある。

前記扉吊下げ板８及びローラ取付板１０におけ
るローラ６とボルト１４との中間位置には突出片
１５，１６が相対向してそれぞれ扉吊下げ板８及
びローラ取付板１０に一体形成され、突出片１５
に螺合固着した調整ボルト１７が突出片１６の長
孔１８に遊嵌し、この調整ボルト１７に螺合した
調整ナツト１９が突出片１６に当接し、調整ナツ
ト１９を締込み、弛め操作することにより扉吊下
げ板８とローラ取付板１０とが支軸１１を中心と
して相対的に上下回動するようにしてある。

つまり、前記扉吊下げ板８は第４図に示すよう
に、取付横板８ａと縦板８ｂとを備え、取付横板
８ａがボルト９で扉上框ｄに締付け固定されると
共に、縦板８ｂには支軸１１が螺合するネジ孔２
０及びボルト１４が螺合するネジ孔２１並びにロ
ーラ６の軸１２の逃げ部となる切欠部２２、突出
片１５がそれぞれ形成され、突出片１５には調整
ボルト１７が螺合するネジ孔２３が形成してあ
る。

また、前記ローラ取付板１０は第４図に示すよ
うに、支軸１１が回転自在に嵌挿する孔２４、ロ
ーラ６の軸１２が取付けられる角孔２５、縦長孔
１３及び突出片１６が形成され、突出片１６には
調整ナツト１９の円曲面状下端面１９ａが嵌まり
込み当接する長孔１８が形成してある。

なお、前記右側のローラ６′は扉上框ｅにボル
トで固着された取付板に回転自在に取付けてあ
る。

しかして、扉２の自重は扉吊下げ板８、調整ボ
ルト１７、調整ナツト１９を介してローラ取付板
１０の突出片１６で支持されるから、調整ナツト
１９を正、逆回転して上下移動すると突出片１
５，１６間の対向距離が変化し、第５図に示すよ
うに扉吊下げ板８がローラ取付板１０に対して支
軸１１を中心として上下回動するので、左側のロ
ーラ６が相対的に上下移動することになり、扉２
が右側のローラ６′を支点として上下方向に揺動
し扉２を建付調整することができる。

また、調整ボルト１７は扉吊下げ板８の突出片
１５から上方に移動しないので、調整ボルト１７
の上方への移動量は扉吊下げ板８の上方への回動
変位量となり、あまり大きく上方に移動しないか
らベルト５と干渉することがない。

また、調整ナツト１９の下端面１９ａは円曲面
状となつているので、扉吊下げ板８とローラ取付
板１０とが相対的に上下回動変位して調整ボルト
１７と突出片１６とのなす角度が90度以外の角度
となつても調整ナツト１９の下端面１９ａが突出
片１６にひつかかることがなく調整ナツト１９を
円滑に回転操作でき、建付調整作業がやり易い。

つまり、調整ナツト１９の下端面１９ａが平担
面であると前述の状態の時に突出片１６にひつか
かり（片当り状態）回転し難くなつてしまう。

また、有効ネジ長さを大きくとることができる
ので重量のある自動ドアを確実に支持できる。

第３図において、３０は押えローラであり、第
２図、第４図に示すようにプレート３１に固着し
た支軸３２に回転自在に支承され、このプレート
３１には一対の縦長孔３３，３３が形成されてお
り、この縦長孔３３，３３よりビス３４を前記縦
板８ｂのビス孔３５，３５にそれぞれ螺合して取
付けてある。３６は縦板８ｂに形成した支軸３２
が挿通する縦長孔である。

この様であるから、建付け調整した時にプレー
ト３１を上下移動してレール７の下面７ａに常時
圧接できるように取付調整できる。

なお、第６図に示すように突出片１６の長孔１
８を省略すると共に、調整ボルト１７を短かくし
ても良い。

本考案は以上の様になり、調整ボルト１７によ
り一方のローラ６を上下移動して扉２を他方のロ
ーラ６′を支点として上下揺動できるので、扉を
建付調整できる。

また、調整ボルト１７は扉吊下げ板８より上方
に移動しないので、調整ボルト１７が上方に大き
く移動してベルト５と干渉することがない。

また、建付調整作業がし易いと共に、重量のあ
る扉を確実に支持できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は全体正面図、第２図は左側ローラの取付部分
の詳細正面図、第３図は第２図の−線断面
図、第４図は分解斜視図、第５図は動作説明図、
第６図は他の実施例の正面図である。 １はエンジンケース、２は扉、５はベルト、
６，６′はローラ、７はレール、８は扉吊下げ板、
１０はローラ取付板、１７は調整ボルト、１９は
調整ナツト、１９ａは調整ナツトの下端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉２に取付けた左右一対のローラ６，６′をエ
   ンジンケース１のレール７に当接して左右移動自
   在に吊下げ支持し、エンジンケース１内に設けた
   ベルト５に扉２を連結し、ベルト５の駆動プーリ
   ３を正逆回転することで扉２を開閉動作する自動
   開閉扉において、前記どちらか一方のローラ６を
   ローラ取付板１０に取付け、該ローラ取付板１０
   を扉２に固着した扉吊下げ板８に支軸１１を介し
   て上下回動自在に枢着し、前記扉吊下げ板８に調
   整ボルト１７を上下方向に移動しないように固設
   し、該調整ボルト１７に下端面１９ａを円曲状と
   した調整ナツト１９を上下動可能に螺合すると共
   に、該調整ナツト１９の下端面１９ａを前記ロー
   ラ取付板１０に当接させたことを特徴とする自動
   開閉扉の建付調整装置。