JPH082308Y2 - 合成樹脂製室内用隅部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は室内用隅部材、特に、巾木あるいは巾木台と
して使用できる合成樹脂製室内用隅部材に関する。

（従来技術と考案が解決しようとする課題） 従来、壁面下部の損傷や汚損を防止するとともに、壁
体と床面との納りを良くするため、床面に接する壁体の
最下部に巾木が取り付けられる。

ところで、一部の地域、例えば、北海道などの寒冷地
においては、冬期の乾燥のために床面が収縮して沈下
し、巾木の下端面と床面との間に隙間が生じ、見映えが
悪くなるという問題を有する。

このため、前記隙間の発生を防止するため、第３図に
示すように、巾木20を、下面に長さ方向に沿って突条21
を有する巾木本体22と、この巾木本体22の突条21に上下
動自在に嵌合する溝部23を上面に有し、床面24に固定さ
れる巾木台25とから構成したものが提案されている（実
開昭51−21226号公報）。なお、26は柱、27は根太木で
ある。

しかしながら、前述のものでは、巾木台25を床面24に
取り付けるには、壁体内側面の直下に位置する床面24の
隅部に巾木台25を位置決めした後、前記巾木台25の溝部
23から釘を打ちつけねばならず、施工に手間がかかり、
施工性が悪く、また、木製であるために釘打により割れ
が生じるという問題点があった。

本考案は前記問題点に鑑み、施工しやすい室内用隅部
材を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案にかかる合成樹脂製室内用隅部材は前記目的を
達成するため、壁体内側面の直下に位置する床面の隅部
に固定される長尺の室内用隅部材において、長手方向の
一側に上方に向かって突出する第１係止部を有する平板
状の床面固定部と、この床面固定部の他側に薄肉等の屈
曲部を介して略同一平面上に延在した起立片部と、この
起立片部の略中央部に、前記起立片部を前記床面固定部
に対して略直角に折り曲げたとき、前記第１係止部に係
合するように突設した第２係止部とからなる構成とした
ものである。

（作用と考案の効果） したがって、本考案にかかる合成樹脂製室内用隅部材
によれば、平板状の床面固定部を床面に釘打ちした後、
起立片部を曲げ起こして第1,第２係止部を係止すると、
起立片部と壁体との間に凹溝が形成され、この凹溝に巾
木本体あるいは壁板の下端部を嵌合できることになる。

このように、本考案は、起立片部が曲げ起こされるま
では凹溝が形成されておらず、凹溝が形成される前に床
面固定部を床面に固定できるので、固定作業に手間がか
からず、施工性が向上するという効果を有する。

（実施例） 以下、本考案にかかる室内用隅部材の一実施例を第１
図および第２図の添付図面に従って説明する。

本実施例は室内用隅部材を巾木台に適用したもので、
巾木は床面１に接する壁体２の最下部近傍に固定される
巾木本体10と、この巾木本体10と床面１との間に位置決
めされ、前記床面１に固定される巾木台20とからなる。

巾木本体10は長尺な板材であり、室内側に位置する内
側面に長手方向に沿って切り欠き溝部11を有する。

巾木台20はプラスチック製の長尺な押し出し成型品
で、壁体２に隣接する床面固定部21の長手方向の一側に
上方に向かって略直角に第１係止部22を突設する一方、
これと反対側に位置する他側に屈曲部である薄肉部23を
介して起立片部24を略同一平面上に延在するとともに、
この起立片部24の略中央に、前記起立片部24を前記床面
固定部21に対して略直角に折り曲げたとき、前記第１係
止部22に係合する第２係止部25を設けてある。なお、３
は固定部21の下面に設けた粘着テープであり、又、薄肉
部に代えて屈曲性に富む材料で床面固定部21と起立片部
24とを連結してもよい。

したがって、前記巾木台20を、その床面固定部21の下
面に貼着した粘着テープ３で床面１の隅部に仮止めした
後、切り欠き溝21aに沿って釘４を打ちつけて固定す
る。ついで、前記起立片部24を薄肉部23から前記床面固
定部21に対して略直角に曲げ起こし、第２係止部25を第
１係止部22に係止することにより、壁体２と起立片部24
とで凹溝26を形成する。そして、この凹溝26に巾木本体
10の下端部12を嵌合して位置決めした後、巾木先端部10
の切り欠き溝部11から釘５を打ちつけ、巾木本体10を壁
体２に固定することにより、施工が完了する。

本実施例によれば、巾木台20が長尺のプラスチック製
であり、可撓性を有するため、気候の変化によって床面
１が浮き沈みすると、これにつれて巾木台20も浮き沈み
するが、巾木本体10の下端部12は巾木台20の起立片部24
で常時隠されているので、巾木台20と巾木本体10の下端
部12との間に隙間が生じないので、見映えが良い。

なお、前記実施例では粘着テープ３で巾木台20を床面
１に仮止めする場合について説明したが、必ずしもこれ
に限らず、接着剤を利用してもよく、仮止めすることな
く、直接釘打ちしてもよい。

また、仕上がりを良くするために巾木台20の室内から
見える部分には、巾木本体10と同柄のシートを貼り付け
てもよく、印刷しておいてもよい。

さらに、本考案にかかる室内用隅部材は巾木台に限ら
ず、前記凹溝内に化粧用壁板の下端部を位置決めすれ
ば、巾木としても利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案にかかる室内用隅部材を巾
木台に適用した場合の一実施例を示し、第１図は組立途
中を示す断面図、第２図は組立完了後を示す断面図、第
３図は従来例にかる部分斜視図である。 １……床面、２……壁体、10……巾木本体、20……巾木
台（合成樹脂製室内用隅部材）、21……床面固定部、22
……第１係止部、23……薄肉部（屈曲部）、24……起立
片部、25……第２係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】壁体内側面の直下に位置する床面の隅部に
   固定される長尺の室内用隅部材において、 長手方向の一側に上方に向かって突出する第１係止部を
   有する平板状の床面固定部と、この床面固定部の他側に
   屈曲部を介して略同一平面上に延在した起立片部と、こ
   の起立片部の略中央部に、前記起立片部を前記床面固定
   部に対して略直角に折り曲げたとき、前記第１係止部に
   係合するように突設した第２係止部とからなることを特
   徴とする合成樹脂製室内用隅部材。