JPS6017098Y2 - エンドレスカセツトテ−プ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、テープの貯蔵状態と共に安定した走行制御
が行なわれるようにした、例えばビデオ信号の記録再生
に用いられるエンドレステープカセット装置に関する。

例えば、位置の固定設定されるヘッド機構を用いてビデ
オ信号を記録再生する固定ヘッド式ビデオテープレコー
ダとして、エンドレステープを用いることが考えられて
いる。

固定ヘッドによって、ビデオ信号を記録再生する場合、
テープを毎秒数メートルの高速度で走行駆動する必要の
あるものであり、単位時間当りのテープ消音量は著しく
増大するものである。

このため、テープとしてエンドレステープを用いると共
に、ヘッド機構における記録再生ヘッドを、テープの１
周定行毎にテープ幅方向に微小量移動し、テープの幅方
向に連続される者数の記録トラックを形成するようにし
て、長時間の記録再生が効果的に実行されるようにする
ものである。

しかし、このようにしても、充分な時間範囲の記録再生
を行なわせるためには、テープの幅方向に１００本以上
のトラックを形成するようにしても、１００メートル以
上のテープ長が要求される。

。したがって、このような長尺のテープを貯蔵するには
、リールが用いられるものであり、特に効果的にカセッ
ト化し、またテープ走行駆動系を小型化するために、環
状にした固定のリールを用いることが考えられた。

このようなリールを用いる場合、このリールに巻装され
たテープは、内周部から引き出され、外周部に巻き取ら
れるようになるもので、リール外周の巻装テープは、テ
ープ走行に伴なって、滑り回転するようになる。

この場合、特に巻装テープの内周部からの引き出しテー
プの線速度と、外周部への巻き取りテープの線速度は等
しいものであり、巻装されたテープは、層間で滑り回転
する状態にあり、その層間に空気層が形成される状態に
ある。

すなわち、テープはリール外周においてゆるい状態で巻
装され、特に巻締めが生じないように注意されているも
のである。

しかし、このようなエンドレステープをカセット化した
場合、上記のようにゆるい状態で巻装されたテープは、
カセットの持ちはこび、衝撃振動によって巻装状態が乱
れ、使用に耐えない状態となるおそれが多い。

この考案は、上記のような点に鑑みなされたもので、カ
セットの移動持運び時におけるテープの乱れを確実に防
止し得るばかりか、不要なテープの巻き締り、テープ巻
装部の乱れを防止し、安定したテープ走行制御が保証し
得るようにするエンドレスカセットテープ装置を提供し
ようとするものである。

以下図面を参照してこの考案の一実施例を説明する。

第１図はその平面から見た構成を示すもので、プラスチ
ック材料等で形成されたカセットケース１１の底板部に
、環状にしたリール１２が固定設定される。

そして、このリール１２の外周にエンドレスにしたテー
プ１３を巻装して貯蔵するもので、リール１２にはその
内外周を連通ずるテープ引き出し窓１４が形成され、巻
装テープ１３の内周部がこの窓１４からリール１２の内
周部に引き出される。

リール１２の内周部には、カセットケース１１を記録再
生機構のデツキ部に装填した時に、ケース１１の底板に
形成した開口１５を介して、デツキ部のヘッド機構１６
、キャプスタン１７、ピンチローラ１８が突出設定され
るもので、窓１４から引き出されたテープ１３は、ヘッ
ド機構１６に接触し、キャプスタン１７とピンチローラ
１８にはさまれるようにローディング設定される。

そして、キャプスタン１７の矢印で示すような回転でテ
ープ１３が走行され、ヘッド機構１６部で例えばビデオ
信号の記録再生が実行されるようになる。

このテープ１３の走行に伴ない、窓１４からテープが引
き出されることによって、リール１２外周の巻装テープ
１３は回転される。

キャプスタン１７およびピンチローラ１８からなるテー
プ駆動機構部から送り出されたテープ１３は、ガイド板
１９，２Ｇでなるテープたるみ部に導かれ、さらにリー
ル１２を飛び越すオーパターンガイド２１によって、リ
ール１２の外周部に導かれ、自由張力の状態で巻き取ら
れる。

このようなカセットテープ装置にあっては、前述したよ
うにリール１２外周の巻装テープ１３は、ゆるやかな状
態で巻かれているので、ケース１１をデツキ部から取り
外し、持ち運ぶ状態では、乱れる状態となる。

このため、テープ１３の巻装部に対して、ゆるみ止め２
２が設けられる。

このゆるみ止め２２は、第２図に取り出して示すように
、ケース１１の底板１１ａに対して軸２３を中心に回動
自在に設定されるもので、テープ１３の巻装部外周面に
接触する例えばフェルト等の弾性部材でなる圧接部２４
を備え、スプリング２５によって、テープ１３の外周面
に圧接するように偏倚されている。

すなわち、常時はスプリング２５によって圧接部２４に
よってテープ１３の巻装部外周面を押え、カセットケー
ス１１に衝撃等が加わった場合でも巻きゆるみの発生を
防止し、この巻装状態が確実に保持されるようにするも
のである。

このゆるみ止め２２には、軸２３部より延長して、係止
片２６が一体に設けられ、この係止片２６はケース１１
に設けたスライド杆２７に係合させる。

このスライド杆２７は、第１図に矢印２８で示すように
カセットケース１１が装填動作させられた時、例えばこ
のカセットケース１１を保持するカセットボックス内の
係止突体２９によって矢印３０のようにスライド駆動さ
れるもので、このスライド動作に伴なって、ゆるみ止め
２２をスプリング２５に抗して回動させ、圧接部２４を
テープ１３の外周面から離反させるものである。

すなわち、このカセットケース１１をデツキ部から取り
外す状態では、ゆるみ止め２２で巻装テープ１３の乱れ
を押え、デツキ装填状態ではゆるみ止め２２による圧接
動作を解除し、リール１２の外周でテープ１３が自由に
回転されるようにするものである。

また、このゆるみ止め２２には、テープ１３の巻装部の
上側に向けて、第３図に取り出して示すようにリブ３１
を一体に形成してなる。

このリブ３１は、テープ１３の巻装部の上側に小さな間
隙３２を介して対向設定されるもので、この巻装部から
外に飛び出すテープを押えるようにガイドするようにし
てなる。

前述したように、テープ１３の巻装部は、非常にゆるい
状態で巻かれているものであり、またテープ１３の高速
走行に伴なう回転動作で、テープ幅方向に走行の乱れが
生じ、飛び出すおそれが多い。

これを防止するために、別体にテープ１３の幅横方向を
押える圧接体を設けてもよいが、これではテープ１３に
対して直接的な力が作用し、リール１２外周において巻
き締めの状態が発生し、テープ走行抵抗が著るしく増大
するおそれが多い しかし、上記のようなリブ３１を形成すれば、テープ１
３に対して走行抵抗を与えることなく、テープ１３の幅
方向への飛び出しを確実に防止することのできるもので
あり、テープ１３の走行安定性が確実に保証されるもの
である。

以上のようにこの考案によれば、１組のゆるみ止め構成
部材によって、カセットケースの取り外し時、さらにデ
ツキ装填時におけるテープ駆動状態において、貯蔵テー
プを安定して保持し、安定走行性を保証し得るようにな
るものであり、その実用的効果は著るしいものである。

尚、実施例ではゆるみ止め構成部を１組として示したが
、リール外周にそって複数組設けるようにしてもよいこ
とはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るカセットテープ装置
を説明する構成図、第２図は上記装置のゆるみ止め部を
取り出し拡大して示す図、第３図は同じく断面構成図で
ある。 １１・・・・・・カセットケース、１２・・・・・・リ
ール、１３・・・・・・テープ、１４・・・・・・テー
プ引き出し窓、１６・・・・・・ヘッド機構、１７・・
・・・・キャプスタン、１８・・・・・・ピンチローラ
、２１・・・・・・オーパターンガイド、２２・・・・
・・ゆるみ止め、２４・・・・・・圧接部、２５・・・
・・・スプリング、２６・・・・・・係止片、２７・・
・・・・スライド杆、３１・・・・・・リブ、３２・・
・・・・間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセットケースに固定設定された環状のリールと、この
   リールの外周に巻装されリールにその内外周を連通ずる
   ように形成した窓からリール内周部に引き出すように設
   定したエンドレスのテープと、上記リール外周部の巻装
   テープ外周面に圧接するように偏倚設定したゆるみ止め
   と、このゆるみ止めに一体的に形成され上記巻装テープ
   の巻装部側部に小間隙を介して対向設定したリブとを具
   備し、上記ゆるみ止めは、カセットケースの装着の状態
   で上記偏倚力に抗してテープ外周面から離反されるよう
   にしたエンドレスカセットテープ装置。