JPH05217169A - 磁気テープ転写装置 - Google Patents

磁気テープ転写装置

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Publication number
JPH05217169A
JPH05217169A JP4047468A JP4746892A JPH05217169A JP H05217169 A JPH05217169 A JP H05217169A JP 4047468 A JP4047468 A JP 4047468A JP 4746892 A JP4746892 A JP 4746892A JP H05217169 A JPH05217169 A JP H05217169A
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JP
Japan
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tape
speed
magnetic
slave
master
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4047468A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Narisawa
賢司 成澤
Hideo Tanabe
英男 田辺
Noriaki Saiga
則昭 雑賀
Teruyoshi Hashizume
照佳 橋爪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造を複雑化することなくテープ相互に十分
な圧接力を作用させながら、マスタテープのエンドレス
走行と同等の転写能率を有する磁気テープ転写装置を得
る。 【構成】 供給・巻取の各リール1,2がマスタテープ
走行系を、リール4,5が一つのスレーブテープを走行
系を、リール7,8がもう一つのスレーブテープ走行系
をそれぞれ形成する。キャプスタンローラと圧接ローラ
とを有する磁気転写部10,11が、スレーブテープ6,9
をそれぞれマスタテープ3に圧接走行させる。張力検出
手段12は磁気転写部10,11間のマスタテープ3の張力を
検出する。速度制御系61,62,63,64は磁気転写部10の
キャプスタンローラを通常の記録/再生速度と比較して
格段に大きなテープ走行速度とするために高速かつ定速
回転させ、磁気転写部11のキャプスタンローラを、張力
検出手段12の検出張力が一定となるように数 Hzのサー
ボ応答にて変速制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意の情報が予め記録
されているマスタテープ(転写元テープ)から、未記録
のスレーブテープ(転写先テープ)に情報を転写する磁
気テープ転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高保持力を有するマスタテープと、低保
持力の磁性層を有するスレーブテープとを、それぞれの
磁性層を密着させて磁界中を走行させると、マスタテー
プに記録されている情報がスレーブテープに転写される
ことが知られている。
【0003】この種の転写を行う磁気テープ転写装置
は、基本的には図4のように構成されている。すなわ
ち、マスタ供給リール1とマスタ巻取リール2とをそれ
ぞれ駆動することによってマスタテープ3をA矢印方向
に走行させるマスタテープ走行系と、スレーブ供給リー
ル4とスレーブ巻取リール5とをそれぞれ駆動すること
にってスレーブテープ6を走行させるスレーブテープ走
行系とを備えている。また、マスタテープ3とスレーブ
テープ6とを密着させて磁界中を走行させることにより
マスタテープ3に記録されている情報をスレーブテープ
6に転写させる磁気転写部10を備えている。
【0004】このうち、磁気転写部10はマスタテープ3
を導くガイドピン101,102と、スレーブテープ6を導く
ガイドピン103,104と、これらのテープ3,6の磁性面
を互いに圧接走行させるキャプスタンローラ105および
圧接ローラ106とを有している。
【0005】図5は、例えば特開昭64-78436号公報に開
示された磁気転写部10の詳細な構成説明図であり、キャ
プスタンローラ105は中心軸111に順次嵌着された非磁性
体112、フェライトのような軟磁性部材113およびウレタ
ンゴムのような弾性部材114で構成されており、さら
に、このキヤプスタンローラ105は中心軸111に取付けら
れたプーリ115が、ベルト116を介して連結されたもう一
つのプーリ117をモータ10Aにて回転駆動することにより
回転せしめられる。また、圧接ローラ106はセラミック
スのような非磁性剛材料で形成された円筒体121と、そ
の内部に設けられた転写ヘッド122とで構成され、この
転写ヘッド122のコイル123には交流電源回路124から所
定レベルの電流が供給されるようになっている。
【0006】かかる構成により、磁気転写部10ではガイ
ドピン101,102によって導かれたマスタテープ3と、ガ
イドピン103,104によって導かれたスレーブテープ6と
がキャプスタンローラ105および圧接ローラ106によって
圧接せしめられ、しかも、キヤプスタンローラ105を回
転させてこれらのテープ3,6を走行させると共に、転
写ヘッド122によって磁界を印加することにより情報の
転写が行われることになる。
【0007】ところで、この磁気テープ転写装置にあっ
ては、1本のマスタテープを用いて順次、多数のスレー
ブテープにそれぞれ情報を転写する場合が多い。この場
合には、A矢印方向にテープを移動させる転写モードに
てマスタテープ3を終端まで走行させた段階で圧接ロー
ラ106のキャプスタンローラ105に対する圧接状態を解除
し、マスタテープ3のみをA矢印方向とは逆の方向に巻
き戻し、次の転写モードとすることにより順次スレーブ
テープに情報を転写するという操作が必要であった。
【0008】このような操作ではマスタテープの巻戻し
時間が必要で、転写の作業効率を下げることになる。そ
こで、この作業効率の向上を図り得るものとして、例え
ば、供給・巻取の各リールの代わりにテープ収納ビンを
用い、マスタテープの始端と終端とをつなぎ、これをエ
ンドレスに走行させる転写装置が実用化され、販売され
ている。
【0009】また、マスタテープの走行経路の5箇所に
磁気転写部を設け、各磁気転写部でそれぞれマスタテー
プ情報をスレーブテープに転写する技術がNational Tec
hnical Report Vol.20,No.1 Feb.1974 P.95〜96やJourn
al of the SMPTE Vol.79 No.10 Oct.1970 P.903〜907に
発表されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した二つの例は確
かに転写の作業能率を向上させる方法ではある。しか
し、テープ収納ビンを用いてマスタテープをエンドレス
に走行させる方法は、例えばエアーが必要になる等構造
が複雑化すると同時に、マスタテープを損傷させる危険
性があった。また、マスタテープの走行経路の複数箇
所、例えば5箇所に磁気転写部を設ける方法は、磁気転
写部自体が駆動機能を持たないためテープ走行方向に大
きな負荷をかけることができず、エアーベアリング等を
用いてテープを軽く圧接せざるを得なかった。従って、
テープ相互の十分な圧接力が得られず、また、構造の複
雑化も避けられなかった。
【0011】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、構造を複雑化することなくテープ相互に
十分な圧接力を作用させながら、マスタテープのエンド
レス走行と同等の転写能率を有する磁気テープ転写装置
を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、供給・巻取の
各リールを駆動することによって、マスタテープを走行
させるマスタテープ走行系、および、供給・巻取の各リ
ールを駆動することによってスレーブテープを走行させ
る複数のスレーブテープ走行系と、キャプスタンローラ
と、内部にバイアス磁気ヘッドを内蔵し、前記キャプス
タンローラに対向する圧接ローラとを有し、前記スレー
ブテープ走行系の前記スレーブテープをそれぞれ前記マ
スタテープ走行系の前記マスタテープに圧接走行させる
複数の磁気転写部と、前記磁気転写部間の前記マスタテ
ープの張力を検出する張力検出手段と、前記磁気転写部
のうちのいずれか一つの磁気転写部の前記キャプスタン
ローラを通常の記録/再生テープ速度と比較して格段に
大きなテープ走行速度とするために高速かつ定速回転さ
せ、他の磁気転写部の前記キャプスタンローラをそれぞ
れ該磁気転写部から見て前記一つの磁気転写部に近い側
の前記張力検出手段の検出張力が一定となるように数H
z以下のサーボ応答にて変速制御する速度制御系とを備
えたものである。
【0013】好ましくは、速度制御系は、いずれか一つ
の磁気転写部の前記キャプスタンローラを例えばVHS
ビデオシステムに対応する場合には、通常の記録/再生
テープ速度の約160倍になるように定速回転させる。ま
た、速度制御系が、テープ走行の起動、停止の過渡期の
サーボ応答を数10Hzとして、転写期間に約1 Hzに
切換える手段を備えると良い。
【0014】
【作用】以下、本発明の原理を説明した後でその作用を
説明する。オープンリール式またはカセットタイプの高
級テープデッキにはデュアルクローズドキャプスタンル
ープが採用されている。このデュアルクローズドキャプ
スタンループは、記録/再生ヘッドの前後にそれぞれキ
ャプスタンを配置すると共に、両キャプスタン間にテー
プの張力を検出する張力検出器を設け、巻取側のキャプ
スタンを定速回転させる一方、検出張力が一定になるよ
うに供給側のキャプスタンの回転を制御している。これ
により、外乱による張力変動が吸収されてテープ張力が
一定に保たれることから、記録/再生ヘッドとテープと
の接触状態は良好に保持される。
【0015】一方、磁気テープの情報転写において、上
記従来の技術の項で示したように、マスタテープの走行
経路の複数箇所、例えば2箇所に図5に示す磁気転写部
を設け、各磁気転写部にてそれぞれスレーブテープに磁
気転写すれば転写能率も略2倍となる。
【0016】もしも、両磁気転写部間のテープの張力変
動を吸収しなかったとすれば、テンションアームの「バ
タツキ」により最大で数10 Hzの機械的振動が現れて記
録/再生のワウ・フラッタとなったり、ジッタとなった
りする。従って、両磁気転写部間のテープの張力制御は
不可欠とされるが、そのために、デュアルクローズドキ
ャプスタンループと同様にして、一方の磁気転写部のキ
ャプスタンローラを定速回転させ、他方の磁気転写部の
キャプスタンローラを、テープ張力が一定となるように
変速回転させたとすると、変速回転するキャプスタンロ
ーラの加速度により圧接ローラとの間で摩擦による圧接
ムラが生じ易く、圧接している両テープ間に走行方向の
位置ずれを起こす。これは丁度密着焼きしているネガフ
ィルムと印画紙を露光中に互いにずらせたような、ピン
ボケ現象が起こり、転写信号の歪み、あるいはレベル低
下を起こすことになる。
【0017】本発明は上述した数10 Hzの機械的振動が
残留しても、磁気転写部のキャプスタンローラを通常の
記録/再生テープ速度と比較して格段に大きなテープ速
度となるように回転させることにより、転写されたスレ
ーブテープの通常再生時のワウ・フラッタやジッタを低
く抑えられることに着目し、キャプスタンローラの加速
度に対して、制御のサーボ応答を数 Hz程度に遅らせて
ピンボケ現象に伴う転写信号の歪みやレベル低下を防い
でいる。
【0018】すなわち、例えばVHSビデオシステムに
対応する場合には、テンションアームの「バタツキ」に
起因する最大で数10 Hzの機械的振動でも、テープ速度
を通常の記録/再生速度に比べて約160 倍にすることに
より転写されたスレーブテープの通常再生時の信号でほ
ぼ 0.1 Hzの時間変動に抑えられ、ビデオ信号に対する
ジッタの要因がなくなる。また、転写されたスレーブテ
ープに略 0.1 Hzの時間変動があったとしても、ビデオ
信号と共に再生デッキのキャプスタン制御用のコントロ
ール信号も同じ割合で変動することから、転写テープの
再生時において、再生デッキのキャプスタンが時間補正
されるため、時間変動の影響は現れ難くなる。
【0019】一方、デュアルクローズドキャプスタンル
ープにおいては、張力制御の応答を発振現象が起きる手
前まで高く設定している。磁気テープ転写において、こ
れと同様に設定し、いわゆる発振ぎみの制御がなされた
場合には顕著な圧接ムラを生じる。その点においてもサ
ーボ応答を数Hz以下にして、余裕のある制御ループ系
とすることが望ましい。
【0020】なお、転写期間のサーボ応答を数 Hz程度
に遅らせる場合でも、テープを起動、停止させる過渡期
においては応答を良くする必要がある。そこで、起動、
停止の過渡期にはサーボ応答を数10 Hzに切り替えるこ
とが望ましい。
【0021】従って、本発明においては、テープ速度を
通常の記録/再生速度に比べて格段に速くし、さらに、
テープの張力を制御する場合のサーボ応答を数 Hzにす
ることにより、デュアルクローズドキャプスタンループ
に採用された技術を利用した場合の欠点を解消し得、こ
れによって、構造を複雑化することなくテープ相互に十
分な圧接力を作用させながら、マスタテープのエンドレ
ス走行と同等の転写能率を達成することができる。
【0022】この場合、テープ速度を通常の記録/再生
速度の約160 倍にすることが、例えば、特開平2-126425
号公報に開示された技術を利用できる点で有利である。
また、キャプスタンの回転を制御する周波数応答を、転
写期間に低く、起動、停止の過渡期間に高くなるように
切り替えることにより、転写性能に重点を置いた制御
と、モータの応答性に重点を置いた制御の両方が行われ
る点で有効である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例によって詳
細に説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。同図において、マスタ供給リール1よ
り供給されたマスタテープ3は、テープガイド21〜26で
導かれてA矢印方向に走行し、マスタ巻取リール2に巻
き取られる。このマスタ供給リール1、テープガイド21
〜26およびマスタ巻取リール2がマスタテープ走行系を
構成している。また、スレーブ供給リール4より供給さ
れたスレーブテープ6は、テープガイド31〜36で導かれ
てB矢印方向に走行し、スレーブ巻取リール5に巻き取
られる。このスレーブ供給リール4、テープガイド31〜
36およびスレーブ巻取リール5が一つのスレーブテープ
走行系を構成している。さらに、スレーブ供給リール7
より供給されたスレーブテープ9は、テープガイド41〜
46で導かれてC矢印方向に走行し、スレーブ巻取リール
8に巻き取られる。このスレーブ供給リール7、テープ
ガイド41〜46およびスレーブ巻取リール8がもう一つの
スレーブテープ走行系を構成している。
【0024】一方、マスタテープ3の走行経路における
テープガイド22とテープガイド23との間に、図5に詳細
な構成を示した磁気転写部10が設けられ、さらに、テー
プガイド24とテープガイド25との間にも同様の磁気転写
部11が設けられている。このうち、磁気転写部10はマス
タテープ3のテープガイド33〜34間に位置し、マスタテ
ープ3とスレーブテープ6とを密着させて磁界中を走行
させ、もう一つの磁気転写部11はスレーブテープ9のテ
ープガイド43〜44間に位置し、マスタテープ3とスレー
ブテープ9とを密着させて磁界中を走行させそれぞれ磁
気転写を行うことになる。
【0025】この場合、駆動回路部61は磁気転写部10を
構成するキヤプスタンローラ駆動モータを制御すること
により、テープの速度を通常の記録/再生時の約160 倍
になるように、キャプスタンローラを定速回転させる。
【0026】一方、二つの磁気転写部10,11の中間に配
置されたテープガイド23〜24間に張力検出器12が、マス
タ供給リール1に近いテープガイド21〜22間に張力検出
器13が、マスタ巻取リール2に近いテープガイド25〜26
間に張力検出器14が設けられ、それぞれマスタテープ3
の張力を検出している。このうち、張力検出器13の張力
検出信号は張力検出回路51に加えられ、ここで処理しや
すい電圧に変換された後、比較・演算手段52に加えられ
る。比較・演算手段52はその電圧レベルと所定の張力に
対応する基準レベルとを比較し、その偏差分をPID演
算して駆動回路部53に与える。駆動回路部53は入力電圧
に応じてマスタ供給リール1の駆動モータを制御する。
これにより、マスタ供給リール1から巻き戻されるマス
タテープ3の張力が一定に制御される。また、これと同
様にして、張力検出器14の出力信号が張力検出回路54に
加えられ、比較・演算手段55の出力に応じて駆動回路部
56がマスタ巻取リール2の駆動モータを制御する。これ
により、マスタ巻取リール2に巻取られるマスタテープ
3の張力が一定に制御される。さらに、磁気転写部10〜
11間に設けられた張力検出器12の出力信号が張力検出回
路62に加えられ、比較・演算手段63の出力に応じて駆動
回路部64が磁気転写部11を構成するキヤプスタンローラ
駆動モータ(図示省略)を制御する。これにより、磁気
転写部10〜11間のマスタテープ3の張力が一定に制御さ
れる。
【0027】また、スレーブテープ6の走行系において
も、磁気転写部10の入口側におけるテープガイド32〜33
間に張力検出器15が、磁気転写部10の出口側におけるテ
ープガイド34〜35間に張力検出器16が設けられ、それぞ
れスレーブテープ6の張力を検出している。そして、張
力検出器15、張力検出回路71,比較演算手段72および駆
動回路部73によってスレーブ供給リール4から巻き戻さ
れるスレーブテープ6の張力が一定に制御される。同じ
く、張力検出器16、張力検出回路74,比較演算手段75お
よび駆動回路部76によってスレーブ巻取リール5に巻き
取られるスレーブテープ6の張力が一定に制御される。
【0028】これと全く同様にして、スレーブテープ9
の走行系においても、磁気転写部11の入口側におけるテ
ープガイド42〜43間に張力検出器17が、磁気転写部11の
出口側におけるテープガイド44〜45間に張力検出器18が
設けられ、それぞれスレーブテープ9の張力を検出して
いる。そして、張力検出器17、張力検出回路81,比較演
算手段82および駆動回路部83によってスレーブ供給リー
ル7から巻き戻されるスレーブテープ9の張力が一定に
制御される。同じく、張力検出器18、張力検出回路84,
比較演算手段85および駆動回路部86によってスレーブ巻
取リール8に巻き取られるスレーブテープ9の張力が一
定に制御される。
【0029】上述した比較・演算手段52,55,63,72,
75,82,85は制御用計算機にその機能を持たせることに
なるが、特に、磁気転写部10のキャプスタンローラの制
御系と、磁気転写部11のキャプスタンローラの制御系は
図2に示す構成になっている。
【0030】ここで、キャプスタン駆動モータ10Mは磁
気転写部10のキャプスタンローラを定速回転させるもの
であり、駆動回路部61はモータの回転数信号を電圧に変
換する周波数ー電圧変換器(図中F/Vで示す)611
と、電圧信号に応じてキャプスタン駆動モータ10Mを制
御する駆動回路612とで構成されている。そして演算装
置90の速度設定手段91から、通常の記録/再生時の約16
0 倍のテープ速度に対応する電圧信号を駆動回路612に
加えると、駆動回路612はこの電圧信号と周波数ー電圧
変換器611の出力信号とが等しくなるようにキャプスタ
ン駆動モータ10Mを制御する。
【0031】一方、キャプスタン駆動モータ11Mは磁気
転写部11のキャプスタンローラを変速回転させるもので
あり、駆動回路64はモータの回転数信号を電圧に変換す
る周波数ー電圧変換器641(図中F/Vで示す)と、電
圧信号に応じてキャプスタン駆動モータ11Mを制御する
駆動回路642とで構成されている。これに対応して演算
装置90は、加算器92、96と、約1 Hzまでを通過帯域と
するループフィルタ93(以下、ループフィルタAと言
う)と、数10 Hz程度までを通過帯域とするループフィ
ルタ94(以下、ループフィルタBと言う)と、転写期間
にループフィルタAの出力信号を駆動回路642に入力
し、起動、停止の過渡期間にループフィルタBの出力信
号を駆動回路642に切り替え入力する切り替スイッチ95
とを備えている。
【0032】一般に、磁気テープの転写を行う場合、図
3に示すプログラムに従ってキャプスタンローラの回転
数を制御する。このうち、加速に要する時刻t0 からt
1 までの起動期間、および、減速に要する時刻t2 から
E までの停止期間を過渡期間と称し、定速回転させる
時刻t1 からt2 までを転写期間と称している。
【0033】ここで、転写期間においては、張力検出器
12の出力が張力検出回路62の信号変換器によって電圧信
号に変換されて加算器92の一方の入力として加えられ
る。さらに速度設定手段91と加算器92の双方の電圧信号
が加算器96で加算される。また、周波数ー電圧変換器64
1から出力された回転速度に対応する電圧信号が加算器9
2の他方の入力として加えられる。転写期間において
は、加算器92の出力信号がループフィルタAを介して駆
動回路642に加えられる。この結果、ループフィルタA
によってサーボループの位相およびゲインが補償されて
約1 Hzまでの低周波帯域を有効とする張力制御が行わ
れる。
【0034】また、起動、停止の過渡期間においては、
加算器96の出力信号がループフィルタBを介して駆動回
路642に加えられる。この結果、ループフィルタBによ
って位相およびゲイン補償が行われ、数10 Hz程度の周
波数帯域までを有効とした制御が行われる。
【0035】上記の動作により、この実施例では、転写
時のテープ速度を通常の記録/再生時の約160倍にした
ことにより、磁気転写部10,11間のテープの「バタツ
キ」に起因する転写後のスレーブテープのワウ・フラッ
タおよびジッタを低く抑制することができ、さらに、転
写期間におけるサーボ応答を約1Hzとして、あえて残
留の「バタツキ」を大きくしたことによりキャプスタン
ローラの加速に伴う圧接ムラをも防止することができ
る。
【0036】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、転写時のテープ速度を通常の記録/再生時
の100 倍乃至200 倍の範囲であっても、あるいは、サー
ボ応答を数 Hzにしたとしても、上記実施例と同程度の
制御性能を達成することができる。
【0037】また、上記実施例では、マスタテープの走
行経路の2箇所に磁気転写部を設け、それぞれスレーブ
テープに対する転写を行ったが、より多くの箇所、例え
ば5箇所に磁気転写部を設けたとしても、磁気転写部の
うちのいずれか一つの磁気転写部のキャプスタンローラ
を定速回転させ、他の磁気転写部のキャプスタンローラ
をそれぞれ該磁気転写部から見て前記一つの磁気転写部
に近い側の張力検出手段の検出張力が一定となるように
制御することによって、さらに、高能率の磁気転写が可
能となる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、マスタテープ走行経路に複数の磁気転写
部を設け、このうちのいずれか一つの磁気転写部のキャ
プスタンローラを通常の記録/再生速度と比較して格段
に大きなテープ走行速度とするために高速かつ定速回転
させると共に、他の磁気転写部のキャプスタンローラを
それぞれ該磁気転写部から見て前記一つの磁気転写部に
近い側の前記張力検出手段の検出張力が一定となるよう
に制御のサーボ応答を数Hz以下にて変速制御するよう
にしたので、構造を複雑化することなくテープ相互に十
分な圧接力を作用させながら、マスタテープのエンドレ
ス走行と同等の転写能率を達成することができる。この
場合、テープ速度を通常の記録/再生速度の約160 倍に
すれば、公知の技術を利用できる点で有利となる。ま
た、キャプスタンの回転を制御する周波数応答を、転写
期間に低く、起動、停止の過渡期間に高くなるように切
り替えることにより、転写性能に重点を置いた制御と、
モータの応答性に重点を置いた制御の両方が行われる点
で有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の主要部の詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の動作を説明するために、キ
ャプスタンローラの回転数と転写時間との関係を示した
線図である。
【図4】磁気転写装置の基本的な構成を説明するための
説明図である。
【図5】磁気転写装置に用いられる磁気転写部の詳細な
構成を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 マスタ供給リール 2 マスタ巻取リール 3 マスタテープ(転写元磁気テープ) 4,7 スレーブ供給リール 5,8 スレーブ巻取リール 6,9 スレーブテープ(転写先磁気テープ) 10,11 磁気転写部 12 張力検出器 61,64 駆動回路部 62 張力検出回路 63 比較演算手段 90 演算装置 91 速度設定手段 92,96 加算器 93,94 ループフィルタ 95 切替スイッチ 105 キャプスタンローラ 106 圧接ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雑賀 則昭 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 橋爪 照佳 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給・巻取の各リールを駆動することによ
    って、マスタテープを走行させるマスタテープ走行系、
    および、供給・巻取の各リールを駆動することによって
    スレーブテープを走行させる複数のスレーブテープ走行
    系と、 キャプスタンローラと、内部にバイアス磁気ヘッドを内
    蔵し、前記キャプスタンローラに対向する圧接ローラと
    を有し、前記スレーブテープ走行系の前記スレーブテー
    プをそれぞれ前記マスタテープ走行系の前記マスタテー
    プに圧接して走行させる複数の磁気転写部と、 前記磁気転写部間の前記マスタテープの張力を検出する
    張力検出手段と、 前記磁気転写部のうちのいずれか一つの磁気転写部の前
    記キャプスタンローラを通常の記録/再生速度と比較し
    て格段に大きなテープ速度とするために高速かつ定速回
    転させ、他の磁気転写部の前記キャプスタンローラをそ
    れぞれ前記一つの磁気転写部から見て前記一つの磁気転
    写部に近い側の前記張力検出手段の検出張力が一定とな
    るように数Hzのサーボ応答にて変速制御する速度制御
    系と、 を有する磁気テープ転写装置。
  2. 【請求項2】前記速度制御系が、いずれか一つの磁気転
    写部の前記キャプスタンローラをVHSビデオシステム
    における通常の記録/再生テープ走行速度の約160倍に
    なるように定速回転させるものである請求項1に記載の
    磁気テープ転写装置。
  3. 【請求項3】前記速度制御系が、テープ走行の起動、停
    止の過渡期のサーボ応答を数10Hzとして、転写期間
    には数Hz以下に切り替える手段を備えている請求項1
    または2に記載の磁気テープ転写装置。
JP4047468A 1992-02-03 1992-02-03 磁気テープ転写装置 Withdrawn JPH05217169A (ja)

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