JPH0475586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、メカニズムを２台塔載したいわゆる
カセツトのダビング操作を行なうことができる磁
気記録再生装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、民生用のカセツトのダビング装置に関し
ては、ダビング機能付テープレコーダ（デツキ）
に見るのが最も一般的である。この種のテープデ
ツキにおいては２つのテープ走行部を持ち、この
うちの一方が録音再生用、他方が再生専用として
構成されているものがほとんどである。

再生側である第１のテープ走行部によつて再生
されるマスターテープの信号は、同時に動作する
録音側である第２のテープ走行部によつてスレー
ブテープに録音される。

通常はカセツトの走行速度（4.76cm／Ｓ）でダ
ビングされるが、近年、高速（約２倍程度）でテ
ープを走行させ、ダビングに要する時間を短縮す
るものが増加している。

以下に従来のカセツトのダビング装置の機構部
について説明する。

第１図は従来のダビング機能を有する磁気記録
再生装置の設行部の構成図である。１は第１のテ
ープ走行部（再生側）、２は第１のテープ走行部
１に装着されたマスター用カセツト、３は第１の
テープ走行部１の供給リール台、４は第１のテー
プ走行部１の巻取りリール台、５は第１のテープ
走行部１のキヤプスタン、６はキヤプスタン５と
一体に固着されたフライホイール、７はテープ走
行部１のキヤプスタン５のモータ、８はモータ７
のシヤフト（図示せず）に固着されたモータプー
リ、９はモータプーリ８とフライホイール６を連
結するベルト、１０は第１のテープ走行部１のピ
ンチローラ、１１はマスター用カセツトのテー
プ、１２は再生ヘツドである。２１は第２のテー
プ走行部（録音側）、２２は第２のテープ走行部
２１に装着されたスレーブ用カセツト、２３は第
２のテープ走行部２１の供給リール台、２４は第
２のテープ走行部２１の巻取りリール台、２５は
第２のテープ走行部２１のキヤプスタン、２６は
キヤプスタン２５と一体に固着されたフライホイ
ール、２７は第２のテープ走行部２１のキヤプス
タン２５のモータ、２８はモータ２７のシヤフト
（図示せず）に固着されたモータプーリ、２９は
モータプーリ２８とフライホイール２６を連結す
るベルト、３０は第２のテープ走行部２１のピン
チローラ、３１はスレーブ用カセツトのテープ、
３２は録音ヘツドである。

次に動作について説明する。

ダビング時、マスター用カセツト２のテープ１
１および、スレーブ用カセツト２２のテープ３１
はともに走行する。すなわち、それぞれのピンチ
ローラ１０，３０はキヤプスタン５，２５に圧着
し、テープ１１，３１を挾持する。テープ１１，
３１は一定速度で回転するモータ７，２７によつ
てベルト９，２９を介して駆動されるキヤプスタ
ン５，２５により一定速度で走行し、巻取りリー
ル台４，２４に巻き取られる。（巻取りリール台
４，２４の駆動機構は図示せず） マスター用カセツト２のテープ１１上に記録さ
れた信号は、再生ヘツド１２によつて読み出さ
れ、再生イコライザアンプ（図示せず）、録音イ
コライザアンプ（図示せず）を経て、録音ヘツド
３２によつてスレーブ用カセツト２２のテープ３
１に記録される。

高速でダビングを行なう場合は、第１のテープ
走行部１のモータ７と第２のテープ走行部２１の
モータ２７を高速で回転させ、これを実現する。

上記のように構成されたカセツトのダビング装
置では以下に述べるような問題点を有していた。

すなわち、第１のテープ走行部のキヤプスタン
と第２のテープ走行部のキヤプスタンは互いに独
立に駆動しているため、第１のテープ走行音と第
２のテープ走行音のテープ走行速度が互いに異な
り易くなる。このため、マスターテープとスレー
ブテープのテープ長が同じであるとき、同時にテ
ープ走行を開始しても、スレーブテープのほうが
早くテープ走行を終了する場合があり、マスター
テープからスレーブテープへ完全にダビングでき
ないということも起こり得る。これを防止するた
め、フライホイル径にわずかの差を持たせる等の
方法により、スレーブテープ側のテープ走行速度
をマスター側のものよりもわずかに遅くしてい
る。しかし、この場合径の異なる２種のフライホ
イールが必要となるため、コストアツプになる。
またテープ走行速度調整も第１のテープ走行部、
第２のテープ走行部の各々についても行う必要が
ある、等の問題点を有していた。

発明の目的 本発明は、上記従来の問題点を解消するもの
で、フライホイル径に差をもたせる等の方法を用
いず、コストアツプにならず簡単にテープ走行速
度にわずかの差を持たせることが可能なダビング
装置を提供することを目的とする。

発明の構成 本発明は、少なくとも再生可能な第１の機構
と、少なくとも録音可能な第２の機構と、各々の
キヤプスタンを駆動する１個のモータとから成
り、モータは第１の機構のキヤプスタンと第２の
機構のキヤプスタンとを結ぶ直線のほぼ垂直二等
分線上にありかつ、第１の機構のキヤプスタンと
第２の機構のキヤプスタンとモータをベルトで連
結し、少なくとも第２の機構のキヤプスタンに偶
力が発生するように構成した磁気記録再生装置
で、上記のように構成したことにより、第２の機
構のキヤプスタン軸受け部にはモータと連結して
いるベルトからの張力と、ピンチローラの圧着力
が偶力的な力となつて加わり、この力は第１の機
構のテープ走行速度と第２の機構のテープ走行速
度に微妙な速度偏差をつけことができる効果があ
り、常に第２の機構のテープ走行速度を遅くする
ことができる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について説明する。

第２図は、本発明における一実施例のダビング
機能を有する磁気記録再生装置の構成図である。
第１図と共通する箇所については同一番号を付し
説明を省略する。１３は再生動作を行う第１のテ
ープ走行部１のキヤプスタン５と録音動作を行う
第２のテープ走行部２１のキヤプスタン２５の駆
動用のモータで、キヤプスタン５及び２５を結ぶ
直線のほぼ垂直二等分線に位置している。１４は
モータ１３のシヤフト（図示せず）に固着された
モータプーリ、１５は第１のテープ走行部１のキ
ヤプスタン５とモータ１３を連結するベルト、１
６は第２のテープ走行部２１のキヤプスタン２５
とモータ１３を連結するベルトである。

第３図は、第２図のフライホイル２６周辺の概
略図である。第２図と共通する箇所については同
一番号を付す。４０はベルト１６の張力の方向、
４１はピンチローラ３０の圧着方向、４２ａ，４
２ｂはキヤプスタン２５の軸受けである。

次に動作について説明する。

ダビング時、マスター用カセツト２のテープ１
１およびスレーブ用カセツト２２のテープ３１は
ともに走行する。すなわち、それぞれのピンチロ
ーラ１０，３０はキヤプスタン５，２５に圧着
し、テープ１１，３１を挾持する。テープ１１，
３１は一定速度で回転するモータ１３によつてベ
ルト１５，１６を介して駆動されるキヤプスタン
５，２５により一定速度で走行し、巻取りリール
台４，２４に巻き取られる。（巻取りリール台４，
２４の駆動機構は図示せず） マスター用カセツト２のテープ１１上に記録さ
れた信号は、再生ヘツド１２によつて読み出さ
れ、再生イコライザアンプ（図示せず）、録音イ
コライザアンプ（図示せず）を経て、録音ヘツド
３２によつてスレーブ用カセツト２１のテープ３
１に記録される。

高速でダビングを行なう場合は、モータ１３を
高速に回転させて、これを実現する。

以上述べた実施例において、特にことわらなか
つたが、第１のテープ走行部１のフライホイール
６と、第２のテープ走行部２１のフライホイール
２６はまつたく同一寸法とし、第１のテープ走行
部１のキヤプスタン５と、第２のテープ走行部２
１のキヤプスタン２５を同一寸法とした時、モー
タプーリ１４の外径を、第１のテープ走行部１の
ベルト１５と第２のテープ走行部２１のベルト１
６のかかる位置で同一にすれば、第１のテープ走
行部１のテープ走行速度と第２のテープ走行部２
１のテープ走行速度は同一になる。

しかし、実際には、第２のテープ走行部２１の
テープ走行速度は、第１のテープ走行部１のそれ
と比較するとわずかに遅くなる。この理由を以下
に第３図を用いて説明する。

第２のテープ走行部２１のキヤプスタン２５は
フライホイール２６と一体に固着され、軸受４２
ａ，４２ｂによつて支えられている。フライホイ
ール２６にはベルト１６の張力で張力方向４０に
力が加わり、キヤプスタン２５にはピンチローラ
３０より圧着方向４１にピンチローラ圧着力が加
わる。これらの力は軸受４２ａ，４２ｂに対して
偶力的な力となり、キヤプスタン２５と軸受４２
ａ，４２ｂの摩擦は軸受けを摩耗させるほどでは
ないが大きくなる。このためキヤプスタン２５の
回転運動は阻害され第２のテープ走行部のテープ
走行速度は第１のテープ走行部よりわずかではあ
るが遅くなる。

これは、第１のテープ走行部１では、キヤプス
タン５のフライホイール２６にベルト１５によつ
て発生する引つばり力と、ピンチローラ１０によ
つてキヤプスタン５に発生する圧着力とが第２の
走行部２１のキヤプスタン２５にかかる偶力的な
力が生じるようには構成されていないためであ
る。

従つて、マスターテープ、スレーブテープのテ
ープ長が同一である時、同時にテープ走行を開始
すると、マスターテープが先にテープ走行を終了
するので、マスターテープ上の記録信号を完全に
スレーブテープにダビングすることができる。

また軸受け間の距離を変えることによりベルト
張力とピンチローラ圧着力とによる偶力的な力を
変えることが可能であるので、テープ走行速度差
を自由にコントロールすることができる。

さらに、本実施例ではモータ１３をキヤプスタ
ン５及び２５を結ぶ直線の垂直二等分線上に位置
されているので、フライホイール６，２６が同一
径の場合、モータ１３のモータプーリ１４からの
キヤプスタン５及び２５までの距離が同一とな
り、ベルト１５，１６共同じ部材を使用すること
ができ、製造コストダウンをはかるとともに、ベ
ルト１５，１６の張力を容易に同一にでき調整を
行うことができる。

発明の効果 以上のように本発明では、録音側の機構のキヤ
プスタンにベルト張力とピンチローラ圧着力をキ
ヤプスタン軸受け部で偶力的な力となるように加
えることにより、軸受け部での摩擦が増し、録音
側のテープ走行速度が再生側のものよりも遅くな
る。

このため、マスターテープとスレーブテープを
同時に走行させたとき、マスターテープのほうが
早くテープ走行終了となるので、目的とするマス
ターテープの信号のダビングを完全に終結するこ
とができる。

また、軸受け間の距離を変えることにより、テ
ープ走行速度差を自由に調節することも可能であ
る。

よつて、従来のように、機械的電気的な対策を
行なう必要がなく、簡単にテープ走行速度差を持
たせることが可能でありまた、コストダウンがは
かれその効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダビング機能を有する磁気記録
再生装置の構成図、第２図は本発明の一実施例に
おけるダビング機能を有する磁気記録再生装置の
構成図、第３図は第２のテープ走行部のフライホ
イール周辺の概略構成図である。 １……第１のテープ走行部、５，２５……キヤ
プスタン、６，２６……フライホイール、１０，
３０……ピンチローラ、１３……モータ、１５，
１６……ベルト、２１……第２のテープ走行部、
４０……ベルトの張力の方向、４１……ピンチロ
ーラの圧着方向、４２ａ，４２ｂ……キヤプスタ
ン軸受。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも再生可能な第１の機構と、少なく
   とも録音可能な第２の機構と、上記第１の機構の
   キヤプスタンと前記第２のキヤプスタンとを結ぶ
   直線のほぼ垂直二等分線上に位置するモータと、
   前記第１の機構のキヤプスタンと前記第２の機構
   のキヤプスタンと前記モータとを直接又は間接に
   連結するベルトとを備え、少なくとも前記第２の
   機構のキヤプスタンに偶力が発生するように構成
   してなる磁気記録再生装置。