JPS6330945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷凍又は冷蔵庫や冷凍又は冷蔵シヨ
ーケース等に用いられる断熱箱の構造に関する。

この種の断熱箱においては従来、第１図および
第２図に示すように、筐体１は内箱２と外箱３と
の間に断熱材４を介在させ、庫内外を断熱するよ
うに作られている。さらに内箱２と外箱３とは、
扉５で開閉される開口の口縁近傍に、両者の熱伝
導を防止するために少し許りの間隔を残されてい
る。

その伝熱防止用間隔を塞ぐのに従来は、第２図
に示した構造の化粧枠６を用いることが知られて
いる。その化粧枠６は硬質樹脂を用いて成形され
たもので、内箱２と外箱３との接続部、即ち前記
伝熱防止用間隔に断熱略ロ字形の嵌合辺７を挿入
し、その両側の装着辺８，９を内箱２と外箱３と
にそれぞれ螺子１１，１２によつて固定される。
そして嵌合辺７によつて形成された外向きの溝１
３に電気配線１４を配し、さらに化粧枠６に外側
から硬質樹脂製の化粧枠カバー１５を嵌め込む。
装着されたカバー１５はその両端に形成した鉤部
１６，１７が装着辺８，９の先端に係合すること
で抜け止めが行なわれる。

しかし第２図のような構造にあつては、カバー
１５の装着前に電気配線１４が溝１３からはみ出
してしまうことがあり、この状態のままカバー１
５を装着した場合には、電気配線１４が化粧枠６
とカバー１５との間にはさまれ、電気的な事故が
生じることがある。このため実際には、溝１３内
に配した電気配線１４を先ずテープ等で押えて電
気配線１４のはみ出し等を防止せざるを得ず、し
たがつて作業が複雑化するという問題がある。

また溝１３内に配した電気配線１４がカバー１
５を押すこともある。そこで従来は、カバー１５
の化粧枠６からの不慮の外れを防止するために、
化粧枠６の両装着辺８，９の先端にそれぞれ係合
片１８，１９を設けると、化粧枠６の成形が面倒
になり、その上、カバー１５の故障時にもその交
換作業が容易ではなくなる。

それ故に本考案の目的は、内箱と外箱との接続
部に備えられる化粧枠を成形容易にするととも
に、この化粧枠を覆うカバーの着脱も容易な構造
にした断熱箱の提供にある。

本考案の他の目的は、断熱箱のコーナー部分に
おける上述した化粧枠およびカバーの組み合わせ
構造の外観をさらに向上させることにある。

本考案によれば、内箱と外箱との接続部に間隔
を残し、該接続部に対応して化粧枠を設け、該化
粧枠によつて該内箱と該外箱とを互いに接続し、
さらに該化粧枠の外側に化粧枠カバーを被せてな
る断熱箱において、上記化粧枠は、上記接続部の
間隔に嵌入された断面ロ字形の嵌合辺と、上記内
箱および外箱の外表面に夫々対向して固定された
対の装着辺とを一体に有しており、上記化粧枠カ
バーは上記装着辺の先端に引掛る係合部を有して
おり、さらに該断熱箱のコーナー部における上記
化粧枠および上記化粧枠カバーの継ぎ合わせ部に
はコーナーカバーを設けてあり、該コーナーカバ
ーは相隣接した上記化粧枠カバーの端部を夫々受
け入れた互いに直角向きの二つの溝を有したもの
であり、かつ該二つの溝のうちの少なくとも一方
の内部には上記化粧枠カバーを外方へ向けて付勢
したスプリング部材を設けてあることを特徴とす
る断熱箱が得られる。

このような本考案の断熱箱によると、化粧枠の
嵌合辺は断面ロ字形になつているので、その嵌合
辺の内部に電気配線を設けたとしても、その電気
配線によつて化粧枠カバーが押されて外れるとい
うようなことはなく、したがつて化粧枠に対する
化粧枠カバーの引掛けをそれほど強固に得る必要
はないため、化粧枠の構造を簡素化して成形を容
易にするとともに、化粧枠カバーの交換も容易に
することができる。また化粧枠と化粧枠カバーと
の継ぎ合わせ部にはコーナーカバーが設けられて
いるので、この断熱箱のコーナー部分の外観がさ
らに向上する。また化粧枠の嵌合辺の内側に電気
配線が設けられた場合にも、その電気配線のはみ
出しはないため電気的事故が起ることはない。ま
た化粧枠の嵌合辺が内箱と外箱との間に設けられ
る断熱材に喰い込む構造であるため、その断熱材
が嵌合辺に対応した部分で薄くなるが、その嵌合
辺が断面ロ字形であるため空気断熱効果をもち、
したがつて断熱材が薄くなることによる断熱不足
分は補なわれる。またコーナーカバーは化粧枠カ
バーを付勢したスプリングによつて外箱に押しつ
けられるので、各部分に寸法バラツキがあつたと
しても化粧枠カバーと化粧枠コーナーカバーとの
間に隙間が生じることはなく、したがつて外箱と
化粧枠コーナーカバーとの間の隙間も防止して外
観の向上を計ることができる。

以下、本考案の実施例を、第１図に加えて、第
３図〜第７図をも参照して説明する。

先ず第１図において、冷凍又は冷蔵庫や、冷凍
又は冷蔵シヨーケースの筐体１は内箱２と外箱３
とで構成され、内箱２と外箱３との間に断熱材４
を充填することで庫内外を断熱するように作られ
ている。内箱２と外箱３とは、筐体１の扉５で開
閉される開口の口縁近傍において接続される。こ
の内箱２と外箱３との接続部には少し許りの間隔
を残して両者の熱伝導を防止し、これにより庫内
外の断熱効果を高めるようにしている。なお筐体
１の下部の機械室２１には、冷凍サイクルの各構
成要素、例えば圧縮機および凝縮器等、が設けら
れる。

さらに第３図および第４図を参照して、硬質樹
脂を用いて成形した化粧枠２２は、内箱２と外箱
３との接続部、即ち前記間隙に挿入される断面略
ロ字形状の嵌合辺２４と、内箱２に装着される装
着辺２５と、外箱３に装着される装着辺２６と、
前記装着辺２５，２６先端に形成される係止部２
７，２７′とを有している。この化粧枠２２の各
部分は全て一定の厚みで成形されている。装着辺
２５，２６には、螺子穴及びリベツト穴３０，３
０′を予め穿設している。

更に、化粧枠２２を固着させるために、内箱２
と外箱３の嵌合辺３１，３１′にあらかじめ螺子
又はリベツト穴３２，３２′を設け、その螺子又
はリベツト穴３２，３２′を利用して、螺子又は
リベツト３３，３３′で化粧枠２２を固定する。
こうして固定された化粧枠２２の断面略ロ字形状
の嵌合辺２４の内側空間２９には、リード線３４
を配設することも可能である。

また、化粧枠カバー２３を装着しやすいように
あらかじめ縦横の化粧枠２２同志の交差部には、
第５図に示したような断面形状の硬質樹脂で成形
した化粧枠コーナーカバー３５を設け、この化粧
枠コーナーカバー３５の互いに直角向きの二つの
溝３６，３６′の夫々に、第６図に示すようにワ
イヤ又は板状のスプリング部材３７，３７′を挿
入配置した上に、化粧枠カバー２３の長手方向端
部を挿入させる。そして化粧枠カバー２３の両先
端部には予め鉤部２８，２８′を設けておき、化
粧枠２２の係止部２７，２７′に化粧枠カバー２
３の係合部となる鉤部２８，２８′を嵌合させる。
かくして化粧枠カバー２３を装着するものであ
る。

これによるとスプリング部材３７，３７′が化
粧枠コーナーカバー３５を外箱２３側へ押し付け
る役割を果すので、各部に寸法バラツキがあつた
としても隙間の発生を防止して外観の向上を計れ
る。なおスプリング部材３７，３７′はいずれか
一方のみ使用されてもよい。

ここで化粧枠コーナーカバー３５の溝３６，３
６′はいずれも、化粧枠カバー２３の幅よりも少
し短かい程度にいずれも十分に長く作る。これに
よれば、溝３６，３６′に挿入された化粧枠カバ
ー２３の姿勢が安定する。

なお化粧枠２２の装着辺２５，２６には、第７
図に示すように、内箱２と外箱３の嵌合辺３１，
３１′に対向する面に軟質樹脂等よりなる複数の
突起３８を一体に設け、断熱材４を形成する現場
発泡液のもれを未然に防ぐようにすることは好ま
しい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る断熱箱の一例を示す斜視
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つた従来例の
拡大断面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線に沿つた
本考案の一実施例の拡大断面図、第４図は本考案
の一実施例の要部のみを示した分解斜視図、第５
図は同実施例で使用された化粧枠コーナーカバー
の断面図、第６図は化粧枠コーナーカバーにスプ
リング部材を組み込む様子を示す斜視図、第７図
は化粧枠の変形実施例を示した断面図である。 １……筐体、２……内箱、３……外箱、４……
断熱材、２２……化粧枠、２３……化粧枠カバ
ー、２４……嵌合辺、２５，２６……装着辺、２
７，２７′……係止部、２８，２８′……係合部と
なる鉤部、３５……化粧枠コーナーカバー、３
６，３６′……溝、３７，３７′……スプリング部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内箱と外箱との接続部に間隔を残し、該接続部
   に対応して化粧枠を設け、該化粧枠によつて該内
   箱と該外箱とを互いに接続し、さらに該化粧枠の
   外側に化粧枠カバーを被せてなる断熱箱におい
   て、上記化粧枠は、上記接続部の間隔に嵌入され
   た断面ロ字形の嵌合辺と、上記内箱および外箱の
   外表面に夫々対向して固定された対の装着辺とを
   一体に有しており、上記化粧枠カバーは上記装着
   辺の先端に引掛る係合部を有しており、さらに該
   断熱箱のコーナー部における上記化粧枠および上
   記化粧枠カバーの継ぎ合わせ部にはコーナーカバ
   ーを設けてあり、該コーナーカバーは相隣接した
   上記化粧枠カバーの端部を夫々受け入れた互いに
   直角向きの二つの溝を有したものであり、かつ二
   つの溝のうち少なくとも一方の内部には上記化粧
   枠カバーを外方へ向けて付勢したスプリング部材
   を設けてあることを特徴とする断熱箱。