JPS6332840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は出巾木と入巾木を兼用できる巾木の構
造に関するものである。

「従来技術」 従来のこの種の兼用巾木は、第１図に示すよう
に、巾木本体A′の上端水平片に凹溝７′を形成し
て、出巾木として用いる場合にはａ図に示すよう
に、壁仕上げ材６′の下端を凹溝７′に挿入して使
用し、入巾木として用いる場合にはｂ図に示すよ
うに、巾木A′の外側面に壁仕上げ材６′の下端部
の裏面を当接させて使用していたので、入巾木の
場合には巾木の後付けができない上に、ｂ図に示
すように、巾木を取り付ける胴縁と壁仕上げ材
６′との間に隙間イができて収まりが悪いという
欠点があり、また出巾木としての仕上がり寸法Ｈ
と入巾木としての仕上がり寸法ｈとが異なるため
に、同一室内で出巾木と入巾木を用いる場合には
壁仕上げ材６の下縁が揃わず体裁が悪いという欠
点があつた。

「考案の目的」 本考案は上記の問題点を解消し、後付けができ
て納まりもよく、しかも出巾木として使用する場
合と入巾木として使用する場合の仕上がり寸法が
変わらないようなこの種の兼用巾木を提供するこ
とを目的とするものである。

「考案の開示」 しかして本考案は、垂直部１の中間部分にコ字
状屈曲部４を設けると共に、垂直部１の上端から
斜め上方に傾斜部２を延出し、更に傾斜部２の上
端から延出した垂直片３の外側面とコ字状屈曲部
の外側面とを面一として成る巾木に係るもので、
出巾木として用いる場合にはコ字状屈曲部４に釘
９を打ち込んで使用し、入巾木として用いる場合
には巾木Ａを裏返して、コ字状屈曲部４より上側
の垂直部１に釘９を打ち込んで使用するようにし
た点に特徴を有するものである。

「実施例」 第２図は本考案による巾木の一実施例を示した
もので、合成樹脂の押出成形などで形成された横
長板状の巾木本体Ａの垂直部１の中間部分にコ字
状屈曲部４が形成され、垂直部１の上端から斜め
上方に傾斜部２が延出形成されており、更に傾斜
部２の上端から垂直片３が延出されて、この垂直
片３の外側面とコ字状屈曲部４の外側面とが面一
になるように構成されたものであり、コ字状屈曲
部４の前後幅と傾斜部２の前後幅とが同一寸法Ｌ
となつている。上記のような構成の巾木は第２図
ａ，ｂのように出巾木あるいは入巾木として使用
したりするものである。

同図ａは、上記のように構成された巾木を出巾
木として使用する場合を示しており、コ字状屈曲
部４に釘９を打ち込み、巾木Ａと胴縁８との間に
壁仕上げ材６を挟み込んで取り付けるものであ
り、垂直部１の下部は厚肉に形成されており、そ
の下端面に係止溝１１を凹設し、床材１０に立設
された釘９の頭部５を係止溝１１に係合して位置
決めとしている。また壁仕上げ材６の厚みＤと巾
木Ａの前後幅Ｌとはほぼ同一寸法に形成されてい
る。ここで上記のように出巾木として使用する場
合には第２図ａに示すように壁仕上げ材６をその
下端が床材１０に近接するように施工しておく必
要がある。すなわち巾木Ａを取り付けた時、巾木
Ａのコ字状屈曲部４の外側面と胴縁８との間に壁
仕上げ材６がはさまれるようにするためであり、
このようにコ字状屈曲部４の外側面を壁仕上げ材
６に当てて釘９で固着することで垂直片３が壁仕
上げ材６の前面に隙間なく当接することとなる。

同図ｂは巾木Ａを入巾木として使用する場合を
示しており、出巾木の場合とは反対の面を表に出
し、床面との間に一定間隔をあけて取り付けられ
た壁仕上げ材６の下端部を垂直片３で押さえるよ
うにして、垂直部１のコ字状屈曲部４よりも上側
の部分に釘９を打ち込むことにより、巾木用胴縁
８ａに固定している。このとき巾木Ａの傾斜部２
が弾性変形することにより、垂直片３と壁仕上げ
材６との間に生じる隙間を吸収するようになつて
いる。ここで上記のように入巾木として使用する
場合には第２図ｂのように壁仕上げ材６の下端が
床材１０から離れていて、床材１０から壁仕上げ
材６までの距離が巾木Ａの垂直部１の下端から垂
直片３の付け根部分までの距離と略等しくしてお
く必要がある。このようにすることで、第２図ｂ
のように入巾木として巾木Ａを巾木用胴縁８ａに
直接固着した場合垂直片３が壁仕上げ材６に当接
するものである。

上記のように第２図ａのように壁仕上げ材６が
なつている場合には出巾木としてのみ施工し、第
２図ｂのように壁仕上げ材６がなつている場合に
は入巾木としてのみ施工するものである。

「考案の効果」 上述のように本考案巾木は、垂直部の中間部分
にコ字状屈曲部を設けると共に、垂直部の上端か
ら斜め上方に傾斜部を延出し、更に傾斜部の上端
から延出した垂直片の外側面とコ字状屈曲部の外
側面とを面一としたものであるから、裏返すだけ
で出巾木と入巾木とに兼用できる上に、入巾木と
して使用する場合にも、巾木の後付けができて納
まりがよく、また出巾木として使用する場合と入
巾木として使用する場合の仕上がり寸法が変わら
ないので、両者を併用する場合に体裁が良く、し
かも壁仕上げ材の厚みが多少変わつても傾斜部の
弾性変形によつて対応できる等の利点を有するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来例の巾木の施工断面図、第
２図ａ，ｂは本考案の巾木の施工断面図であつ
て、Ａは巾木本体、１は垂直部、２は傾斜部、３
は垂直片、４はコ字状屈曲部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直部の中間部分にコ字状屈曲部を設けると共
   に、垂直部の上端から斜め上方に傾斜部を延出
   し、更に傾斜部の上端から延出した垂直片の外側
   面とコ字状屈曲部の外側面とを面一として成る巾
   木。