JPS5843825B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、回転ヘッド型磁気記録再生装置のワウ・フラ
ッタ、およびジッターを軽減することを目的とするもの
であって、磁気テープと回転ヘッドとの相対位置を規制
する制御系の固有共振周波数および磁気テープのバネ定
数と回転ローラの質量によって定る磁気テープ走行系の
共振周波数を適度に設定することにより磁気テープと回
転ローラとの共振によって発生するワウ・フラッタおよ
びジッターを効果的に軽減させることにある。

第１図は従来から用いられている回転ヘッド型磁気記録
再生装置である。

供給リール１から供給される磁気テープ２は、回転ロー
ラ３、磁気テープにバックテンションを与える為のエア
ーコラム式テンション制御装置４、回転ローラ５、ガイ
ドポスト６、消去ヘッド７およびガイドポスト８を介し
て回転ヘッド９，１０を有する回転ヘッド装置１１に案
内される。

回転ヘッド９，１０は図示してない電動機により矢印Ａ
の方向に回転し、テレビジョン信号を磁気テープ２に記
録し、あるいは再生する。

回転ヘッド装置１１よりガイドポスト１２、コントロー
ルヘッド１３、オーディオヘッド１４、ガイドポスト１
５を径てキャプスタン１６とピンチローラ１７との間に
入った磁気テープ２は、キャプスタン１６と同軸に設け
られたフライホイール１９がゴムベルト２０を介して電
動機２１によって矢印Ｂの方向に駆動されることによっ
て矢印Ｃの方向に走行し、巻取り−ル１８に巻取られる
。

２２は電動機２１０回転速度を制御する回転速度制御回
路で、記録時にはスイッチＳが接点ＲＥＣ側に接続され
てテレビジョン信号の垂直同期信号が加えられ、電動機
２１の回転位相を規制する。

従って記録時にはキャプスタン１６の回転位相もテレビ
ジョン信号の垂直同期信号に同期して回転し、その結果
、磁気テープ２は定速移送される。

また、コントロールヘッド１３には別間路より垂直同期
信号に関連した記録信号が加えられて磁気テープ２に記
録される。

回転ヘッド９゜１００回転位相も垂直同期信号に関係し
て一定に保持され、テレビジョン信号が加えられて磁気
テープ２に記録する。

このように１−で記録されたテレビジョン信号を再生す
る場合は、スイッチＳを接点ＰＢ側に接続し、コントロ
ールヘッド１３からのコントロール信号を回転速度制御
回路２２に加え、一定回転速度に保たれた回転ヘッド９
，１０によって再生される再生テレビジョン信号の再生
垂直同期信号と比較され、磁気テープ２の移送速度が記
録時のそれと同様になるように電動機２１０回転速度を
制御する。

したがって再生時には磁気テープ２の移送によりコント
ロールヘッド１３から再生されるコントロール信号の位
相を一定に保つように、磁気テープ２、コントロールヘ
ッド１３、回転速度制御回路２２、電動機２１、ゴムベ
ルト２０、フライホイール１９およびキャプスタン１６
との間には磁気テープ２の移送速度について閉ループ制
御が形成される。

このようにして磁気テープ２から回転ヘッド９゜１０に
より再生テレビジョン信号が再生されると共にオーディ
オヘット１４からはオーディオ信号が再生されるのであ
るが、再生信号には、第２図に示すような、再生オーデ
ィオ信号にワウ・フラッタ、再生テレビジョン信号にジ
ッターと呼ばれる時間軸変動成分が現われる。

これは、回転ヘッド装置１１．電動機２１およびキャプ
スタン１６の回転により生ずるそれぞれの回転振動が磁
気テープ２に伝達されることや、磁気テープ２が移送さ
れるときに生ずる各ガイドポストとのスティックスリッ
プ振動などがその発生原因であると考えられ、その振動
周波数はｆ。

を中心として数百Ｈｚにおよぶのが一般的で、いわゆる
ワウ・フラッタ、ジッターとして再生時のオーディオ信
号およびテレビジョン信号の品位を著しく低下させる。

この対策として従来は、第３図に示すような比較的質量
の大きな回転ローラ５を磁気テープ走行系のキャプスタ
ンと供給リールとの間に設けていた。

この回転ローラ５は、直径ｄのローラ５が軸２３に係止
され、ボールベアリング２４，２５を介してハウジング
２６に回転自在に支持されている。

２７はビス等で軸２３に係止されているスラスト部材で
ある。

この回転ローラ５の外周面に磁気テープ２を接触させ、
磁気テープ２の移送と共に回転させると前記の原因で発
生するｆ。

を中心とする数百Ｈｚの磁気テープ２の振動が回転ロー
ラ５に吸収され、第４図に点線で示されているワウ・フ
ラッタおよびジッターが減少する。

しかし、回転ローラ５を磁気テープ２０走行系に設ける
ことにより新たに磁気テープ２と回転ローラ５との共振
振動が比較的低周波のｆ２ となり、これがワウ・フラ
ッタおよびジッターとして低周波領域で目立つことにな
り、再生時のオーディオ信号およびテレビジョン信号の
品位をより低下させる結果になる。

すなわち、磁気テープ２と回転ローラ５の共振振動は、
第５図に示すように、キャプスタン１６から回転ローラ
５までの磁気テープ２の長さ１によって定まる磁気テー
プ２のバネ定数にと、回転ローラ５の質量ｍとの共振振
動である。

この振動のモデルは第６図で表わされ、回転ローラ５の
運動方程式は一般に次式で表わされる。

ｍ父＋ｃ＊＋ｋｘ＝Ｆｓｉｎ、ｗｔ ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・（１）たｇし、Ｘは回転
ローラ５の変位量、Ｃは同、粘性減衰係数、Ｆは同、振
動系の外力である。

また、回転ローラ５の質量ｍおよび磁気テープ２のバネ
定数にはそれぞれ次式で示される。

ｍ＝４Ｊ／Ｄ２ に＝ＡＥ／ま たｇし、Ｊは回転ローラ５の慣性モーメント、Ｄは回転
ローラ５の磁気テープ２との接触部の直径、Ａは磁気テ
ープ２０幅方向の断面積、Ｅはそのヤング率である。

したがって第６図の振動モデルの共振周波数ｆ２は（１
）の運動方程式で一般に粘性減衰係数Ｃは小さいので次
式で示される。

ｋ ｆ２−−（−）％ ２π ｍ 以上述べたように、第３図の従来例においては回転ロー
ラ５の質量ｍと磁気テープ２のバネ定数にの共振周波数
ｆ２が再生時にワウ・フラッタおよびジッターとして再
生信号にあられれる。

本発明は上述の理由で発生する共振周波数ｆ２のワウ・
フラッタおよびジッター成分をより効果的に吸収する機
構を提供することを意図するものである。

以下、本発明を第１図の磁気記録再生装置に実施した場
合について説明する。

第１図において再生時には磁気テープ２の移送によりコ
ントロールヘッド１３から再生されるコントロール信号
の位相を一定に保つように、磁気テープ２、コントロー
ルヘッド１３、回転速度制御回路２２、電動機２１．ゴ
ムベルト２０、フライホイール１９およびキャプスタン
１６との間で磁気テープ２の移送速度について閉ループ
制御を形成している。

この制御系の応答特性は第７図に示すように、一般に二
次系の特性を示し、その固有共振周波数ｆ１以下で制御
可能となる。

したがって前記回転ローラ５の質量ｍと磁気テープ２の
バネ定数にとの共振周波数ｆ２をｆ、に対してｆｌ〉ｆ
２の関係に設定すればｆ２に対して閉ループ内で制御可
能となり、その結果第８図に示すように共振周波数ｆ２
に基く再生時のワラ・フラッタおよびジッターが共に
現われなくなる。

共振周波数ｆ２をｆ、＞ｆ２の関係にするためには、第
９図に示すように回転ローラ５の下部に十分大きな慣性
モーメントＪを有するフライホイール２８を加えるか、
または回転ローラ５の磁気テープ接触部の直径り。

を点線に示すように、Ｄ。よりも大きいＤｌ にするか
、あるいは、第１０図に示すように、キャプスタン１６
と回転ローラ５との間の磁気テープ２の長さをより長い
１１ に設定すれば（２Ｘ３Ｘ４）式の関係で共振周波
数ｆ２は簡単にｆｏ より小さくすることができる。

さらにゴムベルト２０を硬くし、フライホイール１９の
質量を小さくすれば前述の閉ループ制御系の固有共振周
波数ｆ１ は第７図に点線で示すように、ｆｌ より
も高いｆ′１ になるから同様の効果をあげることがで
きる。

以上述べたように本発明においては、磁気テープのバネ
定数にと回転ローラの質量ｍによる共振周波数ｆ２ と
、磁気テープの移送速度を制御する閉ループ制御系の固
有共振周波数ｆ１ との関係をｆｌ〉ｆ２に設定する
ことにより、再生時のワウ・フラッタおよびジッター成
分をきわめて小さくすることか可能となり、再生オーデ
ィオおよびテレビジョン信号の品位を高め、この種の磁
気記録再生装置の品質を向上する上に、きわめて有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図：回転ヘッド型磁気記録再生装置の構成を示す図
、第２図：従来の装置における再生時のワウ・フラッタ
およびジッターを示す図、第３図：従来の回転ローラを
示す図、第４図：第３図の回転ローラによる再生時のワ
ウ・フラッタおよびジッターを示す図、第５図：キャプ
スタンと回転ローラと磁気テープの長さとの関係を示す
図、第６図：第５図の関係を磁気テープのバネ定数と回
転ローラの質量で示す図、第７図：磁気テープの移送を
制御する閉ループ制御系の固有共振周波数を示す図、第
８図：本発明の装置によるワウ・フラッタおよびジッタ
ー特性を示す図、第９図：本発明の回転ローラの１実施
例を示す図、第１０図：本発明のキャプスタンと回転ロ
ーラと磁気テープの長さとの関係を示す図。 １・・・・・・供給リール、２・・・・・・磁気テープ
、３，５・・・・・・回転ローラ、４・・・・・・エア
コラム、６，８゜１２．１５・・・・・・ガイドポスト
、７・・・・・・消去ヘッド、９．１０・・・・・・回
転ヘッド、１１・・・・・・回転ヘッド装置、１３・・
・・・・コントロールヘット、１４・・・・・・オーデ
ィオヘッド、１６・・・・・・キャプスタン、１１・・
・・・・ピンチローラ、１８・・・・・・巻取リール、
１９・・・・・・フライホイール、２０・・・・・・ゴ
ムベルト、２１・・・・・・電動機、２２・・・・・・
回転速度制御回路、２３・・・・・・軸、２４．２５・
・・・・・ボールベアリング、２６・・・・・・ハウジ
ング、２７・・・・・・スラスト部材、２８・・・・・
フライホイール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープと、該磁気テープに磁気パターンを形成
   する回転ヘッドと、前記磁気テープと前記回転ヘッドと
   の相対位置を規制する制御系と、前記磁気テープの走行
   系に回転ローラとを有する回転ヘッド型磁気記録再生装
   置において、前記制御系の固有共振周波数ｆ１ と、
   前記磁気テープのバネ定数をｋ、回転ローラの質量をｍ
   とした場合のｋとｍで定まる磁気テープ走行系の共振周
   波数 ｋ ｆ２−− （−）３Ａとの関係をｆｌ〉ｆ２に設定し２
   π ｍ たことを特徴とする磁気記録再生装置。