JPS6335205B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は土付苗を連続的に繰り出し、本圃に定
植するに当り、葉部欠損苗を検出して良苗と共に
繰り出し、実質的に欠株の生じない移植手段を提
供するものである。

従来、ビート、野菜、デツトコーン、水稲等の
苗を紙筒の如き育苗容器で育苗し、土付苗のまま
本圃に定植することは広く行なわれている。これ
ら土付苗の移植に使用する移植機は多数の形式の
ものが知られているが、その中、紙筒苗群を横方
向に剥離し、列状に連結したまま横送りコンベヤ
ーに並列せしめ、その搬送末端に設けた苗押え輪
で１本づつ繰出し、前記横送りコンベヤーより早
く回転する分離輪で１本１本の苗に分離し、分離
した苗を植付装置に供給して定植する移植機が最
も広く普及している。

上記移植機によると、横送りコンベヤーに供給
せられた紙筒苗は自動的に植付けられる結果、苗
の中に全く発芽しないものや、著しく発芽が遅れ
定植後正常な発育を期待できない苗が混入してい
ても総べて植付けられるので株立本数が不足し作
物の収量を減ずる原因となる。このため、移植機
に供給する前に人手により不良苗を選別すると
か、移植機に選別要員が搭乗し、不良苗を選別す
る方法が構じられている。しかし、苗の選別はき
わめてわずらわしい仕事であり、且つ多くの人手
を要し、移植機の移植能率を低下さす欠点があ
る。

本発明者は従来の移植機を改良し、葉部の欠損
した不良苗が混入していても移植機に選別機能を
持たせ、実質的に欠株のない移植機にせんと研究
を進めた結果、葉部の欠損した苗を検出すると苗
の繰り出しを急速に行い後続する良苗に近接して
搬送し、植付機構に供給して本圃に植え込む移植
機とすることにより解決したのである。

本発明は選別装置に特徴を有し、該装置は土付
苗を列状に並列させこれを横送りするコンベヤ
ー、該コンベヤーの搬送端部上方に設けた苗押え
ローラ、前記コンベヤーの搬送端部に対向する苗
分離回転体、該苗分離回転体で分離した苗の葉部
搬送路上に設けた葉部欠損苗検出装置、前記コン
ベヤー及び苗押えローラを駆動する早送り装置を
具備し、前記葉部欠損苗検出装置と前記早送り装
置を連動させ葉部欠損苗を検出すると横送りコン
ベヤーを急速に回転させ後続する良苗を近接させ
て搬送し、これを苗植付機構に供給して植付ける
ものである。

本発明の例を添付の図面により説明すると、移
植機は第１図に示すように、機枠１の前方にトラ
クター等への取付穴２を設け、矢印方向に牽引す
るようにする。機枠１の下方にはオープナー１５
及び１対の鎮圧輪３を設け、鎮圧輪３の下部を内
側に向けて傾斜させてある。機枠１の上方には苗
台４、苗供給機構５及びいす６を設け、苗台４上
の苗を人手で苗供給機構５に供給する。そして鎮
圧輪３の軸７に固定した鎖車８と苗植付用円板９
の軸１０に固定した鎖車１１の間にチエン１２を
張設して連動させ、前記軸１０と苗供給機構５の
駆動軸１３の間には傘歯車１４を設けて連動させ
る。このため機体が矢印方向に進行すると苗供給
機構５から供給された苗Ｐは苗植付用円板９に挾
持されて下方に回転し、オープナー１５の内側を
通つて作溝せられた溝内に植付ける。

本発明の苗供給機構５は第２図以下に示すよう
に機体の進行に対し横方向に回転する横送りコン
ベヤー１６を有し、該コンベヤー１６は平ベルト
又は段付ベルトで構成され、通常苗根の長さに相
当する横巾を有し、搬送方向に向けて傾斜するよ
うに設けられている。該コンベヤー１６上には、
いす６に座つた作業員が苗台４からの紙筒Ｐを列
状に剥離し、列状に載置搬送する。通常紙筒Ｐの
如き育苗容器を使用し育苗すると、根部の発達し
た土付苗が得られるが、その中には全く播種され
ないものや播種されても発芽しないものが含ま
れ、その数は全体の５〜10％に達するものであ
る。

上記コンベヤー１６は、前記駆動軸１３と連動
する中間軸３４に固定した鎖車１７と、コンベヤ
ー１６のプリー軸１８に固定した鎖車１９の間に
チエン２０を張設し矢印方向に回転さす。

又、前記コンベヤー１６の搬送末端で、前記プ
リー軸１８の上方には苗Ｐを挾持する間隔をおい
て苗押えローラ２１を設け、該ローラ２１はロー
ラ軸２２の外周にスポンジの如く弾性をもつ物質
を固定して苗Ｐの挾持を完全とするようにしてあ
る。そしてローラ軸２２には歯車２３を固定し、
プリー軸１８に固定した歯車２４と噛み合せ、互
に同一速度で反対方向に回転さす。このためコン
ベヤー１６上の苗Ｐが搬送端部に達すると、前記
苗押えローラ２１との間で挾持され前方に繰出さ
れることになる。又、前記プリー軸１８と、前記
鎖車１９の間にはプリー軸１８を内筒とするラチ
エツト２５を内蔵させてあり、プリー軸１８の端
部と対向する位置にはロータリーソレノイド２６
を設け、機枠１に固定する。該ソレノイド２６
（Soとして示すことがある）は、前記プリー軸１
８の端部に設けたラチエツト付ジヨイント２７と
ジヨイント爪２７′を介して連結させる。

前記ロータリーソレノイド２６の回転方向はプ
リー軸１８の回転方向と同一で、且つその１回の
作動はコンベヤー１６上の紙筒苗Ｐを１本分余分
に繰り出す回転としてある。この回転ラチエツト
２５、ラチエツト付ジヨイント２７を介してプリ
ー軸１８に伝えられるので、該軸上の鎖車１９の
回転に支配されること回転し、コンベヤー１６上
の紙筒苗Ｐを１本分急速に繰出す。

前記苗送りコンベヤー１６の搬送端部に位置
し、これと対向する所には上下方向に回転する苗
分離回転体としての苗分離ベルト２８を設け、そ
の対向間隔は紙筒苗Ｐを挾持搬送できる間隔とし
てある。苗分離ベルト２８は紙筒苗Ｐの長さの1/
２〜2/3の横巾を有し、上部はプリー２９に、下部
はプリー３０に掛け渡され、その表面はスポンジ
又は弾性突起物で構成されている。この分離ベル
ト２８と平行し同一巾で紙筒苗Ｐを挾持するに足
る間隔をおき送りベルト３１が設けられ上方をプ
リー３２に下方をプリー３３に掛けてある。そし
てプリー３３の軸は前記駆動軸１３であり該軸１
３に鎖車３５と歯車３６を固定し、鎖車３５は前
記中間軸３４の鎖車３７との間にチエン３９を張
設してある。又前記歯車３６は分離ベルト２８の
下側プリー３０の軸４０に固定した歯車４１と噛
み合せ、分離ベルト２８と送りベルト３１を同一
速度で矢印方向に回転さす。従つて、前記各ベル
ト２８，３１は駆動軸１３、中間軸３４を介して
回転する送りコンベヤー１６及び苗押えローラ２
１と連動回転することになる。このとき分離ベル
ト２８と苗送りコンベヤー１６の周速比は前者
100に対し後者５〜20としてあるので苗送りコン
ベヤー１６の先端より繰り出された紙筒苗Ｐは分
離ベルト２８の周面に当接し１本１本の苗Ｐに分
離し、その下部1/2〜2/3は分離ベルト２８と送り
ベルト３１に挾持され、頭部1/2〜1/3を突き出し
た状態で下方に搬送される。

前記分離ベルト２８と送りベルトの側方で紙筒
苗Ｐの葉部が通過する位置には葉部を挾んで光電
スイツチＡを設け、前記プリー軸１８と平行する
プリー３２の軸３５′にはフオートマイクロセン
サ検出板３７′を、フオートマイクロセンサ検出
板３７′端部には作動用フオートマイクロセンサ
L₁a、自己保持解除用フオートマイクロセンサ
L₂bを配設する。そして、これらは前記ロータリ
ーソレノイド２６（Soと略記することがある）
と互に接続されている。従つて、葉部の欠損した
紙筒苗Ｐが送られて来ると光電スイツチＡは入ら
ず、フオートマイクロセンサL₁aが入り、ロータ
リーソレノイド２６Soが作動し、ラチエツト付
ジヨイント２７を回転さす。このため、プリー軸
１８が急速に回転し、これと連動回転するコンベ
ヤー１６及び苗押えローラ２１も急速に回転し、
先頭の紙筒苗Ｐを急速に繰り出す。又、葉部が健
全な紙筒苗Ｐが送られてくると、光はさえぎられ
前記作動は起らないのでロータリーソレノイド２
６Soは回転せず所定の通り搬送される。

上記作動を回路図により更に説明すると、良い
紙筒苗Ｐが送られて来ると、光電スイツチＡが作
動せず、リレー○×が入り×₁aはONとなり、×₁b
はOFFとなる。このためホートマイクロセンサ
L₁aが入つても×₁bはOFFであるからロータリー
ソレノイド２６Soは作動しないことになる。軸
３５が回転すると、自己保持解除用マイクロセン
サL₂bがきれ、リレー○×の自己保持が解除せられ
るので×₁aはOFFとなり、×₁bはONとなるので
旧に復し次の検出を待つことになる。

上記操作を繰返すと、健全な紙筒苗が連続して
送られるときはロータリーソレノイド２６Soが
作動せず、コンベヤー１６は早送りしないので一
定速度で回転するコンベヤー１６の供給速度に応
じた繰出しが行なわれ、分離ベルト２８による搬
送は常に一定間隔を保つて移送される。しかし欠
損紙筒苗Ｐが送られて来ると、ロータリーソレノ
イド２６がコンベヤー１６を早く回転するので苗
間隔は接近し連続して送られることになる。

本発明の苗供給機構５は上記例の如くしてな
り、分離ベルト２８と送りベルト３１により搬送
された紙筒苗Ｐはその搬送端部において、これと
交わす位置に設けた苗植付用円板９に突出した紙
筒苗Ｐの頭部を挾持させ、自らは開放する。、紙
筒苗の頭部を挾持した苗植付円板９はオープナー
１５の内側を回転し、作溝せられた溝内に紙筒苗
Ｐを放出して植付ける。従つて、この植付けは分
離ベルト２８により供給される間隔に応じた植付
となり、葉部の健全な紙筒苗Ｐが送られるときは
常に一定間隔で植付けられるが、欠損紙筒苗Ｐが
送られると前記したようにコンベヤー１６の早送
りが行なわれ紙筒苗１本分が余分に繰出されるの
で、後続する健全な紙筒苗Ｐに近接して植付けら
れる。この間隔は欠損苗検出装置をコンベヤー１
６の端部に接近させればさすほど短くなり、実質
的に欠損苗を除去して植付ける方法と差はないも
のである。これは欠損苗を除去し、その間隔を詰
めても正常な苗間隔とすることはできないからで
ある。従つて実質的に欠損苗を人手で選別し移植
する装置と同等な効果を奏し、苗選別の苦労を開
放した能率的な移植機となる。

本発明は上記例の如くしてなるものであるが、
前記欠損苗検出装置は前記光電管に限定されるも
のでなく、電気的、機械的センサーに代えてもよ
く、前記ロータリーソレノイドはカム、てこ等を
利用した機械的な各種早送り機構に代えてもよ
く、更に取付位置は前記プリー軸の外中間軸３
４、軸２２に設けてもよい。要するに苗送りコン
ベヤーを早送りする機構と植付円板９の如く任意
の位置で保持し、植付ける機構を組合せれば良い
のである。本発明の装置はビートその他農作物の
土付苗の移植に使用し便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置を装着する移植機の側面
図、第２図は苗分離装置の側面図、第３図は第２
図の正面図、第４図は欠損苗が供給された時の回
路図、第５図は良い苗が供給された時の回路図で
ある。 １……機枠、５……苗供給機構、９……植付用
円板、１３……駆動軸、１５……オープナー、１
６コンベヤー、１８……プリー軸、２１……苗押
えローラ、２５……ラチエツト、２６……ロータ
リーソレノイド、２７……ラチエツト付ジヨイン
ト、２８……苗分離ベルト、３１……送りベル
ト、Ｐ……紙筒苗。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 苗を横送りするコンベヤー、該コンベヤーの
   搬送端部上方に設けた苗押えローラ、前記コンベ
   ヤーの搬送端部に対向する苗分離回転体、該苗分
   離回転体で分離した苗の葉部搬送路上に設けた欠
   損苗検出装置、前記コンベヤー及び苗押えローラ
   を駆動する早送り装置よりなり、前記欠損苗検出
   装置と前記早送り装置を連動させたことを特徴と
   する移植機の苗選別装置。