JPS6144275Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は記録再生装置のキヤプスタン機構に係
り、キヤプスタン軸と、前記キヤプスタン軸に対
して回転可能、かつ軸方向に摺動可能に配した略
螺旋状ガイド溝部を有するフライホイールと、前
記フライホイールの略螺旋状ガイド溝部に掛合離
間可能なガイド部を設けると共に、固定部に対し
てスライド可能に配したガイド部材とを備えてな
り、前記ガイド部材のガイド部が前記フライホイ
ールの略螺旋状ガイド溝部に掛合するよう前記ガ
イド部材がスライドされると前記フライホイール
が前記キヤプスタン軸の動きと連動しなくなる一
方、前記ガイド部材のガイド部が前記フライホイ
ールの略螺旋状ガイド溝部から離間するよう前記
ガイド部材がスライドされると前記フライホイー
ルが前記キヤプスタン軸の動きと連動するよう構
成しておくことにより、例えばビデオテープレコ
ーダ等の記録再生装置において、定速走行を行な
う標準再生モード時にはガイド部材をフライホイ
ールの回昇用ガイド部より離間せしめて、フライ
ホイールがキヤプスタン軸と連動回転するように
し、フライホイールの慣性モーメントを利用して
ワウ及びフラツターをなくして良好な走行状態を
保持し、又間歇的な走行によりストツプ及びスチ
ル再生を順次繰り返して行なうスローモーシヨン
再生モード時にはガイド部材をフライホイールの
回昇用ガイド部に掛合して、フライホイール自体
の回転力によつてフライホイールが回動しながら
上昇し、そしてフライホイールがキヤプスタン軸
の動きと連動しないようにし、フライホイールの
慣性モーメントを利用しないようにして、良好な
間歇走行を簡単に実現でき、しかも走行状態の切
り換えに際しては小さな力ででき、その作業が極
めてスムーズなものとなる記録再生装置のキヤプ
スタン機構を提供することを目的とする。

従来、ビデオテープレコーダ等のキヤプスタン
は、第１図に示す如く、キヤプスタン軸１にフラ
イホイール２を固着し、このフライホイールの慣
性モーメントを利用してキヤプスタン軸の定速回
転を図り、テープの定速走行を行なわせている。
尚、同図中、４はピンチローラ、５はモータ、６
はフライホイールの周縁に焼付けられたゴムであ
り、モータプーリを圧着させてキヤプスタンを駆
動させるのである。このようなキヤプスタン機構
は、テープの定速走行を行なう標準再生モード時
にはワウ及びフラツターを除去でき、その走行状
態は良好なものとなるが、走行と停止を繰り返す
間歇走行に際しては、キヤプスタン軸に固着され
ているフライホイールの大きな慣性モーメントが
逆に邪魔なものとなり、良好な間歇走行を実現で
きない。

又、定速走行におけるテープ走行速度を２段に
切り換えるような場合には、第２図に示す如く、
キヤプスタン軸１０に直接主フライホイール１１
を固着しておくと共に、この主フライホイール１
１と同軸的に副フライホイール１２を配し、主フ
ライホイールと副フライホイールとを操作レバー
１３により一体化したり切り離したりして、キヤ
プスタン軸に係る慣性モーメントを変えられるよ
うにした構造のものも提案（実開昭53−123908
号）されている。この構造のキヤプスタン機構
は、定速走行におけるテープ走行速度を２段に切
り換える様な場合には、キヤプスタンにかかる慣
性モーメントを切り換えることによつて、それぞ
れの速度でのワウ及びフラツターを小さくするこ
とができるが、第１図の構造のキヤプスタン機構
と同様に、キヤプスタン軸にはフライホイールが
固着されているので、間歇走行時にはキヤプスタ
ン軸に固着されているフライホイールが邪魔なも
のとなり、良好な間歇走行を実現できない。又、
主フライホイールの下部に配設した副フライホイ
ールを移動させるのみで、主フライホイールと連
結したり離間させたりする為、副フライホイール
の重さにより主フライホイールと副フライホイー
ルとの連結具合が不安定であり、外部からの振動
等により良好な走行状態を保持できない。又、主
フライホイールと副フライホイールを連結するの
に副フライホイールを持ち上げなければならず、
持ち上げには大きなエネルギーを必要とするの
で、切り換え作業がスムーズにできにくく、又切
り換えに際して衝撃が生じやすいといつた欠点も
ある。さらには、切り換えの為の操作レバーの存
在によつてそれだけ厚みが増し、装置の薄型化を
図ることができにくい。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下
その実施例について説明する。

第３図は本考案に係る記録再生装置のキヤプス
タン機構の実施例の断面説明図、第４図は第３図
中Ａ−Ａ線部分における断面平面図である。

同図中、２１はダイレクトドライブモータであ
り、２２はキヤプスタン軸となるダイレクトドラ
イブモータの一端側の回転軸、２３は他端側の回
転軸である。この回転軸２３の先端部には、軽量
な為実質上フライホイール効果のない円板２４が
固着されており、この円板２４の上面には摩擦係
数の大きな、例えばゴム２５が貼着されている。

２６はフライホイールであり、このフライホイ
ール２６の上面部には回転軸２３と同軸状の円筒
状の突起部２７が設けられており、この突起部２
７の外側面には略螺旋状の溝２８が形成されてい
る。尚、２９は、フライホイール２６と回転軸２
３間に配されている。例えばオイルレスメタルの
スリーブである。

３０はスライドプレートであり、このスライド
プレート３０の所定位置には、フライホイールの
突起部２７の外径とほぼ同じ径の略円弧状、例え
ば略半円形状とそれより大きな径の略半円形状と
が互いに向き合つた形の孔３１が形成されてお
り、この孔３１のうち径の小さな半円形状部分の
側壁に螺旋状の溝３２が形成され、この溝３２は
フライホイールの突起部の溝２８と互いに螺合で
きるようになつている。

３３はスライドプレートを保持する基板であ
り、この基板３３のガイド溝部をスライドプレー
トは移動できるようになつている。３４はソレノ
イドであり、このソレノイド３４の鉄芯とスライ
ドプレート３０の一端とがバネ３５を介して連結
されており、又スライドプレート３０の他端と基
板３３の一端部とがバネ３６を介して連結されて
いる。

上記のように構成された記録再生装置のキヤプ
スタン機構は、磁気テープを定速走行させる場合
にはソレノイドのスイツチをオフにしておくと、
バネ３６の力によりスライドプレートは第３図中
左方向に引つ張られており、このような状態では
スライドプレートの孔の溝３２とフライホイール
の突起部の溝２８とは互いに螺合しておらず、ス
ライドプレートとフライホイールとは互いに離間
している。従つて、フライホイールは回転軸に固
着している円板と密着しており、回転軸の回転に
伴なつてフライホイールも連動回転するので、磁
気テープの定速走行に際してはフライホイールの
慣性モーメントを利用できるようになり、磁気テ
ープの定速走行時に起きやすいワウ及びフラツタ
ーを防止できるようになる。尚、フライホイール
と円板の密着性は、フライホイールが重いのでそ
の自重のみでも充分であるが、スプリングを配し
ておき、このスプリングの押圧力を利用して、さ
らに一層密着度を高めておいてもよい。

又、駆動及び停止を繰り返す間歇走行に際して
は、ソレノイドのスイツチをオンにすると、バネ
３６の力に抗してスライドプレートは右方向に引
つ張られ、スライドプレートの孔の溝３２とフラ
イホイールの突起部の溝２８とが互いに掛止螺合
することになる。そして、極めて初期の段階では
フライホイールは円板に密着しているので、回転
軸の回転によつてフライホイールも回転し始める
が、フライホイールが回転し始めるとフライホイ
ールは回転しながら溝に沿つて上昇し始める。そ
して、フライホイールが円板より離間すると、フ
ライホイールには回転力が伝わらないので、以後
は惰性によつて回転上昇するが、短時間のうちに
停止して、フライホイールは円板から離間した状
態となり、フライホイールは互の溝の掛合によつ
て支持されていることになる。従つて、磁気テー
プの間歇走行となる回転軸の駆動及び停止を繰り
返す作動に際しては、フライホイールの大きな慣
性モーメントは作用しなくなり、キヤプスタンの
駆動及び停止を良好に行なうことができるように
なる。又、駆動及び停止を繰り返す際にモータ及
び回転軸に無理な力がかからず、それだけ故障も
起きにくく、かつ磁気テープをも傷つけにくいも
のとなる。さらに、フライホイールの円板よりの
離間に際しては、フライホイール自体の回転力を
利用するので、フライホイールを持ち上げる為に
加える力は要らず、それだけエネルギー的に無駄
がなくなり、又離間の際の動作は極めてスムーズ
であり、離間に際して衝撃が生じることもない。
又、フライホイールの掛合及び離間に際して、第
２図のような操作レバーが要らないので、それだ
け薄型化をも図ることができる。

上述の如く、本考案に係る記録再生装置のキヤ
プスタン機構は、キヤプスタン軸と、前記キヤプ
スタン軸に対して回転可能、かつ軸方向に摺動可
能に配した略螺旋状ガイド溝部を有するフライホ
イールと、前記フライホイールの略螺旋状ガイド
溝部に掛合離間可能なガイド部を設けると共に、
固定部に対してスライド可能に配したガイド部材
とを備えてなり、前記ガイド部材のガイド部が前
記フライホイールの略螺旋状ガイド溝部に掛合す
るよう前記ガイド部材がスライドされると前記フ
ライホイールが前記キヤプスタン軸の動きと連動
しなくなる一方、前記ガイド部材のガイド部が前
記フライホイールの略螺旋状ガイド溝部から離間
するよう前記ガイド部材がスライドされると前記
フライホイールが前記キヤプスタン軸の動きと連
動するよう構成したので、定速走行においてはフ
ライホイールの慣性モーメントを利用してワウ及
びフラツターを防止でき、そして走行及び停止を
繰り返す間歇走行においてはフライホイールをキ
ヤプスタン軸より切り離しておくことにより、フ
ライホイールの存在による悪影響をなくし、良好
な間歇走行を実現でき、又フライホイールの連動
離間動作はスムーズであり、衝撃等が生じる恐れ
は全くなく、かつフライホイールの離間動作に際
してはガイド部材をフライホイールの略螺旋状ガ
イド溝部に掛合させるのみで自動的に行なわれる
ので、離間作動に際して加える力も小さくてす
み、それだけ操作も簡単になる等の特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のキヤプスタン機構の
説明図、第３図及び第４図は本考案になる記録再
生装置のキヤプスタン機構の実施例の説明図であ
る。 ２２，２３……回転軸、２４……円板、２６…
…フライホイール、２７……突起部、２８……
溝、３０……スライドプレート、３１……孔、３
２……溝、３４……ソレノイド、３５，３６……
バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 キヤプスタン軸と一体回転するフライホイール
   支持部材を有するキヤプスタン軸と、 このキヤプスタン軸に対して回転可能、かつ軸
   方向にスライド可能に配し、略螺旋状ガイド溝部
   を有するフライホイールと、 このフライホイールの略螺旋状ガイド溝部に掛
   合離間可能なガイド部を設けると共に、固定部に
   対してスライド可能に配したガイド部材とを備え
   てなり、 前記ガイド部材のガイド部が前記フライホイー
   ルの略螺旋状ガイド溝部に掛合するよう前記ガイ
   ド部材がスライドされると前記フライホイールが
   前記フライホイール支持部材から離間し、前記キ
   ヤプスタン軸の動きと連動しなくなる一方、 前記ガイド部材のガイド部が前記フライホイー
   ルの略螺旋状ガイド溝部から離間するよう前記ガ
   イド部材がスライドされると前記フライホイール
   が前記フライホイール支持部材に摩擦接触し、前
   記キヤプスタン軸の動きと連動するよう構成した
   ことを特徴とする記録再生装置のキヤプスタン機
   構。