JP3627567B2 - 出隅材の留付金具及び留付構造 - Google Patents

出隅材の留付金具及び留付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の出隅(凸コーナー部)を覆う出隅材の留付のための金具と、この金具を用いた出隅材留付構造とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
出隅材の留付金具及び留付構造の従来例として、実公昭58−7881号に記載のものがある。この従来例にあっては、出隅材の裏側(躯体側)に長手方向に溝が設けられ、留付金具の一端をこの溝に係合させ、留付金具の他端側を躯体の柱に釘により固定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
出隅材は上下方向に長い長尺物であるから、裏側の溝も上下に長く延在する。上記従来例にあっては、この溝に留付金具の一端を係合させてから出隅材を柱に沿わせ、留付金具の他端側を釘で柱に留付けるようにしているのであるが、出隅材を柱に沿わせたときに出隅材が溝に沿ってずり落ちてしまい、作業に手間取る。
【0004】
本発明はこのような留付金具のずり落ちがなく、留付施工作業を容易かつ迅速に行うことが可能な出隅材の留付金具と、それを用いた出隅材の留付構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の留付金具は、直角よりも若干小さい角度にて交わる短片及び長片を有したL字形の金具であって、該短片及び長片の同じサイドの側辺にそれぞれ切込部が設けられたL形金具Aと、これと同一形状のL形金具Bとで構成された留付金具であって、該L形金具A及びBの短片の切込部同士を係合させると共に、該L形金具A及びBの長片同士を係合させてなるものである。
【0006】
本発明の出隅材の留付構造は、長手方向に延在する溝が出隅材の裏側に設けられ、この溝に留付金具の一端を係合させ、留付金具の他端側を躯体側に留付けた出隅材の留付構造において、該出隅材は、ほぼ直角に交わる第1の溝面aと第2の溝面bとを備えており、前記留付金具は請求項1の留付金具であり、該留付金具のL形金具Aの短片を溝面aに係合させると共に、L形金具Bの短片を溝面bに係合させ、各L形金具A,Bの長片を躯体側に固定して出隅材を躯体側に留付けたことを特徴とするものである。
【0007】
この留付構造は、各L形金具の短片と長片との交叉角度が90°よりも小さいので、L形金具A及びL形金具Bの短片をそれぞれ出隅材の溝に差し込み、両者の切込部同士を係合させると、各L形金具の長片と短片との交叉角度が90°になろうとし、且つ短片は溝の内面に押し付けられるようになる。この結果、留付金具は出隅材を縦にしても溝内をずり落ちないものとなる。従って、留付金具を正確に予定位置に配置した状態にて出隅材を柱等に沿わせ、釘打ち等によって固定することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は実施の形態に係る留付金具を構成するL形金具A,Bの構成図であり、図2,3はこの留付金具と出隅材との係合関係を示す斜視図である。
【0009】
このL形金具A,Bは同一形状のものであり、それぞれ長片2及び短片3を有した略L字形状のものである。長片2と短片3とは90°よりも若干小さい角度(例えば80〜87°程度、この実施の形態は85°)にて交叉している。長片2と短片3の同サイドの側辺には、この交叉辺と平行方向に延在する切込部4,5が形成されている。
【0010】
この切込部4,5は入口側がテーパ状に広がっており、両L形金具A,Bを係合させるときに切込部4,4同士及び切込部5,5同士が相互に入り込み易いものとなっている。
【0011】
長片2には複数個の釘孔6が設けられているが、細長い1本の孔を設けても良い。
【0012】
図2の通り、出隅材10の裏側の角部には、該出隅材10の長手方向と垂直な断面において正方形状となる切欠溝部11が設けられると共に、この切欠溝部11の交叉2面を延長した方向にスリット状の溝12,13が形成されている。これにより、出隅材10には直交する1組の溝面a,bが形成されている。
【0013】
図2の通り、L形金具Bの短片3をこの溝面bに沿わせるようにして、かつ切込部4,5が上向きとなるようにして溝12に差し込む。また、L形金具Aの短片3を溝面aに沿わせるようにして、かつ切込部4,5が下向きとなるようにして溝13に差し込む。そして、L形金具Aを下方にずらすこと、及びL形金具Bを上方にずらすことの一方又は双方を行うことにより、両L形金具A,Bの切込部4,4同士及び切込部5,5同士を係合させる。この際、前記の通り、切込部4,5の入口側がテーパ状となっているので、両者はスムーズに係合する。
【0014】
図3の通り、L形金具A,B同士を係合させると、各L形金具A,Bにあっては長片2と短片3とが直角になり、金具Aにあっては長片2が図3のα方向に復元しようとし、金具Bにあっては長片2がβ方向に復元しようとし、金具A,B同士が弾性的に絡まった状態となる。また、金具Aの短片3が溝面aに押し付けられ、金具Bの短片3が溝面bに押し付けられ、これによってL形金具A,Bが溝12,13に沿ってずり落ちないようになる。
【0015】
このようにL形金具A,Bが出隅材10の所定高さに保持され、該出隅材10から金具A,Bの長片2,2が直交して延出するので、各長片2を柱や胴縁に当て、釘孔6を通して釘打ちすることにより出隅材10を建物の出隅に簡単に取り付けることができる。
【0016】
図4はこの出隅材の留付構造の一例を示す水平断面図であり、柱20の出隅側の交叉2面にそれぞれ胴縁21,22が釘打ち等により固定されている。
【0017】
出隅材10’に装着されたL形金具A,Bの長片2,2をこの胴縁21,22の外面に当て、釘(図示略)を打って該出隅材10’を出隅に取り付けている。
【0018】
なお、この出隅材10’は外壁パネル23の端縁に被る張出部18,19を備えているものであるが、切欠溝部11及び溝12,13付近の構成は図2,3と同一であり、溝面a,bに金具A,Bの短片3が押し付けられている。
【0019】
上記実施の形態では出隅材に2条の溝12,13を形成しているが、図5の出隅材10”のように直交する2つの溝面a,bを有した1条の溝14のみを設けてもよい。この溝14は直角三角形断面形状のものであるが、方形断面形状のもの等であってもよい。この溝面a,bにL形金具A,Bの短片3,3が押し付けられ、直交する長片2,2が胴縁21,22に釘打ちにより固定されている構成は図4と同じである。
【0020】
なお、この実施の形態では、出隅材10”は前記の張出部は有しておらず、その代りに出隅材10”と外装パネル23との間にスペーサ(ジョイナと称されることもある。)24が介在されている。この出隅材10”と外装パネル23との間隙にシーリング材が充填される。
【0021】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、留付金具が出隅材の所定高さに保持されるので、出隅材の目的とする高さに留付金具を装着しておいて、出隅材を出隅に取り付け施工する作業がきわめて容易になり、作業能率が顕著に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る留付金具のL形金具の構成を示すものであり、(a)図は平面図、(b)図は正面図、(c)図は底面図、(d)図は右側面図である。
【図2】留付金具と出隅材との係合関係を示す分解斜視図である。
【図3】留付金具と出隅材との係合関係を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係る出隅材10’の取付状態を示す水平断面図である。
【図5】実施の形態に係る出隅材10”の取付状態を示す水平断面図である。
【符号の説明】
A,B L形金具
a,b 溝面
2 長片
3 短片
4,5 切込部
6 釘孔
10,10’,10” 出隅材
11 切欠溝部
12,13,14 溝
20 柱
21,22 胴縁
23 外装パネル
24 スペーサ

Claims (2)

  1. 直角よりも若干小さい角度にて交わる短片及び長片を有したL字形の金具であって、該短片及び長片の同じサイドの側辺にそれぞれ切込部が設けられたL形金具Aと、
    これと同一形状のL形金具Bとで構成された留付金具であって、
    該L形金具A及びBの短片の切込部同士を係合させると共に、該L形金具A及びBの長片同士を係合させてなる出隅材の留付金具。
  2. 長手方向に延在する溝が出隅材の裏側に設けられ、この溝に留付金具の一端を係合させ、留付金具の他端側を躯体側に留付けた出隅材の留付構造において、
    該出隅材は、ほぼ直角に交わる第1の溝面aと第2の溝面bとを備えており、
    前記留付金具は請求項1の留付金具であり、
    該留付金具のL形金具Aの短片を溝面aに係合させると共に、L形金具Bの短片を溝面bに係合させ、各L形金具A,Bの長片を躯体側に固定して出隅材を躯体側に留付けたことを特徴とする出隅材の留付構造。
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