JPH06104703B2 - 加水分解性シリル基含有フルオロオレフイン共重合体の製造方法 - Google Patents

加水分解性シリル基含有フルオロオレフイン共重合体の製造方法

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JPH06104703B2
JPH06104703B2 JP60223196A JP22319685A JPH06104703B2 JP H06104703 B2 JPH06104703 B2 JP H06104703B2 JP 60223196 A JP60223196 A JP 60223196A JP 22319685 A JP22319685 A JP 22319685A JP H06104703 B2 JPH06104703 B2 JP H06104703B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規にして有用なる、加水分解生シリル基を
含有するフルオロオレフィン共重合体の製造方法に関す
る。さらに詳細には、本発明は、特定のシリル基含有化
合物の存在下に、フルオロオレフィンおよびカルボン酸
ビニルエステルを必須の成分とする単量体混合物を重合
せしめることから成る、塗料やシーリング剤などとして
利用し得る、当該加水分解生シリル基の存在により、常
温で、湿気硬化性を有する、溶剤可溶型の、ふっ素樹脂
の、極めて実用性の高い製造方法に関する。
〔従来の技術〕
これまでにも、架橋可能なふっ素樹脂としては、それぞ
れ、特開昭57−34107号、58−136662号、59−102961号
および59−102962号公報などに記載されている如く、ベ
ースポリマー中に水酸基を導入し、該水酸基と反応性を
有する硬化剤、すなわちポリイソシアネート樹脂または
メラミン樹脂などを用いて常温で、あるいは加熱するこ
とによって架橋硬化せしめるという形のものが知られて
いる。
このようにして得られる硬化塗膜は、従来の水酸基含有
アクリル樹脂/ポリイソシアネート樹脂、水酸基含有ポ
リエステル樹脂/ポリイソシアネート樹脂、水酸基含有
アクリル樹脂/メラミン樹脂または水酸基含有ポリエス
テル樹脂/メラミン樹脂などの組み合わせになる樹脂組
成物から得られる硬化塗膜に比して著しく耐候性、耐薬
品性などこそ良好であるものの、ベースポリマー中に水
酸基を有している処から、さらにこれらの水酸基と当量
のポリイソシアネート樹脂またはメラミン樹脂が配合さ
れるため、いわゆるメンテナンス・フリーと言えるほど
に高度の耐候性を有する塗膜であるとは言い難い。
一方、加水分解性シリル基を有する樹脂としては、アク
リル樹脂またはポリエーテル樹脂に該シリル基を導入し
たものが知られており、湿気硬化性を有する塗料用樹脂
あるいはシーラー用樹脂として検討されている。
これらの加水分解性シリル基含有樹脂から得られた硬化
物は、ポリイソシアネート樹脂やメラミン樹脂による硬
化物に較べて耐候性は良好であるが、こうした形のもの
もまた耐候性は不十分である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、いわゆるメンテナンス・フリーと言い得る
ような、高度の耐候性を有するという形の樹脂系は、目
下の処、得られていないというのが、実状である。
しかるに、本発明者らは、上述したような従来技術にお
ける種々の欠点ないしは欠陥の存在に鑑み、こうした実
状を充分に認識して、とりわけ、高度の耐候性などを有
する硬化物を与える、極めて実用性の高い、加水分解性
シリル基含有フルオロオレフィン共重合体を、就中、当
該共重合体の製造方法を求めて、鋭意、研究を開始し
た。
したがって、本発明が解決しようとする問題点は、一に
かかって、常温硬化性であって、とりわけ、耐候性など
に優れるという、極めて実用的価値の高い、加水分解性
シリル基含有フルオロオレフィン共重合体の製造方法を
提供しようとするものである。
〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者らは、上述したような発明が解決しよ
うとする問題点に照準を合わせることにより、ポリイソ
シアネート樹脂によるウレタン架橋や、メラミン樹脂に
よるエーテル架橋などによるよりも、加水分解性シリル
基によるシリコン架橋による方が、とりわけ、耐候性な
どに優れ、加えて、アクリル樹脂やポリエーテル樹脂な
どよりも、ふっ素樹脂が此の耐候性などに優れていると
の見地から、鋭意、検討を重ねた結果、加水分解性シリ
ル基を有する形の、特定のフルオロオレフィン共重合体
が、上述の系よりも、著しく、耐候性などに優れる硬化
物を与えるし、しかも、或る特定の単量体を併用した場
合には、得られる樹脂溶液ならびに被膜に、ニゴリを生
じないということを見出すに及んで、ここに、本発明を
完成させるに到った。
すなわち、本発明は、基本的には、加水分解性シリル基
含有連鎖移動剤の存在下に、フルオロオレフィンおよび
カルボン酸ビニルエステルを必須の成分とする単量体混
合物を共重合せしめるか、加水分解性シリル基含有連鎖
移動剤および加水分解性シリル基含有ビニル系単量体の
存在下に、フルオロオレフィンおよびカルボン酸ビニル
エステルを必須の成分とする単量体混合物を共重合せし
めるか、あるいは、単に、フルオロオレフィンおよびカ
ルボン酸ビニルエステルを必須の成分とする単量体混合
物と、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体とを共重
合せしめることから成る、常温で、湿気硬化性を有す
る、溶剤可溶型の、加水分解性シリル基含有フルオロオ
レフィン共重合体の、極めて実用性の高い、斬新なる製
造方法を提供しようとするものである。
ここで、加水分解性シリル基を、フルオロオレフィン・
ポリマー鎖中に導入せしめる方法としては、 加水分解性シリル基を有するビニル単量体を、フルオ
ロオレフィン類およびカルボン酸ビニルエステルを必須
の成分とする単量体混合物と共に、共重合せしめると
か、 加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤の存在下に、
フルオロオレフィン類およびカルボン酸ビニルエステル
を必須の成分とする単量体混合物を共重合せしめると
か、さらには 上記した、それぞれ、ととの併用、つまり、加水
分解性シリル基含有ビニル単量体と、加水分解性シリル
基含有連鎖移動剤との共存下に、フルオロオレフィン類
およびカルボン酸ビニルエステルを必須の成分とする単
量体混合物を共重合せしめる という方法などが適用できるが、こうした加水分解性シ
リル基の導入の効率性ならびに得られる共重合体の硬化
性などを考慮すると、およびなる方法が好適であ
る。
そしてフルオロオレフィンとしては、フッ化エチレン、
フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、トリフルオロメチルトリフルオロビ
ニルエーテルまたはヘプタフルオロプロピルトリフルオ
ロビニルエーテルの如きパーフルオロアルキルパーフル
オロビニルエーテルなどが代表的なものであり、就中、
テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、クロロト
リフルオロエチレンまたはヘキサフルオロプロピレンが
好適であり、これらは単独でも2種以上の併用でもよ
い。
かかるフルオロオレフィン類の使用量としては、全単量
体中の10〜70重量%、好しくは20〜60重量%なる範囲内
が適当である。
次に、前記したないしはの方法で用いられる加水分
解性シリル基を含有する単量体とは、次の一般式 〔ただし、式中のR1は水素原子またはアルキル基、アリ
ール基もしくはアラルキル基なる1価の有機基を、R2
ハロゲン原子またはアルコキシ基、アシロキシ基、フェ
ノキシ基、メルカプト基、アミノ基、イミノオキシ基も
しくはアルケニルオキシ基を表わすものとし、aは0、
1または2なる整数であるものとする。〕 で示されるハロシリル基、アルコキシシリル基、アシロ
キシシリル基、フェノキシシリル基、メルカプトシリル
基、アミノシリル基、イミノオキシシリル基またはアル
ケニルオキシシリル基などの如き加水分解され易い官能
基を含有する単量体を指称する。
かかる単量体の具体例としては、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキ
シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキ
シシラン、トリメトキシシリルエチルビニルエーテル、
トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、メチルジメ
トキシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリ
ルプロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピ
ルビニルエーテル、メチルジメトキシシリルプロピルビ
ニルエーテル、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリエトキシシランまたはγ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが
挙げられる。
前述したようなフルオロオレフィン類と併用し得る、前
記のカルボン酸ビニルエステルとして特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸
ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリン酸ビニルもしくはステアリ
ン酸ビニルの如き、各種の直鎖状ないしは分岐状の脂肪
族カルボン酸のビニルエステル類;シクロヘキサンカル
ボン酸ビニルエステルの如き、各種の脂環式カルボン酸
のビニルエステル類;あるいは安息香酸ビニル、p−te
rt−ブチル安息香酸ビニルもしくはサリチル酸ビニルの
如き、各種の芳香族カルボン酸のビニルエステル類など
である。
また、以上に掲げられた、フルオロオレフィン類および
カルボン酸ビニルエステルと共に用いられる、共重合性
の他の単量体類としては、ヒドロキシエチルビニルエー
テル、ヒドロキシプロピルビニルエーテルもしくはヒド
ロキシブチルビニルエーテルの如き、各種のヒドロキシ
アルキルビニルエーテル類;メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、tert
−ブチルビニルエーテルもしくはシクロヘキシルビニル
エーテルの如き、各種の直鎖状ないしは分岐状の脂肪族
または脂環式ビニルエーテル類;エチレン、プロピレン
もしくはブテン−1の如き、各種のオレフィン類;塩化
ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、前記のフルオロ
オレフィン類を除く、ハロゲン化オレフィン類;スチレ
ン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如
き、各種の芳香族ビニル類;アリルアルコールもしくは
アリルグリシジルエーテルの如き、各種のアリル系化合
物;マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種の不飽和
二重結合含有多塩基酸のジ−ないしはモノエステル類;
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、もしくはN−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き、各種の
含窒素単量体類;(無水)マレイン酸もしくは(無水)
イタコン酸の如き、各種の不飽和二重結合含有(無水)
多塩基酸類;あるいは、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル
(メタ)アクリル酸オクチルもしくは(メタ)アクリル
酸ステアリンをはじめとする、公知慣用の各種の(メ
タ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
このうちで、得られたポリマーの溶剤に対する溶解性の
点からC5〜C18なる脂肪族カルボン酸のビニルエステル
類;脂環式カルボン酸のビニルエステル類;および芳香
族カルボン酸ビニルエステル類よりなる群から選ばれる
1種または2種以上の混合物を全単量体中の10重量%以
上含有させることが望ましい。さらに好ましくは、エチ
ルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルまたはシクロ
アルキルビニルエーテルの如き直鎖状ないしは分岐状の
脂肪族もしくは脂環式ビニルエーテルを全単量体中の5
重量%以上含有させると、得られる樹脂溶液および塗膜
にニゴリを生じなくなる。
次に、前記またはなる方法で用いられる加水分解性
シリル基を含有する連鎖移動剤とは、本来、共重合体の
分子量調節のために用いられるものであるが、それと同
時にフルオロオレフィン共重合体の分子鎖末端に加水分
解性シリル基を導入する目的で使用するものであって、
好ましくは該シリル基を含有する単量体との併用、すな
わちの方法において用いるのが望ましい。
かかる加水分解性シリル基含有連鎖移動剤の具体例とし
ては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシランまたはγ−メルカプト
プロピルトリイソプロペニルオキシシランなどがある。
これらの加水分解性シリル基含有単量体および加水分解
性シリル基含有連鎖移動剤は、得られるポリマーの硬化
性の観点から、樹脂固形分1000g当りの加水分解性シリ
ル基の導入量が、0.1〜3モルの範囲となる量で使用す
ることが好ましい。
以上に述べた単量体類、さらに必要に応じて前記連鎖移
動剤の存在下にラジカル開始剤を用いて、塊状重合また
は溶液(加圧)重合などの公知の技術を駆使し、回分
式、半連続式あるいは連続式の操作で重合させればよ
い。
かかるラジカル開始剤としては、アセチルパーオキサイ
ドもしくはベンゾイルパーオキサイドの如きジアシルパ
ーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイドも
しくはシクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパ
ーオキサイド類;過酸化水素、t−ブチルハイドロパー
オキサイドもしくはクメンハイドロパーオキサイドの如
きハイドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキ
サイドもしくはジクミルパーオキサイドの如きジアルキ
ルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテートも
しくはt−ブチルパーオキシピバレートの如きアルキル
パーオキシエステル類;アゾビスイソブチロニトリルも
しくはアゾビスイソバレロニトリルの如きアゾ系開始剤
類;または過硫酸アンモニウムもしくは過硫酸カリウム
の如き過硫酸塩などが用いられ、さらに必要に応じて亜
硫酸水素ナトリウムもしくはピロ亜硫酸ナトリウムの如
き無機の還元剤またはナフテン酸コバルトもしくはジメ
チルアニリンの如き有機の還元剤もまた用いられる。
共重合反応方法としては、前記した如き公知の各種方法
が可能だが、そのうちでも、溶液加圧重合が簡便であ
る。そのさいに用いられる溶剤としては、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、n−ヘキサンもしくはオクタ
ンの如き炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチルもしくは
酢酸ブチルの如きエステル系;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンも
しくはメチルアミルケトンの如きケトン系;ジメチルホ
ルムアミドもしくはジメチルアセトアミドの如きアミド
系;メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−
ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノールもしく
はエチレングリコールモノアルキルエーテルの如きアル
コール系溶剤またはこれらの混合物の如きものが使用で
きるが、得られる共重合体の保存安定性を向上させる目
的で、アルコール系溶剤を含む溶剤を用いることが好ま
しい。またかかる溶剤中には、反応系に存在する微量の
水分を除去する目的でオルトぎ酸トリメチル、オルトぎ
酸トリエチルもしくはオルトぎ酸トリブチルの如きオル
トぎ酸トリアルキル類;オルト酢酸トリメチル、オルト
酢酸トリエチルもしくはオルト酢酸トリブチルの如きオ
ルト酢酸トリアルキル類;オルト硼酸トリメチル、オル
ト硼酸トリエチルもしくはオルト硼酸トリブチルの如き
オルト硼酸トリアルキル類;テトラメチルシリケート、
テトラエチルシリケート、テトラブチルシリケート、テ
トラ(2−メトキシエチル)シリケートもしくはテトラ
(2−クロロエチル)シリケートの如きテトラ(置換)
アルキルシリケート類単体;テトラフェニルシリケート
もしくはテトラベンジルシリケートの如き上記テトラ
(置換)アルキルシリケート類と同効物質(以下、同効
単体と略記する。);あるいはテトラエチルシリケート
のダイマー、トリマー、テトラマーもしくはヘキサマー
または「エチルシリケート40」〔日本コルコート(株)
の製品で、テトラエチルシリケートのテトラマー、ペン
タマーおよびヘキサマーの混合物〕などの上掲した各テ
トラ(置換)アルキルシリケート類単体や、該シリケー
ト類の同効単体の縮合物などの加水分解性エステル化合
物類の1種又は2種以上の混合物を、あるいは重合用溶
剤および共重合に供する単量体にイソシアネート基と反
応性を有する活性水素を含有しない場合にあっては、ベ
ンゼンスルフォニルイソシアネート、p−トルエンスル
フォニルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p
−クロロフェニルイソシアネート、2,4−トルエンジイ
ソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートまたは
ヘキサメチレンジイソシアネート、好しくはベンゼンス
ルフォニルイソシアネート、p−トルエンスルフォニル
イソシアネート、フェニルイソシアネートまたはp−ク
ロロフェニルイソシアネートの如きモノイソシアネート
類を共存させて重合反応せしめることができる。
またこの重合にさいしては、分子量調節剤としてラウリ
ルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノールまたはα−メチルスチレンダイマーの如き
各種の連鎖移動剤をも使用することができる。
共重合反応のさいの反応温度としては、−20℃〜130℃
なる範囲内が好適であり、また反応圧力としては1〜10
0kg/cm2なる範囲内が、好しくは5〜60kg/cm2なる範囲
内が適当である。
このようにして得られるフルオロオレフィン共重合体の
数平均分子量()としては1000〜30,000なる範囲内
が好適である。
以上の如き本発明の方法に従って目的とする加水分解性
シリル基含有フルオロオレフィン共重合体が得られる
が、このものにさらに硬化触媒、溶剤類、顔料、各種樹
脂類、流動調整剤、色分れ防止剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤またはシランカップリング剤などの公知慣用の添
加剤成分をも加えて室温硬化性樹脂組成物として使用で
きる。
かかる硬化触媒としては、前述した加水分解性シリル基
含有フルオロオレフィン共重合体の加水分解ないしは縮
合反応として用いられている公知慣用の触媒をそのまま
使用すればよく、かかる硬化触媒の具体例としてはブチ
ルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、t−ブチ
ルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、イソ
ホロンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムもしくはナトリウムメチ
ラートの如き塩基性化合物;テトライソプロピルチタネ
ート、テトラブチルチタネート、オクチル酸錫、オクチ
ル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、
ジブチル錫ジラウレートもしくはジブチル錫マレートの
如き含金属化合物;p−トルエンスルホン酸、トリクロル
酢酸、燐酸、モノアルキル燐酸、ジアルキル燐酸、β−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの燐酸エステ
ル、モノアルキル亜燐酸もしくはアルキル亜燐酸の如き
酸性化合物がある。かかる硬化触媒の使用量としては、
加水分解性シリル基含有フルオロオレフィン共重合体の
固形分量に対して0.001〜10重量%、好しくは0.01〜5
重量%なる範囲内が適当である。
次に溶剤類としては、本発明方法に従って得られた加水
分解性シリル基含有フルオロオレフィン共重合体をはじ
め、硬化触媒、顔料または他の添加剤成分のいずれをも
溶解ないしは安定に分散させ得るものであればよく、具
体的には前記共重合体の製造時に用いられるような溶剤
類および加水分解性エステル化合物類などがそのまま用
いられる。
ここにおいて、当該溶剤類の存在割合としては、得られ
る加水分解性シリル基含有フルオロオレフィン共重合体
溶液の粘度とも関係する処から、一義的には規定し得な
いけれども、溶剤量の規則に関して言えば、出来る限
り、少量にとどめるべきを旨として、前述した加水分解
性シリル基含有フルオロオレフィン共重合体の固形分を
基準として、通常は、5〜95重量%なる範囲内が、好ま
しくは、10〜95重量%なる範囲内が適切であり、一層、
好ましくは、20〜80重量%なる範囲内が適切である。
顔料の具体例としては、酸化チタン、炭酸カルシウムも
しくはカーボンブラックなどの無機系顔料、フタロシア
ニン系、キナクリドン系もしくはアゾ系などの有機系顔
料をはじめ、本発明者らが先に発明して特開昭60−5175
3号明細書に開示されているような、あらかじめ樹脂類
で顔料を処理加工した分散顔料などが挙げられる。
各種樹脂類としては、通常塗料用樹脂として用いられて
いるものであれば特に限定されることなく使用できる
が、そのうちでも特に代表的なものとしてはスチレンを
含んでいてもよい(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、アルキッド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ポリイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂あ
るいは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などの塩化ビニ
ル系樹脂またはニトロセルロースもしくはセルロースア
セテートブチレートなどの繊維素系樹脂、ケトン樹脂、
石油樹脂、さらにはポリエチレンもしくはポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン類の塩素化物、本発明者らが先
に発明して特開昭58−168625号明細書に開示されている
ようなアルコキシシラン変性樹脂、テトラフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレンまたはこれらと共重
合できる単量体類を共重合して得られる各種のふっ素樹
脂類、などが挙げられる。
シランカップリング剤の代表的なものとしては、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシランまたはγ−メタアクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
かくして本発明方法により得られた共重合体は、常法に
より被塗物に塗布し、室温で数日間乾燥させることによ
り、あるいは60〜150℃で1分間ないしは30分間焼付け
ることにより耐候性に極めてすぐれた硬化被膜を与える
ものである。
〔発明の用途〕
本発明方法に従って得られた加水分解性シリル基含有フ
ルオロオレフィン共重合体は塗料用樹脂およびシーリン
グ用樹脂などとして利用できるが、特にこれらに限定さ
れるものではない。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例、比較例、応用例および比較応用
例により詳細に説明するが、特に断りのない限り部およ
び%はすべて重量基準であるものとする。
実施例1〜4 内容積が2000mlなるステンレス製の耐圧管に、900gのメ
チルイソブチルケトンおよび80gのn−ブタノールと、2
0gのオルトぎ酸メチルおよび10gの「パーブチルPV」
〔日本油脂(株)製のラジカル重合開始剤〕と、第1表
に示されている通りのビニルトリメトキシシラン(VS
i)、トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル(VES
i)、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(γ
−MPTMSi)、エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘ
キシルビニルエーテル(CHVE)、「ベオバー9」〔オラ
ンダ国シェル社製の、C9なるアルキル基を有するカルボ
ン酸ビニルエステル;VV−9〕または安息香酸ビニルエ
ステル(VBZ)を仕込んでドライアイス/メタノール浴
で−70℃に冷却し、窒素ガスを吹き込んで耐圧管内の空
気を置換した。次いで、液化採取したヘキサフルオロプ
ロピレン(HFP)またはクロロトリフルオロエチレン(C
TFE)を同表に示されている通りに仕込んで封管せしめ
た。
なお、テトラフルオロエチレン(TFE)を用いる場合に
はバルブ付きの耐圧管を使用し、上記と同様の仕込を行
なったのちTFEボンベより、このTFEを加圧封入し、次い
でバルブを閉めてから秤量するようにした。
かくて、それぞれの耐圧管を60℃に加温した回転式恒温
水槽に入れて16時間反応を行なってから内容物を取り出
して性状値を測定した。それらの結果はまとめて同表に
示す。
比較例1(加水分解性シリル基不含のフルオロオレフィ
ン共重合体の調製剤) 2000mlなるステンレス製オートクレーブに、500gのトル
エンおよび500gのメチルイソブチルケトンを仕込んでド
ライアイス/メタノール浴で−70℃に冷却し、窒素ガス
を導入して系内を窒素置換せしめた。
次いで、液化採取したCTFEの400gを仕込んで60℃に昇温
し、さらにVV−9の400部、メチルメタクリレート(MM
A)の150部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート(β
−HEMA)の50部およびアゾビスイソバレロニトリルの20
部からなる混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後も
同温度に15時間保持せしめて、不揮発分(NV)が50%
で、かつ水酸基価が10.8なる対照用の共重合体溶液を得
た。以下、これをCP−1′と略記する。
比較例2(加水分解性シリル基含有アクリル共重合体の
調製例) 攪拌装置、温度計、窒素導入管および還流冷却器を備え
た反応器にトルエンの400g、n−ブタノールの294gおよ
びオルトぎ酸メチルの6部を仕込んで窒素雰囲気中で10
5℃に昇温し、さらに同温度でスチレンの300g、MMAの40
0g、n−ブチルアクリレートの200g、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルトリメトキシシランの100g、アゾビス
イソブチロニトリルの10gおよびt−ブチルパーオキシ
ベンゾエートの5gおよびトルエンの300gからなる混合物
を3時間で滴下し、滴下終了後も同温度に15時間保持せ
しめて、NVが50%で、かつガードナー・カラーが1以下
なる対照用の共重合体溶液を得た。以下、これをCP−
2′と略記する。
この共重合体の官能基濃度は「0.40モル/樹脂固形分10
00g」であった。
応用例1〜5および比較応用例1〜3 実施例1〜4で得られた各フルオロオレフィン共重合体
(CP−1)〜(CP−4)、または比較例1および2で得
られた各共重合体(CP−1′)もしくは(CP−2′)
と、硬化触媒、硬化剤または顔料とを第2表に示される
ような配合割合で、常法に従って混合塗料化せしめ、次
いで同表に示される希釈シンナーでスプレー粘度まで希
釈せしめて塗料溶液を調製した。
しかるのち、それぞれの塗料を0.8mm厚の軟鋼板に乾燥
膜厚が40μmになるようにスプレー塗装せしめた。得ら
れた塗板は23℃で1週間、常温乾燥せしめ試験板とし
た。
なお、応用例5および比較応用例3にあっては、メタリ
ックベース用塗料を乾燥膜厚が20μmとなるように塗布
して1時間のセッティングののち、同表に示されている
クリヤー塗料を塗布して硬化せしめるという方法を採っ
た。
すなわち、メタリックベース塗料の調製は下記の原料を
混合し、 「アクリディック44−127」 〔大日本インキ化学 100
部工業(株)製のアクリルポリオール;NV=50%、水酸
基価=32.5〕 「バーノックDN−950」 (同上社製のポリイ 19.5部
ソシアネート樹脂;NV=75%、イソシアネート基含有率
=12.5%〕 「アルペースト1109MA」 〔東洋アルミニウム(株)
11部製の、アルミニウム・ペースト;NV=65%〕 さらに、トルエン/キシレン/酢酸エチル=30/40/30
(重量比)なる希釈シンナーでフォードカップ#4によ
る希釈粘度が14秒となるように希釈して、金属粉末濃度
が10%となるアクリルウレタン系メタリックベース用塗
料を得るという方法によった。
〔発明の効果〕 第2表の効果からも明らかなように、本発明の方法に従
って調製される加水分解性シリル基含有フルオロオレフ
ィン共重合体は極めて耐候性にすぐれた硬化塗膜を与え
るものであることが知れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08F 214/18 218:04 230:08)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解性シリル基含有連鎖移動剤の存在
    下に、フルオロオレフィンおよびカルボン酸ビニルエス
    テルを必須の成分とする単量体混合物を共重合せしめる
    か、加水分解性シリル基含有連鎖移動剤および加水分解
    性シリル基含有ビニル系単量体の共存下に、フルオロオ
    レフィンおよびカルボン酸ビニルエステルを必須の成分
    とする単量体混合物を共重合せしめるか、あるいは、単
    に、フルオロオレフィンおよびカルボン酸ビニルエステ
    ルを必須の成分とする単量体混合物と、加水分解性シリ
    ル基含有ビニル系単量体とを共重合せしめることを特徴
    とする、加水分解性シリル基含有フルオロオレフィン共
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記したフルオロオレフィンが、テトラフ
    ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
    フルオロプロピレンおよびふっ化ビニリデンよりなる群
    から選ばれる、少なくとも1種の化合物である、特許請
    求の範囲第1項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記したカルボン酸ビニルエステルが、直
    鎖状ないしは分岐状の脂肪族カルボン酸のビニルエステ
    ル類、脂環式カルボン酸のビニルエステル類および芳香
    族カルボン酸のビニルエステル類よりなる群から選ばれ
    る、少なくとも1種の化合物である、特許請求の範囲第
    1項に記載の製造方法。
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