JPH0622070Y2 - 化粧縁の取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、建築物外装の窓飾りや幕板など化粧縁の取付
け構造に関する。

［従来の技術とその問題点］ 外観に立体感や装飾性を与えるため外壁材と同質の材
料、即ち無機質系の化粧縁を取付けることがあるが、化
粧縁の表面から釘打ちすると釘頭が露出するため外観が
悪くなるだけでなく化粧縁の端面同志の突き付け部にズ
レや隙間を生じやすい。

又、防水材で化粧縁同志の突き付け部や外壁仕上げ材と
の隙間に防水処理を施すが、凹凸部やサッシュの隙間な
ど狭いところを完全に防水処理することは困難であり、
いったん雨水が進入すると化粧縁裏面と下地面との接触
面で乾きにくいため躯体が腐朽するといった問題もあっ
た。

［目的］ 本考案は、化粧縁の取付けにおいて、釘頭が露出せず、
又、化粧縁同志の突き付け部にズレや隙間を生じにくく
して外観を向上させると共に耐久性を向上させることを
目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決し、目的を達成するために、本考案
は、外壁下地に取付けられる長尺基材と、前記長尺基材
表面に固着される基部を有すると共に基部から２方に広
がって立ち上がる弾性突片を有する係止片と、該係止片
を嵌合する末広がりの凹条溝を裏面に設けた化粧縁とか
らなり、前記複数の化粧縁をその端面同志を防水材を介
して当接してなることを特徴とする。

［作用］ 本考案にかかる化粧縁の取付け構造は、あらかじめ所定
位置に長尺基材を取付け、その上に係止片を固着し、化
粧縁の裏面に係止片を嵌合するので釘頭を露出させずに
施工でき、また、係止片を精度良く配することができる
ので化粧縁同志の突き付け部にズレを生じさせることが
ないと共に、化粧縁を係止片をガイドにしてスライドさ
せたり係止片の弾性を利用して突き付け方向に押すよう
にして取付けることができるので防水材を介して押さえ
ながら施工でき化粧縁の端面同志の間に隙間が生じな
い。

また、万一雨水が化粧縁の裏面に進入しても化粧縁裏面
と下地材との間に空隙が有り、接触面が小さいので乾燥
が速く躯体を腐朽させることがない。

［本考案の構成］ 以下図面に示す本考案の実施例により詳細を説明する
と、第１図は窓飾りとして用いる化粧縁の取付け構造で
あり、第２図はその施工例の全体正面図、第３図はその
分解斜視図である。

第１図において、１は開口枠、２は胴縁に防水紙を配す
るなどにより構成した外壁下地、３は長尺基材、４は係
止片、５は化粧縁、６は外壁仕上げ材、８はサッシュで
あり、化粧縁５は第２図に示すようにその端面５ｂ同志
を留め加工により防水材７を介して当接してある。

長尺基材３は所定の厚みを持ち下地材２と化粧縁５の間
に空隙部９を形成する役割も果たしている。

第３図に示すように長尺基材３は孔３ａを有し、下地材
２に釘着する一方、ビス３ｂにより係止片４の基部４ａ
を固着する。

係止片４は、基部４ａと、そこから２方に広がって立上
がる弾性突片４ｂを有し、化粧縁材５の裏面に設けた凹
条溝５ａに嵌合している。

なお、化粧縁５は、セメント等の無機質材を押出成形に
より裏面の凹条溝５ａを表面の凹凸と同時に形成したも
のであり、末広がりの凹条溝の形成が容易であると共
に、硬質で脆いため釘打ちにより割れを生じるおそれが
あり係止片による施工は好適である。

本考案の施工手順を説明すると、開口部付近の下地材２
の所定位置に長尺基材３を表面から釘により取り付け
る。

なお、長尺基材３は亜鉛鉄板や樹脂材からなり切断や取
付けが精度良く成される。

長尺基材３表面にビス３ｂにより係止片４を所定間隔に
固着し、最初の化粧縁５をその裏面の凹条溝５ａを係止
片４の弾性突片４ｂ嵌合して取付け、その端面に樹脂発
泡体やゴムよりなるバックアップ材やコーキング材より
なる防水材７を配し、次ぎの化粧縁５を対応する係止片
４に取り付け、端面５ｂ側に押し付けるようにスライド
させ、順次施工する。最後の化粧縁５は正面から係止片
４の弾性突片４ａを化粧縁５の凹条溝５ａに沿って内方
に押し込むように変形させて取付ける。

その後、外壁仕上げ材６を化粧縁の外側面に取付け各隙
間をコーキング材でシールする。

以上のように化粧縁５は係止片４の弾性突片４ｂにより
取り付けられているので外壁仕上げ材６や化粧縁５、５
同志の当接面において防水材を介して密接し会うので水
密性が上がると共に、化粧縁裏面に水が滞留することが
少なく耐久性が向上する。

なお、第２実施例として第４図に示すような形状で長尺
基材３と係止片４はあらかじめ一体化されたものでもよ
く、要は化粧縁５の凹条溝５ａに嵌合固定するものであ
ればよい。

［効果］ 上記のように構成されているので、本考案の化粧縁の取
り付け構造は釘頭が露出せず、又、化粧縁同志の突き付
け部にズレや隙間を生じることがなく外観を向上させる
と共に躯体を腐朽させることがないのでの耐久性を向上
させるといういう効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の第１実施例の断面図、第２図は、第
１実施例の全体正面図、第３図は第１実施例の分解斜視
図、第４図は、第２実施例の断面図である。 １…開口枠、２…外壁下地材 ３…長尺基材、４…係止片 ５…化粧縁、６…外壁仕上げ材 ７…防水材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外壁下地に取付けられる長尺基材と、前記
   長尺基材表面に固着される基部を有すると共に基部から
   ２方に広がって立ち上がる弾性突片を有する係止片と、
   該係止片を嵌合する末広がりの凹条溝を裏面に設けた化
   粧縁とからなり、前記複数の化粧縁をその端面同志を防
   水材を介して当接してなることを特徴とする化粧縁の取
   付け構造。