JPS6246123B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特にペーパーポット、ビニポツトの如
き育苗容器で育苗された土付苗を移植機で移植す
るに当り、不良苗を移植機で検出し、これを系外
に排出して良苗のみ確実に移植する移植機を提供
するものである。

従来より、栽培植物の病虫害を回避したり、圃
場で栽培期間を節約する目的で苗を別に育成し、
圃場に移植する事は広く行われている。苗には苗
床より採取した裸苗と、育苗用資材を用い育苗し
た土付苗の別があるが、何れも大量、迅速に移植
する場合は移植機により移植することが広く行わ
れている。この場合畑地における移植では裸苗用
の移植機は苗の幹部を挾持し、土中に埋込む様作
られており、土付苗移植機は苗の根部、即ち土付
部を挾持して移植するよう作られるので、移植機
の苗供給機構、苗植付機構は裸苗の移植機と構成
を異にするのが普通である。更に、前記土付苗の
移植について詳しく説明すると、該移植機は落下
植付式、強制植付式に大別されるが、何れの場合
においても先づ、ペーパーポツト、ビニポツト又
は経木枠等の育苗容器で育苗する。この時、種の
発芽率が常に100％であるとか、育苗条件が常に
均一であるということはあり得ないので育苗容器
の中には全く発芽しないもの、或は発芽が著しく
遅れ圃場に移植しても収穫が期待できないものが
あり、これらの不良苗は全体の５〜15％含まれて
いる。又、前記苗を移植する従来の土付苗移植機
は、通常土付苗をコンベアーで輸送し、該コンベ
アーの末端の分離装置で一本一本の苗に分離し、
分離装置と連動する苗供給羽根に供給し、苗供給
羽根を介して移植機構に受渡して移植する結果、
供給された苗は総て移植されることになる。この
ようにして移植すると圃場で欠株が生じ収穫が減
少するので、移植機に供給する前に、不良苗を選
別、除去するか、或は移植機の苗送りコンベアー
上で人手により選別する方法が構じられている
が、選別には多くの人手と時間を要するため時に
は収穫を犠性にしてそのまゝ植付ける方法も行わ
れている。

本発明者は、従来の移植機の欠点を是正し苗の
選別の手間をなくし、迅速確実に移植できる装置
を得んと長年研究を進めた結果、苗植付機構に供
給する苗供給装置として移植機に搭載した苗搬送
コンベアーの末端に苗分離ロールを設けて１本１
本の苗に分け、苗分離ロールの下方には苗選別輪
を設けて前記分離された１本１本の苗を受けと
り、その転送側には常時苗転送面に向けて弾気押
圧し、苗の検出装置により開閉できる苗押え棒を
設け、前記苗の検出装置は前記苗の転送側に設け
られており苗の葉部の有無、或は葉部が健全であ
るか否かを検出し、不良の苗は前記苗押え棒を開
いて系外に放出し、健全な苗のみをその下方に設
けた苗供給コンベアー上に転送し、該苗コンベア
ーの上方には苗の供給量検知装置を設け、苗コン
ベアー上に常に１〜10本の苗がせきとめられ確実
に１本１本別々に搬送される様な苗供給装置と
し、該苗供給装置より移植機構に１本１本健苗の
み供給する移植機とすることにより解決した。

以下本発明の装置の例を図面により説明する。
第１図は本発明の装置を装着した移植機の側面図
を示すもので、苗植付機構としては強制植付する
例で示してある。該移植機はけん引されて矢印方
向に進行し、機枠１の前方にはトラクタ等への連
結孔２が設けてある。機枠１の後方には接地輪３
と苗植付機構を取付ける円板４を回転可能に設
け、接地輪３に固定した軸５には鎖車６を固定
し、前記円板４に固定した鎖車７との間にチエン
８を張設して連動回転さす。又前記円板４にはそ
の中心より放射状に移植杆９を伸長させて固定
し、該移植杆９の端部には蝶番１０を介して苗保
持板１１を開閉自在に取付ける。この苗保持板１
１は放射方向に開閉作動杆１２を固定し、該開閉
作動杆１２は常時回転前方の移植杆９方向にスプ
リング１３より引かれて閉じるが、開閉作動杆１
２の端部が、その回転軌跡上の開閉作動杆１４と
当接すると開くようにしてある。又該杆１４は苗
供給機構１５に対向する上方と機枠１の下方位置
に設けてあるので、苗保持板１１は苗供給機構１
５より苗を受取ると直に閉じて苗を保持し、下方
に回動して開閉作動杆１４と当接して開き苗を土
中に放出し、上方に逃れるので苗は植付けられ
る。又前記苗の植付を容易にするため機枠１の下
方にオープナー１６′を設けて作溝させ、その中
に苗が植付けられると接地輪３が進行して鎮圧す
る。

本発明の前記苗供給機構１５の詳細は第２図〜
第４図に示されている。即ち、苗供給機構１５は
第１図の副枠１６，１６に取付られ、移植杆９の
回動軌跡に対し直角方向に苗Ｐを運ぶもので、作
業者が座席１７に座し、苗台１８より苗をとり、
苗供給コンベアー１９の上に苗を併列さす。該コ
ンベアー１９はそのプリーの軸２０に固定した鎖
車２１により矢印方向に回動し、その回動端部に
は苗抑え輪２２及び苗分離ロール２３を設けてあ
る。苗抑え輪２２及び苗分離ロール２３はそれぞ
れ表面が合成樹脂で作られたスポンジで構成さ
れ、それぞれの軸２４，２５は歯車２６，２７を
固定し、歯車２６，２７はそれぞれ前記軸２０に
固定した歯車２８，２９と噛み合つて矢印方向に
回転する。又、苗抑え輪２２よりも苗分離ロール
２３の周速を大きくしてあるので、苗Ｐは１個１
個に分離され一定間隔をおいてコンベアー１９の
端部より繰出されることになる。繰出された苗Ｐ
は苗選別輪３０上に落下するが、苗選別輪３０は
その軸３１に固定し、外側３０−ａは円形をな
し、内側３０−ｂは羽根車となつているもので、
外側３０−ａと内側３０−ｂとの間には溝３２が
設けられ、副枠１６に固定した苗整理棒３３の嵌
入を許している。このため苗Ｐは落下後苗整理棒
３３に支えられ、次いで回転する苗選別輪３０の
内側３０−ｂの羽根に当接して矢印方向に送られ
る。又苗転送を助けるため苗選別輪３０の側部周
面上にはバネの如き弾性体よりなる第１苗抑え３
４を副枠１６に固定し、更に第２苗抑え３５を設
け、副枠１６に遊嵌挿した軸３６に固定する。こ
の軸３６は１側に杆３７を固定し、杆３７の他端
にスプリング３８を設け、副枠１６の係止片３９
に係止さす。このため第２苗抑え３５は常時苗選
別輪３０の周面に向けて弾気押圧されることにな
る。又、前記杆３７の端部はこれと係合できる開
閉作動杆４０と対向させるが、該開閉作動杆４０
は中央部を副枠１６に支持される軸４１に遊嵌挿
し、他側はスプリング４２により副枠１６上の係
止片４３方向に引張られている。そして他端部は
副枠１６に固定したソレノイドSoの係合片４４
と係合させてある。このためソレノイドSoが作
動するとスプリング３８，４２に抗して、杆４
０，３７を引張り第２苗抑え３５を苗選別輪３０
の反対方向に引くことになる。又、第２苗抑え３
５側の転送される苗Ｐの葉部が回動する軌跡上に
は、苗検知用光電スイツチＡの受光部４５と光源
４６を対向して設けそれぞれ副枠１６に固定す
る。更に軸３１の任意の位置にカム４７を設け、
これをはさんでＳθ作動用スイツチL₁aと光電ス
イツチの信号により自己保持されたリレーの自
己保持解除用リミツトスイツチL₂bを設け、前記
スイツチL₁aによりソレノイドSoを作動さすよう
にする。このため、若し葉部が全くないか、極め
て貧弱で生育の著しく遅れた苗Ｐが送られて来る
と、受光部４５で検知されないので、スイツチ
L₁aが入るのとソレノイドSoが作動し、前記した
運動により第２苗抑え３５が開き、苗Ｐは支持を
失い落下する。然し、葉部の健全な苗Ｐが送られ
ると、光はさえ切られ前記動作は起らないので苗
Ｐは所定の径路を経て搬送される。このときの詳
細は、第４図の回路図に示す通りで、良い苗Ｐが
送られると光電スイツチＡの光がさえ切られリレ
ーが入りX₁aはONとなりX₁bはOFFとなる。こ
のためスイツチL₁aが入つてもX₁bがOFFである
からソレノイドSoは作動しない。軸３１が更に
回転するとカム４７によりL₂bが切れるとリレー
の自己保持が解除されX₁aはOFFとなり、X₁b
はONとなり旧に復し、良い苗Ｐが連続して送ら
れる限り前記動作を繰返す。このため良い苗Ｐは
ガイド４７を経て苗保持板６４上に落下する。
尚、前記軸３１は、中間鎖車４８よりの動力を受
けて回転するもので、このため軸３１の鎖車４９
と中間鎖車４８の間にはチエン５０が張設してあ
り、更に該軸には鎖車５１を固定し、前記コンベ
アー軸２０の鎖車２４をチエン５２により駆動す
るものである。前記の如くして、苗保持板６４上
に落下した苗Ｐはその下方に設けた苗供給コンベ
アー５３との間に支持されるが、苗供給コンベア
ー５３は、例えばチエンコンベアーであり、スプ
ロケツト５４，５５，５６に三角形状に張設され
ている。そしてスプロケツト５６の軸５７に固定
した歯車５８が伝動歯車５９よりの動力を受けて
矢印方向に回転する。又スプロケツト５４の軸６
０に固定した歯車６１は前記中間歯車４８に固定
した中間歯車６２を駆動し前記の如くコンベアー
１９を回転さす。そして苗供給コンベア５３の回
転は、苗の発芽率を考慮し通常コンベアー１９の
苗供給速度より５〜15％遅く設計する。このため
歯車６２、歯車６１を切替え可能にしておくと
か、無段変速機を介在させておく等の方法を構ず
る。又、苗供給コンベアー５３の面上には多数の
苗受け６３を一定間隔に植設してあり、このため
苗保持板６４上の苗Ｐは１本１本取出されるが、
若し正常な苗Ｐのみが連続して送られると、苗供
給コンベアーの周速がおそいので苗保持板６４上
の苗Ｐの数は次第に増加する。本発明者らの研究
によると、苗保持板６４上の苗の数が１〜10本の
間、好ましくは３〜６本の間は苗の取出しに乱れ
がよく必ず１本づつ取出されるが10本を越えて貯
苗されると、苗受け６３に苗が入らないとか、２
本入つて送られる場合がある。このため苗供給コ
ンベアーの上方に近接スイツチ６５を設け、第４
図に示すようにソレノイドSoに連結しておくと
よい。このようにすることにより苗Ｐの数が多く
なると、ソレノイドSoが作動し、第２苗押え３
５を開くので苗送りが停止され苗Ｐの数は減少
し、10本以下の数になつたとき苗送りが再開され
ることになる。又、近接スイツチ６５を省略し苗
保持板６４をオーバーフローするように設計して
おいてもよいものである。このようにすると、１
個の苗受け６３には必ず１本の苗が入るものであ
るが、若し誤つて２本入つた場合はスプロケツト
５５の軸６６にプリー６７を固定し、これと連動
するスポンジ体６８を苗供給コンベアー５３の上
方に設け、矢印方向に回転さすようにしておくこ
とにより、苗受５５には必ず１本より供給されな
い。このようにして１本の苗を受取つた苗受け６
３は苗供給コンベアー５３の三角形の一辺を降下
し、苗ガイド板６９に保護されながら下方におい
て前記苗供給コンベアー５３から羽根車７０に渡
される。この羽根車は軸７１に固定され該７１に
固定した傘歯車（図示せず）により前記移植機構
の円板４の軸の傘歯車の回転と連動回転させ、且
つ該軸７１には歯車７２を固定し、前記駆動歯車
５９と噛み合うようにしてある。従つて、前記苗
供給装置全体は軸７１を駆動軸とし連動回動する
ものである。

このようにして苗Ｐを受けた羽根車７０は回動
し、苗押え板７３に押えられながら前述した苗の
移植杆９の回転軌跡内迄搬送し、苗保持板１１と
移植杆９に受渡しを行う。移植杆９は更に回転し
て前記したように苗Ｐを圃場に植付ける。

本発明は更に上記苗供給コンベアー５３の苗ガ
イド板６９を除去し、その上方に苗受け６３の側
方近傍に苗検知装置を設け、上方には１個づつ苗
を放出する苗落下装置を設け、苗検知装置の信号
をソレノイドを介し、前記苗落下装置底部底板の
開閉運動と、次に位置する苗の係止運動に変え若
し何らかの理由により空の苗受け６３が回動して
来た時その中に苗が落下するようにしても良いも
のである。

本発明は上記の如くしてなるもので苗選別輪３
０により不良苗が除去され、健全な苗のみ苗保持
板６４と苗供給コンベアー５３の背部に集り、そ
の数は１〜10本の間に制御されるので確実に１本
１本が苗植付機構に送られるので、苗植付方式の
如何にかかわらず、確実に健苗のみ植付けられ
る。このため圃場においては欠株がなく、生育が
揃うので栽培植物の増収が期待できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置を装着する移植機の側面
図。第２図は苗供給機構の断面図Ｂ−Ｂ。第３図
は第２図の展開平面図。第４図は不良苗を分離す
る装置の回路図である。 １……機枠、３……接地輪、９……移植杆、１
５……苗供給機構、１９……コンベアー、２３…
…苗分離ロール、３０……苗選別輪、３５……第
２苗抑え、４０……開閉作動杆、４７……ガイ
ド、５３……苗供給コンベアー、６３……苗受
け、６４……苗保持板、So……ソレノイド、６
５……近接スイツチ、L₁a，L₂b……スイツチ、
Ｐ……苗、L₃a……近接スイツチ６５のスイツ
チ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 苗を列状に搬送するコンベアーの末端に苗分
   離ロールを設け、苗分離ロールの下方に苗選別輪
   を設け、苗選別輪の転送側には開閉する苗押え棒
   と、苗の葉部検出装置を設け、苗の検出装置によ
   り苗押え棒を開閉させ、前記苗選別輪の下方には
   苗供給コンベアーを設け苗の供給を制御しながら
   苗植付機構に苗を供給する如くした土付苗移植
   機。 ２ 苗の葉部検出装置が光電スイツチよりなり、
   光電スイツチの検出信号によりソレノイドを作動
   させ、ソレノイドにより苗押え棒を開閉する如く
   した特許請求の範囲第１項の土付苗移植機。 ３ 苗供給コンベアーが三角形状に回動し、苗供
   給コンベアーの立上り背部で苗選別輪よりの苗を
   せきとめ、該せきとめ部上方に苗せきとめ量検出
   器を設け、常時１〜10本の苗がせきとめられるよ
   うに制御された特許請求の範囲第１項の土付苗移
   植機。