JPH0327153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は建築、構築物等の出隅部あるいは入隅
部のいずれにも使用できる建築用出・入隅兼用部
材に関するものである。 （従来技術） 従来、建築用出・入隅兼用部材として第５図示
の如く、単に長尺の薄板１０を長手方向に沿つて
中心から断面略直角状に折曲形成したものは広く
知られている。 〔考案が解決しようとする問題点） ところが、上記従来の建築用出・入隅兼用部材
は、これを第６〜７図示のように建物の出隅部あ
るいは入隅部に釘１１等により取付ける際に、取
付物１２と接する前記部材の面は単なる平滑面で
あるため、前記取付物１２との間に滑りを生じ、
所定位置（取付位置）に確実、かつ迅速に取付け
ることができず、取付時の安定性が非常に悪いと
いう問題点があつたとともに釘打ち後の釘頭部１
３が部材の表面に突出し、該釘頭部１３により作
業者が指先を傷付けたり、あるいは衣服等を引掛
けたりして作業の妨げになる等の問題点があつ
た。 また例えば実開昭60−82043号公報の如く、
出・入隅兼用部材に用いることができるようにし
たものもあるが、このものは施工時に止めビス頭
部が外面上へ突出することによる美観の低下を防
ぎ、しかも外装パネルの表面が凹凸面であつても
該外装パネルとの間の水密性を確保し得るコーナ
部施工部材を提供することを目的とするものであ
るため、出隅に用いる場合と入隅に用いる場合で
はビス止め用の凹所とシーリング材保持用の凹所
の形成位置が異つてくるため、部材本体の形状を
変えないと使用できない。即ち一部材で出・入隅
部材を兼用することができないという大きな問題
点があつた。 さらにまた実開昭58−132060号公報あるいは実
開昭61−184044号公報の如く、隅部材を、出・入
隅兼用とするものもあるが、このものはいずれも
２部材、即ち表面部材と裏面部材からなるもの
で、該両部材を相互に嵌合して一体とすることに
より使用に供し得るものであり、一枚の薄板部材
からなるものに比して使用材料が多く、不経済で
あり、また形状も筐型となる等使用形態も全く異
るものである。 本考案は上記問題点を解決し、取付物との間に
滑りを生ずることなく所定位置に確実、かつ迅速
に取付けることができる施工時におけるおさまり
ならびに安定性に優れ、しかも釘打ちが容易であ
るとともに釘打ち後の釘頭部により作業者が指先
を傷付けたり、あるいは衣服等を引掛けたりして
作業を妨害することのない施工作業能率のよい、
かつ経済的にして安価な建築用出・入隅兼用部材
を提供することを目的とするものである。 （問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、断面略直角
状に折曲形成した薄板状出・入隅兼用部材本体の
折曲中心より所要距離隔てた左右対称の位置に、
所要巾からなる同形の釘打込み兼滑止め用角波型
凹凸条溝を前記薄板状出・入隅兼用部材本体の長
手方向に沿つて折曲中心側および折曲終端側にそ
れぞれ凹凸条溝の凹部が位置するよう所要数平行
に形成するとともに前記折曲終端側凹部の立上り
端縁を凸部と略同一高さとなし、かつ前記凹凸部
の各凹面側に釘打用凹溝を設けたことを特徴とす
るものである。 （作用） 施工に際し出隅用の場合は、第３図示のよう
に、また入隅用の場合は第４図示のように、いず
れも薄板状出・入隅兼用部材本体１の釘打込み兼
滑止め用角波型凹凸条溝２の各凹部２ａを釘打ち
して取付けるものであり、従つて１個の部材で、
しかもその形状を変えることなく出・入隅兼用部
材として使用することができるものであるばかり
でなく、この際釘３の頭部４は前記凹部２ａ内に
位置して前記釘打込み兼滑止め用角波型凹凸条溝
２の凸部２ｂ上面より上に突出せず、従つて前記
釘頭部４により作業者が指先を傷付けたり、衣服
等を引掛けたりすることがなく、施工作業を能率
的に行うことができる。 （実施例） 第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、
１は断面略直角状に折曲形成した薄板状出・入隅
兼用部材本体であつて、金属板、プラスチツク板
等適宜の材料で形成されている。２，２は釘打込
み兼滑止め用角波型凹凸条溝であつて、前記薄板
状出・入隅兼用部材本体１の折曲中心ａより所要
距離隔てた左右対称位置に、所要巾をもつて前記
薄板状出・入隅兼用部材本体１の長手方向に沿つ
て折曲中心ａ側および折曲終端側にそれぞれ凹凸
条溝２，２の凹部２ａが位置するよう所要数平行
かつ同形に形成されている。２ａは前記凹凸条溝
２，２の凹部、２ｂは同凸部、２ｃは釘打用凹溝
であつて、前記凹凸部２ａ，２ｂの凹面側に設け
られている。２ｄは折曲終端側凹部２ａの立上り
端縁であつて、前記凸部２ｂと略同一高さに形成
されている。３は釘、４は釘頭部、５は取付物で
ある。 （効果） 以上説明したように本考案によれば、断面略直
角状に折曲形成した薄板状出・入隅兼用部材本体
の折曲中心より所要距離隔てた左右対称の位置
に、所要巾からなる同形の釘打込み兼滑止め用角
波型凹凸条溝を前記薄板状出・入隅兼用部材本体
の長手方向に沿つて折曲中心側および折曲終端側
にそれぞれ凹凸条溝の凹部が位置するよう所要数
平行に形成するとともに前記折曲終端側凹部の立
上り端縁を凸部と略同一高さとなし、かつ前記凹
凸部の各凹面側に釘打用凹溝を設けたものである
から、これを建物の出隅部あるいは入隅部に釘打
ち等により取付ける際に、前記釘打込み兼滑止め
用角波型凹凸条溝の存在により薄板状出・入隅兼
用部材本体と取付物の取付面との間に滑りを生ず
ることなく容易に所定位置に確実かつ迅速に釘打
ちすることができるものであり、取付時のおさま
りならびに安定性に優れたものであるとともに取
付時の釘打ちは出隅・入隅いずれの場合も前記釘
打込み兼滑止め用角波型凹凸条溝の各凹凸部の凹
面側に設けた釘打用凹溝内において行われるもの
であるから、釘打ちを容易に行うことができ、ま
た釘打ち後の釘頭部は前記凹部内にかくれてしま
い、従つて前記釘頭部によつて作業者が指先を傷
付けたり、あるいは衣服等を引掛けたりして作業
が妨害されたりすることがないとともに薄板状
出・入隅兼用部材本体の折曲終端側凹部の立上り
端縁を凹凸条溝の凸部と略同一高さとなしたた
め、出隅の場合には前記立上り縁が釘打ち等の際
に邪魔になることはなく、また入隅の場合には前
記立上り縁が取付物の面に接しこれが部材本体の
滑り防止に役立つばかりでなく、部材本体を安定
した状態で所定位置に取付けることができ、施工
作業を能率的に行うことができる他、１部材で、
かつ部材本体の形状を変えることなく、出隅、入
隅の両方に使用することができるので甚だ経済的
であり、安価に供給し得る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、第１図は一部切欠斜視図、第２図は同断面
図、第３図は出隅部に用いた場合の一例を示す横
断平面図、第４図は入隅部に用いた場合の一例を
示す横断平面図、第５図は従来品の一部切欠斜視
図、第６〜７図は同従来品の出隅・入隅の各使用
例を示す横断平面図である。 １……薄板状出・入隅兼用部材本体、２……釘
打込み兼滑止め用角波型凹凸条溝、２ａ……凹
部、２ｂ……凸部、２ｃ……釘打用凹溝、２ｄ…
…立上り端縁、３……釘、４……釘頭部、５……
取付物、ａ……折曲中心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面略直角状に折曲形成した薄板状出・入隅兼
   用部材本体の折曲中心より所要距離隔てた左右対
   称の位置に、所要巾からなる同形の釘打込み兼滑
   止め用角波型凹凸条溝を前記薄板状出・入隅兼用
   部材本体の長手方向に沿つて折曲中心側および折
   曲終端側にそれぞれ凹凸条溝の凹部が位置するよ
   う所要数平行に形成するとともに前記折曲終端側
   凹部の立上り端縁を凸部と略同一高さとなし、か
   つ前記凹凸部の各凹面側に釘打用凹溝を設けたこ
   とを特徴とする建築用出・入隅兼用部材。