JPS6332826B2 - - Google Patents

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JPS6332826B2
JPS6332826B2 JP60099688A JP9968885A JPS6332826B2 JP S6332826 B2 JPS6332826 B2 JP S6332826B2 JP 60099688 A JP60099688 A JP 60099688A JP 9968885 A JP9968885 A JP 9968885A JP S6332826 B2 JPS6332826 B2 JP S6332826B2
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JP
Japan
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weight
vinyl ether
parts
group
paint
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Application number
JP60099688A
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English (en)
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JPS61258852A (ja
Inventor
Takashi Izumi
Sakae Murakami
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Priority to US06/808,241 priority patent/US4701508A/en
Priority to DE8585309108T priority patent/DE3582129D1/de
Priority to EP85309108A priority patent/EP0185526B1/en
Priority to CA000497688A priority patent/CA1257737A/en
Publication of JPS61258852A publication Critical patent/JPS61258852A/ja
Priority to US07/082,197 priority patent/US4751114A/en
Publication of JPS6332826B2 publication Critical patent/JPS6332826B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は金属等の基材との接着性が良好なフツ
素系塗料に関する。 〔従来の技術〕 建築物、車輌、船舶、航空機等の外装分野には
耐候性、耐久性の優れた塗料が要求され、ポリエ
ステル系またはアクリル系の高級外装塗料が利用
されている。しかし、既存塗料の屋外耐用年数は
短く、上述の高級塗料でさえ数年で美観と基材保
護作用を失う。 一方、フツ素系重合体は熱的にも化学的にも極
めて安定であり、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐
溶剤性あるいは離型性、低摩擦性、撥水性に優れ
ているので、各種基材の表面処理材として好適で
ある。しかし、従来知られているフツ素系重合体
は、前述のような性質が災いして、有機溶媒に溶
け難く塗膜の形成が困難であつて、塗料として非
常に使用し難い。たとえば、現在知られているフ
ツ素系重合体の塗料は粉体塗料が多く、僅かに
PVdF(ポリビニリデンフルオライド)が高温下
に特定の溶媒に溶解する性質を利用して有機溶媒
分散型塗料として用いられているに過ぎない。し
かもこれらのフツ素系重合体の塗料は、皮膜形成
の際に高温の焼付が必要であるので、その利用分
野が加熱設備のできる場所に制限される。また加
熱設備の存在及び焼付工程の存在は、作業に従事
する人の安全面や作業場の環境面から好ましいも
のではない。そこで、近年になり溶剤可溶性ある
いは高温での焼付工程の必要のないフツ素系重合
体の開発が試みられている。 たとえば特願昭59−263017号(特開昭61−
141713号)で本出願人が出願した特許出願には、
フルオロオレフイン、ビニルエーテル、オレフイ
ン性不飽和結合および加水分解可能な基をもつ有
機珪素化合物からなる3元共重合体が開示してあ
り、この共重合体は有機溶剤に可溶であつて、常
温で硬化させることが可能である。 しかし、このフツ素系重合体を有機溶剤に溶解
して塗料として使用した場合、基材上に塗装され
てできた皮膜は耐候性、低摩擦性に優れるもの
の、基材との接着性とくに金属などの無機基材と
の接着性が悪いという問題がある。このため、上
述の塗料を基材上に塗装する際には、予め基材表
面を特殊処理したりあるいはプライマー層を形成
しておき、その上に塗装する方法が用いられる。 しかしながら、このような方法では塗装作業が
繁雑となるうえ、せつかく諸々の性質が良好なる
フツ素系重合体皮膜であるのに、プライマー層が
存在するため逆に耐溶剤性や耐候性が低下し、皮
膜の耐久性が劣る原因ともなる。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者らは、かかる状況から、プライマー層
を必要とせず、基材上に直接塗装しても接着強度
の良好なる常温硬化可能な溶液型フツ素塗料を得
んものと検討を重ね本発明に到達したものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 すなわち本発明は、 () フルオロオレフインおよびビニルエーテ
ルを必須成分とする常温硬化可能な溶剤可溶性
フツ素系重合体、 および () 有機シリケート、 および () 有機溶剤、 とからなることを特徴とする接着性良好なるフツ
素塗料に関する。 〔作用〕 本発明の塗料で使用されるフツ素系重合体。 ()は、常温で硬化することができかつ有機
溶剤に溶解する性質を有するものである。斯様な
性質をもつフツ素系重合体は、フルオロオレフイ
ン、ビニルエーテル、およびオレフイン性不飽和
結合および加水分解可能な基をもつ有機珪素化合
物と必須モノマー成分とするものであり、更に常
温において硬化剤や硬化促進触媒の存在下または
不存在下で架橋反応を起こして硬化するような有
機官能基をもつモノマー成分も有している。この
様なフツ素系重合体のより具体的な例としては、
たとえば以下に示す重合体を挙げることができ
る。 すなわち(a)フルオロオレフイン、(b)ビニルエー
テル、(c)オレフイン性不飽和結合および加水分解
可能な基をもつ有機珪素化合物とから実質的に構
成される共重合体であつて、共重合体中の(a)〜(c)
の合計モル数に対して(a):30〜70モル%、(b):20
〜60モル%、(c)1〜25モル%であつて、ゲル・バ
ーミエーシヨンクロマトグラス法によつて測定し
た数平均分子量(Mn)が3000〜200000のフツ素
系重合体である。 ここでこのフツ素系重合体は、少なくとも前述
した(a),(b)及び(c)の3種類のモノマー成分単位よ
りなるランダム共重合体である。しかし本発明の
目的を損なわない範囲で、少量の他の共重合可能
なモノマー成分、たとえばα―オレフイン類、シ
クロオレフイン類、不飽和カルボン酸類などを共
重合させていてもかまわない。 フツ素系重合体を構成するモノマー成分である
フルオロオレフイン(a)は、分子中に少なくとも1
個以上のフツ素原子をもつており、好ましくはオ
レフインの水素原子が全てフツ素系原子及び他の
ハロゲン原子とに置換されているペルハロオレフ
インがよい。更に重合性及び製造された重合体の
性質の観点からは、炭素原子数2または3のフル
オロオレフインが好ましい。 かかるフルオロオレフインの例としては、 CF2=CF2、CHF=CF2、CH2=CF2、CH2
CHF、CCIF=CF2、CHCI=CF2、CCI2=CF2
CCIF=CCIF、CHF=CCI2、CH2=CCIF、CCI2
=CCIF等のフルオロエチレン系、CF3CF=CF2
CF3CF=CHF、CH3CH=CF2、CF3CF=CH2
CF3CF=CHF、CHF2CF=CHF、CF3CH=
CH2、CH3CF=CF2、CH3CH=CF2、CH3CF=
CH2、CF2CICF=CF2、CF3CCI=CF2、CF3CF
=CFCI、CF2CICCI=CF2、CF2CICF=CFCI、
CFCI2CF=CF2、CF3CCI=CCIF、CF3CCI=
CCI2、CCIF2=CCI2、CCI3CF=CF2、CF2CICCI
=CCI2、CFCI2CCI=CCI2、CF3CF=CHCI、
CCIF2CF=CHCI、CF3CCI=CHCI、CHF2CCI
=CCI2、CF2CICH=CCI2、、CF2CICCI=CHCI、
CCI3CF=CHCI、CF2ICF=CF2、CF2BrCH=
CF2、CF3CBr=CHBr、CF2CICBr=CH2
CH2BrCF=CCI2、CF3CBr=CF2、CF2CH=
CHBr、CF2BrCH=CHF、CF2BrCF=CF2等の
フルオロプロペン系、CF3CF2CF=CF2、CF3CF
=CFCF3、CF3CH=CFCF3、CF2
CFCF2CHF2、CF3CF2CF=CH2、CF3CH=
CHCF3、CF2=CFCF2CH3、CF2=CFCH2CH3
CF3CH2CH=CH2、CF3CH=CHCH3、CF2
CHCH2CH3、CH3CF2CH=CH2、CFH2CH=
CHCFH2、CH3CF2CH=CH3、CH2
CFCH2CH3、CF3(CF22CF=CF2、CF3
(CF23CF=CF2、等の炭素原子数4以上のフル
オロオレフイン系を挙げることができる。 これらの中では、前述の如くフルオロエチレン
系及びフルオロプロペン系が好ましく、とくにテ
トラフルオロエチレン(CF2=CF2)クロロトリ
フルオロエチレン(CCIF=CF2)及びヘキサフ
ルオロプロペン(CF2=CFCF3)が好適であり、
更には安全性、取扱い性の面からヘキサフルオロ
プロペンおよびクロロトリフルオロエチレンが好
適である。 また本発明においてフルオロオレフインは、単
独で用いるほかに複数を混合して用いる態様も含
むことは勿論である。 ビニルエーテル(b)は、ビニル基とアルキル(シ
クロアルキルを含む)基、アリール(aryl)基、
アラルキル(aralkyl)基等とがエーテル結合し
た化合物であり、中でもアルキルビニルエーテ
ル、とくに炭素原子数が8以下、好ましくは2〜
4のアルキル基と結合したアルキルビニルエーテ
ルが好適である。更にはアルキル基が鎖状のアル
キルビニルエーテルが最も好適である。 かかるビニルエーテルの例としては、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
tert―ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエ
ーテル、ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、4―
メチル―1―ペンチルビニルエーテル等の鎖状ア
ルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシ
クロアルキルビニルエーテル類、フエニルビニル
エーテル、o―,m―,p―トリルビニルエーテ
ル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニ
ルエーテル、フエネチルビニルエーテル等のアラ
ルキルビニルエーテル類を挙げることができる。 これらの中ではとくに鎖状アルキル基ビニルエ
ーテル及びシクロアルキル基ビニルエーテルが好
ましく、更にはエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテルが好適で
ある。 また本発明においてビニルエーテルは、単独で
用いるほかに複数混合して用いる態様も含むこと
は勿論である。 有機珪素化合物(c)は、分子中にオレフイン性不
飽和結合及び加水分解可能な基をもつのであれば
よく、具体的には下記一般式(1)〜(3)に示されるも
のを例示することができる。 R1R2SiY1Y2 (1) R1XSiY1Y2 (2) R1SiY1Y2Y3 (3) (式中R1,R2はオレフイン性不飽和結合を有
し、炭素、水素及び任意に酸素からなり、各同一
または相異なる基である。Xはオレフイン性不飽
和結合を有しない有機基であり、Y1,Y2,Y3
各同一または相異なる加水分解可能な基である。) R1,R2のより具体的な例としては、ビニル、
アルリル(allyl)ブテニル、シクロヘキセニル、
シクロペンタジエニルがあり、とくに末満オレフ
イン性不飽和基が好ましい。その他の好ましい例
には末端不飽和酸のエステル結合を有する。 CH2=CH―O―(CH23―、 CH2=C(CH3)COO(CH23―、 CH2=C(CH3)COO(CH22―O―(CH23―、 などの基を挙げることができる。これらの中では
ビニル基が最適である。Xの具体的な例として
は、たとえば1価の炭化水素基であるメチル、エ
チル、プロピル、テトラデシル、オクタデシル、
フエニル、ベンジル、トリルなどの基があり、ま
たこれらの基は、ハロゲン置換炭化水素基でもよ
い。Y1,Y2,Y3の具体例としては、たとえばメ
トキシ、エトキシ、ブトキシ、メトキシエトキシ
のようなアルコキシ基、アルコキシアルコキシ
基、ホルミロキシ、アセトキシ、プロピオノキシ
のようなアシロキシ基、オキシムたとえば―ON
=C(CH32、―ON=CHCH2C2H5および―ON
=C(C6H52、または置換アミノ基およびアリー
ルアミノ基たとえば―NHCH3、―NHC2H5及び
―NH(C6H5)などがあり、その他任意の加水分
解し得る有機基である。 本発明において好ましく使用される有機珪素化
合物は一般式(3)で表わされる化合物であり、とく
に基Y1,Y2,Y3が等しい有機珪素化合物が適し
ている。これらの中でもR1がビニロキシアルキ
ル基(CH2=CH―O―(CH2)n―)またはビ
ニル基であり、Y1〜Y3がアルコキシ基またはア
ルコキシアルコキシ基のものが好ましく、たとえ
ばビニロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランな
どが例示できる。しかしビニルメチルジエトキシ
シラン、ビニルフエニルジメトキシシランなども
同様に用いることができる。 フツ素系重合体における(a)〜(c)のモノマー成分
の含有割合は、(a)〜(c)の合計モル数を基準として
(a):30〜70モル%、(b):20〜60モル%、(c):1〜
25モル%((a)+(b)+(c)=100である)、多くは(a):
40〜60モル%、(b):20〜50モル%、(c):5〜20モ
ル%の範囲にある。 またその分子量は、テトラヒドロフランを溶媒
にし、分子量既知の単分散ポリスチレンを標準物
質として用いて、ゲル・パミエーシヨンクロマト
グラフ法(GPC)により測定して求めた数平均
分子量(u)が通常3000〜200000、多くは5000
〜100000の範囲にある。このような組成割合及び
分子量を採ることにより、溶剤可溶性で皮膜塗装
性に優れてものになり、また後述する方法で硬化
させた後では耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、耐熱
性、機械的性質の優れたものとなる。 フツ素系重合体の別の性質として、非晶性また
は低結晶性、多くは非晶性であることが掲げられ
る。一般にはX線による結晶化度が0%、示差走
査型熱量計(DSC)で融点が観察されないもの
が多い。したがつて透明性が良好である。 ガラス転位温度(Tg)は、試料を−120℃に冷
却したのち10℃/minの昇温速度でDSCにより測
定すると、通常−60〜+20℃、多くが−40〜+5
℃の範囲にある。 光学的性質として屈折率(nD)があり、通常
1.48〜1.34、多くは1.44〜1.36の範囲にある。 このフツ素系重合体を製造するには、前記に詳
述した(a)〜(c)の各モノマーを周知のラジカル開始
剤の存在下共重合することによつて可能である。
ここで(a)〜(c)の各成分はいずれも重要であり、た
とえば(a)成分と(c)成分のみでは共重合が生じない
が、(b)成分を加えることによつて(a),(b),(c)の各
成分が共重合する。 共重合に用いるラジカル開始剤としては公知の
種々のものが使用できる。具体的には有機ペルオ
キシド、有機ペルエステルたとえばベンゾイルペ
ルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、
ジクミルペルオキシド、ジ―tert―ブチルペルオ
キシド、2,5―ジメチル―2,5―ジ(ペルオ
キシベンゾエート)ヘキシン―3、1,4―ビス
(tert―ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tert―ブチルペル
アセテート、2,5―ジメチル―2,5―ジ
(tert―ブチルペルオキシヘキシン―3、2,5
―ジメチル―2,5―ジ(tert―ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、tert―ブチルペルベンゾエート、
tert―ブチルペルフエニルアセテート、tert―ブ
チルペルイソブチレート、tert―ブチルペル―
sec―オクトエート、tert―ブチルペルピバレー
ト、クミルペルピバレート、tert―ブチルペルジ
エチルアセテートなど、その他アゾ化合物たとえ
ばアゾビス―イソブチルニトリル、ジメチルアゾ
イソブチレートなどがある。これらの中ではジク
ミルペルオキシド、ジ―tert―ブチルペルオキシ
ド、2,5―ジメチル―2,5―ジ(tert―ブチ
ルペルオキシ)ヘキシン―3、2,5―ジメチル
―2,5―ジ(tert―ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、1,4―ビス(tert―ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシ
ドが好ましい。 共重合は有機溶媒からなる反応媒体中で行われ
る。ここで使用する溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n―ヘ
キサン、シクロヘキサン、n―ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素、クロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、ヨードベンゼン、o―ブロモトルエンなどの
ハロゲン化芳香族炭化水素、テトラクロロメタ
ン、1,1,1―トリクロロエタン、テトラクロ
ロエチレン、1―クロロブタンなどのハロゲン化
脂肪族炭化水素等を挙げることができる。 共重合は、上記溶媒中ラジカル開始剤をモノマ
ーの合計モル数に対しモル比で10-2〜2×10-3
範囲で添加して行う。また重合温度は−30〜200
℃、好ましくは20〜100℃、重合圧力は0〜100
Kg/cm2・G、好ましくは0〜50Kg/cm2・Gであ
る。 有機シリケート()は、一般式 (Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリル
基もしくはアリール基、nは0もしくは11以下の
整数を表わす)により示されるテトラアルキル、
テトラアリルもしくはテトラアリールオルトシリ
ケートまたはポリアルキル、ポリアリルもしくは
ポリアリールシリケート類である。具体的にはた
とえばメチルオルトシリケート、エチルオルトシ
リケート、n―プロピルオルトシリケート、n―
ブチルオルトシリケート、n―オクチルオルトシ
リケート、フエニルオルトシリケート、ベンジル
オルトシリケート、およびフエネチルオルトシリ
ケート、アリル(allyl)オルトシリケート、メ
タアリルオルトシリケートなどがあり、さらにそ
れらのオルトシリケート類の脱水縮合によつて生
成するポリシリケート類も用いられる。炭素数が
8をこえる置換基を有する有機シリケートを用い
ると加水分解速度が低いため効率よく強固な接着
性を示す皮膜の製造を行い得ないおそれがある。
また塗装時の作業環境つまり臭いの少ない塗料を
目標にする場合にはポリシリケート類とくにn≧
2のものが好ましい。 有機溶剤()としては、通常塗料分野に用い
られており、フツ素系重合体()を溶解し得る
ものであるなら如何なるものでもよく、たとえば
ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭
化水素類、アセトン、メチルエチルケトンのよう
なケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエー
テルのようなエーテル類、トリクロルメタン、ジ
クロルエタン、クロルベンゼンのようなハロゲン
化炭化水素類等を挙げることができる。 本発明のフツ素系塗料は、以上の3成分を必須
成分とするが、さらに必要に応じて有機シリケー
トの加水分解速度つまり橋かけ反応速度を早める
ためにシラノール縮合触媒を配合してもよい。シ
ラノール縮合触媒の存在は、その種類や配合量を
変化させることにより、塗料の硬化速度を自在に
調整する作用がある。 シラノール縮合触媒は公知のものが適用できる
が、たとえばジフチル錫ジラウレート、酢酸第1
錫、オクタン酸第1錫、ナフテン酸鉛、2―エチ
ルヘキサン酸鉄、ナフテン酸コバルトの如きカル
ボン酸金属塩、有機塩基たとえばエチルアミン、
ヘキシルアミン、ジブチルアミン、ピペリジンな
ど、鉱酸および有機脂肪酸の如き酸などである。
適当なる触媒はカルボン酸のアルキル錫塩であつ
て、たとえばジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジオクトエート、ジブチル錫ジアセテートであ
る。 フツ素系重合体()と有機シリケート()
の配合割合は、種々考えられるものの、()の
配合量が少なすぎると接着性が低くなり、()
の配合量が多すぎると皮膜が脆くなるため皮膜特
性および接着性の両者の総合的バランスからは、
前者100重量部に対して後者が1〜20重量部、好
ましくは2〜18重量部とくに3〜15重量部が良
い。 またシラノール縮合触媒を併用する場合には、
触媒量が少なすぎると皮膜の硬化が遅くなり、多
すぎると接着性が低下することから、これらの両
者のバランスからはフツ素重合体100重量部に対
し、シラノール縮合触媒0.001〜10重量部好まし
くは0.005〜5重量部の配合が良い。 有機溶剤()の量はとくに規定がなく、塗装
作業性に優れた粘度になるよう適宜加えられる。 〔実施例〕 以下本発明の内容を好適な例でもつて説明する
が、とくに断わりのない限り本発明はこれらの例
に制限されるものではなく、本発明の目的を損わ
ない範囲でいかなる態様も可能である。 〔参考実験〕 実施例で使用するフツ素系重合体を以下の要領
で重合した。 内容積300c.c.のステンレス製撹拌機付オートク
レーブにベンゼン80g、エチルビニルエーテル
(EVE)8.2g、ブチルビニルエーテル(BVE)
12.6g、トリメトキシビニルシラン(TMVS)
8.0g、過酸化ジラウロイル1gを仕込み、アセ
トン、ドライアイスによる固化、脱気を行い、系
内の酸素を除去する。そののち、ヘキサフルオロ
プロペン(HFP)46gをオートクレーブ中に導
入し、昇温する。オートクレーブ内の温度が65℃
に達した時点での圧力は8.1Kg/cm2であつた。撹
拌下に8時間反応を続け、圧力が4.6Kg/cm2に達
した時点でオートクレーブを水冷し反応を停止し
た。冷却後、未反応モノマーを追い出し、オート
クレーブを開放し、反応液をとり出した。濃縮
後、ベンゼンメタノール混合溶媒で洗浄し、再び
濃縮、乾燥を行つた。ポリマー収量は60gであつ
た。 得られたポリマーのGPCによる数平均分子量
は8×103であつた。また組成分析を元素分析お
よびNMRを用いて行つたところ、HEP/
EVE/BVE/TMVS=50/20/20/10(モル比)
であつた。 (実験例 1)。 同様にしてモノマーの種類と量を変えて以下の
2種類のポリマーを得た。 (実験例 2) CTFE/EVE/CyHVE/TMVS=50/30/
10/10(モル比) n=2×104 (実験例 3) HFP/EVE/BVE/TEVS*=40/35/10/
15(モル比) n=6×103 *CTFE(モノクロロトリフルオロエチレン) CyHVE(シクロヘキシルビニルエーテル) TEVS(トリエトキシビニルシラン) 実施例 1 実験例1のフツ素系重合体の100重量部に対し、
メチルシリケート51(コルコート社製)及びジブ
チル錫ジラウレートを表1に示す割合(重量部)
で配合し、さらにトルエン67重量部を配合し、樹
脂溶液を得た。次に該溶を鋼板に100μアブリケ
ータを用いて塗布し、室温で10日間放置後以下の
各種試験を行つた。結果を表1に示す。尚この溶
液は2時間放置後も比較例1に示されるような表
面の皮張り現象は見られなかつた。 碁盤目剥離試験:鋼板に塗布した塗り板の塗膜
表面に「JIS K5400―1979塗料一般試験方法6.15
碁盤目試験」に準じて切り傷を入れた。次に、碁
盤目部分の塗膜表面に幅20mmセロハン粘着テープ
をあて、その上から幅7mmのスパチユラで強くこ
すりながらテープを塗膜面に密着させたあと、急
速にセロハンテープを鉛直上方に引き上げてはが
した。このセロハンテープの密着とはがしを碁盤
目の4辺の各方向から系4回行い、除かれずに残
つた碁盤目の数を調べ、その数で試験成績を標示
した。 アセトン、トルエン浸漬:アセトンまたはトル
エン中に24時間浸漬し、塗膜の剥離状態を
観察した。 鉛筆硬度:JIS K5400(1979)6.14 デユポン衝撃:JIS K5400(1979)6.13.3B法1
Kg、1/2インチ
【表】 実施例 2 実施例1におけるメチルシリケート51をメチル
シリケート51とテトラメチルオルトシリケートの
1:1(重量比)混合物とし、実施例1と同様に
試験を実施したところ、同じ結果を得た。 実施例 3 実施例1においてアプリケーターの種類をか
え、膜厚を変えて試験を行つたが、膜厚による試
験成績の差はみられなかつた。結果を表2に示
す。
【表】 比較例 1 実験例1の重合体100重量部、トルエン67重量
部、ジブトキシチタンビスオクチレングリコレー
ト70%(オルガチツクスTC200、松本製薬製)
28重量部の溶液を鋼板にアブリケータを用いて塗
布した。 室温養生10日における膜厚と碁盤目剥離試験結
果の関係を表3に示す。
【表】 なお、この溶液では、静置10分で液の表面に皮
張りが見られ、これは撹拌によつても再溶解しな
かつた。 比較例 3 実験例1の重合体100重量部、γ―グリシドキ
シプロピルトルメトキシシラン(信越化学工業製
KBM―403)10、200重量部、トルエン67重量
部、ジブチル錫ジラウレート0.06重量部より成る
溶液を100μアプリケータを用いて鋼板に塗布し
た。室温養生10日後、碁盤目剥離試験を実施した
ところ、いずれも剥離が見られた。 実施例 4 実験例2の重合体100重量部、メチルシリケー
ト51(コルコート社製)5重量部、トルエン67重
量部、ジブチル錫ジラウレート0.06重量部の溶液
を実施例1と同様に塗布養生した。各試験結果を
表4に示す。
【表】 なお、メチルシリケート添加による膜の引張、
引裂強度、60゜―60゜鏡面反射率の低下は見られな
かつた。 実施例 5 実験例3の重合体100重量部、エチルシリケー
ト40(コルコート社製)3重量部、エチルシリケ
ート28(コルコート社製)3重量部、ジブチル錫
ジラウレート0.6重量部の溶液を鋼板に100μアプ
リケーターを用いて塗布した。室温養生10日目に
おける試験結果を表5に示す。
【表】 実施例 6 実験例1の重合体100重量部に対し、テトラメ
チルオルトシリケートのオリゴマー(メチルシリ
ケート51,コルコート社製)を0及び5重量部配
合し、さらにトルエン67重量部を配合して樹脂溶
液を得た。 次に該溶液を鋼板に100μアプリケータを用い
て塗布し、室温で40日間放置後、碁盤目剥離試
験、アセトン浸漬、トルエン浸漬の各試験を行つ
た。 結果を表6に示す。
〔発明の効果〕
本発明の構成による塗料の特長としては、以下
のことがある。 空気と接触しても粘度上昇が小さく、表面皮
膜の形成がない。金属キレート化物を配合した
塗料は、密閉容器を開けると空気と接触した部
分(表層部)が速やかに硬化し皮膜を形成し、
塗装性が低下する。しかし有機シリケートを配
合した本発明の塗料はこのような現象がなく、
塗装性に優れる。 皮膜の厚み差による接着強度の変化がない。 金属キレート化物配合塗料は、皮膜厚さが厚
くなると急激に接着強度が低下するが、本発明
の塗料においては接着強度の厚み依存性がな
く、如何なる膜厚のものでも強固な接着強度を
示す。 皮膜特性が低下しない。 有機シリケートを配合したことによるフツ素
系重合体皮膜の特性への悪影響がない。 以上の如く本発明の塗料は種々の特性を有する
ので、その結果通常の液体塗料と同じように刷
毛、スプレー、ローラコータ等で金属、木、プラ
スチツク、セラミツク、紙、ガラスなどの表面に
塗布する。硬化後に被覆は耐候性、耐薬品性、耐
溶剤性、耐水性、耐熱性、低摩擦性に優れ、更に
透明性、光沢なども優れている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 () (a)フルオロオレフイン、(b)ビニルエ
    ーテル、(c)オレフイン性不飽和結合および加水
    分解可能な基をもつ有機珪素化合物とから構成
    されるフツ素系重合体、 () 一般式 Rは炭素数1〜8のアルキル基またはアリル
    基もしくはアリール基、nは0もしくは11以下
    の整数を表わす、 で示される有機シリケート、 および () 有機溶剤、 からなることを特徴とする接着性良好なるフツ素
    系塗料。
JP9968885A 1984-12-14 1985-05-13 接着性良好なるフツ素系塗料 Granted JPS61258852A (ja)

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