JPS6250402B2 - - Google Patents

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JPS6250402B2
JPS6250402B2 JP60243834A JP24383485A JPS6250402B2 JP S6250402 B2 JPS6250402 B2 JP S6250402B2 JP 60243834 A JP60243834 A JP 60243834A JP 24383485 A JP24383485 A JP 24383485A JP S6250402 B2 JPS6250402 B2 JP S6250402B2
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carbon
metal
mixture
powder
present
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JP60243834A
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JPS61111909A (ja
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Norihiro Murakawa
Kazuyoshi Isotani
Kensaku Maruyama
Fumio Nakamura
Norimasa Kawamura
Noriaki Kuramitsu
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication of JPS6250402B2 publication Critical patent/JPS6250402B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕 本発明は新規な含炭素混合物を経由する微細な
金属炭化物の新規な製造法に関する。 〔背景技術〕 従来より金属炭化物は、金属酸化物等と炭素と
の混合物を強熱下反応させて製造されている。 例えば、ケイ素、チタン、タングステン、ホウ
素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフニウム、
ニオブ、コバルト、モリブデン、タンタル、クロ
ム、バナジウムなどの単体金属あるいはこれらの
金属酸化物の1種もしくは2種以上と炭素とを混
合して強熱下反応させることにより工業的に実施
されている。 すなわち、これら単体金属あるいはこれらの金
属酸化物と炭素との混合物をそのままで、あるい
はアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス中で、高
周波加熱炉、アチソン型の直接通電抵抗炉などに
より加熱すると還元反応、炭化反応が起り、
SiC,TiC,WC,B4C,ZrC,HfC,NbC,
Mo2C,TaC,Cr3C2,VC、などの金属炭化物粉
末が製造されている。又2種以上の単体金属ある
いは酸化金属と炭素との混合物を加熱することに
よつて、(SiTi)C,(WTi)C,(MoW)C,
(WTiTaNb)Cなどの複合金属炭化物粉末が製
造されている。 かかる金属炭化物の粉末(粉体)は、微細であ
る程これを焼結、加工することによつて得られる
成型体の強度が大きく、又焼結速度が速い性質が
ある。従つて必然的に中間原料である単体金属あ
るいはこれらの金属酸化物と炭素との混合物とし
ては微細粒子が均一に混合していることが求めら
れる。 従来技術では、可能なかぎり均一かつ微細な混
合物というこのような要請を充足するため、通常
粗粒又は塊状の単体金属や金属酸化物と炭素とを
ボールミル、ハンマーミルなどで機械的に粉砕と
混合とを同時にバツチ方式(回分方式)で行なう
ことが一般的である。しかしながら、このような
ボールミル等を使用する機械的方法ではバツチ方
式であるため原料の混合装入時、搬出時における
作業工程の煩雑さ及び粉塵の夥しい発生や、粉砕
混合時の騒音発生といつた作業環境上の問題があ
る。又、機械的に粉砕する方法で微粉末にするに
は長時間たとえば1週間にもわたる粉砕が必要で
あり、この場合、必然的に粉砕機自体の摩耗によ
る不純物の混入量が増すといつた問題があるた
め、後工程として化学洗浄、吸着などの不純物除
去工程が必要となつてくる。このような問題があ
るためかかる機械的な方法では1ミクロン以下の
超微細な混合物を得ることは原理的・本質的に不
可能に近い。 一方、あらかじめ何らかの方法で得たすでに微
細な粉末を混合する方法も公知である。たとえば
それぞれの微粉末をミキサー、ニーダーなどを用
いて混合する方法であるが、この方法では粉塵の
夥しい発生を伴うといつた問題に加えて粉体固有
の粒度、配向性、比重の相異による混合内容にか
たよりが生ずるのは避けられない欠点である。 このためさらに改良された方法として、特公昭
50―127900号公報に記載されているごとく、水な
どに二種以上の微粉体をコロイド状に分散させ、
スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥させる方法
や、また特公昭51―13262号公報に記載されたご
とく、それぞれが微粉末を含んだ二種の搬送ガス
を合一させ、気相中で両者を混合させて該二種類
の粉末を気相において混合する方法も提案されて
いる。 しかしながら、この方法によつてもミクロ的に
みれば混合内容にかたよりが生ずるのはどうして
も避けられず、またそれにも増して根本的な問題
であるのは、酸化ケイ素粉体、酸化チタン粉体、
炭素粉体粒子等の粉体は通常それぞれが容易に50
〜100ケ程度強固に結合していわゆる二次凝集体
を形成しており、しかも該凝集体は容易には単一
粒子に分離しえない性質のものであるから、この
ような凝集体をいくら噴霧乾燥したり、気相混合
してみても、これらが完全に分離することはあり
得ず単にそのままの形態で凝集体として残存する
結果を招来だけであり、かかる方法では単一粒子
を単位としてそれぞれ独立して存在した混合物に
はなり難いという原理的、本質的な問題があるの
である。 一方、金属炭化物を得るための公知技術とし
て、ホウ素、ケイ素、チタン、ジルコニウム、ハ
フニウム、バナジウム、タンタル、ニオブ、モリ
ブデン、タングステン、トリウム等の金属ハライ
ドと炭化水素、および水素より気相反応で直接最
終目的物である微細な金属炭化物を一工程で製造
する方法が米国特許第3839542号として提案され
ている。しかしながらこの直接法(一段法)は加
熱方式にプラズマを用いなければならない点、多
量の水素ガスの供給が必要な点、少なくとも1300
℃以上の温度を必要とするという欠点がある。 また、他の直接法としては、元素周期律表の第
3〜第5族から選ばれた金属のハロゲン化物と炭
素源、窒素源等と、無水のハロゲン化水素より気
相反応で直接金属炭化物を製造する方法が、特公
昭56―36122号として公知である。 しかしながらこの方法も、多量の水素ガスの供
給が必要である上、無水のハロゲン化水素の供給
が必要であるという大きな欠点がある。 さらにつけ加えるならばこれら従来技術である
気相反応により直接最終目的物である金属炭化物
を一工程で製造する方法においては酸素や水素気
の存在が目的物たる金属炭化物の生成を大きく阻
害するためこの点についてきわめて厳密な雰囲気
制御が必要な点と、一工程で反応を行わせるのは
少しく無理があつてたとえ高温状態で反応させた
としても収率がきわめて低く原料の金属ハライド
が少なからずそのまま未反応のガス状態で反応の
系外に逸散するという根本的な問題があるのであ
る。 〔発明の目的〕 本発明の目的はボールミル・ハンマーミルのご
とき騒音・摩耗・不純物混入・粉塵発生等の多く
の問題を有する機械的な粉砕・混合操作を全く行
うことなしに得られるところの、炭素および所望
の金属酸化物のそれぞれの微粒子がきわめて均一
に混合してなる新規な含炭素混合物(混合粉)を
原料として使用する、きわめて微細な金属炭化物
を製造する新規な方法を提供することにある。 〔発明の開示〕 本発明者らは、これら従来技術の得失を充分に
検討した結果、物性の優れた金属炭化物を得る為
に、原料から直接目的物を得ることによらず、一
旦充分に均一性が高くかつ構成粒子の粒度の細か
い炭素と金属酸化物の混合物(混合粉)を得た
後、これを加熱処理することにより、きわめて容
易に品質にすぐれた目的物を得ることができるこ
とを見出し本発明を完成した。 すなわち、本発明の上記目的は、 水蒸気を含む熱ガス中に、分解性金属化合物及
び分解性炭素化合物を装入・分解して、金属酸化
物及び単体炭素のそれぞれのエーロゾルを含む混
合エーロゾル分散質を生成せしめ、該生成した分
散質を捕集して得た含炭素混合物を加熱すること
を特徴とする金属炭化物の新規な製造法によつて
達成される。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明における新規な「含炭素混合物」とは、
水蒸気含有ガス中に分解性金属化合物及び分解性
炭素化合物を装入して、金属酸化物と炭素の混合
エーロゾルを生成させて、この分散質を捕集して
得たことにより特徴ずけられる、単体炭素および
金属酸化物のそれぞれの微粒子がミクロのオーダ
ーで均一に混合しているものをいい、見かけ上は
「混合粉」となつているものである。なお、一言
付け加えれば、ここにいう「混合物」とは、「二
種以上の物質が全体として均質に存在し、一物質
として把握されるもの」であるから、まさに産業
別審査基準にいう「組成物」の要件を充足するも
のであり、本来は「含炭素組成物」と称すべきも
のであるが、ここでは、習慣上一応「含炭素混合
物」という呼び名に従つた。 本発明で云う混合エーロゾルとは、気体中に炭
素と金属質の固形物の分散質が混つているものを
意味するが、分散質である固形物が微細であるが
ゆえに流動性をもち、かつ各々の粉体が独自にガ
ス中で易動度が大きい均一な分散系を呈する混合
体である。本発明者らの知見では、分散質を捕集
した混合物の粉体状固形物の窒素吸着比表面積が
少くとも3m2/g以上、望ましくは30m2/g以上
であることが本発明の目的から好ましい。 ここにいう窒素吸着比表面積(いわゆるBET
法による値)とは、粉体上固形物の平均粒子径を
簡便に示す尺度として用いられるが、粉体状固形
物はそれぞれに固有の形状、粒子径分布を有する
ため、粉体全体について、粒子径、粒子径分布を
正確に測定し表示することは極めて困難である。
このため、固形物の表面に吸着する窒素ガスの量
を測定し、これを平均粒子径に対応する尺度とし
て用いることが便利に行なわれている。窒素吸着
比表面積が大きいことは、即ち平均粒子径が小さ
いことを意味する。 なお、含炭素混合物を構成する粒子の形状を電
子顕微鏡を用いて直接観察した結果、含炭素混合
物の窒素吸着比表面積が3m2/g以上では含炭素
混合物の平均粒子径はおよそ1μ以下であり、同
じく30m2/g以上ではおよそ0.1μ以下であるこ
とを本発明者らは実験的に確認している。ここ
で、含炭素混合物の粒子等の電子顕微像について
は分割出願である本出願の原出願である特願昭57
―158786号の添付図面第2図〜第6図に表示され
ているとおりである。 本発明における分解性金属化合物を構成する金
属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、
ルビジウム、セシウムなどのA族金属、ベリリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウムなどのA族金属、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウムなどのA族金属、バナジウ
ム、ニオブ、タンタルなどのA族金属、クロ
ム、モリブデン、タングステンなどのA族金
属、マンガン、テクネチウム、レニウムなどの
A族金属、鉄、ルテニウム、オスミウムなどの鉄
族金属、コバルト、ロジウム、イリジウムなどの
コバルト族金属、ニツケル、パラジウムなどのニ
ツケル族金属、銅、銀、金などのB族金属、亜
鉛、カドミウム、水銀などのB族金属、ホウ
素、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどの
B族金属、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛な
どのB族金属、リン、ヒ素、アンチモン、ビス
マスなどのB族金属、イオウ、セレン、テルル
などのB族金属、セリウム、プラセオジウム、
ネオジウム、トリウム、ウランなどの希土類金属
があげられ、これら金属のハロゲン化物、アルキ
ル化物、アルコキシド化物、酸エステル化物など
のうち、水蒸気を含有する熱ガス中で容易に熱分
解、酸化、又は加水分解を起し該金属の酸化物を
与えるものである。かかる分解性金属化合物の例
を挙げるならば、たとえば、C5H11Li,C3H5Li、
C5H5Li、LiH、NaH、C5H5Na、C6H5C2Rb、
C6H5CH2Rb、C2H5Cs、C6H5C2Cs、
(C2H52Be、(CH32Be、C3H5MgCl、
(CH32Mg、Mg(OCH32、C2H5Na、Mg
(OC2H52、(C5H52Ca、CaH2、Sc(CH33、Y
(CH33、Y(C5H53、La(CH33、La
(CH33、La(C5H53、TiCl4、TiCl3CH3、TiCl3
(C5H5)、TiF4、TiBr4、TiI4、Ti(C5H52、Ti
(OC3H74、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4、ZrH2
(C5H52、Zr(OC2H54、Zr(OC3H74、HfCl4
Hf(C3H54、HfCl2(C5H52、Hf(OC4H94
VF5、VCl4、V(C5H52、V(C6H62、NbF5
NbCl4、NbCl5、NbBr5、Nb(C3H54、Nb
(OC6H55、TaF5、TaCl4、TaCl5、TaBr4
TaCl2(CH33、TaH3(C5H52、Ta
(OC2H55、CrCl4、CrO2Cl2、Cr(CH34、Cr2
(C3H54、MOF5、MOF6、MOCl5、MOCl4O、
MOCl2(C5H52、MOH2(C5H52、WF6
WCl4、WCl5、WCl6、W(CH36、WH2
(C5H52、WCl2(C5H52、W(OC6H56、Mn
(C5H52、TCH(C5H52、ReH(C5H52、FeCO
(C4H62、Ru(C5H52、Co(C5H5)(C6H8)、Co
(CO)2C5H5、Co(C3H53、Rh(C5H5
((C5H6)、Ni(C3H52、〔IrCl(C8H1422、Ni
(C5H52、Pb(C3H5)(C5H5)、ZnH2、Zn
(C2H52、Cd(CH32、Cd(C2H32、HgF2、Hg
(CH32、BF3、BCl3、BBr3、B(OCH33、B
(OCH32(OH)、B(OC2H53、B(OC6H53
B2H6、B(CH33、AlH3、AlCl3、(C2H53Al、
Al(OCH33、Al(OC2H53、Al(OC3H73
GaCl3、GaBr3、Ga(CH33、Ga(C6H53
(C2H52GaOC2H5、InCl2、TlF3、Tl(CH33
SiH4、Si2H6、SiCl4、SiF4、Si(OC2H54
(CH32SiCl2、CH3SiCl3、(CH34Si、
(C2H54Si、HSiCl3、H2SiCl2、GeCl4
(CH34Ge、Sn(CH34、PbF4、PbCl4
(C4H94Pb、PH3、PCl4、AsF3、AsF5、AsCl3
SbCl5、BiH3、BiF5、BiCl3、Ce(C5H53、Th
(C4H94、UF6、U(OCH35、U(OCH36、U
(OC3H75等の化合物が好ましいものとして挙げ
られるが上記したごとく水蒸気を含む熱ガス中で
分解性のものであればもちろんこれに限られるも
のではない。これらは単独で用いてもよいし2種
以上混合して用いてもよい。 これら分解性金属化合物は水蒸気を含む熱ガス
中に装入される。この化合物の中には常温で固体
の化合物も含まれるが、これらでもあらかじめ融
解に必要な温度まで昇温して用いることで反応ゾ
ーンへの装入操作が容易となる。 本発明の実施に用いる分解性炭素化合物とは、
後に述べるような熱ガス中に装入された場合、容
易に分解して単体炭素(スス)を生成しうるよう
なもので、そのままで気相もしくは液相状態か、
昇温により容易に液相状態になり得るものが好適
に使用可能である。例えばLPG、ナフサ、ガソリ
ン、燃料油、灯油、軽油、重油、潤滑油、流動パ
ラフインなどの石油製品類;メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、エチレン、アセチレン、n
―パラフイン、ブタジエン、イソプレン、イソブ
チレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロ
ヘキサン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジエ
ン、エチルベンゼン、スチレン、キユメン、プソ
イドクメン、メシチレン、アルキルベンゼン、α
―メチルスチレン、ジシクロドデカトリエン、ジ
イソブチレン、塩化ビニル、クロルベンゼン、
C9溜分混合物、エチレンボトムなどの石油化学
製品類;タール、ピツチ、クレオソート油、ナフ
タリン、アントラセン、カルバゾール、タール
酸、フエノール、クレゾール、キシレノール、ピ
リジン、ピコリン、キノリンなどのタール製品
類;大豆油、ヤシ油、アマニ油、綿実油、ナタネ
油、キリ油、ヒマシ油、鯨油、牛脂、スクワラ
ン、オレイン酸、ステアリン酸などの油脂類など
が好ましいものとしてあげられるがもちろんこれ
に限られるものではない。 本発明の実施に使用する分解性炭素化合物は、
炭素の供給の目的があるから、この目的からはた
とえば上記のごとく広範囲に選択可能である。し
かしながら取扱いの簡便さ、炭素収率の面から比
較的炭素量の多いトルエン、キシレン、ベンゼ
ン、灯油、軽油、重油、C9溜分混合物、エチレ
ンボトムなどが特に好ましい。 本発明において使用する上記の金属化合物も炭
素化合物も、普通はそのまますでに、又は容易に
気相もしくは液相状態となし得るものであり、特
定不純物の排除を必要とする場合は蒸留、吸着、
洗浄などの簡便な操作で達成できるため高純度の
混合物を容易に得ることができる。又、本発明の
含炭素混合物中の金属と炭素の割合の調節は単に
ノズルからの注入量を調節するだけで可能であ
る。 本発明の実施に使用可能な金属化合物は、前記
のような広範囲に選択可能である。しかしなが
ら、特にセラミツク材料、とりわけ耐熱耐蝕セラ
ミツク材料であるケイ素、チタン、タングステ
ン、ホウ素、アルミニウム、ジルコニウム、ハフ
ニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、クロ
ム、バナジウムなどの金属の炭化物の焼結体用原
料粉末を製造することを目的とした場合は、対応
する中間原料である金属酸化物と炭素を含む本発
明における含炭素混合物を得るために、SiCl4
SiF4、CH3SiCl、(CH32SiCl2、TiCl4、TiF4
WCl2、WCl5、WCl6、BF3、BCl3、B
(OCH33、B2H6、AlCl3、Al(OCH33、Al
(OC2H53、Al(OC3H73、ZrCl4、ZrCl2O、
ZrBr4、Zr(OC3H74、HfCl4、NbCl4、MoCl5
TaCl4、Ta(OC2H55、CrCl4、CrO2Cl2、VCl4
などの分解性金属化合物が好適に使用可能であ
る。 また、中間原料である含炭素混合物を加熱処理
して得た金属炭化物を焼結し、成型体を製造する
ときの焼結助剤、物性改良用助剤に適する金属
を、予め中間原料である本発明の含炭素混合物を
製造する段階で加えておくことも本発明の目的に
適うものである。 このような助剤に適する金属の化合物として
は、C2H5Cs、BeCl2、Y(CH33、Ni(CO)4
ZnH2、PCl3、BiCl3、Mg(OCH32、Mg
(OC2H52、COCl2などの分解性金属化合物があ
る。 本発明の実施には、炉が用いられる。加熱装置
としては、燃焼バーナー、通電発熱体などが、又
金属化合物、炭素化合物の装入用ノズルと、熱ガ
ス装入ダクト、混合エーロゾル排出ダクトとを備
えて耐火物で囲まれた装置が好適に用いられる。 本発明では、炉内に少なくとも600℃以上、好
ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上の
空間領域がなければならない。この温度以上であ
れば金属化合物からは主として水蒸気による加水
分解反応により、さらに熱分解、酸化等により金
属酸化物が、また炭素化合物からは単体炭素がそ
れぞれエーロゾルとして得られ、気体と固形物と
の混合体である混合エーロゾル状態を発生する。
なお2000℃以上の温度は通常熱ロスを招くだけで
不必要である。また、金属酸化物のほかに金属単
体や金属水酸化物更には金属ハロゲン化物が挾在
していても、本発明で最終目的とする金属炭化物
を得るに妨げにはならない。 水蒸気を含む熱ガスを得る方法としては、通電
発熱方式、高周波加熱方式、放電方式によつて得
た熱ガス中に、水蒸気を注入することによつても
得ることができるが、水素、メタン、エタン、プ
ロパンなどあるいは原料とする炭化水素のように
燃焼して水蒸気を生成する可燃物を空気で燃焼さ
せる方法が一工程で水蒸気を含む熱ガスを得るこ
とができるので装置上簡便であり、熱効率の面か
ら経済的である。 本発明の実施に用いられる分解性金属化合物
は、上記のごとく熱ガス中で容易に熱分解反応に
よつて単体金属の固形物に変化するとともに、水
蒸気との加水分解反応によつて、金属酸化物、金
属水酸化物の固形物に変化することもできかつそ
の反応速度はきわめて大きい(0.01〜0.1秒程度
で実質的に反応は完結するので反応時間(反応域
での滞溜時間)として1秒もとれば充分である)
ので、本発明のおけるがごとき熱と水蒸気が共存
する雰囲気下では金属化合物がガス状態のままで
反応の系外に揮散することは実質上無視できる。 かくして得られた熱ガス中の混合エーロゾル分
散質は炉の外に誘導した後、含まれる固形物をバ
グフイルター、サイクロン、電気集塵機等の公知
の捕集装置を使用した固―気分離操作により捕集
するが、捕集装置での熱負荷を軽減するためには
予め冷却することが望ましい。冷却の方法として
は反応後の帯域を冷却するとか、又は水を注入し
てもよい。 捕集された本発明における含炭素混合物は、こ
れを加熱することによつて本発明の金属炭化物粉
末もしくは複合金属炭化物粉末とすることができ
る。該加熱温度は、目的とする金属炭化物の種類
によつて適宜に選択されうるが、大略1000〜2500
℃好ましくは大略1200〜2000℃の範囲が採用され
る。ここで加熱雰囲気をアルゴン、水素、または
条件によつては窒素といつた非酸化性雰囲気とし
ておけば、単体炭素の燃焼による散逸を防ぐこと
ができ好都合である。しかしながら、本発明にお
いて含炭素混合物を加熱して金属炭化物が生成す
れば同時に一酸化炭素が生成しておのずと系内は
非酸化性雰囲気となるため、本発明においては特
に非酸化性気体を導入する必要はない。 なお、これをより具体的に例示すれば、本発明
の含炭素混合物を強熱して還元反応、炭化反応に
より、SiC、TiC、WC、B4C、ZrC、HfC、
NbC、Mo2C、TaC、Cr3C2、VCなどの金属炭化
物を容易に得ることができるのである。 〔発明の作用効果〕 以上のごとく本発明においては分解性金属化合
物と分解性炭素化合物を水蒸気を含有する熱ガス
中で化学反応、即ち熱分解、酸化、加水分解など
を行なわせるので、生成する粒子混合物の性質が
従来の機械的な混合法によるものに比して格段に
優れている。またその実施においても粉塵、騒音
などの問題はなく、バツチ方式と異なり連続的に
混合物を得ることができるため、従来の作業工程
の煩雑さは著しく低減され、更に粉砕機自身の摩
耗による不純物の混入といつた問題もない。又、
湿式混合、噴霧乾燥方式に比較してはるかに簡便
に、さらには均一かつ微細な混合物が容易に得ら
れる特徴がある。 さらに本発明を実施すると、上記のごとききわ
めて均一かつ微細なエーロゾルの分散質からなる
混合物を経由して金属炭化物を得ることに至るか
ら、得られる金属炭化物の粉は比表面積が極めて
広く、しかも得られる金属炭化物の粒子が極めて
微少であるから焼結速度が早く、焼結は容易であ
り緻密なものが得られる特徴がある。 また含炭素混合物中の金属に対する炭素の量比
で炭素過剰にしておけば、得られた金属炭化物の
粉は微小であり比表面積が広いものが容易に得ら
れるのである。 本発明における金属酸化物と単体炭素からなる
含炭素混合物中の炭素の量はもちろん臨界的な要
件でなくその目的に応じて自由に変更可能であ
る。すなわち、たとえば微小な金属炭化物を得る
には、金属に対する炭素の式量比(g―アトム炭
素/g―アトム金属をいう。以下同じ。)は、金
属炭化物が生成するに必要な炭素の化学量論比以
上であることが好ましい。 例えば具体例で示すと、金属がSiやTiであつ
て、その炭化物であるSiCやTiCを得ようとする
場合、反応式は当然のことながらSiO2+3C→SiC
+2CO、もしくはTiO2+3C→TiC+2COである
から金属に対する炭素の式量比は少くとも3以上
必要なことがわかる。また、Bの場合は、反応式
は2B2O3+7C→B4C+6COであるから式量比は少
くとも7/4以上となる。 なお、ここで得られた金属炭化物から過剰の炭
素を除去するには、空気中あるいは酸素を含む雰
囲気中で400〜1000℃に加熱することで簡便に行
なえることは言うまでもない。 したがつて炭素の過剰量の上限はとくに制限は
ないが、式量比で表現した場合、例えばこれが30
以上とあまりに大になると原料である炭素化合物
の単なる損失となるだけであり、好ましくは20以
下、より好ましくは10以下である。 本発明の作用効果についてさらに付言する。本
発明によれば、噴霧乾燥や二種の搬送ガスを合一
させる従来の方法のように、気相で金属酸化物お
よび単体炭素の微粉末を物理的に混合する方法に
比較して、はるかに均一かつ微細に混合された含
炭素混合物が容易に得られる特徴があるが、その
本質的な差異は次の如くである。 すなわち、本発明の実施によつて得られた含炭
素混合物と、噴霧乾燥によつて得られた混合物粒
子を電子顕微鏡写真により比較すると、本発明に
おける含炭素混合物は、いずれも一つの二次凝集
体単位の中にすでに炭素と金属酸化物のそれぞれ
の粒子が混合状態で共存した均一かつ微細なもの
であることが観察されるのに対し、噴霧乾燥法に
よつて得られた混合物ではそれぞれの二次凝集体
(すなわち、炭素粒子の二次凝集体、金属酸化物
粒子の二次凝集体)を単位とした混合状態である
ことが観察される。 このように噴霧乾燥法等によつて微粉末を気相
で物理的に混合する従来の方法では、一見いかに
完全に混合が起つているように思われても、実際
はそれぞれの二次凝集体が混合内容に関する最小
単位であるにすぎないのである。 これは噴霧されるそれぞれの微粉末の粒子は互
いに溶着しすでにそれぞれ50ないし100個を単位
とするブドウ状の二次凝集体を形成していて粒子
を均一に混合するためには、該第二次凝集体をま
ずその構成単位たる個々の粒子に結合を切つてバ
ラバラに分解する必要があるが、該凝集体の結合
はきわめて強固であり、通常の手段ではこれを切
断することは著しく困難なのである。 しかるに、本発明は、かくのごとくすでに存在
しているそれぞれの粒子を混合しようという発想
にもとづくものでなく、原料たる分解性金属化合
物と分解性炭素化合物を水蒸気を含む熱ガス中で
分解することによりまず分子レベルの大きさの金
属酸化物と炭素を生成せしめ、該生成と同時に分
子レベルでの混合をひきつづいて伴わしめるもの
であるから、原理的にきわめて均一かつ完全な混
合状態が得られることは当然なのである。したが
つてさらに気相中で核発生・粒子成長が起つて微
粒子が生成しかくして生成したそれぞれの微粒子
がその後に二次凝集を起したとしても該二次凝集
体は、炭素微粒子と金属酸化物微粒子とが共存し
た混合状態にあることを期待できるし、またかか
る推論は本発明の含炭素混合物の電子顕微鏡写真
から明確にうらずけられるのである。かかる意味
において、本発明は全く新しい発想の技術的思想
に基づくものであり、従来技術よりも原理的・本
質的にはるかに均一かつ微細に混合された混合物
を提供することができるものなのである。なお、
上記含炭素混合物等の電子顕微鏡写真については
分割出願である本出願の原出願である特願昭57―
158786号の添付図面第2図〜第6図に表示されて
いるとおりである。 本発明における含炭素混合物中の金属に対する
炭素の量比(式量比)で炭素過剰にして加熱処理
して得られた粉末は、金属炭化物と炭素とが極め
て微細な混合状態を呈した微粉末であり、この特
性を利用して塗料、ラツカー、印刷インキなどの
顔料;合成樹脂、ゴム、接着剤などの充填剤;ガ
ス吸着剤などの用途、更には固体潤滑剤、耐火物
骨材、鉄鋼用脱酸剤などの用途にも用いることが
できる。 〔発明を実施するための好ましい形態〕 以下実施例により本発明をより具体的に説明す
る。 実施例 1 第1図に示す反応炉(直径300mm、長さ3m)
を用いて、ダクト2より空気を100Nm3/hで連
続的に送入し、燃焼バーナー3よりプロパンガス
を3Nm3/h供給燃焼させて、1100〜1150℃の熱
ガス流を発生させた。次にノズル4より分解性金
属化合物としてSiCl4を20Kg/hで、またノズル
5より分解性炭素化合物としてA重油を25Kg/h
で夫々装入し冷却後、得られたエーロゾル中の分
散質をバツグフイルターで捕集し本発明の含炭素
混合物を得た。混合物中の、ケイ素質は二酸化ケ
イ素であることが化学分析により確認され、ケイ
素に対する炭素の式量比(g―アトムC/g―ア
トムSiをいう。以下同じ。)は7.5であることが酸
化重量法により確認された。 この混合物を高周波加熱炉を用いてアルゴン中
1800℃で2時間加熱し、一旦冷却後空気中で800
℃に加熱し、残存している単体炭素を燃焼除去し
て微粉末状の炭化ケイ素粉約1.5Kgを得た。この
炭化ケイ素粉の比表面積を測定したところ9.8
m2/gであり、(比表面積の測定は窒素ガス吸着
によるBET法によつた。)結晶形状は立方晶形で
あることが粉末X線回析法によつて確認された。 実施例 2 SiCl4を10Kg/h、A重油を15Kg/h装入した
以外は実施例1と全く同様な方法で式量比C/Si
=8.1の含炭素混合物を得、同様に加熱し炭化ケ
イ素粉約2Kgを得た。得られた炭化ケイ素粉の比
表面積は15.1m2/g、結晶形状は実施例1と同様
立方晶形であつた。 実施例 3 炭化水素として、エチレンボトムを(装入量15
Kg/h)使用した以外は、実施例1と全く同様な
方法で式量比C/Si=8.6の含炭素混合物を得、
同様に加熱し炭化ケイ素粉約1.2Kgを得た。得ら
れた炭化ケイ素粉の比表面積は18.6m2/gであり
結晶形状は立方晶形であつた。 実施例 4 ケイ素化合物としてCH3SiCl3を(装入量7
Kg/h)使用した以外は実施例3と全く同様な方
法で式量比C/Si=14.1の含炭素混合物を得、同
様に加熱して炭化ケイ素粉約1Kgを得た。得られ
た炭化ケイ素粉の比表面積は35.6m2/gであり、
結晶形状は立方晶形であつた。 比較例 1 SiO2粉末(比表面積198.5m2/g)と炭素粉末
(比表面積120.4m2/g)を式量比(C/Si)10の
割合でボールミルを用いて5時間混合し、高周波
加熱炉を用いてアルゴン中1800℃で2時間加熱
し、冷却後空気中で800℃に加熱し残存している
単体炭素を燃焼除去して炭化ケイ素粉約1Kgを得
た(この方法は従来技術である)。 SiO2、炭素共に微粉末を用いたにもかかわら
ず得られた炭化ケイ素粉の比表面積は1.1m2/g
と小さく、結晶形状は立方晶形であつた。 以上の実験結果をまとめたものが次の第1表で
ある。
【表】 これから明らかなごとく、本発明の含炭素混合
物を使用した実施例の場合、なんら機械的な粉砕
を行わないにもかかわらず、いずれも10ないし35
m2/g程度のきわめて広い比表面積を有する炭化
ケイ素粉が得られているのに対し、従来技術によ
る比較例においてはこれより1ケタも小さい1
m2/g程度の比表面積のものが得られているにす
ぎないのである。 なお、実施例1で得られた炭化ケイ素粉と比較
例1で得られた炭化ケイ素粉の透過型電子顕微鏡
写真像をそれぞれ比較したところ本発明による炭
化ケイ素粉の写真では1μ以下で球状の粒子のみ
が観察されるのに対し、比較例1の炭化ケイ素粉
では1μ以上の粗大粒子や二次凝集が多く観察さ
れることがわかつた。 製造例 1 第1図に示す反応炉(実施例1で用いたもの)
を使用し、ダクト2より空気を75Nm3/h装入
し、熱風用燃料としてプロパンを燃焼バーナー3
より2Nm3/h装入し、金属化合物としてTiCl4
を、炭素化合物としてキシレンを予め重量比で
1:2.32に混合したものを8.01Kg/hノズル5よ
り炉内に装入した。炉内は第1図のAの位置で約
1200℃に保つた。炉内に生成したエーロゾルはダ
クト6より抜き出し、冷却後バツクフイルターで
分散質を捕集して本発明における含炭素混合物
2.52Kg/h、(乾燥重量)を得た。混合物には炭
素59.9wt%、チタン23.9wt%(単体換算)が含ま
れ(残りは結合性の酸素16.0wt%、炭素付着の水
素0.1wt%、その他0.1wt%以下)式量比(C/
Ti)は10.0で、その比表面積は73.2m2/gであつ
た。装入したTiCl4中のTiに対する捕集した混合
物中のTiは99.1%であつた。(以後金属捕集率と
称す)。ESCAスペクトル解析の結果、Tiと他元
素との結合形態には、Ti―C結合のみが観察さ
れた。 製造例 2〜11 製造例1における熱風用燃料にはプロパンの他
にメタン、水素も用い、金属化合物、炭素化合物
としては第2表に示すものをそれぞれ用いて本発
明における含炭素混合物をそれぞれ第2表に示す
とおり得た。 そのESCAスペクトル解析の結果、金属と他元
素との結合形態には全ての実施例に於て金属−酸
素結合が観察され、この他の金属と他元素との結
合形態としては、製造例2,5,8に金属一塩素
結合がわずかに観察された。第2表において金属
化合物と炭素化合物の装入ノズルが同じものは予
じめ両者を混合して装入したものである。即ち製
造例2においてはWCl2とエタノールを予め混合
して装入し、製造例3においてはBCl3をノズル
4より、A重油をノズル5よりそれぞれ別々に装
入したことを示す。 実施例 5 製造例1で得た本発明の含炭素混合物を高周波
加熱炉を用いてアルゴンガス雰囲気約2000℃で1
時間加熱し、一旦冷却後、空気中で700℃に加熱
し、残存している単体炭素を燃焼除去して微粉状
の炭化チタンを5.5g得た。この炭化チタン粉の
比表面積を測定したところ10.2m2/gであり(比
表面積の測定は窒素ガス吸着によるBET法によ
つた)、結晶形状は立方晶形であることが粉末X
線回折法によつて確認された。またこの炭化チタ
ン粉を透過型電子顕微鏡写真により観察した。
【表】 比較例 2 市販の工業用TiO2粉(比表面積50.5m2/g)
とカーボンブラツク(比表面積65.5m2/g)を製
造例1と同一の炭素対金属の式量比となるように
1:1.52の重量比で湿式振動ミルを用いて水中で
2時間混合した後、スプレードライヤーを用いて
乾燥し、TiO2とカーボンブラツクの混合物を得
た。この混合物を実施例5と全く同様にして高周
波加熱炉を用いて加熱した後単体炭素を燃焼除去
して立方晶形の炭化チタン粉を5.2g得た。この
炭化チタン粉の比表面積を測定したところ0.7
m2/gであり、きわめて低かつた。 比較例 3 TiCl3とカーボンブラツク(比表面積65.5m2
g)を実施例5と同一の炭素対金属の式量比とな
るように1:0.78の重量比で湿式振動ミルを用い
て水中で2時間混合し、カーボンブラツクをコロ
イド状に分散させたTiCl3水溶液を得た。これを
比較例2と同様にしてスプレードライヤーを用い
て乾燥し、TiCl3とカーボンブラツクの混合物を
得た。この混合物を実施例5と全く同様にして高
周波加熱炉を用て加熱した後、単体炭素を燃焼除
去して立方晶形の炭化チタン粉末4.5gを得た。
この炭化チタン粉の比表面積を測定したところ
1.0m2/gと、比較例2と同様きわめて低かつ
た。 この炭化チタン粉を透過型電子顕微鏡写真によ
り観察した。実施例5と比較例2,3の比較か
ら、本発明の含炭素混合物を使用した場合、比表
面積が10.2m2/gの炭化チタン粉が得られている
のに対し、従来技術による比較例においてはこれ
よりも1ケタも小さい比表面積のものが得られて
いるにすぎない。また、本発明の実施例5の炭化
チタン粉の電子顕微鏡写真では1μ以下で球状の
粒子のみが観察されるのに対し、比較例3の炭化
チタン粉の電子顕微鏡写真では1μ以上の粗大粒
子や二次凝集が多く観察されることがわかつた。 なお、比較例3においては、金属化合物を水溶
液の状態にし、かつカーボンブラツクをコロイド
状に分散させることによつて、金属と炭素との混
合状態を比較例2よりも更に均一かつ微細にする
ことを意図したものであるが、得られた混合物を
加熱することによつて生成した炭化チタンの比表
面積は比較例2と同程度であり、混合法を改良し
た効果は殆んどみられないことが分る。 このことは、たとえ金属化合物を溶液状態とし
ても、炭素の混合状態は二次凝集体を単位とした
ものに変りはないためと推察される。 実施例 6〜15 実施例5で用いた製造例1で得た混合物を、製
造例2〜11で得た混合物に代えて第3表に示すと
おりそれぞれの混合物を高周波加熱炉を用いて加
熱し、加熱条件をそれぞれ第3表に示すとおりの
雰囲気、温度、時間にして金属炭化物を生成せし
めた後、残存している単体炭素を700℃の空気中
で燃焼除去し、それぞれ第3表に示すとおりの結
晶形、比表面積の金属炭化物粉末を得た。 実施例11,12での雰囲気が真空中とは10-1
10-2mmHgの減圧状態で加熱したことを意味す
る。 これら金属炭化物の粉末を、透過型電子顕微鏡
を用いて観察した結果、いずれの炭化物も粒子径
は均等にそろつており、また1μ以上の粗大粒子
はいずれの炭化物も10重量%以下であることが観
察された。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用する反応炉の1例
を示す断面図である。図面において 1…炉材、2…ダクト、3…燃焼バーナー、4
…ノズル、5…ノズル、6…ダクトを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水蒸気を含む熱ガス中に、分解性金属化合物
    及び分解性炭素化合物を装入・分解して、金属酸
    化物及び単体炭素のそれぞれのエーロゾルを含む
    混合エーロゾル分散質を得て、この分解質を補集
    して得た含炭素混合物を加熱することを特徴とす
    る金属炭化物の製造法。
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