JPS6335590B2 - - Google Patents

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JPS6335590B2
JPS6335590B2 JP57211377A JP21137782A JPS6335590B2 JP S6335590 B2 JPS6335590 B2 JP S6335590B2 JP 57211377 A JP57211377 A JP 57211377A JP 21137782 A JP21137782 A JP 21137782A JP S6335590 B2 JPS6335590 B2 JP S6335590B2
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carbon
boron
powder
silicon
decomposable
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JP57211377A
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JPS59102871A (ja
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Norihiro Murakawa
Kazuyoshi Isotani
Kensaku Maruyama
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Priority to DE8383901729T priority patent/DE3381007D1/de
Priority to US06/886,768 priority patent/US4752456A/en
Priority to PCT/JP1983/000180 priority patent/WO1983004188A1/ja
Priority to CA000436445A priority patent/CA1214309A/en
Priority to IT48972/83A priority patent/IT1170492B/it
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Description

【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕 本発明は実質的にケイ素酸化物、単体炭素及び
ホウ素酸化物からなる新規含炭素混合物粉末の発
明である。 更に詳しくは、実質的に炭化ケイ素と炭化ホウ
素からなる新規な複合炭化物を製造するに適した
新規含炭素混合物粉末の発明であり、またその複
合炭化物粉末を特定の方法で焼結して得られる新
しい複合炭化物焼結体を製造するに適した含炭素
混合物粉末の発明である。 〔背景技術〕 炭化ケイ素粉末を焼結して得られる炭化ケイ素
焼結体は、従来の金属材料に比較して高温におけ
る機械的強度が格段に勝れているので、エンジ
ン、ガスタービンなどの用途が期待されている。 しかしながら、従来の製造法では、炭化ケイ素
粉末及びその原料であるケイ砂などのケイ素酸化
物やコークスなどの単体炭素の物性や純度などに
由来して、得られる炭化ケイ素焼結体の機械的強
度のバラツキが大き過ぎることが工業的実用化の
障害となつている。 上記焼結体は、その原料である炭化ケイ素粉末
が可能な限り微細である程強度が大きいものが得
られ易く、また焼結速度が速い性質がある。更に
原料炭化ケイ素粉末が高純度である程、焼結体の
強度のバラツキが小さい性質がある。 更に炭化ケイ素粉末を焼結する過程において、
単体ホウ素、炭化ホウ素などホウ素酸化物以外の
ホウ素系物質及び単体炭素を添加すると、焼結体
の密度を上げる効果をもたらすことは、特公昭57
−32035号公報、特開昭51−148712号公報などに
開示されている如く公知であり、該添加に用いる
ホウ素系物質は高純度かつ微細なもの程その効果
が大きいとされている。 かかるホウ素系物質が添加された炭化ケイ素焼
結体を得るには、従来は、炭化ケイ素と単体ホウ
素またはホウ素系物質をボールミルなどを用いて
機械的に粉砕混合した後、これに炭素質物質を加
えて一旦加熱することにより、炭素質物質の熱分
解によつて単体炭素を生成せしめて、炭化ケイ素
粉末、ホウ素系物質粉末及び単体炭素粉末の混合
物とし、これを焼結加工する方法が一般的な製造
法であつた。 この方法において、炭化ケイ素粉末を製造する
にはケイ砂などの様な二酸化ケイ素とコークスな
どの様な炭素系物質とを粉砕混合し、例えばアチ
ソン型の直接通電抵抗炉などにより高温下で固相
反応によつて得る方法が一般的である。 しかしながら、この方法は、バツチ方式(回分
方式)であり、原料の混合装入時における作業工
程の煩雑さ、不純物の混入といつた問題がある。 また生成した炭化ケイ素はインゴツトとして取
り出されるので、焼結体原料として必要な微細な
粉末を得るには、このインゴツトをボールミルな
どの粉砕機で長時間粉砕した後、微細な粒子のみ
を分級して取り出す必要があり、従つて経費の増
加、作業工程の煩雑さ、作業工程中の不純物の混
入などの問題がある。 さらに、炭化ケイ素焼結体を得る際に添加する
ホウ素系物質粉末については、ホウ素酸化物は焼
結体中に酸素の混入をもたらし焼結体の密度を上
げる効果が得られず、逆に低下せしめるので不都
合である。従つて、ホウ素源としては、ホウ素酸
化物以外の、酸素を含有しないホウ素系物質が選
ばれるが、中でも炭化ホウ素は耐酸化性に秀れて
いるので特に好ましく、次に単体ホウ素が好まし
い。 しかしながら、炭化ホウ素粉末は、通常炭化ケ
イ素粉末と同様に、酸化ホウ素あるいは単体ホウ
素と炭素質物質より高温下で固相反応によつて炭
化ホウ素のインゴツトを得た後、これを粉砕、分
級して製造されているので、従つて従来の方法で
は炭化ケイ素粉末と同様に高純度かつ微細なもの
が得られにくいと云う問題がある。 一方、ホウ素源として単体ホウ素を使用する場
合も微粉末である程好ましいが、微粉末になる程
空気中に放置しておくだけでも容易に酸化が進行
すると云う大きな欠点が生ずる。しかして、一般
に知られているように、炭化ケイ素粉末の焼結過
程において含有する酸化物の量が増加するに従つ
て、得られる焼結体の密度が低下し、成型体の強
度が低下するので、添加するホウ素系物質粉末
は、上記したごとく炭化ホウ素のほうが酸化物の
混入を防ぐ点で基本的には好ましいが、高純度か
つ微細なものが得られにくいため、酸化され易い
という問題はあるがやむを得ず主として単体ホウ
素が用いられているのが実情である。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、ボールミルの如き騒音、摩
耗、不純物混入、粉塵発生等といつた多くの問題
を有する機械的な粉砕、混合操作を、全く行うこ
となしに得られるところの、ケイ素酸化物、単体
炭素及びホウ素酸化物の微粒子がきわめて均一に
混合してなる新規含炭素混合物粉末を提供するこ
とである。 本発明の他の目的は、かかる新規含炭素混合物
粉末を連続的に生産性よく製造する方法を提供す
ることである。 本発明のさらに他の目的は、これをそのまま
で、あるいはアルゴン、ヘリウムなどの非酸化性
ガス雰囲気下で加熱することにより、炭化ケイ素
と炭化ホウ素の極めて微細な粒子からなる新規な
複合炭化物粉末を与えることが出来る新規含炭素
混合物粉末を提供することである。 本発明のさらに次の目的は、この炭化ケイ素と
炭化ホウ素からなる複合炭化物粉末を焼結するこ
とにより、新しい複合炭化物焼結体とすることが
出来る新規含炭素混合物粉末を提供することにあ
る。 本発明のその他の目的は以下の説明から明らか
になるであろう。 〔発明の開示〕 本発明者等は、前記従来技術の得失を充分に検
討した結果、物性のすぐれた炭化ケイ素焼結体を
得る方法として、ケイ素化合物などから直接炭化
ケイ素粉末などを得る従来の方法とは異なる方
法、即ち充分に均一性が高く、かつ構成粒子の粒
度の細かいケイ素酸化物、単体炭素及びホウ酸化
物を含む新規含炭素混合物粉末を先ず製造し、こ
の新規含炭素混合物粉末を原料とすれば焼結速度
が速く、しかも強度のバラツキの小さい複合炭化
物焼結物が得られることを見出し、本発明を完成
するに至つたものである。 即ち本発明は、水蒸気を含む熱ガス中に分解性
ケイ素化合物、分解性炭素化合物及び分解性ホウ
素化合物を装入し・分解して、ケイ素酸化物、単
体炭素及びホウ素酸化物のそれぞれのエーロゾル
を含む混合エーロゾル分散質を生成せしめ、該生
成したエーロゾル分散質を捕集して得たことを特
徴とする炭化ケイ素と炭化ホウ素からなる複合炭
化物粉末の製造原料として好適な新規含炭素混合
物粉末(以下単の「本発明の含炭素混合物粉末」
と略記する。)を要旨とするものである。 〔発明の詳細な開示〕 以下、本発明を詳細に説明する。 「本発明の含炭素混合物粉末」とは、水蒸気含
有ガス中に、分解性ケイ素化合物、分解性炭素化
合物及び分解性ホウ素化合物を装入し・分解し
て、ケイ素酸化物、単体炭素及びホウ素酸化物の
それぞれのエーロゾルを含む混合エーロゾル分散
質を生成させて、この混合エーロゾル分散質を捕
集して得たことにより特徴づけられる。 本発明の含炭素混合物粉末はケイ素酸化物、単
体炭素およびホウ素酸化物のそれぞれの微粒子が
ミクロのオーダーで均一に混合していて、見かけ
上は「混合物」となつているものである。なお、
一言付け加えれば、ここにいう「混合物粉末」と
は、「二種以上の物質が全体として均質に存在し、
一物質として把握されるもの」であるから、まさ
に産業別審査基準にいう「組成物」の要件を充足
するものであり、本来は「含炭素組成物」と称す
べきものであるが、ここでは、習慣上一応「含炭
素混合物粉末」という呼び名に従つた。 本発明で云う混合エーロゾルとは、気体中にケ
イ素酸化物、単体炭素及びホウ素酸化物が微細な
固形物の分散質として混在しているものを意味す
る。本発明の含炭素混合物粉末とは、該混合エー
ロゾル中の分散質である上記の固形物を捕集して
得たケイ素酸化物、単体炭素及びホウ素酸化物を
含む混合物である。 本発明では、まず単体炭素のエーロゾルは、分
解性炭素化合物を熱ガス中に装入し・分解して容
易に得ることができる。他方、ケイ素酸化物ある
いはホウ素酸化物のエーロゾルは、例えば四塩化
ケイ素の如き分解性ケイ素化合物あるいは三塩化
ホウ素の如き分解性ホウ素化合物を水蒸気を含む
熱ガス中に装入すると、熱分解、酸化あるいは加
水分解等を伴う分解をおこし容易に得ることがで
きる。容易に理解できるように、水蒸気を含む熱
ガス中に分解性炭素化合物、分解性ケイ素化合物
及び分解性ホウ素化合物を同時に装入すれば、直
ちにケイ素酸化物と単体炭素及びホウ素酸化物を
含む混合エーロゾル分散質が得られるのである。 本発明で使用しうる分解性ケイ素化合物として
は、一般式SinX2o+2(nは1から4の整数)で表
されるもので、Xは水素、ハロゲン原子、アルキ
ル基もしくはアルコキシル基であり、具体的なケ
イ素化合物を挙げれば、SiCl4、HSiCl3、、SiH4
Si2H6、(CH34Si、(CH32SiCl2、CH3SiCl3
SiF4、Si(OC2H54などであり、またこれらの混
合物であつても本発明には何等の支障もない。 本発明の実施例に用いられる分解性炭素化合物
は、熱ガス中に装入された場合、容易に分解して
単体炭素(スス)を生成しうるようなもので、そ
のままで気相もしくは液相状態か昇温により容易
に液相状態になり得るものが好適に使用可能であ
る。 例えば、LPG、ナフサ、ガソリン、燃料油、
灯油、軽油、重油、潤滑油、流動パラフインなど
の石油製品類;メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、ペンタンなどの炭化水素;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、エチレン、アセチレン、
n−パラフイン、プタジエン、イソプレン、イソ
ブチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジ
エン、エチルベンゼン、スチレン、キユメン、ブ
ソイドクメン、メシチレン、アルキルベンゼン、
α−メチルスチレン、ジシクロドデカトリエン、
ジイソブチレン、塩化ビニル、クロルベンゼン、
C9溜分混合物、エチレンボトムなどの石油化学
製品類;タール、ピツチ、クレオソート油、ナフ
タリン、アントラセン、カルバゾール、タール
酸、フエノール、クレゾール、キシレゾール、ピ
リジン、ピコリン、キノリンなどのタール製品
類;大豆油、ヤシ油、アマニ油、綿実油、ナタネ
油、キリ油、ヒマシ油、鯨油、牛脂、スクワラ
ン、オレイン酸、ステアリン酸などの油脂類など
が好ましいものとしてあげられるがもちろんこれ
らに限られるものではない。 本発明の実施に使用する分解性炭素化合物は炭
素の供給が目的であるから、この目的からは例え
ば上記の如く、広範囲に選択可能である。しかし
ながら取扱いの簡便さ、炭素収率の面からトルエ
ン、キシレン、ベンゼン、灯油、軽油、重油、
C9留分混合物、エチレンボトムなどが好ましい。 本発明の実施に使用可能な分解性ホウ素化合物
としては、BF3、BCl3、BBr3、BH3、B2H6
B3N3H6などが挙げられ、またこれらの混合物で
あつても差支えない。 なお、分解性ホウ素化合物として、安価なホウ
酸も使用可能である。この場合ホウ酸を水あるい
はメタノール、エタノールなどの溶媒に溶解した
後、二流体噴霧方式によつて空気、蒸気などと共
に熱ガス中に溶液を装入する方法が便利である。 ホウ素化合物としてホウ酸を用いる場合には、
BCl3、BH3などの分解性ホウ素化合物と比較し
て酸化されにくいため、容易に微細なエーロゾル
が得られにくいと云う問題があるが、本発明者ら
の検討によれば、ホウ酸を上記の如き溶媒に溶解
した後、熱ガス中に装入する手段を採用すること
により本発明の目的を達するに充分な程度にホウ
酸が微細なエーロゾルとなり易くなり、またこの
ホウ酸溶液の装入を二流体噴霧方式によつて行え
ば更に好ましいエーロゾルが得られるのである。 本発明で使用可能な分解性ケイ素化合物、分解
性炭素化合物あるいは分解性ホウ素化合物は、普
通はそのままで、または加熱により容易に気相も
しくは液相状態となし得るものであるので、特定
不純物の排除を必要とする場合は蒸留、吸着、洗
浄などの簡便な操作で高純度の各分解性化合物を
容易に得ることができる。 なお、本発明の含炭素混合物粉末中のケイ素酸
化物、単体炭素及びホウ素酸化物の割合の調節
は、ノズルから熱ガス中に注入する原料である分
解性ケイ素化合物、分解性炭素及び分解性ホウ素
化合物の量を変え、相互の割合を調節するだけで
容易に成しうるのである。本発明の含炭素混合物
粉末を得るための具体的な装置としては、炉を用
いるのが好適である。 この炉には加熱装置及び分解性ケイ素化合物、
分解性炭素化合物及び分解性ホウ素化合物のそれ
ぞれの装入用ノズルと熱ガス装入ダクト、混合エ
ーロゾル排出ダクトとが具備されているようなも
のである。また加熱装置としては燃焼バーナー、
通電発熱体などがあるが燃焼バーナーが簡便であ
り、また熱効率の面でも好ましい。 第1図はこれに用いられる炉の1例を示すもの
である。 本発明では炉内に少なくとも600℃以上、好ま
しくは700℃以上、より好ましくは800℃以上の空
間領域がなければならない。この温度以上であれ
ば分解性炭素化合物からは単体炭素が、更に水蒸
気を含む雰囲気下で分解性ケイ素化合物からはケ
イ素酸化物が、分解性ホウ素化合物からはホウ素
酸化物がそれぞれ極めて微細な粒子として得ら
れ、気体とこれら固形物との混合体である混合エ
ーロゾル状態を発生する。 なお、2000℃以上の温度は通常熱ロスを招くだ
けであるのでこの様な高温は不必要である。ま
た、ケイ素酸化物あるいはホウ素酸化物に加え
て、単体ケイ素あるいは単体ホウ素、更にはケイ
素ハロゲン化物あるいはホウ素ハロゲン化物が挟
在していても、本発明での最終目的である複合炭
化物焼結体を得るに格別の妨げにはならない。 本発明で使用する水蒸気を含む熱ガスを得る方
法としては、通電発熱方式、高周波加熱方式、放
電方式によつて得た熱ガス中に水蒸気を注入する
ことによつても得ることが出来るが、水素、メタ
ン、エタン、プロパンなど、あるいは原料とする
炭化水素のように燃焼して水蒸気を生成する可燃
物を空気で燃焼させる方法が、一工程で水蒸気を
含む熱ガスを得ることができるので装置上簡便で
あり、熱効率の面からも経済的である。 本発明の実施に用いられる分解性ケイ素化合物
あるいは分解性ホウ素化合物は、熱ガス中で熱分
解反応によつて容易に単体ケイ素あるいは単体ホ
ウ素の固形物に変化すると共に、水蒸気との加水
分解反応によつてケイ素酸化物あるいはホウ素酸
化物に変化する。かつ、上記反応はその速度がき
わめて大きく0.01〜0.1秒で反応は実質的に完結
するので、反応時間(反応域での滞留時間)は1
秒も取れば充分である。 従つて本発明のような熱と水蒸気が共存する雰
囲気下では、分解性ケイ素化合物あるいは分解性
ホウ素化合物がガス状態のままで反応の系外に揮
散することは実質上無視することが出来る。 この様にして生成したケイ素化合物と単体炭素
及びホウ素酸化物を含む混合エーロゾル分散質
は、炉の外に誘導した後、含まれる固形物をバグ
フイルター、サイクロン、電気集塵機等の公知の
捕集装置を使用する固−気分離操作により捕集す
るが、捕集装置での熱負荷を軽減するためには予
冷することが望ましい。予冷の方法としては、反
応後の帯域を冷却するとか、または水を注入する
等の手段を採用出来る。 以上の如くして捕集された本発明の含炭素混合
物粉末は高周波加熱炉、通電抵抗炉、直火式管状
加熱炉などを用い、好ましくはアルゴン、ヘリウ
ム、窒素、水素などの非酸化性ガス雰囲気下で、
1000〜2500℃好ましくは1200〜2000℃程度に強熱
することによつて、焼結体原料として好適な炭化
ケイ素と炭化ホウ素の均一な混合物からなる複合
炭化物粉末とすることができる。 本発明においては、得られる含炭素混合物粉末
は主として前述の通り複合炭化物粉末を得るのが
目的であるので、含炭素混合物粉末中の炭素、ケ
イ素及びホウ素の割合は、式量比(g−atmの比
を云う。以下同じ。)C/(Si+B)として3.5よ
り大であることが要請される。この理由は、該含
炭素混合物粉末中に単体炭素を過剰に含む方が、
これを加熱して得られる複合炭化物粉末の平均粒
子径が小さくなるという本発明者らの実験的知見
に基づくものである。 その正確な理由は現在は勿論詳らかにし得ない
が、含炭素混合物粉末を加熱することによつて複
合炭化物粉末が生成するところ、この反応過程に
おいて複合炭化物が生成しその粒子が成長する段
階で、過剰の単体炭素の存在が粒子同士の結合を
妨たげる効果をもたらし、粒子径の小さい微細な
複合炭化物粉末が得られるものと推測される。 しかしながら、この式量比が余りに大きいこと
は分解性炭素化合物の単なる損失にしかならな
い。従つて上記式量比として3.5〜20程度の値が
好ましい。 〔発明の効果〕 以上の如く、本発明では分解性ケイ素化合物、
分解性炭素化合物及び分解性ホウ素化合物を水蒸
気を含む熱ガス中で化学反応、即ち熱分解、酸
化、加水分解などを行わせるので、それぞれの分
子が生成した段階から分子のオーダーで混合され
ており、そのままで粒子成長して得られたもので
あるから、生成するケイ素酸化物、単体炭素及び
ホウ素酸化物の微細粒子の混合状態は、従来の機
械的な混合法によるものに比べ本質的に均一かつ
格段に微細なものが得られやすく、従つてこの点
で極めて勝れた品質を有するものとなるのであ
る。また、その実施においても粉塵、騒音などの
問題はなく、バツチ方式とは異なり連続的に含炭
素混合物粉末を得ることができるため、従来のイ
ンゴツトとバツチ方式で機械的に粉砕する方法で
問題とされてきた作業工程の煩雑さ及び粉砕機自
身の摩耗等による不純物の混入と云つた問題もな
い。更にまた、本発明の実施において得られた含
炭素混合物粉末は、これを非酸化性ガス雰囲気下
で加熱すれば実質的に炭化ケイ素と炭化ホウ素か
らなる均一な混合物粉末が得られるので、焼結段
階でホウ素系物質を添加し混合する工程が不要で
あり、しかもこの段階で酸化されやすい単体ホウ
素粉末を使用する必要もないのである。 本発明の含炭素混合物粉末は、上記のごとく極
めて均一かつ微細なエーロゾルの分散質からなる
混合物から得られるものであるから、この混合物
粉末を加熱して得られる複合炭化物粉末は比表面
積が極めて広く、しかも粒子が極めて微小な粉末
である。従つて、この複合炭化物粉末を焼結する
場合、焼結速度が速く焼結は容易であり緻密な焼
結体が得られる特徴がある。 また、本発明の含炭素混合物粉末中のケイ素及
びホウ素に対する単体炭素の式量比C/(Si+
B)で炭素過剰にしておけば、得られた複合炭化
物粉末は更に微小となり比表面積の広いものが容
易に得られるのである。 〔発明を実施するための好ましい形態〕 以下に実施例を示して本発明を具体的に説明す
る。尚%は重量%を示す。 実施例 1 第1図に示す炉(直径300mm、長さ3m)を用
い、ダクト2より空気を、燃焼バーナー3より熱
風用燃料として水素を夫々80Nm3/h、12Nm3
hの流量で装入し、また分解性ケイ素化合物とし
てSiCl4を、分解性炭素化合物としてC9留分混合
物を、分解性ホウ素化合物としてBCl3を予め重
量比で1:1.9:0.0077に混合したものをノズル
4より14Kg/hの流量で炉内に装入した。炉内は
第1図のAの位置で1000〜1100℃の温度に保つ
た。炉内に生成したエーロゾルはダクト6より抜
き出し、冷却後バグフイルターで捕集して本発明
の含炭素混合物粉末5.0Kg/h(乾燥重量)を得
た。この混合物粉末には単体重量換算でケイ素
15.8%、炭素65.6%、ホウ素0.07%が含まれ(残
りは結合性の酸素18.4%、炭素付着の水素0.1%、
その他0.1%以下)、式量比C/(Si+B)は9.6で
あつた。この含炭素混合物粉末のESCAスペクト
ル解析の結果、ケイ素あるいはホウ素と他元素と
の結合形態にはSi−O結合、B−O結合のみが観
察された。また嵩密度は0.096g/c.c.であつた。 実施例 2〜5 熱風用燃料には水素の他にメタン、プロパンも
用い、分解性ケイ素化合物、分解性炭素化合物、
分解性ホウ素化合物としては表1に示すものを
夫々用いて、実施例1と同様な方法で本発明の含
炭素混合物粉末を得た。得られた夫々の本発明の
含炭素混合物粉末の組成を表2に示す。 含炭素混合物粉末のESCAスペクトル解析の結
果、ケイ素あるいはホウ素と他の元素との結合形
態にはSi−O結合、B−O結合のみが観察され
た。 なお、表1において、装入ノズルの位置を示す
数字が同一なものは予め混合して装入したことを
意味する。例えば実施例2においては予めSiCl4
とA重油を混合したものをノズル4より炉内に装
入し、同時にBF3はノズル5より炉内に装入した
ことを意味する。 また、実施例5においては、予めホウ酸とエタ
ノールを重量比で0.08:1に混合して得た溶液を
ノズル4より炉内に装入した。装入方法としては
空気を用い二流体噴霧方式とし、空気量は0.25N
m3/hとした。
【表】
【表】 参考例 1 (複合炭化物粉末及び焼結体の製造例) 実施例1で得た本発明の含炭素混合物粉末を使
用しこの含炭素混合物粉末の500gを円筒容器に
入れ1軸圧縮し、0.35g/c.c.の嵩密度とした後黒
鉛ルツボに装入し、高周波加熱炉を用いて、アル
ゴンガス雰囲気中で1700℃で2時間強熱し、一旦
冷却後空気中で750℃に加熱して残存した単体炭
素を燃焼除去して複合炭化物粉末115gを得た。 この複合炭化物粉末のESCAスペクトル解析の
結果、Si−C結合、B−C結合の存在が確認され
炭化ケイ素と炭化ホウ素とからなることが判明し
た。 また粉末X線回折スペクトル解析の結果、結晶
形状が立方晶系の炭化ケイ素と、三方晶系の炭化
ホウ素の存在が確認され、電子顕微鏡影像解析に
よるその平均粒子径は0.27μmで、粒子形状は均
等にそろつた球形であることが観察された。 また、この複合炭化物粉末中の酸素の含有量は
化学分析の結果1.6%であつた。得られた複合炭
化物粉末を5重量倍のHF水溶液(濃度10%)に
5時間浸した後、乾燥して得た110gを1の容
器に入れ、これに2.7gのレゾルシノール−ホル
ムアルデヒド縮合物を溶解させた300c.c.のアセト
ン溶液を加え、室温で10時間混合し、さらに容器
を70℃に調節された恒温水槽に浸し、混煉りを行
いながらアセトンを蒸発除去した後、これをN2
ガス雰囲気中で600℃1時間加熱し、複合炭化物
粉末と付加的単体炭素の混合物を得た。その組成
は元素割合でケイ素69.1%、炭素30.5%、ホウ素
0.30%、酸素0.06%(その他0.1%以下)であり、
単体炭素は0.89%であつた。 次にこの混合物粉末100gを円筒容器に入れ、
0.5T/cm2の荷重で1軸圧縮した後、2T/cm2の静
水圧でラバープレスし、さらに圧力10-1〜1mm
Hg abs.の窒素ガス雰囲気中で2100℃、15分間一
体に焼結して複合炭化物焼結体を得た。この焼結
体の密度を測定したところ、3.11g/c.c.であり、
これは炭化ケイ素の理論密度3.21g/c.c.の97%に
相当する良好な値であつた。 次にこの焼結体をダイヤモンドカツターで切断
し、30片の試験片を作製し、JIS R−1601( ’
81)に従つて曲げ強度を測定した。曲げ強度測定
の雰囲気は室温と1400℃の窒素ガス雰囲気中の2
種とし、それぞれ15片の試験片で3点曲げにより
測定した。この結果、室温での曲げ強度平均値は
46Kg/mm2で標準偏差は2.6Kg/mm2、1400℃での曲
げ強度平均値は45Kg/mm2で標準偏差は2.5Kg/mm2
であつた。 参考例 2〜5 (複合炭化物粉末及び焼結体の製造例) 実施例2〜5で得られた夫々の含炭素混合物粉
末を、夫々表3に示す条件で参考例1と同様に圧
縮、強熱、一旦冷却及び残存した単体炭素の燃焼
除去を行つて夫々複合炭化物粉末を得た。 得られた複合炭化物粉末のESCAスペクトル解
析の結果、Si−C、B−C結合の存在が確認され
た。また電子顕微鏡影像解析によるその平均粒子
径は夫々表3に示す通りであつた。 粉末X線回折スペクトル解析の結果、いずれの
の複合炭化物粉末にも立方晶系の炭化ケイ素と三
方晶系の炭化ホウ素の存在が確認された。また参
考例3においては、六方晶系の炭化ケイ素の存在
も確認され、その存在割合は立方晶系100重量部
に対して約10重量部と推算された。 この複合炭化物粉末を参考例1と同様にして
HF水溶液で洗浄濾過して得た各110gに、夫々
表4に示す量のレゾルシノール−ホルムアルデヒ
ド縮合物を溶解させた300c.c.のアセトン溶液を加
え、参考例と全く同様にして付加的炭素を加え、
複合炭化物粉末と単体炭素との混合物を得た。
夫々の組成は表4に示す通りであつた。 これらの複合炭化物粉末と単体炭素との混合物
を参考例1と全く同様にして成型後、2100℃で15
分間一体に焼結し、夫々の複合炭化物焼結体を得
た。夫々の焼結体の密度は炭化ケイ素の理論密度
に対し、表4に示す通りの値であつた。 次にこれらの焼結体より参考例1と全く同様に
して30片の試験片を切り出し、3点曲げ強度試験
を行つた結果も表4に示した通りであつた。
【表】
【表】 比較参考例 1 実施例1におけるBCl3の使用の点を除く以外
は、実施例1と全く同様にしてケイ素酸化物と単
体炭素を含む含炭素混合物粉末を製造した。 この含炭素混合物粉末を用いて参考例1と同様
に圧縮した後高周波加熱炉を用いて加熱し、更に
残存単体炭素を燃焼除去して炭化ケイ素粉末115
gを得た。この粉末のX線回折スペクトル解析の
結果、結晶形状は立方晶系で、電子顕微鏡影像解
析によるその平均粒子径は0.25μmであつた。 この炭化ケイ素粉末を参考例1と同様にして
HF水溶液で洗浄、乾燥して得た110gに、平均
粒子径が4.0μmの単体ホウ素粉末を、ケイ素に対
するホウ素の割合が参考例1と一致するように
0.33g加え、更に参考例1と全く同様にして付加
的炭素を加えて炭化ケイ素と単体ホウ素及び炭素
の混合物粉末112gを得た。その組成は元素割合
でケイ素69.1%、炭素30.4%、ホウ素030%、酸
素0.17%(その他0.1%以下)であり、単体炭素
は0.90%であつた。 この混合物粉末100gを参考例1と全く同様に
して、成型後加熱し、焼結体を得た。 この焼結体の密度を測定したところ3.00g/c.c.
であり、これは炭化ケイ素の理論密度の93%に相
当する。 次にこの焼結体を使用し参考例1と全く同様に
して30片の試験片を切り出し、3点曲げ強度試験
を行つた結果、室温での曲げ強度平均値は40Kg/
mm2で標準偏差は3.5Kg/mm2、1400℃での曲げ強度
平均値は38Kg/mm2で標準偏差は3.8Kg/mm2であつ
た。 実施例1及び参考例1と比較参考例1との比較
より、ケイ素酸化物、単体炭素及びホウ素酸化物
を含む本発明の含炭素混合物粉末を出発原料とし
て得た複合炭化物焼結体は、ホウ素酸化物を含ま
ない含炭素混合物粉末やこの含炭素混合物に単体
ホウ素を加えたものを出発原料として得られた焼
結体と比較して、焼結体の密度が高く、かつ強度
は大きくバラツキも小さいことが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用する炉の1例を示
す断面図である。 図において、1:炉材、2:ダクト、3:燃焼
バーナー、4:ノズル、5:ノズル、6:ダクト
を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水蒸気を含む熱ガス中に、分解性ケイ素化合
    物、分解性炭素化合物及び分解性ホウ素化合物を
    装入し・分解して、ケイ素酸化物、単体炭素及び
    ホウ素酸化物のそれぞれのエーロゾルを含む混合
    エーロゾル分散質を生成せしめ、該生成した分散
    質を捕集して得たことを特徴とする炭化ケイ素と
    炭化ホウ素からなる複合炭化物粉末の製造原料と
    して好適な新規含炭素混合物粉末。
JP57211377A 1982-06-01 1982-12-03 新規含炭素混合物粉末 Granted JPS59102871A (ja)

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DE8383901729T DE3381007D1 (de) 1982-06-01 1983-06-01 Herstellungsverfahren von metallkarbiden und deren vorprodukte.
US06/886,768 US4752456A (en) 1982-06-01 1983-06-01 Process for preparing metal carbides and precursors thereof
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IT48972/83A IT1170492B (it) 1982-09-14 1983-09-13 Procedimento per la preparazione di carburi metallici e loro precursori

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