JPS6334117Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 放送用ヘリカルVTRのうち、SMPTEタイプ
ＣフオーマツトのVTRは第１図のように構成さ
れる。

図において、１は供給側リール台、２は巻取側
リール台、３〜５はガイドローラであり、また６
は供給側のテープテンシヨン調整装置で、テンシ
ヨンアーム７とその先端に取付けられたこの例で
は固定ポスト８を有する。テンシヨンアーム７は
最小のテープテンシヨンOgrのとき、７ａの位置
（供給側リール台１とガイドローラ３の各接線を
結んだ方向より若干内側）に、最大のテープテン
シヨン（400gr程度）のとき、７ｂの位置（一対
のガイドローラ３，４の各接線を結んだ方向より
若干外側）にあるように調整される。

１０は回転磁気ヘツド装置を備えた回転ドラム
で、磁気テープ１１は進入側に設けられたテーパ
ーガイドポスト１２と、巻付角を規制するための
一対の傾斜ガイドポスト１３，１４とによりΩ状
に巻回される。

なお、この実施例では一対のガイドポスト１
３，１４、ガイドローラ５、テーパーガイドポス
ト１２及び金幅用の消去ヘツド１６は夫々鎖線の
位置まで移動できるように構成され、これによつ
て、回転ドラム１０に対するテープ１１の装填を
容易にしている。

１６は全幅消去用のヘツドであり、そして１７
はオーデイオ信号に対する消去ヘツド、１８はオ
ーデイオ信号用の記録・再生用ヘツド、１９は同
じくモニター用ヘツドである。また、２０はガイ
ドポスト、２１はキヤプスタン、２２はピンチロ
ーラ、２３はタイマーローラ、２５は巻取側のテ
ープテンシヨンの調整装置で、２６はテンシヨン
アーム、２７は固定ポストである。そして、最小
テンシヨンのときには２６ａの位置に、最大テン
シヨンのときには２６ｂの位置にあるように調整
してある。

さて、このようなVTRにおいても、一般の
VTRと同様にテープ１１を走行させる際に、ガ
イドローラの回転振動や固定ガイドとテープ１１
との摩擦力によりこのテープ１１が振動を起こ
し、ジツタやワウ・フラツタの原因となる。

そこで、このジツタやワウ・フラツタの原因を
取り除くため、オーデイオ用の記録・再生ヘツド
１８のテープ進入側、この例では消去ヘツド１７
とガイドローラ５との間に、慣性の大きなインピ
ーダンスローラ３０が設けられ、このインピーダ
ンスローラ３０をテープ１１に接触させて回転さ
せることによつてテープ１１に生ずる振動を除去
するようにしている。

ところで、テープ１１に生ずる振動のうち、低
周波の振動まで除去するためには、非常に大きな
慣性をもつたインピーダンスローラ３０を必要と
するが、このようなインピーダンスローラ３０を
使用すると、テープ１１の走行開始のとき、テー
プ１１とインピーダンスローラ３０との間の摩擦
力だけではこのインピーダンスローラ３０が回転
しにくくなり、テープ走行の立上りよりもインピ
ーダンスローラ３０の回転の立上りが遅れてしま
う。そのために、ジツタやワウ・フラツタを除去
するための開始時間（立上り時間）が延びてしま
う。実験によればオーデイオ信号が安定するま
で、従つて安定走行に至るまでにはテープ走行を
開始してから５秒程度かかることが多い。

ところが、最近安定走行までに要する時間をさ
らに短縮することが強く望まれているが、従来で
はその手段がなく、やむなくフライホイール効果
を犠牲にしている。

そこで、この考案では非常に大きな慣性をもつ
たインピーダンスローラを使用してもその立上り
を大幅に短縮できるようにしたインピーダンスロ
ーラの駆動装置を提案するものである。すなわ
ち、この考案ではインピーダンスローラに設けら
れたフライホイールに回転駆動手段が設けられ、
定常走行時はこの回転駆動手段はフライホイール
から完全に分離された状態にあるが、ノーマル速
度でのテープ走行開始時には、テープ走行開始後
所定の期間だけ回転駆動手段がフライホイールに
係合されるようになされてインピーダンスローラ
が強制的に回転されるようにしてその立上りを補
償したものである。

続いて、この考案の一例を図面を参照しながら
説明する。第２図において、インピーダンスロー
ラ３０の下部には所定の重量をもつたフライホイ
ール３１が取付けられる。３２は基板であり、３
３は軸受機構である。フライホイール３１の底面
側にはこのフライホイール３１に回転力を伝達す
るための回転駆動手段４０が設けられる。

この例では、図のように直流モータ４１が設け
られ、このモータ４１とフライホイール３１との
間には加速度クラツチを備えた伝達手段４２が設
けられる。すなわち、この伝達手段４２は第１及
び第２の回転体４３，４４を有し、円板状をなす
この第１の回転体４３はモータ４１の回転軸４１
ａに取付けられ、そしてこの第１の回転体４３の
上面の中心には回転軸４５が形成され、この回転
軸４５に第２の回転体４４が取付けられる。

この場合、この第２の回転体４４は第１の回転
体４３に対し、回転軸４５の軸方向には自由で、
回転方向だけ結合するようになされたものであ
る。第１及び第２の回転体４３，４４が夫々対向
する面には、夫々同一の半径上に還状のＶ溝４３
ａ，４４ａが形成され、これらＶ溝４３ａ，４４
ａに囲まれる空間に複数個の金属製ボール４６が
挿入される。

一方、第２の回転体４４の上面の一部、この例
ではその外周近傍に摩擦リング４７が取着され
る。この場合、第２の回転体４４がその自重で第
１の回転体４３側に寄つているとき、図のように
フライホイール３１と摩擦リング４７との間に若
干の〓間ができるように、夫々の相対的な位置関
係が選定されるものである。これによつて摩擦ク
ラツチが構成される。

さて、このように構成された駆動装置の動作を
次に説明する。まず、テープ１１が止つていると
き及びテープ１１が定速走行しているときには、
モータ４１には駆動電圧が供給されていないの
で、第２の回転体４４はその自重により第１の回
転体４３側に寄つているために第２の回転体４４
はフライホイール３１とは結合していない。従つ
て、第２図の状態にある。

モータ４１にはテープ走行開始後所定の期間
（この例では0.5秒位）だけ駆動電圧が供給される
ようになされており、従つてこの期間だけモータ
４１は回転する。その回転数は適宜選定しうる
が、実験によれば、600rpm程度がよい。モータ
４１が回転すれば、ボール４６に作用する遠心力
により第２の回転体４４は上方に持ち上げられる
結果、第３図に示すように第２の回転体４４に設
けられた摩擦リング４７がフライホイール３１の
底面に接触する。そして、この第２の回転体４４
には第１の回転体４３を介してモータ４１の回転
力が伝達されているために、フライホイール３１
は強制的に回転せしめられる。

従つて、インピーダンスローラ３０に非常に大
きな慣性が付与されており、そのためテープ１１
との摩擦力だけはインピーダンスローラ３０の回
転の立上りが遅くても、この考案によれば強制的
に回転力が加わるので、インピーダンスローラ３
０の回転の立上りは極めて速くなる。実験によれ
ば、立上り時間を１秒以下にできることが確認さ
れた。

所定の期間を経過すると、モータ４１の回転は
停止するので、その後はボール４６の遠心力も漸
次小さくなるから第２の回転体４４の自重でこれ
がフライホイール３１から離れ、これによつてフ
ライホイール３１と第２の回転体４４との回転的
な係合が解かれる。そのため、以後はテープ１１
との摩擦力だけでインピーダンスローラ３０が回
転する。従つて、テープ１１の定速走行時にはフ
ライホイール３１だけになるので、所期のフライ
ホイール効果がこのテープ１１に付与される。

以上説明したようにこの考案によれば、記録・
再生モードにおけるテープ走行開始後所定の期間
だけフライホイール３１を強制的に回転せしめる
ようにしたので、テープ走行開始直後のフライホ
イール３１の立上りを速くすることができる。従
つて、テープ走行開始より安定走行に至るまでの
時間を大幅に短縮することができる。

しかも、この考案によれば定常走行時、フライ
ホイール３１と回転駆動手段４０とは機械的に全
く係合されていないので、フライホイール効果に
影響を与えることがない。勿論、非常に大きな慣
性をもつたインピーダンスローラ３０を使用でき
るので、ジツタやワウ・フラツタの除去に関して
は従来と何ら遜色がない。

なお、上述した実施例はテープ走行開始後所定
の期間だけフライホイール３１を強制的に回転さ
せるようにしたが、テープの走行停止中及び早送
り・巻戻し等のノーマル走行モード以外のすべて
のモードの間、フライホイール３１を強制的に回
転（ノーマル走行時の回転と同一の回転）させて
おき、ノーマル走行に動作モードが切換えられた
ときにフライホイール３１に対する強制回転を解
除するように構成してもよい。この場合には、イ
ンピーダンスローラ３０の立上り時間は零にな
る。

また、上述の各実施例はいずれもSMPTEタイ
プＣフオーマツトのVTRに用いられたインピー
ダンスローラにこの考案を適用した場合である
が、その他のフオーマツトをとるVTRのインピ
ーダンスローラにこの考案を適用することもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用して好適なVTRの説
明図、第２図、第３図はこの考案に係るインピー
ダンスローラの駆動装置の一例を示す要部の図で
ある。 １１はテープ、３０はインピーダンスローラ、
３１はフライホイール、４０は回転駆動手段、４
２は伝達手段、４１はモータ、４３，４４は回転
体、４７は摩擦リングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フライホイールが取り付けられたインピーダン
   スローラを駆動するインピーダンスローラの駆動
   装置において、上記フライホイールを駆動するモ
   ータと、該モータの軸に取り付けられ上記モータ
   が回転したときに遠心力によつて上記軸から離れ
   る方向に移動する第１の部材と、該第１の部材が
   上記軸から離れる方向に移動する移動力によつて
   上記フライホイールの底面に圧接され上記モータ
   の回転力を上記フライホイールに伝達する第２の
   部材を備え、少くともテープ走行開始後所定の期
   間だけ上記フライホイールを強制的に回転させる
   ことを特徴とするインピーダンスローラの駆動装
   置。