JPS6334869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は真空ポンプに連通したバキユームカツ
プによつて作動するワーククランプ装置に関する
ものである。

従来の技術 例えば、自動車ボデイーに使用されるシート材
等のワークのプレス装置への搬入及び搬出には通
常バキユームカツプが使用される。

このバキユームカツプは真空ポンプと連通して
おり、ワークの表面上にバキユームカツプを位置
させると共に、真空ポンプを作動させることによ
り、ワークを吸着保持し、この状態でワークをを
所定の位置に搬送している。

考案が解決しようとする問題点 上記したバキユームカツプによつて吸着保持さ
れ、かつ、所定の位置に搬送される自動車ボデイ
ー等として用いられるワークは、近年軽量化等の
理由により穴抜き等を行つている。このためワー
クの形状によつては、バキユームカツプによる吸
着を行うのに十分な平面がないものがあつた。し
かし、従来、バキユームカツプに代わつて自動車
ボデイー等に用いる大型のワークを確実、且つ、
簡単に保持し、搬送する手段はなかつた。、この
ため、従来は作業者が手作業でワークを搬送する
か、或いは、径の小さなバキユームカツプを使用
してワークを吸着保持するかしていた。しかし、
作業者が手作業でワークを搬送すると作業能率が
著しく低下するという問題があつた。又径の小さ
なバキユームカツプを使用する場合には、バキユ
ームカツプ１個当りの吸着力が弱いため、多数の
バキユームカツプを使用する必要が生じ、構造が
複雑になるといつた問題があつた。又ワークを挟
持するための爪部材を、シリンダ、モータ等によ
つて開閉可能に制御してなるチヤツク装置を用い
てワークを保持、搬送することも考えられるが、
この場合は、バキユームカツプを総てチヤツク装
置に置換える必要が生じ、設置に大きな変更を加
えることになるため、あまり現実的でない。

問題点を解決するための手段 バキユームカツプ支持体に設けられ、かつ、真
空ポンプと連通するバキユームカツプと、上記バ
キユームカツプ支持体に脱着自在に装着された支
持体と、前部にワーククランプ用の爪部を有し、
後部にバキユームカツプによつて吸着されるカツ
ププレートを有し、かつ、カツププレート側に傾
動する様に中間部を支持体によつて揺動自在に支
持されたクランプ部材と、バキユームカツプによ
る吸着力が作用していない時、カツププレートを
バキユームカツプの吸着可能な範囲に位置規制す
るストツパーとによつてワーククランプ装置を構
成し、バキユームカツプによつてカツププレート
を吸着することによりクランプ部材を回動させ、
ワークをクランプするものである。

実施例 第１図は本考案に係るワーククランプ装置１を
示すものであり、図中２はバキユームカツプ、３
はバキユームカツプ２を蛇腹３ａを介して支持す
るためのバキユームカツプ支持体、４はバキユー
ムカツプ支持体３と、例えば、フイーダー（図示
せず）等の搬送装置とを連結するための支持パイ
プであり、この支持パイプ４の内部には通常真空
ポンプ（図示せず）とバキユームカツプ２とを連
通させるためのエアーホース５が挿入してある。
６はバキユームカツプ支持体３に後端がボルト７
によつて脱着自在に装着された支持体であり、こ
の支持体６の先端はバキユームカツプ２の前方に
位置するようにしてある。８は支持体６の先端に
配置したブラケツト９に中間部が結合され、この
ブラケツト９によつて揺動自在に支持れたワーク
クランプ用のクランプ部材であり、このクランプ
部材８の前部には、ワークをクランプするための
爪部８ａが一体形成してあり、又後部には、バキ
ユームカツプ２によつて吸着されるカツププレー
ト１０が取付けてある。又、このクランプ部材８
は、バキユームカツプ２による吸着力が作用して
いない時には、第１図矢印方向に回動するよう
に各部の重量バランスをとつてある。１１はクラ
ンプ部材８の第１図矢印方向への回動角を規制
するためブラケツト９に固着したＬ字状のストツ
パーであり、このストツパー１１の作用によりカ
ツププレート１０はバキユームカツプ２の吸着可
能な範囲より外れないようにしてある。

上記構成に於いて、本考案に係るワーククラン
プ装置１によつてワークＡをクランプする時に
は、例えば、第２図に示す如く、２台一組となつ
たワーククランプ装置１をワークＡの上方に位置
させ、クランプ部材８の爪部材８ａをワークＡの
側方に位置させる。この状態でバキユームカツプ
２と連通した真空ポンプ（図示せず）を作動さ、
バキユームカツプ２によつてカツププレート１０
を吸着すると同時に蛇腹３ａを短縮させることに
よりクランプ部材８を図中矢印方向に回動さ
せ、クランプ部材８の爪部８ａによつてワークＡ
をクランプする。又クランプを解除する時には、
真空ポンプの作動を停止し、バキユームカツプ２
によるカツププレート１０の吸着を解除すれば、
クランプ部材８はその自重により、図中矢印方
向に、回動し、クランプは解除される。

尚、上記実施例は２台のワーククランプ装置１
によりワークＡをクランプする例について説明し
たが、ワーククランプ装置１の使用台数はワーク
Ａの形状に応じて決定すればよい。又一台のワー
ククランプ装置１により開口部Ｂを有するワーク
A′をクランプする場合には、例えば第３図に示
す如く、支持パイプ４に支柱１２を突設させる。
そしてこの支柱１２をワークA′の開口部Ｂの側
縁部B′に当接させ、この側縁部B′と対向する側
縁部B″をクランプ部材８の爪部８ａによつてク
ランプすることによりワークA′をクランプすれ
ばよい。

考案の効果 上記した如く、本考案に係るワーククランプ装
置は、バキユームカツプ支持体に支持体を介して
クランプ部材を揺動自在に支持し、このクランプ
部材をバキユームカツプの吸着力により回動させ
るといつた簡単な構造により、クランプ部材の爪
部の開閉を可能にすると同時に、この爪部の閉時
（クランプ時）に於いて、クランプ部材のカツプ
プレートをバキユームカツプに確実に吸着させて
いると同時に、両者に大径のものを使用できるた
め、強い保持力を得ることができる。又、この保
持力はバキユームカツプ及びこれに対応するカツ
ププレートの径によつて自由に設定できる。従つ
て、従来バキユームカツプによつてワークの保
持、搬送が行われていた作業工程にバキユームカ
ツプでは吸着困難なワークを送る必要が生じた場
合、バキユームカツプを他の保持、搬送手段に置
換えることなく、バキユームカツプにクランプ部
材を支持した支持体を脱着自在に装着するといつ
た非常に簡単な作業によつて、バキユームカツプ
によつて吸着困難なワークの保持、搬送が行える
ようになる。又本考案に係るワーククランプ装置
は、クランプ部材を揺動自在に支持している支持
体をバキユームカツプ支持体から取り外せば、通
常のバキユームカツプとしても使用できるため、
ワークの形状に応じて、クランプ及び吸着の２種
類の保持方法の内、そのワークに適した方の保持
方法を選択することが可能となり、バキユームカ
ツプからなるワーククランプ装置の適用範囲を大
幅に拡大することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワーククランプ装置を示
す側面図、第２図はワーククランプ装置の使用例
を示す図面、第３図はワーククランプ装置の他の
実施例を示す図面である。 １……ワーククランプ装置、２……バキユーム
カツプ、６……支持体、８……クランプ部材、８
ａ……爪部、１０……カツププレート、Ａ……ワ
ーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バキユームカツプ支持体に設けられ、かつ、真
   空ポンプと連通するバキユームカツプツと、上記
   バキユームカツプ支持体に脱着自在に装着された
   支持体と、前部にワーククランプ用の爪部を有
   し、後部にバキユームカツプによつて吸着される
   カツププレートを有し、かつ、カツププレート側
   に傾動する様に中間部を支持体によつて揺動自在
   に支持されたクランプ部材と、バキユームカツプ
   による吸着力が作用していない時、カツププレー
   トをバキユームカツプの吸着可能な範囲に位置規
   制するストツパーとからなることを特徴とするワ
   ーククランプ装置。