JPS6335529Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転円板式移植機に関するもので、更
に詳しくは紙筒で育苗した苗の土付苗を、正しい
植付姿勢で植付けることができしかも長時間連続
して運転できる能率のよい移植機の植付装置を提
供するものである。 古くから、２枚の回転円板を使用し、上側で開
口させその間に苗を供給し、側部では苗を挾持し
て回転させ、下側では円板を開口させ挾持した苗
を放出して植付ける移植機は多数知られている。
この種の移植機は植付間隔を正確に保持し、正常
植えとすることはできないが、近年農業が欧米化
するに及び、植付間隔をさほど重視しなくなつた
所から再び着目されれ、実公昭52−6596、実公昭
52−30261号、実開昭55−65918号、実開昭56−
20412号等に改良された移植機が発表されている。
上記移植機は、機構が極めて簡単でゴム板の如き
弾性円板を、互に対向せしめ、上部では朝顔状に
左右に開いて苗受入れ部を形成させ、苗受入れ部
から下方の植付部まで外側を閉塞する形式か或は
前記弾性円板の一方を鉄板等の硬質板体に変え、
上部で他方の弾性円板を開いて苗を供給し、側部
は閉塞案内体で閉塞した形式のものである。 上記装置の植付は、何れも別に準備した２枚の
帯状体で苗をロール状に巻き、これを巻戻しなが
ら苗の葉部と茎部を前記開口部に落下させ、弾性
円板で葉部と茎部を挾持し、根部を突出させ植付
部まで回転させて植付けるものである。この結
果、長時間作業を続けると円板と円板の間に次第
に土が付着し移植作業を困難にしたり、葉部が強
圧されて損傷する欠点がある。 本考案は上記欠点を解消し、長時間連続作業で
きる移植機を得んと研究を進めた結果、紙筒で育
苗した苗は土付部を相当の強さで挾持しても容易
に破損しないことに着目し、移植機の植付装置を
鉄材等の硬質材で作つた杆状の輪体とゴム等の弾
性材で作つた可撓性円板を同一回転軸上に設け、
前記可撓性円板の外側にはほゞ４分の１周にわた
り押圧用ローラを設けて供給された紙筒苗を挾持
し下方で解放して植付けることができた。 本考案の例を添付の図面により説明する。 第１図は、本考案の装置を装着した移植機の側
面図の例で、１は機枠を示し、機枠１の前方には
トラクター等への取付穴２を設けて矢印方向に牽
引する。機枠１の後方には１対の接地輪３を設け
るが、この接地輪３は下側を内方に傾斜させて鎮
圧輪とする。機枠１の上方には苗台４、苗供給機
構５及びいす６を設け、苗供給機構５の前半は横
送りのコンベヤーとなし、苗台４上の苗を人手で
その上に併列させ横方向に搬送する。苗供給機構
５の後半は縦送りコンベヤーで、前記横送りコン
ベヤーの回動末端に対向させてあり、より早く回
転するのでその回転速度差により分離された苗Ｐ
を１対のベルトで挾持搬送し、植付機構７に供給
する。そして、接地輪３の軸８に固定した鎖車９
と植付機構７の回転軸１０に固定した鎖車１１の
間にチエン１２を張設して連動させ、回転軸１０
と苗供給機構５の駆動軸１３との間に傘歯車１
４，１４′を設け、前記接地輪３、苗供給機構５
及び植付機構７を互に連動させる。このため、機
体が矢印方向に進行すると苗供給機構５から繰出
された苗Ｐは植付機構７により、機枠１の下方に
固定したオープナー１５で開口せられた構内に搬
送して植付ける。 第２図以下には本考案の装置の詳細が示されて
おり、苗供給機構５の後半は１対のベルト１６，
１６′により構成され、互に内方向に向けて回転
し、外側に設けたベルト１６は前記駆動軸１３に
固定したプリー１７により上下方向に回転し、両
ベルト１６，１６′の間隔は１本の紙筒苗Ｐを挾
持できる間隔とし、その巾は紙筒苗Ｐの長さより
挾くし、通常1/2〜2/3を挾持できる巾とし、苗の
頭部を横方向に突出した状態で挾持搬送するよう
にしてある。この苗の突出した根部及び葉部の部
分には、苗ガイド板１８を設け、ベルト１６，１
６′の下端近傍まで達せしめ、葉部及び根部の保
護を行うと共に植付機構７への供給をスムーズに
行うようにしてある。又、上記ベルト１６，１
６′は内側にスポンジ又は突起物を設け、垂直方
向に張設しても良く、15度ぐらい内方向に傾斜さ
せて設けてもよいものである。このとき苗ガイド
板１８もそれに並行さすのは当然である。 前記ベルト１６，１６′の搬送末端でこれと交
わす位置には機体の進行方向に回転する植付機構
７が設けられており、該植付機構７は円形をなす
輪体１９と、これと対向し同一外径をもつ可撓性
円板２０より構成され、両者はそれぞれの円心部
を回転軸１０に固定した固定板２１，２１′によ
り一体的に固定せられるものである。前記輪体１
９はその断面が角形、円形、楕円形をなすが、好
ましくは楕円形で、鉄製、プラスチツク製、木製
であつてもよい。通常鉄製の輪体が使用され、そ
の表面には紙筒苗Ｐを挾持したとき損傷を与えな
い物質、例えばスポンジの如きものを張設してあ
る。又、前記可撓性円板２０は軟質のゴム板であ
つてもよく、相当の強度と弾性をもつ合成樹脂板
であつてもよい。 前記輪体１９と前記可撓性円板２０との相対向
する部分には可撓性円板２０の外側に複数個の押
圧輪２２−１，２２−２…を設け内側に向けて押
圧さすが、押圧輪２２−１は前記駆動軸１３に設
けたフリーローラーで、押圧輪２２−２，２２−
３…は機枠１に固定した取付金具２３の取付杆２
４に取付けたフリーローラーで、これらは前記押
圧輪２２−１から連続しほゞ円周の４分の１を押
圧する如く設けられている。そして可撓性円板２
０の下側には開放杆２５が内側より当接し、その
端部は機枠１に固定されている。 本考案は上記例の如く構成されるもので、ベル
ト１６，１６′に挾持され搬送された紙筒苗Ｐは
苗ガイド板１８に保護されながら送られるので、
突出した苗の傷みは全くなく、ベルト１６，１
６′と輪体１９が交わす位置には押圧輪２１−１
が設けられているので、紙筒苗Ｐは輪体１９と可
撓性円板２０により根の頭部を挾持せられるが苗
根は挾持部分が少ないので正確に保持され、下部
では正確に放出されるがこれは紙筒苗Ｐの根部は
相当な強度を有し、相当な力で押圧しても変形は
するが破損、脱落することはないためである。
又、葉部は１側が開放しているので、自由に揺動
し損傷を受けることがない。 このように挾持せられた紙筒苗Ｐは、オープナ
ー１５の内側を回転してそれにより開溝せられた
溝内に達し、開放杆２５の効果により苗を解放し
て植付けるものである。従つて、植付用輪体１９
と可撓性円板２０の間は、１側が解放しているの
で土が付着し詰るようなことはなく、挾持、解放
は正確で正しい植付姿勢で植付けることができ、
且つ、輪体と可撓性円板の間に紙筒苗を強く挾持
することができるので挾持も完全であり、脱落を
防止して植付けることができるのである。 本考案の装置は特にビート、たまねぎ、スイー
トコーン等の如く細長い紙筒で育苗した苗の移植
に供して極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の側面図、第２図は要部側面図、
第３図は第２図Ａ−Ａ断面図、第４図はベルト１
６，１６′を傾斜供給する例を示す。 １……機枠、５……苗供給機構、７……植付機
構、１６，１６′……ベルト、１９……輪体、２
０……可撓性円板、２２−１，２２−２……押圧
輪、Ｐ……紙筒苗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗供給機構より紙筒苗を受取つて１対の回転体
   で圃場に植付ける植付装置において、該装置が同
   一回転軸上に固定された回転輪体と可撓性円板と
   により構成され、前記回転輪体は外周が杆状をな
   し、前記可撓性円板は外側に紙筒苗を受取る位置
   よりほゞ４分の１周にわたり押圧体を設けたこと
   を特徴とする移植機の植付装置。