JPS6334304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両等の鋼板ボデーに貫設した孔に
ワイヤハーネスを挿通して配設する際、ワイヤハ
ーネスを孔のエツジにより損傷することを保護す
るためのワイヤハーネスのプロテクターに関し、
その目的は、鋼板ボデーの孔への装着が容易でか
つ係止力の良好なワイヤハーネスのプロテクター
を提供することにある。

次に、本考案の第１実施例を第１図ないし第６
図にしたがつて説明すると、図中３は鋼板ボデー
１に貫設された孔２に弾性係着されたワイヤハー
ネスＷのフロテクターの全体である。

このプロテクター３は合成樹脂等からなるもの
で、一部にスリツト５を有するワツシヤ状の基板
４（本例では略楕円形状に例示した）と複数本の
係止突起６，７とが一体に形成されている。

４は上記したプロテクター３の基板であつて、
スリツト５を有するワツシヤ状に形成され、その
断面形状はウエブ４ａを主体とし、このウエブ４
ａの内周部には鋼板ボデー１に当接する当接面４
ｂ側へ突出する内縁４ｃが形成され、また、ウエ
ブ４ａの外周部には内縁４ｃとは反対向きの外縁
４ｄが設けられて断面略Ｚ形状に形成されてい
る。また、基板４はスリツト５を設けたことによ
り捩り方向への弾性変形例えばワイヤハーネスＷ
をスリツト５より内径内に挿通し得る弾性変形が
附与されている。

６は係止突起（非弾性係止突起ともいう）であ
つて、スリツト５を境にして当接面４ｂ側に突設
され、両係止突起は同一形状に形成されている。
すなわち、当接面４ｂより垂直状に立上る垂直片
６ａと同垂直片６ａの上端より基板４の外周側へ
突出する係止片６ｂとにより略かぎ形状に形成さ
れ、垂直片６ａの内周側となる背面には図示補強
片６ｃが設けられて非弾性係止突起６が形成され
ている。また、この非弾性係止突起６を立設した
部位に近接してウエブ４ａには図示のように孔４
ｅがそれぞれ貫設されている。

７は基板４の当接面４ｂ側に複数本突設した係
止突起（弾性係止突起ともいう）である。なお、
本例ではスリツト５と対設するウエブ４ａの当接
面４ｂ側に所定の間隔を隔てて２本突設して例示
した。なお、この弾性係止突起７は同一形状に形
成されている。すなわち、この弾性係止突起７の
立設位置の基板４のウエブ４ａには図示のように
略方形状の孔４ｆが貫設されるとともに、この孔
４ｆの基板４の内周部側には同孔４ｆに沿つて断
面略コ字形状の溝部７ｂを有する垂直片７ａが立
設され、この垂直片７ａは非弾性係止突起６の垂
直片６ａより若干高く形成され、同片７ａの上端
には溝部７ｂを閉鎖状に蓋片７ｃが設けられてい
る。また、この蓋片７ｃの一部には基板４の外周
部側に向つて下傾しかつ弾性能を有する係止片８
が突設され、この係止片８の先端には外周側へ水
平状に張出す係止面９と、同係止面９に対し直角
状に舌状の受片１０が形成され、この係止片８は
その全体が垂直片７ａの溝部７ｂ内側へ弾性変形
可能に形成されている。また、この係止片８に形
成された係止面９は、非弾性係止突起６の係止片
６ｂの係止面６ｃとほぼ同位に形成されている。

次に、上記のように構成された第１実施例の作
用および効果について説明する。

さて、本例プロテクター３は一部にスリツト５
を有するワツシヤ状の基板４上に複数の係止突起
６，７を一体成形したもので、スリツト５の両側
に立設する係止突起６のみを略かぎ形状の非弾性
係止突起６に形成するとともに、他の係止突起７
には弾性変形可能な係止片８を有する弾性係止突
起７に形成したものである。したがつて、まず、
予め電線Ｗ１を結束したワイヤハーネスＷを基板
４のスリツト５より、外力により基板４を捩り方
向へ弾性変形して基板４の内径内に組込み、しか
る後、ワイヤハーネスＷを鋼板ボデー１に貫設し
た孔２に挿通するとともに、プロテクター３の基
板４のスリツト４両側に形成した略Ｌ形状の非弾
性係止突起６を第５図イに示すように鋼板ボデー
１の孔２に掛合し、この非弾性係止突起６と対応
する基板４上に突設した弾性係止突起７の係止片
８が孔２に当接される。この後、基板４に外力Ｐ
を加えて押圧すると、係止片８は外力Ｐにより弾
性変形されて垂直片７ａの溝部７ｂ内へ変位し、
さらに外力Ｐを加えて係止片８が孔２を通過する
と、係止片８は元の状態に復元して第５図ロの状
態となり、孔２の縁片は係止片８の先端に形成し
た係止面９に係合され、プロテクター３は孔２に
弾性係着され、同プロテクター３の内縁４ｃは孔
２の周縁より内方に張出してワイヤハーネスＷが
直接鋼板ボデー１に直接接触することを防止する
ことができ、その損傷を防止することができるも
のである。また、このプロテクター３の基板４は
同一断面を有するワツシヤ状に形成したものであ
るから、基板４自体の外力による捩れ方向の歪が
極めて小さいので係止突起６，７の掛外れがな
く、しかも弾性係止突起７を設けたので、非弾性
係止突起６を孔２に係合することでワンタツチで
確実に弾性係着することができ、また、脱抜を防
止することができる等多くの特長がある。

次に、第７図ないし第９図は本考案の第２実施
例を示すもので、このプロテクター１３第１実施
例と同様に合成樹脂等からなり、その基板１４の
一部にはスリツト１５が設けられて、図示ワツシ
ヤ状に形成され、この基板１４のスリツト１５の
両側には非弾性係止突起１６，１６が突設され、
また、スリツト１５と対応する基板１４上には弾
性係止突起１７が突設されている。なお、この非
弾性係止突起１６および弾性係止突起１７は第１
実施例の非弾性係止突起６および弾性係止突起７
と同じ形状に形成されているので、同位の番号に
10を附加した。また、基板１４の内縁１４ｃ（内
周部）には図示のように弾性能を有する複数枚の
舌片２１が設けられるとともに当接面１４ｂには
第９図に示すように案内片２２，２２が対応して
突設されている。したがつて、この第２実施例の
プロテクター１３においても第１実施例と同等の
作用効果を奏するもので、また、複数枚の舌片２
１を設けたことによりワイヤハーネスの径の大小
に関係なく組み込むことができるとともに案内片
２２によりプロテクター１３の弾性係着を容易に
なし得るものである。

なお、第１実施例においては弾性係止突起７を
２本、また、第２実施例においては弾性係止突起
１７を１本として例示したがこれに限定するもの
ではなく、複数本設ける構成であつてもよい。ま
た、基板４，１４の形状は実施例の形状に限定す
るものではなく、要はスリツトを有する例えば多
角形状のワツシヤ状であればよい。

さて、本考案は一部にスリツトを有するワツシ
ヤ状の基板上に複数の係止突起を一体成形したワ
イヤハーネスのプロテクタであつて、前記スリツ
トの両側に立設する係止突起のみを略かぎ形状の
非弾性係止突起に形成するとともに、他の係止突
起には弾性変形可能な係止片を有する弾性係止突
起に形成したことにより、鋼板ボデーの孔に対し
ワンタツチで確実に弾性係着してワイヤハーネス
を配設することができるとともに孔に直接接触す
ることを防止してワイヤハーネスを損傷すること
から保護することができ、しかも孔よりの脱抜す
ることを防止し得るのでワイヤハーネスのプロテ
クターとして極めて実用性に優れた考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の第１実施例を示
し、第１図は平面図、第２図は側面図、第３図は
非弾性係止突起の一部抽出拡大図、第４図は弾性
係止突起の一部抽出拡大図、第５図イ，ロは作用
説明図、第６図は取付状態を示す斜視図、第７図
ないし第９図は本考案の第２実施例を示し、第７
図は平面図、第８図は−線縦断面図、第９図
は案内片の一部抽出側面図である。 １……鋼板ボデー、２……孔、３，１３……プ
ロテクター、４，１４……基板、５，１５……ス
リツト、６，１６……非弾性係止突起、７，１７
……弾性係止突起、８，１８……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一部にスリツトを有するワツシヤ状の基板上に
   複数の係止突起を一体成形したワイヤハーネスの
   プロテクタであつて、前記スリツトの両側に立設
   する係止突起のみを略かぎ形状の非弾性係止突起
   に形成するとともに、他の係止突起には弾性変形
   可能な係止片を有する弾性係止突起に形成してな
   ることを特徴とするワイヤハーネスのプロテクタ
   ー。