JPS627839Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は軽金属製襖の建付け調整装置に用いら
れる止金具の構造に関する。

（従来技術） この種の建付け調整装置は、竪横框で襖芯材の
端縁を覆うとともに、各框の接合部を連結具で連
結し、前記襖芯材の隅角部にには調節ビスを螺入
し、この調節ビスの頭部が前記連結具に当接する
ことにより、調節ビスの突出量で框と襖芯材との
間隔を調整するようになされており、例えば実開
昭51−41334号公報に記載されている。

上記建付け調整装置には、一般に止金具なる部
材を襖芯材の隅角部に配設している。この止金具
は、通常は立上り片と底片を備えたＬ字状の金属
板から構成され、さらに立上り片の先端に爪を突
設するとともに、底片には調節ビス螺合用のネジ
孔を設けている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の止金具は、立上り片が襖芯材の側端
縁に接合するものであるため、当該Ｌ字状の止金
具は襖の摺動方向に屈曲することとなり、その結
果、襖の摺動により少なからず受ける曲げ応力に
対し、その屈曲部が繰り返し荷重による疲労を受
けることとなる。又、止金具は、立上り片の爪を
襖芯材に打ち込むことにより固定されるが、この
爪の打ち込み方向は襖の摺動方向と一致するた
め、襖の摺動により立上り片に衝撃が加わると、
この衝撃は爪が抜け出る方向に作用し、止金具の
固定を不安定なものとする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、止
金具を改良することにより、上記欠点を除去する
ことを目的とする。

すなわち、本考案は、竪横框で襖芯材の端縁を
覆うとともに、各框の接合部を連結具で連結し、
前記襖芯材の隅角部にには調節ビスを螺入し、こ
の調節ビスの頭部が前記連結具に当接することに
より、調節ビスの突出量で框と襖芯材との間隔を
調節する形式の建付け調整装置において、前記連
結具の内側に配設される止金具を改良したもの
で、前記襖芯材の表面に接合する基板と、該基板
の下端に設けられ襖の前後方向に屈曲される屈折
片と、前記基板の端縁に設けられ前記屈折片の突
出方向でかつ直角方向に突出する複数の爪と、前
記屈折片に設けられ前記調節ビスが螺合するネジ
孔とからなる止金具を提供するものである。

（実施例） 以下に本考案を実施例に基いて説明する。

襖芯材１は、それにダンボールを積層したも
の、あるいは発泡スチロール板等を使用し、各隅
角部に止金具２，３を取付け、高さ中間部の左右
両端に掛止金具４を取付けてある。そのうち、止
金具２，３は、第８図に示すように、芯材１の一
面と接合する基板５に上端面又は下端面と接合す
る屈折片６を設け、基板５の内側端縁に爪７を直
角方向へ突設し、屈折片６の中央部にネジ孔８が
設けてあつて、爪７を芯材１に打ち込んで基板５
を固着し、下部止金具３についてはネジ孔８に調
節ビス９を螺入して芯材１に刺し込んである。掛
止金具４は、第１０図に示すように、断面開きコ
字形に形成し、開放両縁に爪１０を内向きに列設
し、両側片１１，１１に逆止爪１２を上下１対づ
つ設け、その逆止爪１２を抜き起こしにより形成
してあつて、両側片１１，１１で芯材１の端部を
挾んでそれに爪１０を打ち込むことにより取付け
てある。

次に、竪框１３，１３と上下横框１４，１５は
合成樹脂の連結具１６を介して組合わせてあり、
そのうち、竪框１３は、断面コ字形の樋状に形成
し、両側壁１７，１７の内面に開放部近くとそれ
より内部に突条１８，１９を形成し、両側壁１
７，１７で芯材１の端部を挾み、掛止金具４の逆
止爪１２に内部突条１９を引つ掛けてある。この
取付け方ではその操作が簡単で離脱を防止でき
る。また、横框１４，１５は、同じく断面コ字形
の樋状に形成し、両側壁２０，２０の内面の奥部
に突条２１を形成してある。

連結具１６は、露出片２２より横框１４，１５
の突条２１と底壁２３間に嵌まる楔片２４と、竪
框１３内に嵌まるコ字形に屈曲した係合片２５を
突設し、楔片２４の両側に横框１４，１５の側壁
２０に圧接する三角形の突部２６を設け、係合片
２５には竪框１３の奥部突条１９と上下動のみし
得るように係合する割溝２７を形成し、露出片２
２の中央部に調節ビス９に対応してその頭部９ａ
より径が小さい操作孔２８を設けると共に、操作
孔２８の内端部をビス９の頭部９ａが嵌まるよう
に開拡してある。

この考案は上記の構成であるから、下横框１５
に取付けた連結具１６の操作孔２８よりドライバ
ーを差し込んで、調節ビス９を螺進方向と反対に
回転すると、操作孔２８が調節ビス９の頭部９ａ
より径が小さいので、その頭部９ａで連結具１６
が下へ押されるが、連結具１６は、その楔片２４
が下横框１５に打ち込まれて固定され、係合片２
５が竪框１３にそれに対して上下動のみするよう
に嵌込まれているため、連結具１６が下へ押され
ることによつて、その部分で下横框１５が芯材１
や竪框１３に対して下動する。従つて、右側調節
ビス９を上記の如く操作すれば襖は左へ傾き、左
側調節ビス９を同様に操作すれば、襖は右へ傾く
ので、両方の調節ビス９を必要に応じて適当に操
作することにより建付け調整ができる。なお、こ
の実施例では、上端の止金具２には調節ビスは螺
入しなかつたが、それは下端だけで大低の建付け
調整ができるからで、大幅な建付け調整を期待す
る場合には上端の止金具２にも調節ビスを螺入し
ておく。また、上横框１４とそれに嵌まる連結具
１６の楔片２４の差し込み程度を変えることによ
つて微妙な建付け調整もできる。

本考案は以上説明したように、軽金属製襖の建
付け調整装置に用いられる止金具であつて、襖芯
材の表面に接合する基板と、該基板の下端に設け
られ襖の前後方向に屈曲される屈折片と、前記基
板の端縁に設けられ前記屈折片の突出方向でかつ
直角方向に突出する複数の爪と、前記屈折片に設
けられ前記調節ビスが螺合するネジ孔とからなる
ものであるため、基板の爪は芯材に食込んで該基
板の取付けを確固たるものとし、同時に、ネジ孔
に螺入する調整ビスに対しその固定部たるべき前
記屈曲片の固定位置決めを確保することができ
る。さらに、前記基板に形成された屈曲片は襖の
摺動方向に対して平行ではなく直角方向に屈曲さ
れているので、平行方向に屈曲された従来のもの
に比し、襖の摺動による曲げ応力には極めて強
く、又、基板の内側端縁に突設した爪は、これま
た屈折片から直角方向へ突設しているので、屈折
片にかかる衝撃は爪の側面で芯材に吸収され、従
来の止金具のように不安定な固定となることがな
い。しかも、従来の止金具の立上り片は襖芯材の
側端縁に接合するものであるため、止金具は必然
的に襖芯材の隅角部に配設されるものであり、従
つて調節ビスが螺合するネジ孔の位置を一旦底片
に決定してしまうと、ネジの取付け位置はその位
置に拘束されてしまう不都合があつたのに対し、
前記立上り片に対応する本考案の基板は襖芯材の
表面に接合するものであるため、止金具自体は襖
芯材の隅角部を覆うような位置に配設されなくて
もよくなり、これにより止金具の取付け位置を任
意とすることができる結果、止金具の設計に自由
度をもたらして、経済的かつ合理的な形状に形成
することができ、従つて調節ビス螺合用のネジ孔
を任意の位置に設けることができ、従来の止金具
のような位置の拘束といつた不都合を生じること
がない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は襖の
正面図、第２図は襖を分解した正面図、第３図は
襖の上端隅角部を正面から見た断面図、第４図は
下半右端部を正面から見た断面図、第５図は第４
図に対応する襖の底面図、第６図は第４図Ａ−Ａ
線矢視断面図、第７図はＢ−Ｂ線矢視断面図、第
８図ａ，ｂ，ｃは止金具の平面図、正面図、側面
図、第９図ａ，ｂ，ｃは連結具の平面図、正面
図、側面図、第１０図は掛止金具の斜視図であ
る。 １……襖芯材、２，３……止金具、４……掛止
金具、５……止金具の基板、６……屈折片、７…
…爪、８……ネジ孔、９……調節ビス、９ａ……
調節ビスの頭部、１０……爪、１１……掛止金具
の両側片、１２……逆止片、１３……竪框、１４
……上横框、１５……下横框、１６……連結具、
１７……竪框の側壁、１８，１９……突条、２０
……横框の側壁、２１……突条、２２……露出
片、２３……横框の底壁、２４……楔片、２５…
…係合片、２６……突部、２７……割溝、２８…
…操作孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 竪横框１３，１４，１５で襖芯材１の端縁を覆
   うとともに、各框の接合部を連結具１６で連結
   し、前記襖芯材の隅角部にには調節ビス９を螺入
   し、この調節ビスの頭部９ａが前記連結具に当接
   することにより、調節ビス９の突出量で框と襖芯
   材との間隔を調節する形式の建付け調整装置にお
   いて、前記連結具の内側に配設される止金具であ
   つて、前記襖芯材の表面に接合する基板５と、該
   基板の下端に設けられ襖の前後方向に屈曲される
   屈折片６と、前記基板の端縁に設けられ前記屈折
   片の突出方向でかつ直角方向に突出する複数の爪
   ７，７と、前記屈折片に設けられ前記調節ビスが
   螺合するネジ孔８とからなることを特徴とする軽
   金属製襖における建付け調整装置の止金具。