JPH0210602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープ自動装填型記録再生装置に係
り、特にカセツト外のテープパスのテープを案内
するテープガイドローラを金属製としてテープガ
イドローラにインピーダンスローラ効果を持た
せ、小型でしかもテープ走行性を改善しうる構成
のテープ自動装填型記録再生装置を提供すること
を目的とする。

テープをカセツト外に引き出してビデオヘツド
を有するガイドドラムに添接すると共に所定のテ
ープパスに装填し、テープを、形成されたテープ
パスに沿つて走行させて情報信号を記録再生する
装置では、ジツターが発生しないようにテープ走
行の安定化を図る必要があり、従来よりこの目的
達成のためにインピーダンスローラが用いられて
いた。このインピーダンスローラの数を増すとテ
ープ走行安定化には効果的であるが装置の小型化
を図る上では障害となつてしまう。

本考案は、インピーダンスローラを追加的に設
けることなく、テープ走行の安定化を更に図つた
ものであり、以下図面と共にその一実施例につい
て説明する。

第１図に示すテープ自動装填型記録再生装置１
は、ローデイングローラ支持台４，５が小型テー
プカセツト６内の位置より、シヤーシ７の溝８，
９に沿つて移動することにより、テープ１０が供
給側及び巻取側ローデイングローラ組立体２，３
により係止されてカセツト６外に引き出されテー
プ装填動作が行なわれる。支持台４，５は最終的
にはガイドドラム１１の左右側のストツパ１２，
１３により係止位置決めされる。テープ１１はカ
セツト１０外において、テンシヨンポール１４、
消去ヘツド１５、インピーダンスローラ１６、オ
ーデイオ・コントロールヘツド１７に添接し、更
にはビデオヘツドを有するガイドドラム１１に巻
付けられた所定テープパスに装填され、ピンチロ
ーラ１８とキヤプスタン１９とにより挟持駆動さ
れて走行する。特に、供給側ローデイングローラ
組立体２は、テープ走行方向上ガイドドラム１１
に対する入口側に位置し、巻取側ローデイングロ
ーラ組立体３は出口側に位置する。

第２図は本考案の要部をなす供給側ローデイン
グローラ組立体２の構造を示す。ローデイングロ
ーラ２０はローラ本体２１を黄銅製とし、このロ
ーラ本体２１の上下内径部にデルリン製ブツシン
グ２２，２３を設けてなる構造であり、従来の樹
脂製ローラに比して数倍大きい慣性力を有し、イ
ンピーダンスローラ効果を呈し得る。黄銅製ロー
デイングローラ２０は、支持台４上に植設してあ
る軸２４の上部に、上下側をフランジ２５，２６
により支えられて回転可能に設けてある。このロ
ーラ２０は、デルリン製ブツシング２２，２３と
軸２４との間での滑りを伴つて円滑に回転しう
る。

巻取側ローデイングローラ組立体３も上記と同
様な構造であり、インピーダンスローラ効果を呈
しうる黄銅製ローデイングローラ２７を有する。

記録再生時、インピーダンスローラ１６がテー
プ走行速度と同じ周速度でもつて回転する他に、
黄銅製ローデイングローラ２０，２０がテープ走
行速度と同じ周速度でもつて回転する。テープ１
０がインピーダンスローラ１６及び黄銅製ローデ
イングローラ２０，２７を回転させつゝ走行する
ときでのジツター特性を測定すると、ジツター特
性は第３図中グラフ線で示す如くになつた。一
方、一対のローデイングローラがデルリン製であ
る場合のジツター特性の測定結果は、第４図中グ
ラフ線で示す如くである。こゝで、グラフ線
とグラフ線とを対比すると、グラフ線ではグ
ラフ線中1kHz近傍に表われているピーク部ａ，
ｂ，ｃが無くなつて平坦となつていることが分か
る。このことにより、黄銅製ローデイングローラ
２０，２７がインピーダンスローラ効果を呈して
いることが理解出来る。

従つて、上記の記録再生装置１では、インピー
ダンスローラを追加せずに、即ち装置のサイズを
小型としたまゝ、ガイドドラム周囲でのテープ走
行性が更に安定化して再生画像の画質を向上させ
ることが可能となる。

なお、ローデイングローラ２０，２７の材質は
黄銅に限るものではなく、要は大なる慣性力を呈
しうるものであればよく、他の金属であつてもよ
い。またデルリン製ブツシング２２，２３の代わ
りにボール軸受を用いてもよい。

また、第１図中、テンシヨンポール１４側のテ
ープガイドローラ２８及びピンチローラ１８側の
テープガイドローラ２９について、ローラを黄銅
製とすることも出来る。この場合には、前記と同
様に、ローラ２８，２９がインピーダンスローラ
効果を発揮し、テープ走行安定化が図られる。
こゝで、再生画像の画質向上のためにはテープパ
ス中特にガイドドラム１１の周囲でのテープ走行
の安定化を図ることが必要であることを考慮する
と、ガイドドラム１１の両側に位置するローデイ
ングローラ組立体２，３を金属製ローラとするこ
とが効果的である。また、インピーダンスローラ
効果はテープ巻付け角が大である程度大きい。ロ
ーデイングローラ組立体２，３に対するテープ１
０の巻付け角は90゜以上と大きく、このことによ
つてもローデイングローラ組立体２，３に金属製
ローラを使用すればインピーダンスローラ効果が
大となつてガイドドラム周囲でのテープ走行の安
定化を改善する上で好都合である。

上述の如く、本考案になるテープ自動装填型記
録再生装置は、テープをカセツト外に引き出して
ガイドドラムに添接すると共に所定のテープパス
に装填させて記録再生を行なう装置において、上
記所定のテープパスに装填されたテープを案内す
るテープガイドローラを金属製のローラ本体と、
この上下の内径部に固定してある潤滑性を有する
樹脂製のブツシングとよりなる構成とし、該テー
プガイドローラが該上下のブツシングを軸及びフ
ランジにより支えられ回転可能に設けられてなる
構成であるため、慣性力の大きい金属製のテープ
ガイドローラを円滑に回転可能とし得、この金属
製テープガイドローラがテープ走行速度と同じ周
速度で円滑に回転することにより、インピーダン
スローラ効果を呈し、インピーダンスローラを追
加せずに装置を小型としたまゝテープ走行性を改
善して再生画像の画質の向上を図ることが出来、
また、テープ走行方向上ガイドドラムに対する入
口側と出口側とに位置するテープローデイング部
材を金属製のテープガイドローラとすることによ
り、特にガイドドラム周囲でのテープ走行性を改
善出来、再生画像の画質の向上に効果的である特
の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるテープ自動装填型記録再
生装置の一実施例の記録再生モード時での平面
図、第２図は第１図中供給側ローデイングローラ
組立体の構造を示す断面図、第３図は第１図に示
す装置でのジツター特性を示すグラフ、第４図は
従来の装置でのジツター特性を示すグラフであ
る。 １……テープ自動装填型記録再生装置、２……
供給側ローデイングローラ組立体、３……巻取側
ローデイングローラ組立体、４，５……支持台、
６……小型テープカセツト、１０……テープ、１
１……ガイドドラム、１２，１３……ストツパ、
２０，２７……黄銅製ローデイングローラ、２１
……黄銅製ローラ本体、２２，２３……デルリン
製ブツシング、２４……軸、２５，２６……フラ
ンジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) テープをカセツト外に引き出してガイドドラ
   ムに添接すると共に所定のテープパスに装填さ
   せて記録再生を行なう装置において、上記所定
   のテープパスに装填されたテープを案内するテ
   ープガイドローラを、金属製のローラ本体と、
   この上下の内径部に固定してある潤滑性を有す
   る樹脂製のブツシングとよりなる構成とし、該
   テープガイドローラが該上下のブツシングを軸
   及びフランジにより支えられ回転可能に設けら
   れてなる構成のテープ自動装填型記録再生装
   置。 (2) 該金属製のテープガイドローラは、テープ走
   行方向上該ガイドドラムに対する入口側と出口
   側とに位置するテープローデイング部材である
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のテープ自
   動装填型記録再生装置。